東方元ネタwiki 2nd - 戎瓔花
(えびす えいか/Ebisu Eika)*1

戎瓔花

名前

  • 戎(えびす)
    • 七福神の一尊「えびす」。
      • 七福神には各国の神がいるが、「えびす」は日本由来の神。ご利益は「漁業における大漁」「商売繁盛」など。
        福の神として人気があり、「えびす」(もしくは蛭子神)を祭神とする「えびす神社(漢字は戎、夷、蛭子、恵比寿など様々)」が全国各地にある。
        えびす神社の総本社は西宮神社(兵庫県西宮市)。
        大きな福耳を持っている。→ 戎瓔花の容姿に反映されている。
        由来は諸説あるが、日本神話の「蛭子神(ひるこがみ、ひるこのかみ)」が由来の一つとしてあげられる。
    • 蛭子神(ひるこがみ)。水蛭子、蛭子命とも表記される。
      • イザナギとイザナミの子供で、『古事記』では長子、『日本書紀』では二番目の子供とされる。
        『古事記』では、不具の子(奇形児とされる。描写がないので詳細は不明だが「手足がない子」「骨のない子」などの説がある*2
        であったため、海に流され捨てられている。
        また『日本書紀』では、「三歳になっても脚が立たなかった」ため楠の舟に乗せて流した、としている。
        『古事記』には「(イザナギとイザナミの)子供には含めない」(意訳)と書かれている。
        『古事記』『日本書紀』には海に流された以降の記述が存在しない。
        不具の子であるため、居なかったことにされ葬り去られた神。
      • 各地の伝承では、この神が漂着した先で「えびす」となったとする。
        蛭子は「ひるこ」とも読むが「えびす」とも読む。
      • 「えびす神社」の総本社である西宮神社では、蛭子神は西宮に流れ着き、海の神として祀られたとしている。
      • 日本における水子(生まれて間もなく亡くなった子などを意味する)の元祖となる存在。
        「水子」という言葉自体が「水蛭子」に由来する。
    • 異民族としての「えびす」
      • この場合の漢字は「戎」のほかに「夷」とも書く。どちらも読みは「えびす」。
      • 日本において異民族に対する蔑称として使われた言葉。「征夷大将軍」「蝦夷(えみし)」の夷はこの意味。
        「野蛮人」「未開人」といったニュアンスを含んだ言葉。
        「えびす」は「えみし」から変遷した読みで、「蝦夷」と書いて「えびす」と読む場合もある。
      • 蝦夷とは現在でいうアイヌ民族のこと。
        アイヌ民族は他の日本人と比べて肌が「黄色みの乏しい明褐色」という特徴がある。*3 → 戎瓔花の見た目に反映されているか
      • この概念は中国における中華思想が由来。
        中国を世界の中心の「中華」と位置付け、その四方にいる異民族を「四夷(しい)」として蔑称をつけたことに由来する。
        「東夷(とうい)」「北狄(ほくてき)」「西戎(せいじゅう)」「南蛮(なんばん)」の4つ。
        あくまで中華から見てその方角にいる異民族の総称であり、特定の民族を指しているわけではない。
        例えば、東夷は日本(倭)や韓などを含んだ総称であった。
      • 日本において「夷」「戎」の字が異民族の別称として使われたのは中国の概念を輸入したもの。
        江戸時代まで日本人が西洋人を「南蛮人」と呼んでいたのもこれと同じである。
      • 京の公家などが東国の武士を「東夷(あずまえびす)」と陰で侮蔑的に呼んでいた用例もあり、この場合は異民族というより「野蛮な田舎者」というニュアンス。
  • 瓔花(えいか)
      • 「首飾り」を意味する漢字。
      • 戎瓔花は「水子の霊達のリーダー的存在」*4。「蛭子神」は水子の元祖。瓔花曰く「河原こそが私達の王国」*5
        亡くなった嬰児たち(水子)の王 → 瓔

備考
  • 東方鬼形獣1面のセリフ
    • 「骨…… 骨の事を言ったー!」「骨なんて……無くたって問題ないもん」
      • 蛭子神の「骨のない子」説から、骨がないため捨てられた過去についての発言か。

二つ名

  • 河原のアイドル水子(鬼形獣)
    • 河原
      • 賽の河原。
        賽の河原には親より早く亡くなった子供が留め置かれ、三途の川を渡ることを許されないとする民間信仰がある。
        水子もこれに該当する。
    • 水子(みずこ)
      • 胎児のまま亡くなった子、生まれて間もなく亡くなった子、間引き(嬰児殺し)で殺された子などを意味する。
      • 「水蛭子」が由来の言葉。
    • アイドル
  • ふよふよ系河原アイドル(バレットフィリア達の闇市場)

能力

  • 上手に石を積む程度の能力
    • 賽の河原にいる子供たちは、親の供養のために河原の石を積んで「石積みの塔」(供養塔)を造ろうとするが、毎回完成する前に鬼が邪魔をして崩してしまう、とする民間信仰がある。

種族

  • 水子の霊

見た目

  • 大きな耳
    • 七福神「えびす」の福耳。
  • 腰から伸びる赤い紐(?)
    • 水子から「へその緒」をイメージしているか
  • 服のピンク水玉
    • 水子からか。
      水子は泡子と表記することもあり、泡のイメージとも解釈できる。
  • 袖口の赤いひらひら
    • くらげの触手のイメージか
  • 褐色の肌
    • 「えびす」(戎、夷)は異民族への別称として使われていた時期があり、特に「蝦夷(えみし)」を意味していた。
      • アイヌ民族の身体的特徴の一つに肌が「黄色みの乏しい明褐色」(wikipedia:アイヌ#身体的特徴より)というものがある。
      • 詳細は名前の項を参照。
  • 積み石に座っている
    • 『日本書紀』によると、蛭子神は「三歳になっても脚が立たなかった」ために海に流されたとしている。
    • ロダンの彫刻『考える人』。
      地獄の入り口にある『地獄の門』の頂上部に置かれている像で、男性が岩に座り苦悩している様子を表している。
      ポーズは異なるが、地獄の入り口で座っている点で瓔花と共通点がある。

備考
  • ベニクラゲ
    • ベニクラゲは、成熟したクラゲがポリプ期(クラゲ体になる前段階、成熟する前の時期)の状態に戻ることができるという他のクラゲにはない珍しい特性を持つ。
      クラゲの一生は、卵→幼生→ポリプ期→幼クラゲ→クラゲの順に成長成熟していく。
      ちなみに、ポリプ期のクラゲはイソギンチャクのような形状をしており、岩などに固着し触手を広げて生息している。いわゆるクラゲ期のクラゲとは姿がかなり異なる。
      「ポリプ期の状態に戻る」というのは、人間なら「大人が子供に戻る」、蝶なら「蝶が芋虫や蛹に戻る」ことと同じであり、ベニクラゲは若返りが可能な一種の不老生物という見方もできる。
      • 「賽の河原に留め置かれて輪廻転生の枠から外された水子」をベニクラゲになぞらえている可能性も考えられる。
    • 参考:wikipedia:ベニクラゲ

その他

  • 東方鬼形獣1面において、中ボスとして登場する戎瓔花を一定条件下で倒すとレア動物霊「くらげ」が登場する。
    • 「くらげ」は漢字で「水母」と表記される。水子と掛けての表現か。
    • 蛭子神は「骨のない子」であったとの説がある。「くらげ」は骨のない生物。
クラゲらしいホワホワ感もいれてみています。
(戎瓔花のテーマ「ジェリーストーン」のZUNコメントより)

スペルカード

テーマ曲

登場

参考