小説の短編集

短編集:殺し屋シュウの第四話。

この銃だけは許せない。

ツールスキー・トカレバ1930/33。通称トカレフ。

ボルシャビキ革命当時にアメリカから大量に輸入されたコルト・ガバメントを、

ソ連の生産効率第一主義でコピーした拳銃だ。

山に沈む夕陽に似た半円形のハンマーは、ハーフ・コックにすることによって

トリガーにストッパーがかかり、安全装置の代わりになる。フレームからハンマーを組みこんだ

ブロックは容易に取り外せるようになっている。使用弾は7.62ミリのモーゼル軍用拳銃だから

貫通能力は高い。そこまでは認めよう。

問題は命中精度だ。三十メートル離れた標的。八発全部撃っても一発も当たらない。

ビールケースを積んだ台に十五センチおきに並べたハイネケンとバドワイザーの空き缶は、

銃声はすれど、さっきから初夏の日差しをぬくぬく浴びてそこに突っ立ったままだ。

登場人物
  • シュウ:首都大学文学部助手。本名「畑中修(おさむ)」
  • 宇津木道隆:広域暴力団の三代目。
  • 渡部:古手のやくざ。
  • 匠謙造:大企業向けの人材派遣会社の社長。

武器
  • ツールスキー・トカレバ1930/33:通称トカレフ。
  • レミントンのポンプアクション。

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