なぜないのか疑問だった

龍喚士と麒麟の秘密の逢瀬


「これ以上は行かせない!」

「ここから先は通しません!」

龍喚士の里を守る番人、赤龍喚士ソニア。
聖獣の楽園を守る番人、麒麟サクヤ。
彼女達は実に真面目で職務に忠実であり、周りからの信頼も厚い。
冒険者達からも高い評価を受けており、とある投票では二人とも一位に輝いた実績を持つ。
種族こそ違うが、似たもの同士であった彼女達が仲良くなるのに、そう時間はかからなかった。


――そんな彼女達の秘密を知る者は、少ない


「あぁ〜……私もドラゴン飲み会行きたかったー……」
「まぁまぁ、こうして留守を任されているのも、グラン様がソニアさんを信頼している証ではないですか」

ぐったりと机に突っ伏したソニアからは、普段の凛々しさをまるで感じさせない。
それをなだめるサクヤも軽装となっており、戦闘時の神々しさはなりを潜めている。
始まりの龍喚士と黄龍が揃って飲み会に行ってしまったため、二人ともオフの日なのである。

「何故留守番なんだ……サクヤが遊びに来てくれなければ、寂しさでどうにかなっていたぞ」
「私の里は私が抜けてもレイラン姉様達がまだ残っていますけど、ソニアさんの里は誰も残らなくなっちゃいますし……」
「だからそこで何故、私が留守番に選ばれる? 私だって、これでも龍喚士の端くれだ。飲み会にいく権利はあるはずだ!
 あー……年に数回しかないんだぞ? 色とりどりのドラゴンが集って、楽しげに騒いでだなあ……」
「あはは……」

愚痴をこぼすソニアに対して、思わずサクヤは苦笑いを浮かべてしまう。
真面目で通っているソニアではあるが、ドラゴンを見るとテンションがあがり過ぎてしまうという難儀な性癖を持ち合わせていたのだ。
これが災いし、大きな飲み会ではソニアは出禁となってしまったらしい。
なんとなく理由は察しているサクヤではあるが、このことはソニアには秘密にしておこうと心に決めていた。

「まあいいか、せっかくサクヤが来てくれたんだ。今しかできないことを楽しもう」
「前回のドラゴン談義の続きですか? 私としては、やはりフェリオちゃんがイチオシなのですが……」
「それもいいが――」
「んっ!?」

唐突に、ソニアがサクヤの唇を奪う。
柔らかな感触の後に、口内へと侵入した舌が甘い痺れをもたらす。

「んっ……はぁ……」
「――今はサクヤを食べたい気分だ」

一度唇を離して舌なめずりするソニアに対して、サクヤは既に腰砕けの状態になってしまっている。
染まった頬と僅かに潤んだ瞳に、ソニアの劣情は更に高まっていくのであった。

――誰も知らない、龍喚士と麒麟の秘密の逢瀬。





「本当に、なんでサクヤはドラゴンじゃないんだろうな……」
「し、知りませんよぉ……」
「そしてなんでドラゴンじゃないのに、私はこうもサクヤを欲してしまうのか……」
「ひゃっ!?」

サクヤを押し倒し、ソニアがその上に覆いかぶさる。
多くを惹きつける美しい双眸は爛々としており、その言葉に偽りが無いことを示す。
そしてそのまま服を引っ張り、胸元を露出させた。

「ソ、ソニアさん!?」
「こんな脱がせやすい格好……私を誘っているのか? もう、キスだけではこの気持ちを抑えることなどできん」

先程のような深い口付けなら過去に何度も体感したが、こうも積極的なソニアを見るのは初めてのことだった。
混乱したままのサクヤをよそに、ソニアは現れた双丘へと手を伸ばす。
自分よりは小さいが、柔らかく形のよいそれを下から持ち上げるように揉むと、サクヤの身体はぴくりと反応した。

「ん……んっ……!」
「もっと嫌がるものだと思っていたが、なんだ、サクヤも乗り気じゃないか」
「わ、私は別に……」

だんだんと汗ばむ掌がサクヤの肌に吸い付く。
柔らかな感触を楽しみつつ、頂に指の腹をぐいと押し付ければ、声が漏れ聞こえた。

「ふぅっ……んぅ!」

何度かその行為を続けるだけで乳首はすぐに硬くなった。
それだけで満足することはなく、ソニアは空いたもう片方の手を動かす。
普段装備している腰の装飾具が無いため、腕は容易くサクヤの背後までまわされる。
そしてそのまま、根元あたりから尻尾を撫でつけた。

「くひぃん!?」
「ああ、実に立派な尻尾だぞサクヤ。私よりも、ゼローグよりも、母上よりも、艶やかでしなやかで強く美しい。
 このままずっと触っていたい、撫でていたい、あわよくばにぎにぎしていたいよ……」

はぁはぁと息を荒げ始めたソニアに軽い恐怖心を覚えつつも、同時にサクヤは別の感情も抱き始めていた。
胸をこねられるたびに、尻尾を握られるたびに、身体がもどかしい。
口にすることはなかったが、サクヤの中にも情欲の灯火がゆらめいているのは明らかだった。

「この角も立派だぞ。並のドラゴンならこの角を見せるだけで、泣いてテリトリーを明け渡すだろう」
「褒められているのか、貶されているのか……いえ、ソニアさんですからきっと前者なんでしょうね」
「本当に、何故ドラゴンじゃないんだサクヤ。お前がドラゴンであったなら、いつでも呼び出せたというのに……」

僅かに寂しげな声を出しながらも、動きを止めることはしない。
胸から一旦手を離し、滑らせ、サクヤのスカートの中へと手を侵入させる。

「や……駄目ですソニアさん! そんなとこ、ろっ……!」
「聞こえないな」

抗議の声を無視し、下着の上から秘所をなぞりあげる。
確かな湿り気を感じたソニアは、そのままするりと指を中まで忍ばせていく。

「ひあぁっ!? ……やぁっ……だっ……めぇ……」

悲鳴は、すぐさま甘いものへと変わる。
拒むようなことを言いながらも、本気で抵抗してくるようなことはなかった。
割れ目を親指と中指で開いて広げても。軽く腰を浮かせて身を捩るだけ。
実は満更でもないであろう親友の痴態に笑みを浮かべつつも、ソニアは手を休めない。
見えないが、指先に粘液が絡んできたことは確かだろう。

「結構、濡れてきたぞ?」
「そ、そんなこと……」
「なら、自分でも見てみるといい」
「きゃ!?」

言うやソニアは大きくスカートを捲り上げる。
そして水分を含み始めた下着もずりさげ、秘所を空気に晒した。

「やぁ……こんなの……恥ずかしい……!」
「サクヤ、その身体に鱗が無くとも美しいぞ。私がこんな気持ちになるなんて、夢にも思わなかった」

上気させた頬を優しく撫でながら、ソニアはサクヤを抱き寄せる。
相変わらず爛々としている双眸と、澄んだ光を湛えた双眸が見つめあう。
使役するドラゴンに向ける愛情のこもった、いやそれ以上の力強い視線に思わずサクヤは目を逸らしてしまった。

「む、酷いじゃないか。もう少し私を見てくれてもいいんじゃないか?」
「あっ……! あうぅ!?」

少し拗ねた表情で、ソニアは蜜の溢れ出す中心に中指を埋めた。
あらかじめ濡らしておいたおかげですんなり入ったが、心地よさを味わうためにあえて動きは遅めだ。
指を動かせば動かすほど、蜜が溢れ、中のひだが締めつけてくる。
たまらずしな垂れかかってきたサクヤが、ソニアの耳元で押し殺したような嬌声をあげた。

「我慢しなくていいんだぞサクヤ。私も、今だいぶ昂ぶっているからな……」
「んっ……ふぁ……ぁ……!」

ふるふると軽く首を横に振り、否定の意思を示す。
しかし今のソニアにとっては、それさえもがより昂ぶる材料となった。
サクヤの豊かな金髪はふんわりと優しい香りを放ち、すぐそばのソニアを直撃したのだ。

「んん、ドラゴンの雄々しさとはまた違う、だが嫌いじゃない……そう、まるで母上のようないい香りだな。
 ……全く不思議だよ。ドラゴンのような尻尾に角を持ちながら、母上に似た多くの属性を従える力や温もりを持ちながら、
 どうしてお前はドラゴンじゃないんだ? どうしてドラゴンでもないのに、龍喚士を、私を――こうも狂わせられる?」
「ひあぁっ……!?」

ソニアがゆっくりと蜜壷をかき混ぜる。
一本では飽き足らず、ずぷりと人差し指も追加してやれば容易に根元まで入った。
卑猥な水音が響き渡り、それがさらにサクヤを乱れさせる。

「ひぁっ……! ソニアさ、んぅぅ……!?」

嬌声を呑み込もうとしても、口からは唾液がこぼれる。噛みしめた指の隙間からは声が漏れてしまう。
容赦ない指の動きにやがて噛んでいた指もはずれてしまい、だらしなく口が開かれてしまった。
そんな隙は逃さないと、ソニアは自身の唇でそこを塞ぎにかかる。
声をあげたくないのならそれでもいいが、代わりに別の方法でお前を味あわせてくれとでも言わんばかりに。

「ん、ちゅ……むぅぅ!? んっ……くぅ……!」

貪るように、何度も何度も何度も吸いつかれ、唾液を啜り上げられる。
かと思えば、舌で口内を蹂躙されながら唾液が送り込まれてくる。
ソニアの攻めの前に、サクヤの頭は既に蕩けきっていた。
下の口も休む暇はない。されるがまま、双頭の龍の如く暴れ狂う指に犯され続けている。
下から上へと突き上げるように膣内を荒々しくこすりあげ、愛液を掻き出さんと指の関節は何度も曲げられた。

「ふぁっ……やぁっ……だめっ……もっ……!」

限界は近い。サクヤは声を荒げて快楽に悶えて……いや、堕ちていた。


「ふふ、一度イってしまえサクヤ。なに女同士だ、恥じることは無い。どうして欲しい?」
「……ぁっ…んっ……もっとぉ……お、奥のほう……っ!」

耳元で囁いてやれば、ついに初めてサクヤから求めてきた。
お望み通りに指の本数をさらに増やして、ソニアはさらに苛烈に攻め立てる。
上の口も忘れずに念入りに徹底的に蹂躙し、流し込んだ唾液を飲み込むよう舌で促す。
二人分の唾液は溜めこめきれず溢れかえり、だらだらと顎を伝い滴り落ちてはサクヤの胸を汚していく。
その光景を見たソニアはさらに指の動きを速める。
滅茶苦茶をいう表現が相応しいであろう動きと速さでもって、サクヤを絶頂へと誘う。

そして一際大きくサクヤが指を締め上げたかと思うと……

「あっ……やぁっ……! だ……めっ……きちゃ、う……! んああああぁぁぁぁぁ……っ!」

全身を激しく震わせ、力なくソニアへとその身体を委ねるのであった。





「ふぅ……」
「ぁぅっ……」

ほくほくと嬉しそうな表情のソニアが指を引き抜くと、びくんとサクヤの身体が反応を示す。

「かわいかったぞサクヤ。この私が、ドラゴン以外をかわいいと思ったのは初めてだよ」

興奮冷めやらぬ様子で、横たわったままのサクヤに語りかけるソニア。
その顔は紅潮しており、息もまだ荒く――まだ完全に欲求が満たされたわけではないことを物語っていた。
自身の龍の尻尾を掴んだソニアは、それを己の股を通して前へと持ってくる。

「はぁはぁ……わ、私にはアレは生えていないが、尻尾ならあるんだ……
 サクヤ、お前が愛おしすぎて私はもう止まれそうにない。頼む、先っちょだけでいいから――


そこまで口にして、ソニアの言葉は遮られた。
空を、いや己を切り裂かんとした何かによって。

「――え?」
「……ソニアさん?」

遅れて、自分が着ていた服だけが綺麗に切り裂かれたのだということに気がつく。
下着をつけない習慣を持つソニアはそれだけで全裸にされてしまい、豊満な胸も何もかもを晒してしまう羽目となった。
執行者は一人しかいない。笑顔ではあるが、刃を生やした尻尾をくり出したサクヤその人だ。

「私、駄目って言いましたよね? それなのにあんな一方的にするなんて……」
「い、いやだがしかし、サクヤも結構楽しんで――」
「ソニアさんだけ服を着たままなんておかしいですよね? こういったことは愛し合う二人がすべき行為ですよね?」
「だ「私に尻尾を挿れるつもりだったんですか? だったら私もソニアさんに尻尾を挿れてもいいってことですよね?」
「ま、待ってサクヤ……無理、その尻尾は触って楽しむものだよ、そんな太いの入らない……というか、先端に堅そうな宝珠が――」
「聞こえませんよ?」
「あっ……!」

逃げ腰になったソニアを、今度はサクヤが押し倒す。
普段の彼女達からは、想像もできないような光景。

――誰も知らない、龍喚士と麒麟の秘密の逢瀬。
それはこれからもきっと、続くのだろう。



END

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この作品が投下されたのは2015/02/03、超究極が2015/06/02、超究極にドラゴンが追加されたのが2015/08/20、覚醒サクヤ実装は2015/09/25。要するにサクヤがドラゴンタイプになると予想もされなかった頃に投下された作品。
作中でサクヤにドラゴンタイプが無い、といった趣旨の発言があるのはそういった事情のため。

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Posted by 時代背景的な補足 2015年11月12日(木) 05:35:33 返信

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