俺とエクセレンは、並んでベッドに座っていた。
 俺たちの正面にあるテレビの画面には、彼女が映っている。
 男の上で裸体をさらし、快楽を貪るような動きで腰を振る。その度に豊かな乳房が跳ねていた。
『あぁん!良い!良いの!もっと突いて!キョウスケのステークであたしを突き殺してぇ!』
 自ら胸を揉みしだき、更に激しく腰を動かすエクセレン。
『はぁぁぁん!そう!そうよ!もっとガンガン抉るように打ち込んで!子宮の奥まであなたのステークでかき回してぇぇぇっ!』
「――もうやめてっ!」
 己の痴態に耐えきれなくなったのか、隣で悲鳴にも似た声が上がる。
 俺はリモコンの停止ボタンを押して、ビデオを止めた。
「良い趣味だな……恋人との営みを記録しておくとは」
「どこで、こんな物を……」
 横目で俺を睨むエクセレン。だが羞恥心ゆえか、その視線には力がなかった。
「どこで手に入れたかより、このビデオをどうするかの方が問題じゃないのか?」
 俺はそう返しながら、彼女の肩を抱き寄せる。
 エクセレンは床に目線を落としはしたが、嫌がる素振りはなかった。
「私を、脅迫するつもり……?」
「報告は兵隊の義務だ」
 俺は彼女の耳元で、意味ありげにささやく。
「その義務を妨げようというのなら、それ相応の代償を支払うべきだろう?」
 ――バラされたくなければ、言う事を聞け。
 要するにそういう事だ。
「――何をすれば良いの?」
 エクセレンは目線を伏せたまま、かすかに震える声で尋ねる。
「脱げ」
 俺が短く命令すると、エクセレンはすっと立ち上がり、ほんの一瞬だけためらう素振りを見せたが、すぐに意を決したように、服を脱ぎ始めた。
 俺はその様をじっくり観察する。
 軍服を脱ぎ、下着姿になったエクセレンは、許しを乞うようにこちらを見た。
「どうした?サッサと脱げ」
 冷たく突き放すように言うと、エクセレンは目を伏せ、ためらいがちに下着を取り、生まれたままの姿を俺の目の前にさらした。
 陶器を思わせる白い肌は、恥ずかしさでかすかに上気している。
 悩み事とは無縁な明るい表情は消え失せ、追い詰められた小動物のように怯えきっている。
「つ、次は……どうすれば、良いの?」
 裸になって、それで終わる筈がない。それくらいはわかっているらしく、エクセレンは次の命令を促す。
「しゃぶれ」
 俺は立ち上がると、命令を下した。
「……はい」
 エクセレンは小さく返事をすると、俺の足下に座り、震える手でズボンのジッパーを下ろし、俺の一物を取り出した。
「…………」
 頬を赤らめ、熱っぽい視線で肉棒を見つめながら、白い指を絡ませてゆっくりとしごき始める。
 柔らかな手のひらの感触で、既に膨らんでいた肉棒は更にサイズと硬度を増していく。
 その様を眺めるエクセレンの呼吸が、かすかに荒くなっていた。
 完全に肉棒が勃起すると、彼女は生唾を飲み込んだ後、大きく開けた口でゆっくりと頬張った。
 ヌムムムッ……と唇が幹を伝い、根元の茂みにまで達する。
 亀頭に喉の入り口の収縮を感じる。
 次いで、唇はゆっくりと後退し、雁首の所でキュッとすぼまった。
 エクセレンはその動きを、徐々に速度を上げながら繰り返す。その度に、舌が裏筋をこすった。
 垂れたよだれが床に小さな染みを作る。
 精液を搾り取ろうとするかのように、吸い付きが激しさを増した。
 爆発が近い事を悟った俺は、エクセレンの後頭部に両手を添えると、荒々しく腰を振る。
「んうっ!?んぶっ!んん〜〜〜!」
 苦しげに呻くエクセレン。
 だがその声も、異物を排除しようとする口腔内の蠢きも、俺を高ぶらせるだけだ。
「出すぞ……飲め!全部飲むんだ!」
「んむぅ〜〜!」
 何か言いたげにエクセレンの口腔が蠢いた瞬間、俺は欲望の全てを吐き出した。
 逃れようとする頭を押さえつけ、精液を喉に直接注ぎ込む。
 射精が終わり、手の力を緩めた途端、エクセレンは口から肉棒を引き抜き、その場で激しくむせ返った。
「げほっげほっ!うぇえっ!かはっ!えほっ!んはぁっ!」
 ボタボタと床の上に精液を吐き出すエクセレン。そこに、周りを煙に巻く普段の面影など微塵も残ってなかった。
「誰が吐いて良いと言った!?」
 金髪のポニーテールを掴み、無理矢理上向かせると、エクセレンは怯えの色をいっぱいに浮かべた。
「ご、ごめんなさい……!」
「――股を開け」
 次の命令を下す。
 彼女の怯える顔が俺の獣欲を刺激し、射精直後とは思えないほど肉棒も力を漲らせていた。
「ま、待って……せめてベッドの上で……痛い!」
 抗議するエクセレンを、俺はグイッとポニーテールをねじ上げて黙らせる。
「ベッドの上でだと?人間様のベッドに上がるつもりか、この雌豚!」
 叩きつけるように怒鳴る。
「め、めすぶた……!?」
 その一語に、エクセレンは恐怖を忘れて、屈辱と羞恥に目を見開く。
「そうだ、お前は雌豚だ!誰の足下にでもひざまずいて、鼻面を伸ばして肉棒にむしゃぶりつく雌豚だ!見ろ!」
 俺はベッドの上のリモコンを取り、ビデオを再生させる。
 画面の中ではエクセレンが四つん這いになり、後背位で貫かれていた。
『ああん!好き!バック好きぃぃ!届くの!チンポが奥まで届くのぉぉぉ!』
 己の痴態を再び見せつけられ、エクセレンは顔を背ける。
 俺はポニーテールを掴んで、無理矢理テレビの方を向かせる。
「これがお前の正体だ!浅ましく快楽を貪るだけの雌豚、それが貴様だ!言え!私はチンポ狂いの雌豚ですと言え!」
「わ、私は……ち、チンポ狂いの雌豚です……」
「俺が良いと言うまで復唱しろ!」
「私はチンポ狂いの雌豚です!私はチンポ狂いの雌豚です!私はチンポ狂いの雌豚です!私はチンポ狂いの雌豚です!私はチンポ狂いの雌豚です!あうっ!」
 目尻に涙を浮かべるエクセレンを乱暴に床に投げ出し、俺は無理矢理股を開かせる。
 彼女の秘部は既に充分すぎるほど潤い、蜜を滴らせていた。
 俺はエクセレンの上に覆い被さり、一気に貫いた。
「はうっ!」
 体の下で、彼女は軽く仰け反る。
 お構いなしにハイペースで腰を動かし、奥まで何度も突き入れる。
 彼女の中は蜜で溢れかえり、俺の一物を処女のようなきつさで締め付けた。
「ま、待って!激しすぎ……!お願い、優しくして……!」
「黙ってろ雌豚!」
 エクセレンの懇願を無視して、俺は更にペースを上げる。
「だめ!お願いやめて!そんなに激しくされたらおかしくなっちゃう!私、戻ってこれなくなっちゃう!」
 なるほど、現に彼女は両足を俺の腰にガッチリと絡ませている。
 肉体は、脅迫者である筈の俺を受け入れているのだ。ならば、このまま心もねじ伏せるだけだ。
「戻れなくしてやる……このまま、理性も何もかもなくしてしまえ!壊れろ雌豚!」
 胸の奥の高ぶりに任せるがままに、俺は激しくピストンする。俺の腰が、俺の物ではなくなったかのようだ。
「いやぁぁあああ!許して!キョウスケ許してぇぇぇええ!キョウスケ!キョウスケぇぇぇええ!」
 何度も名を叫びながら、エクセレンは俺を締め付ける。
「ひ、ひぃぃ!いく!いっちゃう!ごめんなさいキョウスケぇぇぇええ!」
 叫びと共に、一際強い締め付けが俺を襲う。
 次いで、エクセレンの肢体がビクビクッ!と震えた。
 俺はとっさに肉棒を引き抜き、波を打つ彼女の真っ白な腹部に、大量の白濁をぶちまけた。

**

 熱いシャワーを浴びてバスルームから出ると、エクセレンがベッドの端に座って待っていた。
 俺の姿を見ると、いつもの悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ねぇ、今日のシナリオはどうだった?キョウスケ」
「……貴様のノリに引き込まれたのは認める」
 答える俺の顔は、恐らく仏頂面になっているだろう。
「そうよね〜、途中からキョウスケもすっかりノリノリだったもんね〜☆いきなり雌豚なんて言われてビックリしちゃった☆」
「……すまん」
 やりすぎたと心から思う。しかし……。
「いい加減、こういうイメクラまがいの事をやるのもどうかと思うがな」
「何よそれ〜!まだ試してない脚本がたくさんあるのよ?」
 エクセレンはプゥッと頬を膨らませる。
「……シチュエーションの趣味が悪すぎる。この前の近親相姦プレイに至っては、俺とお前が実の兄妹なんて無理がありすぎだ。だいたいタカヤとミユキって誰だ?」
「気にしない気にしない☆」
「お前はもう少し色々な事を気にしろ」
 ケラケラと笑うエクセレンに、思わず溜め息が出た。コイツの考える事は、未だによくわからん。
 夜の生活にマンネリを感じ始めていたのは確かだが、まさかこんな芝居をやらされるとはな……。
「とりあえず、私もシャワー浴びてくるわね〜☆」
 そう言って、エクセレンは裸のまま、トコトコとバスルームへ入っていく。
 その白い背中を見送りながら、俺はもう一度溜め息をつくのだった。

このページへのコメント

>だいたいタカヤとミユキって誰だ?
お前等の異次元同位体だよw

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Posted by ゲシュペンスト愛好家 2012年01月09日(月) 00:40:05 返信

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