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kosyoubaru 2022年08月05日(金) 21:58:46履歴
マウサネシア連邦共和国
ドボーン!!
光の中に落ちた2人は、水田に「着水」したので難を逃れた。まだ夢は続いているのだ。
「泥だらけじゃないの!」
リリィはそう言って立ち上がったが、しかし服は少しも汚れていなかった。
「夢の中ですから大丈夫ですよ」
「それよりクリス、ここ水田ね……」
「ここは2000年くらい前のマウサネシアですよ」
「てことは農業は始まっているし、国もあるはずね……」
「とりあえず村を探しましょう」
リリィとクリスはしばらく歩くと、目の前に村が現れた。
「まあ夢だから気にしないことにするわ。中に入りましょう。」
村の家々は現在のマウサネシアの伝統家屋とさほど変わらないデザインをしているが、今よりもだいぶ粗末に見える。
「くそーっ太陽信者の連中め!」
「御神体になんてことを!」
村ではマウサナ人の村人たちが何やら騒いでいた。
「何かあったのかしら」
「多分そうですね、聞いてみては?」
リリィはマウサナ人の1人に近付いて質問した。
「あの、一体なんの騒ぎですか?」
「知らないの?中央の役人が勝手に、御神体の大木を切り倒してしてそれを運んでったの。神殿の柱にするとか言ってね。」
「大木を信仰してるのかしら?」
「この村では先祖代々、大木に宿る森の神様を崇めてたんだ。でも中央の連中は太陽を信仰してて、それでその神殿を作るために各地でこのようなことを……」
「各地?」
「隣村では、御神体の岩が石材にするために砕かれたと、聞いたよ。」
「なんてことを……」
リリィは一旦広場から離れて適当な空きスペースに行った。
「その、太陽を信仰してる連中ってもしかして……」
「ご明察。現在の太陽教ですよ」
「太陽教ってマウサナ人の伝統宗教よね?」
「実は、太陽教が広まる前、マウサナ人の多くは自然崇拝だったんです」
「なるほど、それであの状況というわけね」
『そうじゃよ。我々こそが元々はマウサナ人の神なのじゃ』
「え、今度は誰なの!?」
リリィが振り向くと、そこには白い象のような見た目をした二足歩行する者が立っていた。大きさはクリスくらい。
さらにそれだけではない。大きな鳥の見た目をした神様や、巨大な山猫の見た目をした神様、中にはよく分からないガラクタや岩に手足が生えたような神様も居るし、実在しない生物の見た目をした神様も、後ろに居るではないか。
つまり、クリスとリリィの目の前にたくさんの『異形の神』が突然、現れたのである。
「その、なぜ私たちの所に……」
『ふむ……それはあなた、リリィが旅人だからじゃよ』
「旅人?」
『なんと説明したら、とにかく夢を介してマウサネシアの精霊の記憶にアクセスしている、という感じじゃ』
「イマイチよく分からないわ」
『要するにこれは現実に限りなく近い夢なのじゃよ。』
「もしかして、私が今マウサネシアに居ることが関係しているのかしら?」
『そうゆうことじゃ。リリィよ、あなたは精霊との繋がりが強いから、こうゆう夢を見るのじゃ』
「なるほどね」
「そして私は空気ですよ。そろそろ消えそうです」
「そんな!クリス!消えないで!」
「じゃあ消えません」
「なんなのこいつ」
『さあ、そろそろ次の時代に行く時間が来ました。行きなさい!』
再び足下が崩れ、2人は闇の中に落ちたが、再び光の中に入るのだった。
第二話完
ドボーン!!
光の中に落ちた2人は、水田に「着水」したので難を逃れた。まだ夢は続いているのだ。
「泥だらけじゃないの!」
リリィはそう言って立ち上がったが、しかし服は少しも汚れていなかった。
「夢の中ですから大丈夫ですよ」
「それよりクリス、ここ水田ね……」
「ここは2000年くらい前のマウサネシアですよ」
「てことは農業は始まっているし、国もあるはずね……」
「とりあえず村を探しましょう」
リリィとクリスはしばらく歩くと、目の前に村が現れた。
「まあ夢だから気にしないことにするわ。中に入りましょう。」
村の家々は現在のマウサネシアの伝統家屋とさほど変わらないデザインをしているが、今よりもだいぶ粗末に見える。
「くそーっ太陽信者の連中め!」
「御神体になんてことを!」
村ではマウサナ人の村人たちが何やら騒いでいた。
「何かあったのかしら」
「多分そうですね、聞いてみては?」
リリィはマウサナ人の1人に近付いて質問した。
「あの、一体なんの騒ぎですか?」
「知らないの?中央の役人が勝手に、御神体の大木を切り倒してしてそれを運んでったの。神殿の柱にするとか言ってね。」
「大木を信仰してるのかしら?」
「この村では先祖代々、大木に宿る森の神様を崇めてたんだ。でも中央の連中は太陽を信仰してて、それでその神殿を作るために各地でこのようなことを……」
「各地?」
「隣村では、御神体の岩が石材にするために砕かれたと、聞いたよ。」
「なんてことを……」
リリィは一旦広場から離れて適当な空きスペースに行った。
「その、太陽を信仰してる連中ってもしかして……」
「ご明察。現在の太陽教ですよ」
「太陽教ってマウサナ人の伝統宗教よね?」
「実は、太陽教が広まる前、マウサナ人の多くは自然崇拝だったんです」
「なるほど、それであの状況というわけね」
『そうじゃよ。我々こそが元々はマウサナ人の神なのじゃ』
「え、今度は誰なの!?」
リリィが振り向くと、そこには白い象のような見た目をした二足歩行する者が立っていた。大きさはクリスくらい。
さらにそれだけではない。大きな鳥の見た目をした神様や、巨大な山猫の見た目をした神様、中にはよく分からないガラクタや岩に手足が生えたような神様も居るし、実在しない生物の見た目をした神様も、後ろに居るではないか。
つまり、クリスとリリィの目の前にたくさんの『異形の神』が突然、現れたのである。
「その、なぜ私たちの所に……」
『ふむ……それはあなた、リリィが旅人だからじゃよ』
「旅人?」
『なんと説明したら、とにかく夢を介してマウサネシアの精霊の記憶にアクセスしている、という感じじゃ』
「イマイチよく分からないわ」
『要するにこれは現実に限りなく近い夢なのじゃよ。』
「もしかして、私が今マウサネシアに居ることが関係しているのかしら?」
『そうゆうことじゃ。リリィよ、あなたは精霊との繋がりが強いから、こうゆう夢を見るのじゃ』
「なるほどね」
「そして私は空気ですよ。そろそろ消えそうです」
「そんな!クリス!消えないで!」
「じゃあ消えません」
「なんなのこいつ」
『さあ、そろそろ次の時代に行く時間が来ました。行きなさい!』
再び足下が崩れ、2人は闇の中に落ちたが、再び光の中に入るのだった。
第二話完
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