架空国家を作ろう　亜空世界線

マウサネシアの田舎にある伝統的な家は高床式の平屋の建物で、大きさは4メートル×6メートルから6×10メートル程度まで様々である。
基本的な構造は木製の柱で構成され、建設の際は上階の壁を挿入する前に、先に屋根が建てられるのが特徴である。つまり壁ではなく柱で支える構造である。
屋根には切妻屋根、寄棟屋根、入母屋屋根、錣屋根の大きく分けて4つのバリエーションがある。
どのタイプの家でも共通しているのは、上階の壁の上端と屋根の間に四方で5-10cmの隙間があることである。

住居は高床式で、地面から3メートルも離れていることもある。こうすることで、大雨や湿気が家に影響を与えないようにして、さらに家の下の地面を作業スペースや家畜の避難場所として利用することができるのである。

屋内へ上がるために、木製のはしごやスロープ、階段がひとつの家につき1〜2本ある。

屋内は、リビングと両親の寝室、未婚の娘の部屋の、計3つ以上の部屋があることが多い。

メインとなるリビングは、中央に柱があり、そこには扇風機やテレビ、そして柱に取り付けられた電灯が置かれる。

両親の寝室は、中央の入り口の左側か右側にあり、しばしば織物が掛けられ、他の部屋と区別され、娘の部屋は両親の寝室の反対側にある。

屋内外の気温が36℃、相対湿度が80％、そしてエアコンが無いにもかかわらず、地上階でも上階でも非常に快適である。
電気や機械による空調設備がないにもかかわらず、自然換気だけで風通しのよい環境を実現しているのだ。

伝統的なマウサナ家屋は、シンプルな構造で主な機能を果たしている住居の好例である。
高床式の住居で、地面から軒先や屋根の棟まで等間隔に木製の杭が伸びている構造は、歴史的には棟木組と呼ばれる。

この建物は、生活と仕事の場を提供するだけでなく、風雨にさらされる農村の家の日常生活において、極めて重要なシェルターとしての役割を担っている。

日中、家は大きな傘のような役割を果たし、地上部分となる1階は日中は日陰となり、居住者と家畜のための空間や、倉庫となる。
工作や農機具の修理などの仕事から、食事や家族の会話は常に開放的な地上部分で行われ、家畜(鶏やアヒルが多い)を飼っている場合は、ここで簡単な檻の中で飼われる。

屋内(2階)はラピタとは異なり四方が閉ざされ、寝床となり、衣類や家具、貴重品などが保管される。
屋内の部分は、プライベートな空間として機能しており、基本的に日中は屋内にいることはなく、夜だけここで過ごすという。

台所がある場合、通常、上階より数段低い位置にある。多くの場合、台所は家に隣接して建てられた小屋に設置される。
キッチンへの入り口が、上階と地階の2箇所にあることは珍しくない。また、キッチンが家の近くの別棟にあることもある。

新築の家では、屋根の大梁や大黒柱の一部を光り輝く金属の帯で包み、家の守護精霊を招き入れるなど、細部にまでこだわりがある。

2階に行くための方法は非常に多様で、木製のスロープやはしごが最もシンプルな形だが、木製の階段や、部分的に石造りのものなどがある。
以前は手作業で作られていたが、現在ではプレハブ・コンクリート製のものが広く使われている。

杭は丸柱、根太は角材でできている。壁は椰子マットか竹を素材とし、柱に固定して風雨を防ぐだけで、建物の安定性には影響しない。
屋根は稲藁で葺かれている。このような家の寿命はあまり長くはなく、最長で50年程度であろう。

▲マインクラフトで再現された、現代の農村におけるマウサナ家屋。

現代のマウサナ家屋は、伝統的なそれとは異なり、壁材と屋根材に大きな特徴がある。
主要構造部には依然として木材が使用されているが、唯一の違いは、コンクリートの基礎の上に柱が立っていることである。
穴を掘って各柱につき1基のコンクリート製の縁石を埋め、その上に柱を立てるのである。

建物は、個々の基礎の上に立つ支持骨格で構成されている。構造を強化するブレースなどは存在しない。
壁には、従来のヤシマットや竹材の代わりに、木製の板張りが使われている。
従来、入口や窓は単なる開口部であったが、現在ではスライド式のドアや、窓に木製の格子と目の細かい網を付ける。

屋根は、従来の茅葺き屋根に代わり、スレートやトタン、マウサナ瓦を使用する。これらは自家製ではなく、購入する必要がある。

各世帯の私的領域は住居の範囲に限られ、典型的な木造建築は、共同水源があるオープンスペース（約150m2）を取り囲み、集落の中心を形成している。

現在、マウサネシアの農村の家の敷地は、表が大通り、裏が田んぼの間に位置している。
人通りの多い大通りには、通り沿いに簡素な木の庇でできた小さな店があり、そこで様々な品物が売られていることが多い。
街道側の家の外には政党の政治的な看板や、企業やプロパガンダの広告が掲げられていることも多い。

家屋は敷地の一番高いところに建設される。それは、地上の作業スペースが水浸しにならないようにするためである。
バナナの木やココヤシの木が、家の横や後ろに植えられており、野菜を栽培することもある。
このような家の周りの植物は、強い日差しから家を守り、強い風や嵐を防ぐのに役立つ。

家の裏側はヤシの葉など、当面使わないものを保管しておくことが多く、家の表側に比べてあまり活動しない。

子供の結婚や親族の転入があると、母屋の横にさらに別棟が建てられる。そのような建物は一般的に母屋よりも小さくなる。

どの集落も同じように、道路に沿って一直線に家が並んでおり、水田はその後ろにある。

幹線道路から遮断された人口密度の高い村では、バナナの木やココヤシの木、野菜畑のある庭を隔てて、住居がそれぞれ独立している。このような場合、水田は村の外にある。

マウサネシアの人々はあまり家具を持っていない。しかし、どの家にもあるものは、多機能な低いテーブルで、座ったり、話したり、仕事をしたりするのに使われる。
2階にも1階にもさまざまなスタイルのテーブルがあり、常に家の中にあり、地上では日常生活の重要な要素となっている。
ハンモックは日中寝るときに使うもので、最もリラックスできる快適な家具である。

近年では、シンプルなサイドボードに、テレビ、携帯電話、祖父母や亡くなった家族の写真など、大切なものを置く。
基本的なマウサネシアの家の空間構成は、家具は壁際に置かれ、中央のスペースは常に空いた状態になっている。

マウサネシアの近代化によって外国から、「堅固で耐久性があり、売買や相続が可能な家」という考え方が導入された。
これは急激な文化的変化であり、それまで家というものは「消耗品で一世代ごとに建て替えるもの」と考えられていたからである。

このような建物は、伝統的な木造の柱と梁の構造ではなく、基礎を必要とする壁によって支えられる構造である。

マウサネシアの伝統的な家屋は、最小限の材料で安定した構造を実現する工夫がなされている。建築のための作業は、ボート作り、籠編み、さらには凧作りから立体的な思考に派生しているのだ。

赤外線サーモグラフィを使うと、家の下の地面の温度が最も低くなることが分かる。
快適な室内環境は、屋根の「傘の効果」と「自然換気」の組み合わせによってもたらされたと言えるだろう。
屋根が直射日光を遮る一方、屋根に開口部があるため、常に空気の出入りがあり、暖かい空気が屋根の下に溜まるのを防いでいるのだ。

室内温度36℃、相対湿度80％にもかかわらず、また電気エアコンがないにもかかわらず、風通しのよい快適な環境が保たれている。これは、屋根の「傘の効果」によるものである。