ClariSのパートわけ、ガゼットの歌詞解釈、エスカレイヤーRの攻略情報など。


はじめに

STAR DRIVER 輝きのタクト公式サイト
銀河美少年のDVDもリリース中ですね。
リリース記念にサカナちゃんのおとぎ話の部分(第2話〜第8話)を描きだそうかなぁ、と。
ヘッドとの会話で話の設定を決めた箇所は、語尾を若干改変してます。

第2話

少年は恋をした。
そう、浜辺で出逢った少女に、少年は燃えるような恋をした。
そこはサカナの惑星。
少年は腕のいい漁師だった。名前はサム。
少年サムは出逢った少女と二人、ボートに乗って、眩い銀河の世界に旅立つことを夢見た。
けれど…、サムが恋したのはその少女だったのか?
それとも銀河の世界だったのか?
人生という冒険は続く。

第3話

サカナの惑星には、銀河の世界に行ける船が一隻だけあった。
その船は王様が持っていた。
ある日のこと、王様がお触れ書きを出した。
イカ大王を倒して、その青い血を持ってきた者には、何でも望みの物を与えると。
サカナの惑星には、夜になると我が物顔で暴れまわるイカの大王がいた。
少年サムは銀河の世界に旅立つ船を手に入れる為、イカ大王と戦う決意をした。
人生という冒険は続く。

第4話

チャンスを逃すな!
少女はそう思った。
何としてもイカ大王を倒して、銀河の世界に旅立てる船を貰うのだ。
そこでサムは、手にしたモリでイカを突き刺す訓練を始めた。
イカ大王と戦うその日に備えて、「えい!えい!えーい!」
イカ刺しサムの名は、程なく国中に広まった。
少女はそのサムの帰りをいつも海辺の小屋で待っていた。
そして…、二人は秘密を持った。
イカを食べた。
サカナの惑星では、イカは悪魔の使い。
決して口にしてはいけないのに、二人は、二人でイカを食べた。
けれど、秘密を共有したことで二人の絆は一層深まった。
人生という冒険は続く。

第5話

「欲しい物があるならためらうな!」
少女はそう言った。
ついにイカ大王の居場所が分かったけれど、
そこは一年中、激しい嵐による危険な大時化に囲まれた海だからさすがにイカ刺しサムもその船出をためらった。
けれどためらうサムを少女は叱った。
イカ刺しサムは少女を海辺の小屋に残し、一人危険な海へと漕ぎ出した。
人生という冒険は続く。

第6話

戦いが始まる。
危険で暗い夜の海。サムはモリを手に、今戦いを挑む。
そして言葉では到底語り尽くせない激しい格闘の末に、イカ大王を仕留めたサムは、遂にその青い血を手に入れた。
ビンに詰めたイカ大王の血は、青く煌々と輝き、夜の海を照らしだす。
その青い血を携えてサムは王様に謁見する。
「王様、約束の青い血です。これがそうです」
王様は歓喜に震え、ビンを受け取ると、いきなりその青い血を飲みほした。
その青い血は不老不死の魔法に掛けられた王様が、永遠の人生を終わらせることが出来る唯一の薬だったのだ。
「ありがとうサム。これで今宵眠りにつけば、私はもう二度と目覚めない」
人生という冒険は続く。

第7話

王様は王位を譲ると言った。
王様は最初から呪いを解く青い血を持ってきた者に、その王位を譲るつもりだったのだ。
けれどサムは、その申し出を断った。
「王様、僕はただ、あなたが持っているという銀河の船が欲しいだけなんです。それに乗って眩い銀河の世界に旅立ちたいのです。
だから王位なんかいりません。国など欲しくはありません」
すると王様は言った。
「よかろう。若者よ。望む物は何でも与える約束だ。違(たが)えるつもりもない。あの銀河の船を譲ろう。
だが若者よ。イカ刺しサムよ。心して聞くがいい。
あの船を動かすにはお前が恋する少女の赤い血を一滴残らずそのエンジンに注がねばならぬ。
そう、恋する少女を殺さねばならん。そうしなければ動かない。さあ持って行け。たった今からお前のものだ」
人生という冒険は続く。

第8話

サムは少女を殺した。
眩い銀河の世界に旅立つために、少女の赤い血を船のエンジンに注いだ。
結局サムが恋したのは、少女ではなく、銀河の世界への憧れだった。
恋する少女は最初から、憧れの旅路を飾る花でしかなかったのだ。
船はサムを乗せ、銀河の世界へと旅立つ。
けれどもすぐにサムは気付いた。
あれほど憧れた銀河の世界。
だが、それらの星々は生まれ育ったあのサカナの惑星と、どれほどの違いがあるのだろう。
あのサカナの惑星も同じ銀河の星のひとつ。
銀河は遠い世界ではなく、サムは最初から、その眩い世界に住んでいたのだ。
では何のために、サムは少女を殺したのか。

おしまい。

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