その少女イルイは上目遣いでスレイを見つつ、おそるおそるといった感じで口を開く。
「あの……アイビスの……元カノ?」
「!?」
イルイの口から出た言葉に、スレイは思わず絶句する。
が、それに構う事無くイルイは言葉を続けた。
「あの……アイビスは……今は私のものだから……その」
その言葉を引きつった笑みを浮かべながら聞く高倉嬢。
本能でやヴぁいと感じ咄嗟に逃げ出そうとしたダグラス嬢をしっかりと捕まえ、イルイとスレイの話を聞き続ける。
「えっと……デート(甘いものの食べ歩き)もして、一緒にお風呂入って洗いあいっこもして、毎日同じベッドで寝て(添い寝とも言うが)……そんな大事な人なんです」
イルイのかなり激しい勘違いと、その衝撃的な告白にスレイの頭は数秒ほど死んでいた。
その横では高倉嬢がひきつった笑みをうかべつつダグラス嬢にうめぼし(こめかみグリグリ)を極めている。
「え……えっと……違うよ。アイビスはただの友じ……」
現世にかえって来たスレイさぬは瀕死の脳味噌をふりしぼって、イルイの誤解を解こうとする。
だが、イルイはその言葉を言い終えぬ内に反論する。
「はっ……DC時代何度も生身(+ディルドー)で『廃ペリヲン合身GO』とかやっておきながらただの友人?冗談にも程が……あ……いや、なんでもないの……ごめんなさい」
スレイの言葉を遮るように出された言葉は、とてもイルイの様な少女から出るとは思えないどぎついものだった。
と言うか、何故そんな事をしっているんだ?
つか、合身GOは違うだろう。
で、自身の悪態にその場にいた皆が唖然としているのを見たイルイは、一旦言葉をきった後何事も無かったかのように誤魔化す。
「えっと……と、とりあえずあたしとスレイは友人って事で……そう言う事だからさ。イルイとも友達だよ」
なんかかなり険悪な雰囲気を醸し出している空間に耐え切れず、ダグラス嬢はとりあえずのフォローをいれる。
だが、場の雰囲気はますます険悪になるばかり。
「……スレイ」
「……解ってる」
いつの間にかスレイの横に来ていた高倉嬢。
引きつった笑顔はそのままにスレイに耳打ちをすると、スレイは一言了解の意志を伝えて頷く。
「アイビスにイルイ……後でちょっと用事がある」
「はっ、はいぃっ!?」
全身から黒いオーラ力(作品違)を吹き出しながら、スレイはアイビスとイルイにそう告げる。
あまりの迫力に、一瞬以前の自分に戻りそうになるダグラス嬢。
「絶対に来る事……もしこなかったら……ウフフフフ」
もしこの場にエ○様がいたら、あまりのどす黒さゆえに命をはってでも封じ込めようとするであろうくらい、マッドなオーラ力を放ちながら高倉嬢は二人にそう告げた。
「……アイビス」
あまりの迫力に、出会った頃の状態に戻りつつあるイルイ。
「だ……大丈夫。あなたは私が守るから」
そうは言いつつも、多分無理であろうと半分諦めかけているダグラス嬢。

そして……その夜、母バンガードの一室では『廃ペリヲン合身GO癌江田フォーメーション』が激しくもつつましやかに執り行われたそうな(激しくマテ)。
つか……なぜ癌江田を知っているのかはあえて突っ込まないでいただきたい。

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