「ぐすっ……でね、でね、いちいち歳の事気にしてウザイとか、あの格好がその、いやらしすぎるとか、そんな事言われてるの聞いちゃって……」
「そうか」

 ヒューゴの部屋で、ベソをかきながら愚痴るアクア。つい先ほど立ち聞きしてしまった、マグネイト・テン隊員たちの噂話が、思いのほか堪えたらしい。『聞き流せないのかなあ、そのくらい』と思いつつ愚痴を聞くヒューゴ。生粋の兵士たちの私語など、マグネイト・テン隊員の少年たちのそれと比較にならない猥雑さだ。
 まあ、聞き流せなくてベソをかくのが、アクアらしいと言えばアクアらしい。23にもなって、子供だなあと思いつつ、半ベソ状態のアクアを見ていると、ヒューゴの胸にむらむらと『イジメたい欲求』が湧いてくる。自分で思うほどには、ヒューゴも大人になりきれてない。

「好きでこんな格好してるわけじゃないのに……」
「うん、あくまで操縦に必要なDFCスーツだもんな。……でも、あれだ、いやらしいのは確かだろう」

 ヒューゴの返しに思わずむっとした表情のアクア。

「いやらしいって……必要だから仕方なく着てるのよ!」
「うん、だからさ」
「きゃっ!」

 ひょいっとアクアを抱え上げてしまうヒューゴ。そのまま彼女を軽々と運び、洗面所の鏡の前に立った。

「ちょ、ちょっと、何するのよ!」
「ほら、必要だという事と……」
「ひゃあぁん!」

 後ろ手に手を拘束されたまま、ヒューゴの開いた側の手が、彼女のむき出しのおヘソをくすぐった。思わず声を上げてしまうアクア。

「見た目がHなのは別問題だろ? ほら、勃っちゃった乳首が、まるわかりだぜ……?」

 背後から耳元に、吹き込むようにささやくヒューゴ。アクアの頬が見る見る紅潮し、彼女は自分の体が熱くなるのを感じた。

「たっ……! う、ウソよ、そんな……み、見えてなんか……」
「ほら、また大きくなったみたいだ……いやらしいなあ、アクアのおっぱいは」

 否定しようと思うのだが、自分の喉から声が出ない。アクアは、鏡に映った自分の姿から目が離せなかった。潤んだ瞳。紅潮した頬。DFCスーツの狭間に露出する肌にうっすらと汗が浮き、自分の目から見てさえ……

「いやらしいだろう?」

 ささやくヒューゴの声が、真っ直ぐ彼女の胸にしみこんだ。アクアの息が弾む。心臓は激しく脈打ち、乳房の先端に、痛いほど血流が集まって来る……

「はっ……はっ……ちがう……わたし……こんな……いやらしくなんか……」

 弾む息と共に、搾り出すように漏らすアクア。と、彼女の腕を押さえていた手が放された。ヒューゴは彼女を抱きしめるように両手を回し……

「! ああぁぁ〜〜〜っ!」

DFCスーツをずり下げて、彼女の胸乳を捕らえた。

「ああっ……はあっ……ひあぁぁっ!」

 首を反らしてヒューゴに預け、いやいやをしながら嬌声を上げるアクア。柔らかく優しい愛撫は、次第に彼女の乳首に集中して

「はぁぁぁ〜〜〜っ! それ……だめぇぇ〜〜っ!」

太く武骨な軍人の指先が、可憐な双丘の頂点を捕らえた。

「あぁぁ〜〜〜っ……だめ……それ……だめぇぇ〜〜っ……ヒューゴ……許して……ああぁぁ〜〜〜っ!」

 愛撫を集中された乳首から、痛いほどの悦楽の奔流。振り払いたい。開いた手で、彼の手を振り払いたいのに、今以上の刺激が怖くてできない。
 ヒューゴの指の動きが変わった。さわさわと、まるで乳首を回転させるような愛撫。そしてその動きが、次第に早くなっていく……

「ひぃぃ〜〜っ! やめてぇぇ〜〜っ! とれちゃうぅっ! 乳首……とれちゃ……ああぁぁぁ〜〜〜っ!!」

 首を反らして絶叫し、かくんとアクアの体から力が抜ける。崩れ落ちる彼女を支えながら、床に膝をつくヒューゴ。股間からあふれた液体で、彼女の太ももは濡れまみれていた。

「……ごくっ……ん……」

 自分の喉を落ちる冷たい感触に、散じていた意識が戻ってくる。アクアが目を覚ますと、スーツも下着も脱がされて、ヒューゴの膝の上に抱きかかえられていた。タイルの感触が冷たい。一瞬おいて、バスルームだと気付いた。

「! い、いや……」

 目の前に、洗面所にあった鏡が置かれていた。思わず身を縮めるアクア。

「ほら、隠しちゃだめだ。脚を開いて」

 含み笑いをしながら、背後のヒューゴがささやく。

「いや……いやよ……! 何で……こんな……」

 半ベソになってかぶりを振るアクア。くすくす笑いを漏らしながら、ヒューゴは彼女の腕を背中で交差させ、何かビニール状の拘束具で固定した。そして彼女の両膝を掴み、ぐいと開かせる。
 鏡に映し出されるむき出しの裸身。秘めおくべき胸乳も秘裂も、あからさまなまでにさらけ出されて、アクアは意識も飛びそうな羞恥に身を焼かれる。なのに彼女は、鏡の中の自分の姿から目を離せない。息が弾み、全身がピンク色に紅潮していく。

「いやらしいなあ、アクアは。……本当にいやらしいのは、DFCスーツなんかじゃなく、お前の体そのものだよな」
「……そ……そんな……そんな言い方って……」
「こんなHな体で目の前をうろつかれたら、10代の隊員はたまんないな。自分が隊の平均年齢より上だとか嘆いてたけど、本当は若いのを誘惑して楽しんでいるんじゃないのか?」
「ううっ……ひぐっ……ふえぇっ……」

 アクアの顔が子供のように歪み、潤みがちの瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれた。

「どうして……どうしてそんな事言うのよ……。わたし……そんな……そんな女じゃない……誘惑なんて……」

 ぐすぐすとしゃくり上げながら訴えるアクア。ヒューゴはたまらず彼女のあごを上げ、背後から唇を合わせた。可愛いと思うからこそ、虐めたくなる。そして彼女もまた、体の奥底でそれを肯定しているように思える。虐めれば虐めるほど甘さを増す水蜜桃。アクアはそんな女だ。
 長く舌を絡めあい、ため息と共に離れる二人の唇。ヒューゴの唇はそのまま、涙をぬぐうように彼女の頬をついばんだ。

「……悪かったな。お前があんまり可愛いから、つい泣き顔が見たくなるんだよ」
「ばかっ……ヒューゴのばかっ……泣き顔が見たいなんて……意地悪よぉっ……」
「ん……そうだな……。感じやすいんだよな、お前は。心も……体も……」

 感情の抑制の下手な彼女だが、物は言いようだ。なだめるように、再びキスを交わす。唇と舌をからめ合いながら、ヒューゴはボディーローションを取り、彼女の体に塗り広げた。汗とローションが溶け合い、ぬらぬらと浴室の証明を照り返す。

「……いじめた後は、その分だけ可愛がってあげないと、な」
「はっ……はっ……はあぁぁ……溶けるぅ……」

 ヒューゴの声に、既に答える余裕もないアクアだった。


「ああぁっ! はああぁぁっ! 飛んじゃう……とんじゃうぅ……いくぅぅっ!!」

 バスルームにこだまする、はばかりのないあえぎ声。アクアはもう、何度絶頂に達したかわからなかった。彼女の体を知り尽くしたヒューゴの指。触れ合い、愛撫されるのが、たまらなく気持ちいい。二の腕を撫でられただけで、わき腹を逆撫でられただけで、抑えようもなく声が漏れてしまう。そして、愛撫だけでいかされ続け、脱力しきった彼女を横向きに臥して、ゆっくりとヒューゴが侵入してきた。

「ああぁぁぁ〜〜〜っ! ヒュウゴぉぉ……きついぃ……あなたのぉ〜〜」

 普段ヒューゴに対して姉貴ぶってる彼女からは、信じられない甘え声。そして彼は両手を伸ばし、側位に貫かれた彼女の背筋とお腹を、なぞるように愛撫した。

「はあおぉぉ〜〜っ……だめ……せなかぁ……らめえぇっ……あぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」

 ろれつのまわっていない口からよだれをあふれさせ、かぶりを振るアクア。もとより感じやすかった彼女の体は、ヒューゴに更に開発されて、もう全身性器と言っていい。ヒューゴも全身を律動させ、彼女を内側と外側から激しく責め立てていく。

「あぁおぉぉぉ〜〜〜っ! いく……いくぅっ……ヒューゴ……ヒューゴぉぉっ!!」

 全身を絶頂の波頭が押し上げかける。途端にヒューゴが動きを止めた。彼女の太ももを抱き寄せ、ぴったりと密着させる。

「いやあっ……どうして……すぐなの……もうすぐなのにぃっ!!」

 欲情に濡れた瞳をヒューゴに向けて、絶頂を乞うアクア。彼は意地悪い笑みを浮かべ

「……いかせて欲しかったら……お願いしないと」

笑み以上に意地悪なセリフを吐いた。

「……や……どうして……イジワルよぉ……」

 うわごとのようにつぶやきながらアクアの腰がうねる。しかし抱き寄せられて固定されていては、自分の動きで快感を得ることもできない。

「ほら、言ってごらん。『わたしは、いやらしい女です』」
「な……ヒューゴのばかぁ……」

 彼が何を求めているかを知り、一体いつからこんなに意地悪になっちゃったんだろうといぶかるアクア。最初に関係した頃は、もっと優しかったのに。だがしかし、体の底を焼く燻りには抗えなかった。

「わ……わたしは、い、いやらしい……おんな……のこ……です」
「ん? まあいいや。『どうかわたしの淫らなマ○コを突いて、いかせて下さい』さ、ほら」
「な……そんな……そんなのって……」

 火照った体が更に熱くなったように感じた。自分自身で口にした事のほとんどない卑語。しかしその言葉自体が、彼女の耳奥にしみ込んで体の底の燻りを一層激しくさせる……

「ど……どうか、わたしの……み、みだらな……ああ、言えないぃぃ……はああっ!」

 ヒューゴが一瞬腰を突き上げた。そして前以上に腰を押し付けながら、ゆっくりと腰を回す。アクアのまぶたの裏に白い閃光がひらめいた。

「はあぁおぉぉっ……! おマ○コぉっ! わたしの、おマ○コ、突いて、いじめて! いかせてぇっ! お願いぃぃっ!!」

 全ての抑制を失った牝の遠吠え。同時にヒューゴの動きが始まった。肉の打ちあう音が響く、容赦のない動き。

「あぁぁぁぁ〜〜っ! いく! いくのぉっ! ヒューゴぉっ! いぐうぅぅっっ!!」
「はっ! はっ! アクア……アクアっ! 俺も……おれもっ!!」

 全身を弾けるように絡ませて、二つの肉体が絶頂に達した。……そしてゆっくりと緊張を解いて、もつれるように崩れる。互いの体の温かさに、互いの境界がとろけて行きそう……。そんな感覚に包まれて、二人は一時まどろんだ。


 意識が飛んでしまって戻らない彼女を、ぬぐい清めてベッドに運ぶ。そして濡れたままの髪を腕まくらにのせて、ヒューゴはナイトスタンドのスイッチを切った。
 アクアの満ち足りた寝息を耳元に感じ、明日はどんなふうにいじめてあげようか、そんな事を考えながら、彼は眠りの中に意識を解放した。


 − END −

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