なぜないのか疑問だった

スタースティック



真夜中、とある草原にて。

雲一つ無い夜空には満点の星が光輝いており、幾多の星座を線と線で繋ぐその様は、さながら夜空のキャンパスのようだと冒険者は思う。

さらさらと夜風に揺れる草原、煌めく星空の下寒さに凍えながら全裸で仁王立ちする男、そして大量に集められたマシンタイプモンスター(ただし人型は皆無)....

「シュールを通り越して狂気じみた光景ねカストル。今日はふたご座流星群が来るんですって、楽しみね」
「どう考えてもこんなの絶対おかしいよポルックス。大丈夫、カメラの用意は出来ている。後で留守番してるアルレシャ達にも見せてやろう」
「おいスターツインズ!ちゃんと俺の分のカメラはあるよな?無いなら無いでこのまま取りに帰るが....」
「問題ない、ちゃんと最新型2台とキャスターまで用意してある。
あとそのまま帰るのはやめてくれ....僕が怒られる」

死んだ星のような眼をしたポルックスとカストルがちょこんと二人仲良く正座している。
暗闇の中でも金と銀に光る二人の姿は夜空に浮かぶ双子星そのもので、思わず冒険者はスマフォに写真を納めた。

「ククク....煌めく星達が舞い降りる中、マシンオナホで絶頂する俺....あぁ、なんて美しいのだ!」

冒険者が今からやる事、それはいわゆる”ハメ撮り”だ。
それもマシンタイプオンリー、しかしシェアトやエスカマリのような可愛いらしい女性でもなく、またアンタレスやカストルのようなイケメンでもない....そもそも冒険者はノンケだ。

そう、相手はシェロスパーダやヨトゥンのようなマジモンの”マシーン”のみである。

「性癖もここまで歪むと逆に真理に辿り着けそうねカストル。...あ、もうすぐ始まるみたい」
「僕らには到底理解出来ない世界だよポルックス。...あぁそれは大変だ。マスター、そろそろカメラ回すよ」
「よし、頼むぞ二人とも。...まずは先方!こっちに来い!」

ウィーン...と音を立てて水平に寄ってくるスコルピオ。冒険者が最近最も使い込んでいるオ....マシンであり、この全てを溶かす灼熱の太陽のような熱さがたまらないらしい。

「ククク....緊張のあまり俺のスタースティックがビンビンしてきたぜ....一年に一度しか味わえないこの快感、しかと味わせてもらう!」

不適な笑みを浮かべる変態。カメラを設置し終えたポルックスが合図すると、冒険者はこれ以上無いほどのいい声と笑みを返した。


「それじゃマスター、カメラ入れまーす...さん、にー、いーち...ハイ」

「イくぜ!スターアタック、流れ星挿にゅ.....んほぉぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛!!」


勢いよく腰を打ち付けた瞬間、獣のような叫び声を上げる冒険者。
みっともないアヘ顔を晒し、夜の野外で卑猥な言葉を大声で叫ぶ様はホラー以外の何物でもなく、思わずポルックスは片割れの少年に抱きついた。

「おち○ぽあちゅぃぃい!.....あっでもっ快感ッ!俺は今太陽と一体化し....あああぁぁ!?溶けりゅぅぅう!!」

「...ま、マスターが狂ったわカストル...宇宙の誕生より謎めいている...」
「ビッグバンより恐ろしいねポルックス。...あ、次の子、こっち来て。そろそろだから」

「あっあっ、もう出る、でりゅぅぅぅう!おほぉぉぉ゛ぉ゛お゛ッ!!」


びゅるるるる!!と凄い音をたて己のミルキーウェイを吐き出す冒険者。
いくら防水性とはいえこの量は想定外らしく、スコルピオは緊急アナウンスを流し、パタリと動かなくなった。

「ふぅ出した出した...スコルピオ、お前はやっぱり最高の愛機だぜ!さすが蠍座のマシン!」
「マスター、次ジェミニね。あともうすぐ流星群来るから、そこんトコよろしく」
「おう、色々すまんなカストルくん。あとはこっちでやっとくよ」
「ん。」

頼れる仲間に礼を言い、ジェミニ=インの前に手を広げる冒険者。
今度は入れるのではない、自ら入れ”られ”るのだ!

「ジェミニの5つの...触手?.....ククク、考えただけで俺のブラックホールは高まるぜ」

にやにやといやらしい笑みを浮かべる冒険者。ハメ撮り、青姦、好きなだけ叫ぶことのできる爽快感...
この最高の状況に冒険者の理性という名の惑星は崩壊し、それらは流星となって世界へと降り注いだ。

「はぁっ、はぁっ....さぁイくぞジェミニ.....その5つのテクニックで、俺という流れ星を打ち堕とすのだ!」

ジェミニ=インが5つの触手を冒険者の真上に掲げる。これから来る地獄のような快感に冒険者はそっと目を閉じ....


「シューティングスター!!.....ん゛ほ゛ぉ゛「あっ来たわカストル、双子座流星群よ」「綺麗だねポルックス、星のシャワーみたいだ」えっマジかよ、ちょっま......ぉぉぉ゛ぉ゛お゛!?」

突如地上に降り注ぐ星屑たち。息を飲むほど美しく神秘的な光景に双子の神はぴったりと寄り添いながら空を見つめ、一方冒険者は気が狂うような快感に喘いでいる。

「あっ、あっそこ、おひりらめぇ!俺のブラックホールが混沌の一部に.....ひぃぃンッ!」
「ちょ、マスター煩い...」
「頼むスターツインズ!俺をもっと責め立ててくれ!この宇宙の神秘の中の快感をもっと....あぁぁンっ!」

冒険者が恐ろしいアヘ顔で叫ぶ。

「えーマジかよ...なんかいよいよ見境なくなっちゃったねポルックス。お前やってやれば?」
「なんかもうどうでも良いわカストル。あなたがやってよ、私は星を見たいの」

心底嫌そうな顔をするカストル。しかし半機械の彼らに”主に反する”といったプログラムは設定されておらず、また片割れの強気な少女には逆らえないようで、カストルは渋々冒険者の元に歩いていく。

「ったくしょうがないなぁ....おいジェミニ、お邪魔用意」
「リョウカイ」
「あぁぁぁぁ.....」

冒険者の穴という穴を責めながらジェミニがお邪魔ドロップを作成する。
出血大サービス、いつもの倍の数が盤面に散らばる。

「さんきゅ。

よーしいくぞマスター、アストロチャージ・ダーク、起動」
「ぐあぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛!」

カストルの持つ巨大な拳のような機械に闇の力が宿り、冒険者のスタースティックを一気にしごき上げる!
人間はおろか並のモンスターすら味わうことの出来ない快感に冒険者は半ば白目を向き、虚ろに喘ぎを繰り返している。

「あへぇぇ......もう精液でなっ?ひぐぅぅぅ!?ら、らめぇ!もうせーえき出な、あっイク、イッグぅぅぅぅぅ゛ぅ゛う゛ッ!」

「しかし本当に綺麗だなポルックス。そうだ、何か願い事をしないと。
...えーと、”ポルックスとずっと一緒に居られるように”」
「まぁ私も同じ願いよカストル。
...じゃあ私のほうは、”カストルがずっと元気でいますように”かな?」
「かっ快感を....銀河の如しエクスタシーを俺に.......おほぉッ!まらイグぅ!?」

美しい兄弟愛に混ざる変態の願い。
既にジェミニは暴走を始めており、冒険者がやめろといっても止まらず、二人の世界に入り込んだ双子にその声はとどかない。


ただひとつ言えること...それは、いくら人間がナニをしようと、広大な宇宙に比べればちっぽけだと、この星屑のように一瞬で燃え尽きてしまうと....冒険者は、それを今日学んだ。


「ふへへ、俺という銀河系が新たな生命を産み出し.......イ゛ッグぅ゛ぅ゛ぅぅう!!」



***

「...星は美しい、よく録れてはいるが...なんだこの下品な声は!不愉快極まりないぞ!」
「音声だけカットしちゃえば?にしてもマスターってやっぱ頭おかしい...」
「こ、このような行為は不純です!恥ずべきものなのです!」

「...だってさポルックス。僕はお前と今年も一緒に星を見れて良かったけど,,..皆は不満みたいだ」
「無茶言うわねカストル。じゃあ今度は皆で夏のペルセウス座流星群を見に行きましょうか」



「大変だスターメンツ達!ビデオに白髭の爺さんが映りこんでいた!心霊写真だ、ひぃぃっ....」

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