クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

「……、……、……」

　私は暗闇から目を覚ます。意識を取り戻す。
　長い間、霧の中で彷徨っていた自分の魂と意識を取り戻す。

「……、……、……こ、こ…は？」

　初めて見たのは朱い空、次に見たのは首のない女の人の死体。
　世界は朱く染まっていて、悲しそうで、冷めた世界が私の目覚めて最初に見た世界だった。

「あぁ……、…………ッ」

　少女は身体を抱くようにして、自らの命の鼓動を確かめる。そして、右も左もわからぬままに歩き出す。

「はぁ、はぁ……ッ」

　生きるために全力で、ただ生きるために息をして歩き出す。希望を探すように不安な足取りでも今は弱くとも歩き出す。

　しかし、すぐ彼女は絶望することになるのだろう。
　大地を踏みしめる白い足が、石で傷つき血で赤く染まる。だがすぐにその傷はなかったかのように消えてなくなる。
　そのことに少女はまだ気づかない。気づいたときは、生きていたことを後悔するのだろうが、今は生きるためにその足をただ前に出す。

　少女は吸血鬼として今後どこかで活躍するのかもしれません。しないかもしれません。
　でももしかしたらどこかの舞台、どこかのシナリオでその姿を見るものがいるかもしれません。
　それは、ただ神のみぞ知ることなのでしょう……。

　永遠に幼き少女：ミレア = アイレン