避難所3-452
最終更新：ID:lBqkhLonXg 2016年03月08日(火) 00:19:04履歴
Chocolate Panic! 
「……ご主人様、今入っても大丈夫？」
バレンタインデーの晩。冒険者の部屋をノックする少女の姿があった。
時刻は二十二時を回ったところ。ベッドに座っていた冒険者の青年が読んでいた本を閉じ、部屋に入ってきた少女に目を向ける。
「ヴィーナス？ 夜這いにはまだ……そうか。チョコレート、間に合ったんだな」
「うん。チョコレート渡しに来たよ♪」
歩くだけで一本一本がしなやかになびく桜色の髪を揺らして、ヴィーナスと呼ばれた少女が嬉しそうに近寄った。
彼女の身を包む純白のローブは、かつて少女がコスモスヴィーナスだった頃に着けていたもの。二人にとっては思い入れが強く、覚醒した今でもヴィーナスはこの衣装で過ごしている。
「私が一個だけ作った、正真正銘の本命チョコだよ。小さくなっちゃったから、ゆっくり食べてねっ♡」
嬉しそうにそう言って、女神は一口サイズのチョコレートを取り出した。ハート型のチョコレートには白とピンクでデコレーションがなされている。
「ありがとな、ヴィーナス」
「えへへっ、どういたしましてっ♡」
形こそ小さいものの、それに込められた恋心は計り知れない。手の中で転がして、眺めながら青年は今日の出来事を思い出していた。
「……ほんと、一時はどうなるかと思ったよ。チョコレートが台無しになるわ、ヴィーナスがゼウスにレイプされかけるわで……」
「ほんとだよね……もしご主人様があと少し間に合わなかったら、きっと私……何もかも壊されてた……」
今年のバレンタインデーは、二人にとってあまりにもハード過ぎる一日だった。
冷蔵庫で冷やしていたチョコレートの中に、あろうことか姿を変えたゼウスが紛れていた。そのため早朝にチョコレートを取りに来たヴィーナスが襲われ、挿入寸前まで凌辱される事態に。間一髪冒険者の手によって救出されたが、ゼウスが調理場で暴れたことで全員のチョコレートが台無しになってしまう。
急ピッチで作り直したチョコレートをそれぞれの型に流し込み、正午頃には女性陣全員が各自のチョコレートを用意することに成功したのだった。
「でもでもっ！ 約束通り、ご主人様とちゃんとデートができて嬉しかったなっ♪」
「ああ、本当に。こうしてチョコレートも無事に貰えたしな」
そして、約束していた二人きりのデートも無事に済ませ、今に至る。もし運命の女神が存在するというのなら、彼女が全力で二人を引き裂こうとしていたに違いない。
「……あ、いいこと思いついた」
青年が手に持ったチョコレートを見て、ヴィーナスがふと小悪魔めいた笑みを浮かべた。善は急げ、ヴィーナスは彼の腕を手に取って―――
「あ〜むっ♡」
―――チョコレートを自らの口に咥えてしまった。
「ちょっ、おいヴィーナス！？」
「えへへっ♪ ご主人様、早くしないと私の口の中で全部溶けちゃうよ？」
「……そういうことか。いいぜ、乗ってやる！」
きっと何かの罠であろうことは想像に難くないが、敢えてそれに乗ることにした。ベッドから立ち上がってヴィーナスを強引に抱き寄せる。
「んぅっ！ ……ちゅっ、ぷあっ……れろっ……」
彼が唇を重ねると、少女の喘ぎ声と共にチョコレートの甘い感触が彼の口に届いた。成程、ヴィーナスはこれがしたかったのか―――そう彼は考えながら、甘く満ちた恋心を口の中に流し込む。
「……っ！？」
その罠の効果は、チョコレートを食べ終わると同時に現れた。ヴィーナスに身体を軽く押され、先程まで座っていたベッドに座り直される。
「ヴィーナス……！？ お前、これ、何入れやがっ……！？」
「えっとね、甘くなるように砂糖多めにしたのと、私のおまじない……あっ、あと即興で�爛魯ぅ謄鵐廛董璽轡腑鶚瓩盥�めてみました♪」
「完全にバインドする気じゃねえか！？ ぐっ、がはっ……！」
ツッコミを入れている間にも麻痺毒は回りきり、青年はベッドに座ったまま動けなくなってしまった。
愛する人を罠に嵌め、完全に優位に立ったヴィーナス。青年の前で両膝を付いて、彼を見上げて問い掛ける。
「ねえ、ご主人様？ デート中、何回えっちした？」
「え？ ……ろ、６回」
「そうだよね。それも全部、周りの人が見てる中で」
その言葉を受け彼ははっとした。
衆人環視の中でのセックスは彼女の嫌いなプレイの一つ。主とのセックスを誰かに見られてしまうのが怖くて、前から青年に言っていたことなのだが。
「時間止めてたから問題ないだろ！？」
「何かの拍子に動いちゃったらどうするつもりだったの！？」
「うぐっ……そ、それは……！」
何も言い返せなかった。彼女の言う通りである。
デートの最中、彼は時間を止めて何度もヴィーナスを襲った。初めこそ試着室の中のような誰も来ない場所だったものの、行為は徐々にエスカレートしていき、最終的には中央広場で周りに見せつけるようなセックスまでしてしまったのだ。
「私、すっごく怖かったんだよ！？ 見られてるような気がして、恥ずかしくて、死んじゃいそうで……！」
「いや、悦んでたじゃん」
「悦んでたけどっ！ でも、それとこれとは別なんだよっ！」
頬を膨らませて怒るヴィーナスが、青年の履いていたジーンズを勝手に下ろす。彼が�爛魯ぅ謄鵐廛董璽轡腑鶚瓩覇阿韻覆い里鬚いい海箸法△気蕕暴�神はパンツから逸物を解放した。
「あはっ、すごくビクビクしてるっ♪ ご主人様、私にあんな酷いことたくさんしたのに、まだ足りないの？」
「それは、お前のチョコレートが……！」
「そんなの入れてないも〜ん♪ ご主人様の、へ・ん・た・い・さんっ♡」
ヴィーナスを以前コスモスへと究極進化させた彼は知る由もない。しかし、嗜虐的な表情を見せた今の彼女は間違いなく悪魔タイプ―――�爛�オスヴィーナス�瓩箸靴討糧狃�であった。
「大丈夫だよ。ちゃんと、優しくしてあげるから……それじゃあ早速、いただきまーふっ！」
「うあっ！？」
青年の逸物に目を輝かせ、ヴィーナスは大きく口を開け咥えこんだ。
「じゅぷっ、じゅぱっ……ごひゅひんひゃは、きほひいい？（ご主人様、気持ちいい？）」
「お前、口に入れたままじゃ、聞き取れな……くっ、ああっ……！」
いつもの彼女とは違う積極的な責めに、青年も思わず喘ぎ声を漏らした。肉棒を咥えながら話すヴィーナスの舌が不規則に刺激し、それがまた射精感を近づける。
「はふほふぃわひゃんふぉいっふぇへ？（出すときはちゃんと言ってね？）」
「ちょっ、待っ……ヴィーナス！？ なんか、いつも、より……くっ、ぁあああああ！！」
「らっへ、ひゅうひははへるほふへ（だって、急に出されるとむせ）んむぅううううっ！？ げほっ、ごほっ……！」
ついに耐え切れず、彼の肉棒から多量の精液が噴き出した。不意打ちに近い形で白濁を喉奥に撃ち込まれ、思わず女神も口を離してしまう。咳こみながら必死に飲み込んで彼に理不尽な怒りをぶちまけた。
「ご主人様のばかぁっ！�狃个垢箸�はちゃんと言って�瓩辰童世辰燭里砲叩�」
「はぁっ、はぁっ……悪い。今日のヴィーナス、いつもより巧くて……」
「……もうっ！ 次はちゃんと言ってね？ ご主人様の精液、ちゃんと全部飲みたいからっ！」
そう言うと、ヴィーナスは再び肉棒を咥え込む。上目使いで残りの精液を舐め取るヴィーナスが、冒険者の表情の変化を見て楽しんでいることは容易に理解できた。
「（……えへへっ♪ ご主人様、気持ちよさそう！）」
苦悶の表情を浮かべ快楽に喘ぐ冒険者を見て、ヴィーナスは心が満たされていくように感じていた。
「（いつも私がしてもらってる分、今夜はいっぱいイかせてあげるっ！ まだまだこれからだよ、ご主人様♡）」
恩返し半分、仕返し半分。主を気持ちよくさせているその事実が、恋する慈愛神には何より嬉しかった。
「ぐっ、はぁっ！ ヴィーナス、またイくっ！」
「ちゅぱっ、じゅぷっ……んっ！ ひいふぉ！ ほふふぃんひゃは、おふふぃらひへっ！！（いいよっ！ ご主人様、奥に出してっ！！）」
「くっ、あっ……ぁああああああ！！」
「んぅうううっ！？ んっ……んくっ……こくんっ」
二度目の射精。今度はむせることなくしっかりと受け止め、味わうようにゆっくりと飲み込んだ。
「ぷはぁ……えへへっ♡ ごちそうさまでしたっ♡」
「はぁっ……はぁっ……ヴィーナス、まだやるのか……？ やるなら、せめて魔法石を……」
「だ〜めっ！ 没収だよっ！」
「ちょっ……！？」
ヴィーナスの使い魔であるデフォルメされた天使の子供が、彼の膝ポケットから魔法石の入った袋を取り上げた。顔に絶望を浮かべた彼とは対照的に、今宵の絶対優位を確信したヴィーナスが追い打ちを掛ける。
「そういえばね、サタンのとこの�犹筬瓩吠垢い燭痢Ｋ睨＼个覆鵑�使わなくても、私の力で何度でも�狎艮佞世鵜甓麌�できるんだって」
「なん、だと……」
「５回でも１０回でも、何度でも回復させてあげるね。……ちゅっ♡」
祈りを込めてヴィーナスがキスをすると、しぼみ始めていた逸物が再び反り上がる。嬉しそうに目を輝かせ、ヴィーナスは白い布で覆われた胸をさらけ出した。
「あはっ♡ 本当に大きくなったっ！ これでまたいっぱいイけるね、ご主人様っ♪」
「そ、そんな……」
「じゃあ、次はおっぱいで挟んであげる。えいっ♪」
「くっ、ぁああっ！！」
ついに弱音を吐いた青年の陰茎をヴィーナスは優しく挟み込む。そのまま柔らかい二つの果実で、硬く熱されたそれを擦り始めた。
「ご主人様、どう？ 気持ちいい？」
「あぐっ……あ、ああっ……！ ヴィーナスのおっぱい柔らか……あぁっ！ やめっ、舌は反則だって！」
「反則じゃないもーんっ♪ れろっ♡ ……ほんとだ、舐めただけでこんなビクビクしちゃってるっ♡」
唾液をたらし、潤滑油にしてさらに激しく責め立てる。主の喘ぎ声が、熱く脈打つ肉剣が、ヴィーナスを喜ばせ責めを激しくさせた。いつも強い様子しか見せない彼の弱った声を聴いたのは世界で自分だけ―――そう思うと幸せで堪らなかった。
「れろっ、ちゅっ、ぺろっ、れろっ……もう射精しちゃう？ いいよっ、私にいっぱい出してっ♡」
「ヴィーナスっ、もう俺、イ……うあああああっ！！」
そして訪れた三度目の射精。ペースは完全に、精液を美味しそうに飲み干す彼女が握っていた。
「んっ……んっ、んくっ……ぷはぁっ♡」
「はぁっ、はぁっ……」
「ぺろっ♡」
「うあぁっ！！」
「えへへっ♪ 情けない声あげてるご主人様も可愛いっ♡」
「〜〜〜〜〜〜っ！！」
ヴィーナスの何気なく放った一言が彼を赤面させた。素体が淫乱女神であるためか、彼女にも言葉責めの才能は十分にあったようである。
「そうだっ♪ 次は、このまま射精するまで舐めちゃうねっ♡」
嬉しそうにそう言って始まった四度目の責めは、亀頭を越え陰茎の全体にまで及んだ。挟んでいた豊満な乳房を外し、今度は淫らな舌使いに時折キスを織り混ぜる。水音をわざと出しながらの責め苦に、彼の肉棒は瞬く間に膨張していった。
「れろっ♡ ぺろっ♡ ちゅっ♡」
「うっ……はぁっ……うあぁ……！」
動作の一つ一つに彼女の淫らさがにじみ出ているのは、決して気のせいなんかではないのだろう。事実、ヴィーナスの表情はとろんと蕩け、その頬は耳まで紅く火照っていた。発情しきった顔に満面の笑みを浮かべ、心底嬉しそうにヴィーナスは肉棒を美味しそうに舐め続ける。
「ヴィーナスっ……また、イク……！」
「は〜いっ♪ あむっ♡」
「くはっ……ああああああっ！！」
彼の絶頂を迎えるペースは少しずつ、しかし確実に短くなっていた。四度目の射精も口で受け止める。胸の高鳴りを必死に誤魔化し、ヴィーナスは精液を飲み干した。
「……こくんっ♡ はぁっ……はぁっ……えへへ……おいしいよぉ……♡ ご主人様の、せーえき……♡」
「はぁっ……はぁっ………ヴィー、ナス……」
「……どう、したの？ また回復したい……？」
体力を回復できないまま射精を続け、完全に弱りきった青年に彼女が追い打ちの言葉を投げかける。彼の言葉は、しかし―――
「……お前、精液、そんなに飲んで……大丈夫、なのか……？」
―――しかし、予想外なことに、ペースを握っているはずのヴィーナスを心配する言葉だった。
「………えっ？」
とくん、とくん。意識から外れていた心音が、途端に頭の中に鳴り響く。
「だ、だって……飲まないと、嫌なんだもん……理由とかじゃないもん……」
嘘偽りのない、心からの答え。効率などは関係なく、彼女の考えとして大好きな人の精液を飲まない選択肢など、そもそも存在しなかった。
それがいけなかった。嘘をつくべきだった。嘘をついて、自分自身を騙すべきだった。
「……あ？ バインド、解け、て……る……？」
「………っ！？ あっ、は、�爛魯ぅ謄鵐廖宗宗宗�
「�爛咼紂璽謄�フル・ワールド�瓠�
「―――ひあぁっ！？」
気付いた時には既に遅かった。ヴィーナスとの契約によって手にした時間停止を彼に使われ、背後から覆い被さるように抱き締められてしまった。それだけで、媚毒を飲みすぎたヴィーナスの身体には思考を焼かれるほどの電流が走る。
「ご主人様、やめてぇっ……！ まだ終わってないのっ……！」
「でも、その様子じゃもう無理だろ？ ほら、持ち上げるぞ？」
「えっ！？ まっ……にゃああぁっ！！」
月光に照らされた真珠色の柔肌を持ち上げられ、上半身だけをベッドに寝かされた。愛する主を求め淫靡に痙攣する秘唇を、その彼の眼前に差し出す形に。恥ずかしさのあまりか、ヴィーナスが耳まで紅くなった顔を両手で隠した。
「あれ、はいてなかったのか？ それに、やばいくらいヒクついて。これじゃあ、誘ってるようにしか見えないよなあ？」
「だって、はいてたら……その……！」
「……お、魔法石。いいの？ サンキュー♪」
「えっ、うそっ！？ 天使ちゃんっ！？」
青年から魔法石の袋を奪っていた使い魔が、麻袋から石を取り出して彼に返還した。突然の裏切りにヴィーナスが慌てふためく。
「ご主人様やめてっ！ お願いっ、使っちゃだめぇっ！！」
「……まあ、さすがにこれは同情する」
「あっ……あ、あぁぁっ……！」
同情すると言いながらも、青年は平然と虹色の石を手の中で砕いた。ガラスの砕けた音を鳴らして完全に回復してしまった彼を見て、観念したヴィーナスが哀しげに呟く。
「……結局、こうなっちゃうんだ……」
仰向けになって、ヴィーナスは着ていた衣装を自らの手で全て消し去った。純白で包まれたコスモスの姿から、一糸纏わぬ無垢の姿に。豊満な双丘の頂で必死に主張する乳首が、愛液を絶えず滴らせ蹂躙を待ちわびる秘唇が、そして発情し火照り蕩けきった表情が、眼前に立つ青年を淫靡な世界へと誘惑する。
「……えへへっ。ご主人様……お仕置き、好きなだけしていいよ……？」
「ヴィーナス……いいのか？ 今日はヴィーナスが……」
「もういいの。私はもう満足だよ♪ ……あ、ちゃんと優しくしてね？ 私、できるだけ気絶したくないから……」
「……わかったよ、ヴィーナス」
彼のいきり立った精剣がヴィーナスに向けられた。犯される覚悟を決めてか、ヴィーナスも彼に笑顔を向ける。互いに見つめ合うこと数秒―――
「……愛してる」
―――心からの想いと共に、青年は愛する女神を貫いた。
「〜〜〜〜っ！！？ ひぁっ、あぁぁあああああっ！！ うあっ、あっ、あっ、やっ、ああぁっ！！」
生じた快楽が、ヴィーナスを一瞬で絶頂へと追いやった。絶頂の上から何度も絶頂を迎え、ヴィーナスの意識が真っ白に染まる。
「ひぐっ、ぃあああああっ！！ だいすきっ！ だいすきだよっ、ごしゅじんさまぁっ！！」
「俺もだ、ヴィーナス！ 愛してる！ この世界で誰よりも、お前だけを愛してるんだっ！！」
「わっ、わたしっ、だってぇっ！ あはぁっ！ らめっ！ いっちゃうっ！ わたひっ、またいっひゃっ、あっ、あああああぁっ！！」
お互いに愛を叫び合い、抱きしめ合い、本能のままに犯し合う。
「ヴィーナス、出すぞっ！！ 今度はちゃんと、お前の子宮に……！」
「いいよっ、きてぇっ！ ごしゅじんさまっ、なかにっ、なかにだしてぇっ！ ごしゅじんさまっ、だいすきっ、ごしゅじんさまごしゅじんさまぁっ……！！」
自分が何を言っているかもわからない。ただ恋人に�狢膵イ��瓩鯏舛┐燭ぁ�タガの外れたヴィーナスの想いが喉を枯らしてなお叫び続けた。
「ごしゅじんさまあああぁっ！！ わたっ、いっ、ちゃっ、あっ―――やああぁぁあああああっ！！」
そして放たれた、五度目の射精―――子宮へと溢れんばかりの精液を流し込まれ、ヴィーナスは果てた。
「あっ、んっ……♡ やあっ……♡ あはっ……♡」
凶器を引き抜かれてもなお、ヴィーナスの絶頂は止まらなかった。力無き喘ぎ声と共に潮を噴き、膣から溢れ出る白濁に女神の愛液が混ざる。焼き切られそうな意識を必死に保ち、儚げな笑顔を浮かべた。
「はぁっ、はぁっ……ご主人様ぁ……♡ 私……やっぱり、いじめられる方が好きみたい……！」
「……まったく。とんだ変態さんだな、ヴィーナスはっ！！」
「ひぎいぃっ！？ ……えへへっ、ありがとっ……♡ 最高の、誉め言葉だよぉ……あぐぅっ！？」
ペースは完全に奪い返されてしまった。再び凶器を挿入され、蕩け切った表情で喘ぎ声を漏らすのはヴィーナスの役目にされてしまった。……だというのに。
「あっ、かはっ……！？ ひどいよ、ご主人様ぁっ！ ちゃんと、優しくするってっ……！！」
「ごめん、無理っ！ お前の中、気持ちよすぎて、止めたくても止められないんだ！」
「やだっ、やだやだやだぁっ！！ 壊れっ、ふああぁぁっ！！ こわれたくっ、ないよぉっ！！ ごしゅじんさまぁっ！！ いやぁっ、いやあああああっ！！」
心の奥底で、かつて女神だった少女は、この被虐心にさえも、確かに幸せを感じていた。
◆ ◆
「……あぁ、もう朝か」
カーテンから差し込んだ光を受け、冒険者の青年は目を覚ました。彼の寝顔を満喫していたのか、横から愛する女神の声が響く。
「……おはよっ、ご主人様」
「おはよう、ヴィーナス。……あれ、元気ない？」
予想に反してしょんぼりしていたヴィーナス。彼女の口から出てきたのは、昨晩の行為に対する謝罪の言葉だった。
「ごめんなさい。私、あんな調子に乗っちゃって、ご主人様にあんな……」
「はあ？ 俺、その件でヴィーナスにお礼言おうと思ってたんだけど？」
「……えぇっ！？」
彼の言葉にヴィーナスが目を見開いた。完全に予想してなかったのか、動揺を隠せないでいる。
「いいの！？ だって私、ご主人様のこと壊そうとまでしちゃったんだよ！？」
「ああ。だって、ああいうのは意識しないと絶対できないしな。今のお前の反応からしても」
カオスの片鱗を見せても、すぐにコスモスとしてのマゾなヴィーナスに戻ってしまうあたり、彼女は根っからの被虐体質なのだろう。しかし、それでも。愛する人の意外な一面が見れたことは、彼にとっても嬉しかったのだ。
「それに、ヴィーナスのいつもと違う可愛さが見れたしな？」
「〜〜〜〜っ！？ もうっ、そういうとこずるいよぉっ！！」
「ちょっ、痛い痛い！」
耳まで赤面させぽかぽかと殴りつけるヴィーナスを力強く抱きしめ、彼は耳元で優しく囁いた。
「愛してるよ、ヴィーナス」
「うんっ！ 私も、いっぱいいっぱい、大好きだよっ♪ えへへ、ごっしゅじんさまーっ♡」
互いに強く抱き合ったまま、二人はしばらくのんびりしていたという。
……蛇足だが。
「助けてご主人っ！！ どうしようっ……孔明がっ……孔明がぁっ……！」
「主君さん、助けてください！ お姉さまが、お姉さまが目を開けないのっ……！」
「兄貴、助けてくれ！ 小喬と二人で犯してたら大喬が壊れちまった……！」
「ますたー、ポルックスお姉ちゃんがぼくの抱き枕を返してくれないのー。眠いよー」
「すまぬ主君、助太刀を！ 分身達がリーザ殿を輪姦したまま止まらなくなってしまったのでござる！」
「……てへぺろっ♡」
「おいお前何したんだヴィーナスぅぅうううっ！？」
……チョコレート・パニックは、まだ終わってなどいなかった。
コメントをかく