なぜないのか疑問だった

ノーマル以上、アブノーマル未満


 暖かな春の始まり。
木属性たる彼の大嫌いな寒さ、冷たさもすっかり消え去り、こんな日は元気にダンジョンにでも行くに限る.....と、石田三成は冒険者の部屋の襖を開けた。

「主ー、今日は出陣はしないのか?俺暇なんだけど」
「今日は休みで.....朝からだるい....」

気だるげに呟きながら畳に寝転がる冒険者。
昨日は一日中プラス集めのためダンジョンをマラソンしており、今日はくたくたらしい。
その時のんきに友人のカネツグと茶を飲んでいた三成は、気まずさからかそれ以上催促するのはやめた。

「んー、それじゃしかたないか.....ていうか主、腹出てる。風邪引くぞ」
「いいですよ、今日は温かいし...大丈夫大丈夫」
「いやよくねーよ」

飽きれ顔でため息を吐く三成。
めくれた服の下からは小さな臍が見えており、少しずり落ちたズボンからは下着がちらちら見えている...が、心底だるいといった様子の冒険者は気づいてもいなければ気にもしていない。
そんな彼女を見た三成は小さくため息を吐き、温かいブランケットでも持って来てやるか...とその場を立ち上がろうとして―――ふと、何かに気づいたようにその場に座り込んだ。

「おい、主」
「はーい.....



.....ひっ!?ち、ちょっと石田さん、何して.....あ、こら!!」

ぼーっとしていた冒険者だが、急に腹、それも臍を触られる異様な触感に驚き飛び起きようとする.....が、その手は容易く捕まれ、木属性特有のバインド術で両手をあげるようにツタで拘束された。

「主って綺麗な腹してるよな、俺意外とこういう趣味あるのかも」
「へ......!?ああもう、今日は本当に疲れてるんですって....ちょ、その手をどけて......ッ!」
「あー大丈夫、本番まではしないから。
ていうか、主って臍弱いのか。ふーん...」

おもむろに臍に人差し指を入れ、くりくりと弄ると甘い声を出す冒険者に思わず顔がにやけてしまう。
副属性が真っ黒な闇なだけあって、実に悪そうな笑みだ。

「やっ、指、入れちゃ......あっ、ひゃん!!」

滑りを良くしようと指をくわえ、唾液を含ませて再び穴に入れる。
内側の肉をくいっと擦り、そのままぬぽぬぽと上下に動かせばびくびくとすべすべの腹が震え、さらに喘ぎ声を強くする冒険者に三成の背筋にはゾクゾクと震えてしまう。

「あー可愛い...やっぱ主って性感帯変わってるよな、この前も足裏弄っただけで声あげちゃって........ん、」
「ッ!?...し、舌やだ、やめ........っひあぁぁぁ!!?
...やっ、ぬるぬるきもち.....ふ、うぅ.......!!」

ぬるぬるとした舌が臍穴に捩じ込まれ、未知の快感に必死で唇を噛み、堪えようとする冒険者。
穴の中をたっぷり唾液を含めた舌でかき回し、尖らせた舌で奥をぐりぐりと刺激され、強弱を付けて吸い付かれるたびに喘ぎ声は一層高くなる。
必死に逃れようと腰を浮かせようとすると、今度は足首を開いたまま机の足に結ばれてしまい、一気に集中して襲いかかる臍への快感に、冒険者の目にはちかちかと火花が散る。

「だめ、ほんとに私、おへそでイっちゃ....ひうッ!?........ん、やあっ、ああぁぁぁぁ!!」

甲高い声を出し、体を反らしながら一気に達する冒険者。
胸にも下にも一切触れられていない、臍という本来何の機能も持たない体のパーツで普段の数倍感じてしまった.....あまりの恥ずかしさに、彼女の頭は真っ白になりそうだ。
ようやく三成が臍から唇を離すと、名残惜しそうに唾液の糸が下に落ち、つう...っと服に薄い染みを作った。

「ぷはッ........え、マジで臍でイったの?
そんなに気持ちよかったのか....はは、それは良かった」

いつもの余裕綽々、憎たらしいほどの笑みを浮かべながら小さく笑う三成。
既に彼の自身は興奮のあまり、ガチガチに固まっている。

「うう.....この、変態武将...」
「主に言われたくないな。
...まあでも、どんな貴方も俺は好きですよ、可愛い主殿。」

悪態をついたつもりがこっ恥ずかしい台詞を吐かれ、途端に顔を赤くする冒険者。
彼はけして嘘をつかない、それを知っているからこそ、余計に恥ずかしい。

「な、何ですかいきなり...そ、そんな事言われてもぜんぜ....

....ちょ、何で抱きつくんですか!離れろ、こら!」
「いや、どさくさに紛れようかと」

不意に抱きついてくる三成に驚き、いよいよ暴言を吐く彼女だが、当然そんなものが通じるはずも無く。
ごそごそと自身のソレを取りだし、あろう事か、それを冒険者の臍に擦りつけた。

「こういうの何て言うのかな.....臍コキ?...まぁいいや、そら」
「.....い、やだやだ!!この変態!禿げ!人望零のば.....ッ、や、あぁぁぁ!!」
「禿げじゃねーし、でこ出しスタイルだし......は、結構良いな、これ」

ぬりゅぬりゅと先走りを垂らす肉棒を擦り付けられ、びくびくと体を震わす冒険者。
最速変態を通り越した行為、しかし確かに彼女はいつも以上に乱れており、三成はさらに抱き締める力を強くし、耳元でとびっきりの低い声で囁いた。

「こんなんで感じちゃうとかさ、本当に主は変態だよな。恥ずかしいとか思わないの?」
「は、恥ずかしいに決まって.......あっ、強くしちゃ....ひうぅッ!!」
「...はは、まぁ主には俺がいるからいいか......な、絶対俺の事裏切るなよ?ん?」

耳をはむはむと甘噛みし、さらに強く臍に押し付けると甘ったるい声が甲高くなる。
俺の言葉は届いてたかな...と三成は小さく苦笑し、白い首筋に強く吸い付いた。

「くびぃ、やらッ!!あと、ついたらバレちゃ....ひぐぅぅぅ!?」
「いいじゃん、主は俺のだぞってすぐわかるし...あ、そろそろ無理そうかな?」

敏感な首筋を刺激され、臍を擦る速度が速くなり、電撃のような快感が全身を駆け抜けようとする。
もう限界だ、ぎゅっと冒険者が三成に強く抱きつくと、安心させるように彼の手が背中を優しく撫でる。
びくびく、と臍に押し付ける肉棒が震え―――

「.....も、イく、イきま......ふあっ、ああぁぁぁぁ!!」

びゅくびゅくと、白濁液を真っ白な腹の上に吐き出した。



※※※



「こんの....もう、今日は疲れてるって言ったのに...酷いじゃないですか!石田さんなんて禿げちゃえ!」
「わりと真面目に笑えないからやめろ。
...ていうか、主だって滅茶苦茶気持ち良さそーに鳴いてたじゃん。臍ってある意味性器だよな、だって穴だし...今度ディオス公に会ったらそれとなく話してみよう」
「話すな!!」

真っ赤な顔で怒鳴り付ける冒険者。
臍というマニアックすぎるパーツであれほどまでに感じるとは...一番嘘だと願いたいのは紛れもなく、当の彼女自身である。

「まぁこれに懲りたら、次プラマラする時は俺を連れてけ。置いてけぼりは許さんぞ」
「えっ?........あの、もしかして寂しかったりしてました?」

ちら、と少しだけ目線を反らしながら上目を遣う冒険者。
余裕が取り柄の彼にしては珍しく狼狽えた後、三成は唇を尖らして呟いた。

「...だってさー、最近ヴェルダンディ殿ばっかり連れ回してるじゃん。
一応俺こそが!主の一番のモンスター兼、恋人なんですよ.....多分」

自分で言っておいて自信無さげな三成。戦略を考えるのは得意だが、どうも実戦と恋愛に関してはあまり得意ではないらしい...と、本人は思っている。
実際そんな事は全く無いのだが。

「そっか...ごめんなさい、最近ずっと置いてっちゃって......明日は新しい降臨が来るから、石田さんリーダーで行こうと思ってるんだけど...どうですか?」

不安そうに三成の瞳を見上げる冒険者。この目線の位置は良いな、なんて思いながら、彼にしては晴れやかな笑顔で返事を返した。

「あーいいよ、俺も久々にカネツグと話せて楽しかったし....よし、明日は俺に任せておけ。」
「ん、期待しています。私も頑張るぞー」

途端に上機嫌になる三成と、にっこりと笑いかける冒険者。
ひとまず明日に備えて今日はのんびりするか...と思った瞬間、さながら背後霊の如くのし掛かる男に顔をしかめ、冒険者は静かにため息をついた。

「なー主、たまにはああいう危ないプレイもしような」
「.......た、たまになら...いやっ、やっぱ駄目!」
「えー.....」


おしまい

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