なぜないのか疑問だった

無題



どこかの古びた屋敷の縁側。そこに二人の男女が談笑をしている。 

「今日もお疲れさま。三成が来てから沢山のダンジョンに行けるようになって大助かりだよ!まさかあんな簡単にクリアできるなんて...びっくり。」

上機嫌で話す少女。先ほどから傍に置かれている和菓子をもりもりと食べており、思わず男...石田三成は苦笑いを浮かべた。

「驚いたのこっちの方だ。むしろ主の実力で何故いまだに手を出していなかったのか..不思議に思ったよ。」
「だって...昔一回行ってすぐにやられちゃったし、何かトラウマで..」

くつくつと笑いながら女―彼の主―に笑いかける三成は楽しそうだ。声も知らずに弾んでおり、冒険者と二人きりのこの状況に大変満足している。

それこそ、誰も邪魔が出来ないほどに。

石田三成が冒険者と出会ったのは比較的新しい。高難易度のダンジョンが続き、メインとして使っている木のパーティもイマイチ伸び悩み..そんな矢先、メモリアルガチャから出てきたのがこの男だった。

「それで、この前フレンドの..君がヴェルちゃん引いたらしくて。劉備が羨ましがってて..」
「ヴィシュヌって手がいっぱいあって便利そうだけど、実は時々絡まるんだ。これ内緒だよ?」
 
にこにこと微笑みながら話を進める冒険者。自分より他人を大切にする彼女はモンスターとも仲が良く、信頼関係も強い。
時に指揮をし、時に叱咤され、仲間と勝利を掴む..冒険者という職業にとっては理想像の一つだろう。
最も、石田三成が真の意味で彼女と信頼関係を築けているのか..暗い瞳で冒険者を見る三成には、冒険者の本心などわかるはずもない。


一人きりになり、冷めた茶を啜る。昔はそれなりに人にたてたりもしたのだが..今はもう彼の冒険者以外に茶をたてるつもりはない。
彼の茶の味を知るのは、この世で冒険者ただ一人しかいないのだ。

「いつも誰が、誰がと..たまには、俺だけを見てもよいだろうに。」

冒険者はよくも悪くも平等だ、皆に平等に接し、臆することなく話しかける。だからこそ、荒くれ者の劉備や張飛、プライドの高いアスタロトやアヴァロンも彼女には素直に従うのだが。
大一大万大吉の神紋の入った湯呑みを握りしめる。みしりと嫌な音が鳴るが、彼はそれに気づかない。

主と出会ってプラスなるものを貰い、たくさんの犬を食べ、潜在された力を開放され..三成は沢山のものを冒険者に貰った。だからこそ、恩義を返すため三成は存分に力をふるう。
もう二度と、独りよがりな闘いで無様に負け、首を切られぬように。

少しでも、彼女の力になれるように。
少しでも、彼女が自分だけを見てくれるように。

そんな彼が闇の力に、心に捕らわれてしまったのはある意味必然だったのかもしれない。


冒険者の自室。夜長に行燈の明かりが淡く光り、幻想的な雰囲気を醸し出している。

「やっぱり三成の入れるお茶は美味しいね。ちょっとだけ渋いのがいい感じ、私好みだよ」

大一大万大吉の神紋が掘られた湯呑を抱え、熱い吐息を吐く。少し冷めてて渋い茶は、冒険者の一番の好みの味だ。

「そう言ってくれてありがとう。これからもずっと、主のために茶をたてて差し上げよう。」
「ほんとに?なんか三成のお茶を私だけ独占してるみたい、今度皆にもこれ...」

最後まで言い終わる前にその場に倒れこむ。手足に力が入らず、体が動かない。突然の状況に冒険者は困惑している。

「あれ、体が..何..」
「薬が効いてきたか」
「...くすり?」

何てことないようにつぶやく三成。ぼんやりとした思考が徐々に晴れ、冒険者の顔に動揺が浮かぶ。が、必死に立ち上がろうとするも体がいうことを聞かない。

「安心しろ、命に害はない..が、少しの間動けないだろう。まあ我慢してくれ」

にこりと笑う三成に冒険者は恐怖を覚える。こんな顔した三成を、彼女は見たことがない。

「な、何でそんなもの..ひょっとして私、三成の嫌なことしちゃった?だとしたらごめ...」
「別に、主はなにもしていない」

声が一段と低くなる。

「それをするのは、俺の方だ。」
「...ひっ!や、やだ!触らないで、ちょ..」

次の瞬間、三成は冒険者の上に覆いかぶさり、衣服に手をかけた。

「主はただ、俺だけを愛してくれればいいんだよ。」


―どうして、あなたはこんな事するような人じゃないと信じてたのに―

勝手なことを言う人だ。俺を立派な善人と信じて、夜自分の部屋に男を招いて、そのくせ自分はほかの奴とも仲良くして...本当に人間は、いつの世も代わり映えしないんだな。

数日前、主は恋文を貰った。差出人は主の男の友人、しかも親友登録までしてある。非常に不愉快極まりない。
勿論主は断った..のだが、あろうことか男は逆上し、主を襲おうとしたのだ。

「人と神の子はどうなるのか..きっと、貴女に似て自分勝手かもしれないなぁ.....っ、出すぞ、主...!」
「やだ、も...おなか、たぷたぷだから、入らないからぁ....んっ、ひっあああぁぁっ!」

びゅくびゅくと己の熱を主の膣内へ注ぎ込む。回数なんておぼえてないが、どうせ孕むまで出すんだ、そんなことはどうでもよい。


主を襲ったあの男はもういない。何故なら主が咄嗟に俺を召喚し、即座に払いのけたからだ。
もっとも、あの男がその後どうなったのか..表向きには旅に出たことになっているが、真相は俺だけしか知らない。気にする必要もない。
あの男が出来なかったことは、代わりに俺がやってやる。

「そうだ、もっと鳴け、喘げ。俺の子を孕んで..落ちる所まで、堕ちてこい。」
「はひっ...ん、むうぅ...」

深い口づけをかわし合う。舌を乱暴に絡めて時々歯茎をなぞるとくぐもった声が漏れてくる。
離れる唇を繋ぐ意図はなんと美しいのだろう、いっそこのまま食べてしまおうか..そんな考えが頭に浮かんだ。

「っほら、すっかり俺のを咥え込んで...溢れないように、また蓋をしないとな」
「はぁっ...もっと、もっと三成のちんぽ欲しいっ!あついの、いっぱいなかにほしい....」
「....っこの、淫乱主め...」
「んほおぉぉぉ!」

いくら薬に催淫薬が入ってたとはいえ、ここまで乱れるとは思いもしなかった。まあ全然構わないが。
腰を打ち付けながらアンアン喘ぐ女を見下ろす。古来よりモンスターと人の間に子を宿す話は存在する。きっと、主も俺の可愛い子を産んでくれるだろう。主は優しいから、どんなことがあっても大切に育てるだろうなぁ..そうしたら、まずそれをΔ◎して■☆したらあれを


大好きな主、俺の心は貴女のもの。だからせめて、貴女の体は俺にください。

願わくば、あなたのすべてが俺は欲しい

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