「ふぅ・・・」
レビ・トーラーはため息をついた。
ここ最近念動力テストの結果が思わしく無いのだ。
『これじゃ…何の役にも立てない…私の存在する意味が無い…』
『…私が実験体としても使えなければ破棄されるのも時間の問題か…』
少女の不安定な思考は悪い方悪い方へと進んでいく…
『リュウに会いたい…リュウに会えば元気になれるかも…』
自分を氷の地獄から救ってくれた少年の事を考えると不思議と不安が和らいだ。
レビはふと時計に目をやる…
「午前1時か…ちょっと遅いが…まぁ、良いか」
リュウセイはいつも夜遅くまでゲームをしている。
その事を知っていたからこの時間でもまだ起きているだろうと判断したのだ。
『…リュウに会えば…この不安は気休めでも消えてくれるはずだ』
レビは上着を羽織るとリュウセイの部屋に向かった。

しかしいざ、部屋の前まで来るとレビは何だか気恥ずかしい気分になった。
夜遅くに男の部屋を訪れるという事を別の意味で意識し始めてしまったのだ
『どうしよう…何て言って入れば良いんだろう…』
『お話しよう?不安なんだ?…どう切り出そうか…』
いろいろ考えるが良い案は浮かばない……
『べ、別にリュウに会いに来ただけなんだから…何だって良い筈だ』
そう自分に言い聞かせレビはドアをノックしようとした。
「あ・・・ん・・・リュウセイ・・・ダメ・・・」
レビは一瞬自分の耳を疑った…聞き覚えのある声…
そう、自分達の教官ヴィレッタ・バディムの声が部屋の中から聞こえるのだ。
その声は少し羞恥と快楽を含んだ物だった。

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