なぜないのか疑問だった

ヤ魔モトPの野望


「くっくっくっ……」

山本……いやヤ魔モトPはいやらしい笑みを浮かべていた。
彼はとうとうモンスターの姿を借りることで、パズドラ世界への干渉に成功したのである。

「てめぇ、こんなことしてただで済むと思ってんのか!?」
「許しません……!」

そんな彼の目の前には、ボロボロの状態で縛り吊るされているエキドナとサクヤが。
彼女らはPの操る凶悪な力の前では、あまりにも無力であった。

「いい格好だぞ、二人とも。とりあえず297振っとけ代表のエキドナに、様々な投票で常に上位をキープするサクヤ……
人気者であるお前たちが、これからこの私に屈服するかと思うとぞくぞくするよ」
「ざっけんな!職権乱用であたしらのスキル変更にステ減少させてまでして、プライドってもんはないのか!?」
「聞こえないな。さて、では早速……」
「や、やめてこないで!」

実に醜悪な笑みを浮かべながら、Pは二人ににじり寄る。
そして手に持つ剣であっというまに衣服を切り裂いた。

「くっ……ぅ……!」

エキドナとサクヤは、せめてもの抵抗で悲鳴をあげることはしない。
かろうじてひっかかっていた服の残骸も取り払われ、二人はその美しい裸身を全てPにさらけ出している状態だ。
耐えがたい恥辱。だからこそ、せめてこの男を喜ばせるようなことはすまいと、声を押し殺す。

「んっんー……いい眺めだ。二人ともなかなかどうして立派なものを持っているじゃないか。
このまま楽しむのもありだが、今日は私の趣味につきあってもらおう」

すると突然Pはごぞごぞと鞄から何かを取り出した。
それは、おっさん世代なら知っている人も多いであろうビックリマンキャラクターの衣装であった。

「とりあえずエキドナにはヘッドロココの衣装で、サクヤには十字架天使の衣装かな?」
「コ、コスプレプレイなんて気が狂ってやがる……!しかもなんであたしがロココなんだ、元ネタ的にホムラの方が適任だろ!?」
「な、なんで私がこんな破廉恥なレオタードを着なきゃいけないんですか!?天使ならガブリエルさんがいるでしょう!?」

Pの突拍子もない行動に、全裸だということも忘れて二人の少女が吠える。
身動きができない以上、このままPに犯されてしまうのだろうが、加えてそれがコスプレプレイなんて嫌過ぎる。

「馬鹿だなお前たちは。ロココと言えばビックリマンの主人公だし、十字架天使はアニメ1期ではヒロイン枠だったんだぞ?」
「え?それってあたしら超優遇……」
「まあロココはともかく、十字架天使の恋は無残に砕け散るんだけどねー」
「ぐふぅ!?」
「サクヤァ!?てめえ、なんて酷いことしやがる!?」

精神的ダメージにより、サクヤががっくりと項垂れて気絶してしまう。
狡猾なPは汚らしい笑みを浮かべたまま、その隙にサクヤにぴちぴちのレオタードを着せるのであった。

「昏睡コスプレレイプ……男なら誰もが憧れることを、私は今現実のものにしようとしている!」
「憧れるか!くそ、サクヤを離しやがれ……!」
「安心しろエキドナ。次はお前の番だ」



「そうはさせないぜ、ヤ魔モトP!」
「!?」

「ミコト爆神こと、スサノオミコト参上!」
「ぐあっ!?」

突如現れたスサノオは、Pに一太刀をお見舞いするとサクヤを抱きかかえて距離をとった。
格好はいつものものではないが、その逞しさは本来のスサノオのものである。

「貴様何故ここに……!?先にビックリマン化は済ませたはずなのに!」
「舐めるなよヤ魔モトP。俺は元々の顔がビックリマン寄りだったし、究極体ではバインド完全耐性持ちだ。
お前のビックリマンの呪縛は、俺には効かないぜ!」
「やっぱスサノオはみんなのヒーローだな!ありがとよ!」

スサノオはそのまま拘束されていたエキドナも救いだし、形成は完全に逆転した。

「このヤ魔モトP様に逆らうとは……私は、貴重な光悪魔タイプにして変換持ち!
加えて体力タイプ!そう、体力寄せのサクヤパにも適任!さらにさらにスキブ持ち!この強すぎる私をスサノオの等倍攻撃なんかで



「スサノオ、あの殴りたい面した自己主張激しそうな悪魔が今回の騒動の親玉?」
「あ、姉さん早かったな。後は任せるよ、俺はエキドナとサクヤ送ってくからさ」
「ん、了解」

夜想詠神ツクヨミの姿を見た瞬間、ヤ魔モトPは戦慄した。
嫌な予感が、彼女の背後に仕えるような姿勢の二匹の犬が……

「LF闇闇アヌビス!キングワルりんの悪魔エンハンス!そして私の必殺CTW……!」
「待っ――

止まりゆく時の中、それがヤ魔モトPが最後に見聞きしたものになるのであった……

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