最終更新:ID:r7TCFCx8Xw 2014年07月14日(月) 23:16:13履歴
PCより
辻夕花の通う高校のクラスに転校生が来たのは二学期が始まった直後であった。
教師が紹介する横でちょこんと立つ小柄の女生徒。
長めの髪をまとめ、眼鏡をかけた出で立ち。
教師が転校生を紹介する。
名前の書かれた黒板の文字
紹介された女生徒は皆に自己紹介をする。
黒板に書かれた名前
硯目 輝咲(すずりめ きさき)
性別♀ 職業高校生(基本エンターテイナー) 年齢17
PL:あきおっと
STR:15 DEX:12 INT:12 アイデア:60
CON:10 APP:15 POW:12 幸 運:60
SIZ:10 SAN:74 EDU:11 知 識:60
H P:10 M P:12 回避24 ダメージボーナス:+1D4
――――――――――――――――――――――――――
[技能](職業技能点:EDU220 個人技能点:INT120)
[職業技能](職業技能点:EDU220 )
回避 74(24+50)% 聞き耳 81(25+40+16)%
芸術調理 80( 5+75)%
選択
ナイフ 83(25+55+3)%
クトゥルフ神話技能 25%
猫語 14%
[個人技能](個人技能点:INT120)
目星 88(25+50+13)% 投擲 88(25+50+80)%
機械修理 50(30+20)% 図書館 34(25+0+9)%
――――――――――――――――――――――――――
[持ち物]
・武器 調理道具
・防具 -
・所持品 学生証 お財布 腕時計 学生服 小物入れ
果物ナイフ2本 フォーク&ナイフ
[プロフィール]
東京から転校してきた
天才的な調理の腕と包丁捌きの技を持つ女子高生。
どこかの誰かと同じ雰囲気を漂わせる夕花のクラスメイト。
あだ名は硯目の省略形で『すずめ』
夕花が輝咲をそう呼んだ所からクラスにその呼称が蔓延する。
を明瞭な口調で述べて挨拶をした。
二重存在に人格を植えつける際に使用されるのが、
とある異質な種族の用いる精神交換装置を元型にした機械である。
本来であれば交換される精神を、一方に集約させたりする事が可能とされるそれで二重存在は作られてきた。
それは本来の用途としても使用可能である。…がその中でも特殊な例は存在する。
精神交換元のAから交換先のBに対して交換を行うが、交換先のBに精神が存在しない場合。
人の形は成しているものの精神を形成していない肉人形に施された場合
それはAからBへの精神移動と言う形で成立する事となる。
Bのような存在があればこその話である。それこそBという存在を意図的に作り上げない限りは無理な話だ。
何故、転校生が自分の前にやってきたのかを夕花は理解できなかった。
何故、彼女が笑顔で手を伸ばし、自分の手を握ったのか理解できなかった。
転校生は悪戯めいた微笑みを夕花に向け、こう宣うた。
「ねえ、夕花ちゃんって、呼んでもいい?あたしも好きに呼んでくれたらいいから」
唖然とする夕花の耳元にそっとその顔を近づけると
「…特別にパフェを振る舞うっすよ?」
と優しく囁いた。
PLより
G∴D(黄金の夜明け)
旧支配者を崇める魔術師達による秘密結社の名前。
自ずからを"新人類"と称し、現人類を絶滅するべく暗躍する。
近年に旧支配者に反旗を翻し、その結果人と旧支配者双方の敵と化す。
ニャルラトホテップの暗躍により探索者との激突の末弱体化を余儀なくされた。
二重存在
G∴Dの擁する魔法技術による産物。ドッペルゲンガーとも呼ばれる。
一つの肉体に二人分の精神を備える事でその個の能力を飛躍的に上げる技法。
一般市民の顔を持つ兵士を生み出す事が可能となる。
既に幾つかのタイプの二重存在が作られているが、それらの大半は探索者によりロストされている。
霧崎雀にはその工程が施されており、擬似再現人格たるシリアルキラー"ジャック・ザ・リッパー"が埋め込まれていた。
旧支配者を崇める魔術師達による秘密結社の名前。
自ずからを"新人類"と称し、現人類を絶滅するべく暗躍する。
近年に旧支配者に反旗を翻し、その結果人と旧支配者双方の敵と化す。
ニャルラトホテップの暗躍により探索者との激突の末弱体化を余儀なくされた。
二重存在
G∴Dの擁する魔法技術による産物。ドッペルゲンガーとも呼ばれる。
一つの肉体に二人分の精神を備える事でその個の能力を飛躍的に上げる技法。
一般市民の顔を持つ兵士を生み出す事が可能となる。
既に幾つかのタイプの二重存在が作られているが、それらの大半は探索者によりロストされている。
霧崎雀にはその工程が施されており、擬似再現人格たるシリアルキラー"ジャック・ザ・リッパー"が埋め込まれていた。
満天の星空の下、暗い海に横たわるように漂う。
星は登頂の一際明るい星。
それを囲むように輝く星々。
空の星に向かって手を伸ばす。
その手は決して届かない。
それでも幾度か繰り返し、漸くその手が届くと思った。
思った刹那、星は目前より消えうせる。
何千、何万、それ以上、幾度繰り返す行為だろうか。
登頂の星の付近に居た、近い大きさの蒼色の星が消えた辺りで
手を伸ばし、掴もうとするその行為は狂ったように加速していく。
その結果、空は登頂の星だけを残し、海と変わらぬ暗さとなる。
それが故に星の輝きは一層増す。
残された星に手を伸ばそうとする。
が、その動きは凍る。
『あの星だけは手を伸ばしちゃ駄目なんすわ。』と耳元で囁く声。
『此処で眺めているだけで幸せなんす。』達観と諦めが混じったような声。
声に問う。眺める事が希望だったのか?と。
『しかたねっすもん。』と返す声。
『あの中にワタシは踏み入れ無いんす。』
その声に、空に、消えていった星々に獣の如き怨嗟の声を上げる。
動きを止めた腕を、残された星に伸ばそうと試みるが如く暴れる。
それと同時に身体が沈んでいく感覚。暗い海の底に引き込まれるそれ。
声を罵る。偽善者。裏切り者。卑怯者。ありとあらゆる罵詈雑言を叩きつける。
だが、海に引き込まれる感覚は止まらない。
声もそれ以降の語らいは無く。
そして
全てが夜の海に消える。
X県蓮華村
その外れにある小さな小屋。
少女が一つの手紙を読み終わる。
読み終えた後、暫く呆然としていたが、急に生気を取り戻したように動き出す。
『やれやれ、これが"止め"になったのかな。』心底疲れたように口にする少女。
『初めてだね。僕が主人格を押さえる事が出来るのは。』疲れながらも嬉しそうに。
『いっそ、このまま消えうせてくれる事を願うよ。』誰かに語るように続ける。
片手に持ったままの手紙を改め目を通す。
『大丈夫。この身体は生き続けるよ。』手紙に答えるように。
『それはまぁ、肉体の大半を機械に挿げ替えられるかもしれないけどね』面白く無さ気に続ける
『そうなると感動の"再会"もままならないしなぁ。どうしたものかな。』
手紙に僅かに残った染みを指でなぞる。
『それにしても、悔しいな。この手紙には僕が含まれちゃ居ない・・・。』
『・・・。』
その手紙を両手で掴み・・・
一気に左右に引き裂く
つもりだった。
動きを止めた両腕は巨岩のように揺ぎ無かった。
『・・・ああそう。そう言う事?』
『判った。判りました。』
手紙を破る行為をやめた瞬間に、腕の自由が戻る。
静かに手紙を畳み、そっと封筒に戻す。
『僕にしてみれば、もう読む相手の居なくなった手紙を処分しようとしただけだよ。』
言い訳がましく語る。
その相手は何処にも見えない。
『・・・それに、いい加減に痺れを切らしてるらしい。』
大仰な仕草で小屋の外を眺める
其処に停められた一台の大型車両。
小屋を取り囲む幾人もの黒服。
それを確認すると、肩を竦めて封筒を写真立ての隣に置く。
『ばいばい、恭介さん。…ばいばい、宮子さん。』
写真立ての写真に微笑みかける。
奇しくもその笑みが赤月で最後に見せたあの笑みと寸分変わらなかったのは
今の霧崎雀には知りえぬ事であった。
星は登頂の一際明るい星。
それを囲むように輝く星々。
空の星に向かって手を伸ばす。
その手は決して届かない。
それでも幾度か繰り返し、漸くその手が届くと思った。
思った刹那、星は目前より消えうせる。
何千、何万、それ以上、幾度繰り返す行為だろうか。
登頂の星の付近に居た、近い大きさの蒼色の星が消えた辺りで
手を伸ばし、掴もうとするその行為は狂ったように加速していく。
その結果、空は登頂の星だけを残し、海と変わらぬ暗さとなる。
それが故に星の輝きは一層増す。
残された星に手を伸ばそうとする。
が、その動きは凍る。
『あの星だけは手を伸ばしちゃ駄目なんすわ。』と耳元で囁く声。
『此処で眺めているだけで幸せなんす。』達観と諦めが混じったような声。
声に問う。眺める事が希望だったのか?と。
『しかたねっすもん。』と返す声。
『あの中にワタシは踏み入れ無いんす。』
その声に、空に、消えていった星々に獣の如き怨嗟の声を上げる。
動きを止めた腕を、残された星に伸ばそうと試みるが如く暴れる。
それと同時に身体が沈んでいく感覚。暗い海の底に引き込まれるそれ。
声を罵る。偽善者。裏切り者。卑怯者。ありとあらゆる罵詈雑言を叩きつける。
だが、海に引き込まれる感覚は止まらない。
声もそれ以降の語らいは無く。
そして
全てが夜の海に消える。
X県蓮華村
その外れにある小さな小屋。
少女が一つの手紙を読み終わる。
読み終えた後、暫く呆然としていたが、急に生気を取り戻したように動き出す。
『やれやれ、これが"止め"になったのかな。』心底疲れたように口にする少女。
『初めてだね。僕が主人格を押さえる事が出来るのは。』疲れながらも嬉しそうに。
『いっそ、このまま消えうせてくれる事を願うよ。』誰かに語るように続ける。
片手に持ったままの手紙を改め目を通す。
『大丈夫。この身体は生き続けるよ。』手紙に答えるように。
『それはまぁ、肉体の大半を機械に挿げ替えられるかもしれないけどね』面白く無さ気に続ける
『そうなると感動の"再会"もままならないしなぁ。どうしたものかな。』
手紙に僅かに残った染みを指でなぞる。
『それにしても、悔しいな。この手紙には僕が含まれちゃ居ない・・・。』
『・・・。』
その手紙を両手で掴み・・・
一気に左右に引き裂く
つもりだった。
動きを止めた両腕は巨岩のように揺ぎ無かった。
『・・・ああそう。そう言う事?』
『判った。判りました。』
手紙を破る行為をやめた瞬間に、腕の自由が戻る。
静かに手紙を畳み、そっと封筒に戻す。
『僕にしてみれば、もう読む相手の居なくなった手紙を処分しようとしただけだよ。』
言い訳がましく語る。
その相手は何処にも見えない。
『・・・それに、いい加減に痺れを切らしてるらしい。』
大仰な仕草で小屋の外を眺める
其処に停められた一台の大型車両。
小屋を取り囲む幾人もの黒服。
それを確認すると、肩を竦めて封筒を写真立ての隣に置く。
『ばいばい、恭介さん。…ばいばい、宮子さん。』
写真立ての写真に微笑みかける。
奇しくもその笑みが赤月で最後に見せたあの笑みと寸分変わらなかったのは
今の霧崎雀には知りえぬ事であった。
霧崎雀が蓮華村より消えた後にG∴Dの拠点の一つで事変が発生する。
被害は人格を持たない実験用素体数体の消失。及びそれに伴う偽装戸籍数点の外部流出。
組織に対する被害は多少はあるものの、致命的な問題ないと判断され、その件は放置となる。
直後、事変を起こした要因は捕縛され、本来想定されていた措置である脳の摘出を実施された。
脳は即座に"機械兵器"への移植が行われ、摘出後の肉体は厳重にシリンダー保管となる。
従来の制御機構を用いたそれよりも遥かに反応良い結果に関連各位は事変を念頭から失した。
ただ1人、要因を捕縛した警備担当は、直前の捕縛対象の"無感情"とも思える挙動に不審を感じた。
だが、テスト結果に満足する上役の機嫌を損ねる惧れと本事件の責任追及の目が向けられる恐怖から
それを上役に報告する事は無かった。
被害は人格を持たない実験用素体数体の消失。及びそれに伴う偽装戸籍数点の外部流出。
組織に対する被害は多少はあるものの、致命的な問題ないと判断され、その件は放置となる。
直後、事変を起こした要因は捕縛され、本来想定されていた措置である脳の摘出を実施された。
脳は即座に"機械兵器"への移植が行われ、摘出後の肉体は厳重にシリンダー保管となる。
従来の制御機構を用いたそれよりも遥かに反応良い結果に関連各位は事変を念頭から失した。
ただ1人、要因を捕縛した警備担当は、直前の捕縛対象の"無感情"とも思える挙動に不審を感じた。
だが、テスト結果に満足する上役の機嫌を損ねる惧れと本事件の責任追及の目が向けられる恐怖から
それを上役に報告する事は無かった。
辻夕花の通う高校のクラスに転校生が来たのは二学期が始まった直後であった。
教師が紹介する横でちょこんと立つ小柄の女生徒。
長めの髪をまとめ、眼鏡をかけた出で立ち。
教師が転校生を紹介する。
名前の書かれた黒板の文字
紹介された女生徒は皆に自己紹介をする。
黒板に書かれた名前
硯目 輝咲(すずりめ きさき)
性別♀ 職業高校生(基本エンターテイナー) 年齢17
PL:あきおっと
STR:15 DEX:12 INT:12 アイデア:60
CON:10 APP:15 POW:12 幸 運:60
SIZ:10 SAN:74 EDU:11 知 識:60
H P:10 M P:12 回避24 ダメージボーナス:+1D4
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[技能](職業技能点:EDU220 個人技能点:INT120)
[職業技能](職業技能点:EDU220 )
回避 74(24+50)% 聞き耳 81(25+40+16)%
芸術調理 80( 5+75)%
選択
ナイフ 83(25+55+3)%
クトゥルフ神話技能 25%
猫語 14%
[個人技能](個人技能点:INT120)
目星 88(25+50+13)% 投擲 88(25+50+80)%
機械修理 50(30+20)% 図書館 34(25+0+9)%
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[持ち物]
・武器 調理道具
・防具 -
・所持品 学生証 お財布 腕時計 学生服 小物入れ
果物ナイフ2本 フォーク&ナイフ
[プロフィール]
東京から転校してきた
天才的な調理の腕と包丁捌きの技を持つ女子高生。
どこかの誰かと同じ雰囲気を漂わせる夕花のクラスメイト。
あだ名は硯目の省略形で『すずめ』
夕花が輝咲をそう呼んだ所からクラスにその呼称が蔓延する。
を明瞭な口調で述べて挨拶をした。
二重存在に人格を植えつける際に使用されるのが、
とある異質な種族の用いる精神交換装置を元型にした機械である。
本来であれば交換される精神を、一方に集約させたりする事が可能とされるそれで二重存在は作られてきた。
それは本来の用途としても使用可能である。…がその中でも特殊な例は存在する。
精神交換元のAから交換先のBに対して交換を行うが、交換先のBに精神が存在しない場合。
人の形は成しているものの精神を形成していない肉人形に施された場合
それはAからBへの精神移動と言う形で成立する事となる。
Bのような存在があればこその話である。それこそBという存在を意図的に作り上げない限りは無理な話だ。
何故、転校生が自分の前にやってきたのかを夕花は理解できなかった。
何故、彼女が笑顔で手を伸ばし、自分の手を握ったのか理解できなかった。
転校生は悪戯めいた微笑みを夕花に向け、こう宣うた。
「ねえ、夕花ちゃんって、呼んでもいい?あたしも好きに呼んでくれたらいいから」
唖然とする夕花の耳元にそっとその顔を近づけると
「…特別にパフェを振る舞うっすよ?」
と優しく囁いた。
PCより
(封筒に入った手紙が残されている。表には斎藤恭介様へ 絶対に読むこと と書かれている)
――――――――――――――――――――――――――
恭介さんへ
お久しぶりです。
貴方に言いたいこと、書きたいことはたくさんあります。
でも、それはまた会ったときに置いておこうと思います。
ここに書くのは、私からの3つのお願いです。
1つ目
もうこれ以上茜さんを一人にしないであげて。
茜さんの元にいてあげて。
貴方のしたことに償いが必要だというのなら、彼女のそばに居続けることを償いにして。
共に居たいという彼女の願いを叶えてあげてください。
2つ目
私たちを、仲間を頼って。
一人で抱え込まないで。
役立たずかもしれない。
足手まといかもしれない。
けれど一人で歩くよりずっといいです。
何かあれば、話してください。
3つ目
自分を大切にしてください。
貴方がどれだけ否定したとしても、貴方のことを必要とする人がいます。
大切に思う人がいます。
私は、貴方のことを大切な友人だと思っています。
貴方が居なくなって、寂しさと悲しみを感じています。
貴方と出会った人たちもそう感じているでしょう。
だから、お願いです。無事に帰ってきてください。
写真を置いていきます。
燃える前の蓮華村の写真と、三人で撮ったものです。
また、皆で写真を撮りましょう。
雀ちゃんと、恭介さんと、私と…
私たちが出会った、沢山の人たちと
写真を、撮らせてください (水滴が落ちた跡が残っている)
すみません、少し汚れてしまいました。
良かったら、ここに連絡をください。
xxx-xxx-xxxx
(下に、人のようなものが3つ描かれている。笑っているように見えるが、お世辞にも上手いとは言えない。)
スペースが余ったので絵を描こうとしたのですが失敗しました。ごめんなさい。笑ってください。
また、会いましょう。
辻 宮子
(裏には『この手紙が開かれることがありますように…。』と書かれている。)
――――――――――――――――――――――――――
PLより
夏が、終わる。
あれは長い夏休みの、たった数日の出来事だったけれど、あたしの心を傷つけるには十分すぎる出来事で
誰にも話すことができず、抱え込んだあたしはおかしくなりそうだった。
そんな時に大好きな人と会った。
必死に隠そうとしたけど聡い彼にはすぐにばれてしまって
あたしは全部を話した。
助けられなかったこと 手をふりほどかれたこと
そのときの光景が、目に焼き付いて離れないこと
誰にも、話せなかったこと
彼はあたしを怒った。
それから、ぎゅっと抱きしめてくれた。
一人で抱え込んだこと、相談しなかったこと、いっぱい怒られて
迷惑かけたくなかったって言ったら、何も言われない方がつらいって彼は言った。
それは、あたし自身覚えのある感情で、
同じことを彼に思わせてしまったのかと気づかされた。
…あたしは
あたしは勝手に一人だと思いこんでいた。
自分の問題は自分で解決するもので、他の人を巻き込むなんてとんでもないって、思ってた。
でも、顔をあげて周りを見ればみんながいて、ずっとあたしを見てくれていた。
あたしは、あたしは一人じゃないんだ。
弱いあたしもみんなが一緒ならきっと強くなれる。
そう、思わせてくれた。
夏が、終わる。
明日からはまたあわただしい日々の始まりで。
なにか、素敵なことが起きる。そんな気がして胸が高鳴った。
…そして、それは現実となる。
あれは長い夏休みの、たった数日の出来事だったけれど、あたしの心を傷つけるには十分すぎる出来事で
誰にも話すことができず、抱え込んだあたしはおかしくなりそうだった。
そんな時に大好きな人と会った。
必死に隠そうとしたけど聡い彼にはすぐにばれてしまって
あたしは全部を話した。
助けられなかったこと 手をふりほどかれたこと
そのときの光景が、目に焼き付いて離れないこと
誰にも、話せなかったこと
彼はあたしを怒った。
それから、ぎゅっと抱きしめてくれた。
一人で抱え込んだこと、相談しなかったこと、いっぱい怒られて
迷惑かけたくなかったって言ったら、何も言われない方がつらいって彼は言った。
それは、あたし自身覚えのある感情で、
同じことを彼に思わせてしまったのかと気づかされた。
…あたしは
あたしは勝手に一人だと思いこんでいた。
自分の問題は自分で解決するもので、他の人を巻き込むなんてとんでもないって、思ってた。
でも、顔をあげて周りを見ればみんながいて、ずっとあたしを見てくれていた。
あたしは、あたしは一人じゃないんだ。
弱いあたしもみんなが一緒ならきっと強くなれる。
そう、思わせてくれた。
夏が、終わる。
明日からはまたあわただしい日々の始まりで。
なにか、素敵なことが起きる。そんな気がして胸が高鳴った。
…そして、それは現実となる。
黄昏色に染まる。
すべてを包み込むかのような優しい光は、例にもれず、この街も照らし出す。
その中を数名の学生が歩いている。
うれしくてたまらないといった様子の少女と、それに引きずられるようにして歩く少女。
少しはなれて
二人を微笑ましそうにみる青年と、彼を茶化す二人の青年。
赤く染まる街を歩いていく。
高校が終わって、帰り道。
いつものメンバーとそれからもう一人。
あたしは彼女と手をつなぎ、軽くステップをしながら歩く。いつもの鼻歌もこぼれて、上機嫌。
後ろから子どもっぽいだのなんだのと声が聞こえるけど、全部無視した。
朝、教室に来てひとつ増えた席に気づいたときあたしはどきっとした。
前にも転校生が来た。彼女・・・葵ちゃんとの出来事はあたしの中ですこしトラウマになっていたから。
そうやって見ていると頭をぼすっとたたかれる。
振り返ると、不良っぽい彼。
茶化されて、怒って、いつもの流れ。
先生が入ってきたときには不安なんて吹き飛んでいた。
そして、先生に連れられて入ってきた女の子が……。
本当にびっくりしたけれど、彼女はすずめちゃんだった。
何があったのかはよくわからない。けど
すずめちゃんが戻ってきてくれたことが、あたしはとてもうれしかった。
そして、今に至る。
つないでいた手を離して、すこし前に出る。
そのまま、彼女に聞こえるように話し出す。
「ねーえ、すずめちゃん。あたしね、言いたいことがあったの。」
一呼吸置いてから
「あの時、守ってくれてありがとう。あたし、謝ってばっかりでろくにお礼も言えてなかったからさ…。」
「すずめちゃんがあたしを守ってくれたみたいに、あたしもすずめちゃんの力になりたいなって…。頼りないけどね」
前を向いたままへへっと、苦笑いをする。
「それから、もう一つ」
くるっと振り返って、手を出す。
「改めてあたしと、友達になってほしいの。ほら…条件とか、なしでさ」
すずめちゃんは少し驚いた様子だったけれど、ふっと微笑んで
あたしの手をきゅっと握ってくれた。
「…ありがとう!すずめちゃん!」
あたしはつないだ手をぶんぶんと思いきり振ってから離す。
二人の手がはじけるように広がった。
うれしくて、楽しくて、たまらなかった。
その後、あたしたちはすずめちゃんの歓迎パーティを開いた。
場所は、あたしの家。
…お母さんたちには、自分で話をした。
自分から進まないと、何も変わらない気がして。
不安だったけれど…皆が、彼が支えてくれたから。
少しずつだけど、あたしは前に進めた気がした。
当日は大騒ぎだった。
いっぱい知り合いを呼んで、いっぱいお菓子も作って
遊んで、はしゃいで、騒いで…いっぱい写真も撮った。
すごく楽しかったんだ。
だから、ずっとね。こんな日が続けばいいなって。
あたしはそう思ったんだ。
すべてを包み込むかのような優しい光は、例にもれず、この街も照らし出す。
その中を数名の学生が歩いている。
うれしくてたまらないといった様子の少女と、それに引きずられるようにして歩く少女。
少しはなれて
二人を微笑ましそうにみる青年と、彼を茶化す二人の青年。
赤く染まる街を歩いていく。
高校が終わって、帰り道。
いつものメンバーとそれからもう一人。
あたしは彼女と手をつなぎ、軽くステップをしながら歩く。いつもの鼻歌もこぼれて、上機嫌。
後ろから子どもっぽいだのなんだのと声が聞こえるけど、全部無視した。
朝、教室に来てひとつ増えた席に気づいたときあたしはどきっとした。
前にも転校生が来た。彼女・・・葵ちゃんとの出来事はあたしの中ですこしトラウマになっていたから。
そうやって見ていると頭をぼすっとたたかれる。
振り返ると、不良っぽい彼。
茶化されて、怒って、いつもの流れ。
先生が入ってきたときには不安なんて吹き飛んでいた。
そして、先生に連れられて入ってきた女の子が……。
本当にびっくりしたけれど、彼女はすずめちゃんだった。
何があったのかはよくわからない。けど
すずめちゃんが戻ってきてくれたことが、あたしはとてもうれしかった。
そして、今に至る。
つないでいた手を離して、すこし前に出る。
そのまま、彼女に聞こえるように話し出す。
「ねーえ、すずめちゃん。あたしね、言いたいことがあったの。」
一呼吸置いてから
「あの時、守ってくれてありがとう。あたし、謝ってばっかりでろくにお礼も言えてなかったからさ…。」
「すずめちゃんがあたしを守ってくれたみたいに、あたしもすずめちゃんの力になりたいなって…。頼りないけどね」
前を向いたままへへっと、苦笑いをする。
「それから、もう一つ」
くるっと振り返って、手を出す。
「改めてあたしと、友達になってほしいの。ほら…条件とか、なしでさ」
すずめちゃんは少し驚いた様子だったけれど、ふっと微笑んで
あたしの手をきゅっと握ってくれた。
「…ありがとう!すずめちゃん!」
あたしはつないだ手をぶんぶんと思いきり振ってから離す。
二人の手がはじけるように広がった。
うれしくて、楽しくて、たまらなかった。
その後、あたしたちはすずめちゃんの歓迎パーティを開いた。
場所は、あたしの家。
…お母さんたちには、自分で話をした。
自分から進まないと、何も変わらない気がして。
不安だったけれど…皆が、彼が支えてくれたから。
少しずつだけど、あたしは前に進めた気がした。
当日は大騒ぎだった。
いっぱい知り合いを呼んで、いっぱいお菓子も作って
遊んで、はしゃいで、騒いで…いっぱい写真も撮った。
すごく楽しかったんだ。
だから、ずっとね。こんな日が続けばいいなって。
あたしはそう思ったんだ。
(封筒に入った手紙が残されている。表には斎藤恭介様へ 絶対に読むこと と書かれている)
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恭介さんへ
お久しぶりです。
貴方に言いたいこと、書きたいことはたくさんあります。
でも、それはまた会ったときに置いておこうと思います。
ここに書くのは、私からの3つのお願いです。
1つ目
もうこれ以上茜さんを一人にしないであげて。
茜さんの元にいてあげて。
貴方のしたことに償いが必要だというのなら、彼女のそばに居続けることを償いにして。
共に居たいという彼女の願いを叶えてあげてください。
2つ目
私たちを、仲間を頼って。
一人で抱え込まないで。
役立たずかもしれない。
足手まといかもしれない。
けれど一人で歩くよりずっといいです。
何かあれば、話してください。
3つ目
自分を大切にしてください。
貴方がどれだけ否定したとしても、貴方のことを必要とする人がいます。
大切に思う人がいます。
私は、貴方のことを大切な友人だと思っています。
貴方が居なくなって、寂しさと悲しみを感じています。
貴方と出会った人たちもそう感じているでしょう。
だから、お願いです。無事に帰ってきてください。
写真を置いていきます。
燃える前の蓮華村の写真と、三人で撮ったものです。
また、皆で写真を撮りましょう。
雀ちゃんと、恭介さんと、私と…
私たちが出会った、沢山の人たちと
写真を、撮らせてください (水滴が落ちた跡が残っている)
すみません、少し汚れてしまいました。
良かったら、ここに連絡をください。
xxx-xxx-xxxx
(下に、人のようなものが3つ描かれている。笑っているように見えるが、お世辞にも上手いとは言えない。)
スペースが余ったので絵を描こうとしたのですが失敗しました。ごめんなさい。笑ってください。
また、会いましょう。
辻 宮子
(裏には『この手紙が開かれることがありますように…。』と書かれている。)
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PCより
自分は駒野君の適切な処置によりあの人から受けた傷は大分楽になっていた。
マリーさんが後処理に奔走しているところ申し訳なかったのだが
本来、入院していたであろう期間くらい、休暇を貰ってもいいだろう。
正直、気持ちの整理がついていないのだ。
あの子供に言われた
「死んでしまった誰かを自分のせいだと思ってたりしない?」
「自分に力があれば!とか思ったりしない?」と
あんなにも早く思い知らされる・・・とはな。
腕っ節だけでは目の前の一人二人も助けられりゃしない。
自分は、無力だ。
何故あんな終わり方をする必要があったのだ
彼だって被害者だった。あの時の・・・涙が全てを語っていた。
仕事の時に見る 事件に関わった者の涙を多く見ているからこそ、そう感じたのだ。
そして
手早く荷物をまとめ病院を抜け出したのだ。
造船工場で"彼"が消えていたことに戸惑う彼女がいた
「大丈夫、生きていればいつか会えるだろうさ。」 など、少し引きつって笑っていたかもしれない
「少し・・・休暇を貰ったんだ、小旅行がてら 探してみようか?思い当たりそうな場所ないかな?」
勿論、そんなこと嘘だ・・・。この少女に最期まで救えなかった自分が伝えられる訳が無い。
ーーー蓮華村。
彼女から、簡単にその話も聞くと 貼り付けた様な笑顔を作り挨拶を済ませ造船工場から、そして町から足早に去っていく。
布に包まれた小さな欠片を強く握り締めて
PLより
自分は駒野君の適切な処置によりあの人から受けた傷は大分楽になっていた。
マリーさんが後処理に奔走しているところ申し訳なかったのだが
本来、入院していたであろう期間くらい、休暇を貰ってもいいだろう。
正直、気持ちの整理がついていないのだ。
あの子供に言われた
「死んでしまった誰かを自分のせいだと思ってたりしない?」
「自分に力があれば!とか思ったりしない?」と
あんなにも早く思い知らされる・・・とはな。
腕っ節だけでは目の前の一人二人も助けられりゃしない。
自分は、無力だ。
何故あんな終わり方をする必要があったのだ
彼だって被害者だった。あの時の・・・涙が全てを語っていた。
仕事の時に見る 事件に関わった者の涙を多く見ているからこそ、そう感じたのだ。
そして
手早く荷物をまとめ病院を抜け出したのだ。
造船工場で"彼"が消えていたことに戸惑う彼女がいた
「大丈夫、生きていればいつか会えるだろうさ。」 など、少し引きつって笑っていたかもしれない
「少し・・・休暇を貰ったんだ、小旅行がてら 探してみようか?思い当たりそうな場所ないかな?」
勿論、そんなこと嘘だ・・・。この少女に最期まで救えなかった自分が伝えられる訳が無い。
ーーー蓮華村。
彼女から、簡単にその話も聞くと 貼り付けた様な笑顔を作り挨拶を済ませ造船工場から、そして町から足早に去っていく。
布に包まれた小さな欠片を強く握り締めて
PLより
まず謝らせていただきます・・・(土下座)
本当に申し訳ございませんでしたっ!!
改めましてみなさんお疲れ様でした。
3日間+1日というお時間お付き合いいただきありがとうございました。
えっと・・・多くは語りません。
もしまたどこかで卓を囲む機会があったらよろしくお願いします。
ありがとうございましたm(_ _)m
本当に申し訳ございませんでしたっ!!
改めましてみなさんお疲れ様でした。
3日間+1日というお時間お付き合いいただきありがとうございました。
えっと・・・多くは語りません。
もしまたどこかで卓を囲む機会があったらよろしくお願いします。
ありがとうございましたm(_ _)m
百合の後日談
恭介さんとお別れした後急いで家に帰ってお菓子作りを始めた。
恭介さんにお菓子を渡すためである。
夕花ちゃんや雀ちゃんみたいに上手に作れる自信は無いけれど
それでも今までで一番の出来の物を持って行った。
結果としてお菓子は渡せなかった。
どうやらすれ違いで出て行ってしまったようだった。
またちゃんとお別れ出来なかった・・・
少し寂しさに襲われて涙が出そうだった。
そんな私に杉本さんが
「大丈夫、生きていればいつか会えるだろうさ。」 と声をかけてくれた。
杉本さんは恭介さんを探してくれる、と言ってくれて思い当たる場所として蓮華村を教えてあげた。
そこでふと思い出した言葉が頭を過ぎる。
「お前はまだ進める道がある・・・前を・・・向いて歩いてくれ・・・」
そうだった・・・
最後のお別れじゃないんだから前を向こう。
前を向いて歩いていればまたどこかで会えるはず。
その時私がおばあちゃんになっていても、きっと笑いあえるはず。
だから・・・
その時までは前を・・・上を向いて歩いていなくちゃ!
−−−少女は焼いたお菓子を杉本に渡して前を歩いていく・・・
恭介さんにお菓子を渡すためである。
夕花ちゃんや雀ちゃんみたいに上手に作れる自信は無いけれど
それでも今までで一番の出来の物を持って行った。
結果としてお菓子は渡せなかった。
どうやらすれ違いで出て行ってしまったようだった。
またちゃんとお別れ出来なかった・・・
少し寂しさに襲われて涙が出そうだった。
そんな私に杉本さんが
「大丈夫、生きていればいつか会えるだろうさ。」 と声をかけてくれた。
杉本さんは恭介さんを探してくれる、と言ってくれて思い当たる場所として蓮華村を教えてあげた。
そこでふと思い出した言葉が頭を過ぎる。
「お前はまだ進める道がある・・・前を・・・向いて歩いてくれ・・・」
そうだった・・・
最後のお別れじゃないんだから前を向こう。
前を向いて歩いていればまたどこかで会えるはず。
その時私がおばあちゃんになっていても、きっと笑いあえるはず。
だから・・・
その時までは前を・・・上を向いて歩いていなくちゃ!
−−−少女は焼いたお菓子を杉本に渡して前を歩いていく・・・
誰か達の後日談
「えっと・・・駒野・・・もう一回聞いてもいいかしら・・・?」
「申し訳ありませんがこのお屋敷から離れようと思います」
「怒ってないから聞くけど・・・理由は・・・?」
「・・・(後ろから見てても分かる位に貴音怒ってる・・・)」
「今回の件でまたお嬢様達を危ない目に合わせてしまいました。その責任を・・・」
「ばっかじゃないの!?私たちがいつ怪我をしたって言うのよ!」
「ですが今回の件、僕も知らない組織が動いていました。そう言った組織や僕のような存在をあなた達一般人に巻き込ませる訳には・・・」
「もう巻き込まれてるのよ!そんなこと言ったってもう時効よ!時効!」
「お嬢様落ち着いてください・・・駒野さん。今回の件は先ほども聞きましたが本当にそう言った結末だったのでしょうか?」
「町の子(犬)に見張らせて置きました・・・。事実だと思われます・・・」
「百合から故郷の話は聞いてるわ・・・。結局その男に『恭介』って人物は最後まで踊らされていた訳なのよね・・・」
「そうです・・・。だから僕はその男を追う為に屋敷を・・・」
「だったら"私達"で追うわよ!」
「「・・・はい?」」
「もうこんな悲劇を起こさせないようにするの!そんな怪しい組織も、化け物もすべてぶっ飛ばしてあげるわ!」
「・・・要するに私達もそう言った者達に対抗する組織を作るって事ですか?」
「そう言う事よ!さすが呑み込みが早いじゃない優!」
「ですがそれですとあなた達に危険が・・・」
「それだったら駒野も危険でしょう?」「うっ・・・」
「だったら1人より3人よ!」
「これでしたら駒野さんが出ていく必要はなくなりますね。お嬢様、組織の名前はどうしましょうか?」
「優さんまで・・・」
「優のそう言った所嫌いじゃないわ!そうね・・・。とあるアニメの『SOS団』みたいに何かの頭文字を付けたいわね・・・」
「・・・今回の件を忘れないように『蓮華の池』"Lotus Flower Pond"から頭文字を取って"LFP"ってのはどう?」
「お嬢様にしては良い名前だと思いますよ!」
「一言多いけど聞かなかったことにしてあげる・・・これでいいでしょう駒野?」
「ですからそれだとお嬢様方に危険が・・・」
「だから!あなたがその力で私たちを!人を守りなさい!」
「はい・・・(この人には勝てないな・・・)」
「さー!そうとなったらやる事は多いわよ!まずは人集めから始めなくっちゃ!」
「お嬢様。この事は百合様にはお伝えしますか?」
「百合に話すと怒られそうだからこの事は内緒よ!」
「かしこまりました。」
「ほら駒野!ぼさっとしてない!3人じゃ人手が足りないんだから誰か信用できる人でも呼んできなさい!」
「わ、わかりました。僕の方で何人か集めておきます!」
「それでよし!私たちは一人では無く、みんなで行くわよ!」
そういって3人は部屋から出ていく・・・
to be Continued ?
「申し訳ありませんがこのお屋敷から離れようと思います」
「怒ってないから聞くけど・・・理由は・・・?」
「・・・(後ろから見てても分かる位に貴音怒ってる・・・)」
「今回の件でまたお嬢様達を危ない目に合わせてしまいました。その責任を・・・」
「ばっかじゃないの!?私たちがいつ怪我をしたって言うのよ!」
「ですが今回の件、僕も知らない組織が動いていました。そう言った組織や僕のような存在をあなた達一般人に巻き込ませる訳には・・・」
「もう巻き込まれてるのよ!そんなこと言ったってもう時効よ!時効!」
「お嬢様落ち着いてください・・・駒野さん。今回の件は先ほども聞きましたが本当にそう言った結末だったのでしょうか?」
「町の子(犬)に見張らせて置きました・・・。事実だと思われます・・・」
「百合から故郷の話は聞いてるわ・・・。結局その男に『恭介』って人物は最後まで踊らされていた訳なのよね・・・」
「そうです・・・。だから僕はその男を追う為に屋敷を・・・」
「だったら"私達"で追うわよ!」
「「・・・はい?」」
「もうこんな悲劇を起こさせないようにするの!そんな怪しい組織も、化け物もすべてぶっ飛ばしてあげるわ!」
「・・・要するに私達もそう言った者達に対抗する組織を作るって事ですか?」
「そう言う事よ!さすが呑み込みが早いじゃない優!」
「ですがそれですとあなた達に危険が・・・」
「それだったら駒野も危険でしょう?」「うっ・・・」
「だったら1人より3人よ!」
「これでしたら駒野さんが出ていく必要はなくなりますね。お嬢様、組織の名前はどうしましょうか?」
「優さんまで・・・」
「優のそう言った所嫌いじゃないわ!そうね・・・。とあるアニメの『SOS団』みたいに何かの頭文字を付けたいわね・・・」
「・・・今回の件を忘れないように『蓮華の池』"Lotus Flower Pond"から頭文字を取って"LFP"ってのはどう?」
「お嬢様にしては良い名前だと思いますよ!」
「一言多いけど聞かなかったことにしてあげる・・・これでいいでしょう駒野?」
「ですからそれだとお嬢様方に危険が・・・」
「だから!あなたがその力で私たちを!人を守りなさい!」
「はい・・・(この人には勝てないな・・・)」
「さー!そうとなったらやる事は多いわよ!まずは人集めから始めなくっちゃ!」
「お嬢様。この事は百合様にはお伝えしますか?」
「百合に話すと怒られそうだからこの事は内緒よ!」
「かしこまりました。」
「ほら駒野!ぼさっとしてない!3人じゃ人手が足りないんだから誰か信用できる人でも呼んできなさい!」
「わ、わかりました。僕の方で何人か集めておきます!」
「それでよし!私たちは一人では無く、みんなで行くわよ!」
そういって3人は部屋から出ていく・・・
to be Continued ?
誰かの前日談
海風が気持ちよく吹くとある崖の上
そこに突如として現れた黒い霧から現れた人と数匹の犬
現れた人はすぐに崖の上から海を見るような形をとる
「がはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
体調は優れないようだ。
「また・・・人を・・・」そう言ってもう一度海を見る形をとる
犬達は全く人に興味を持たないようであたりをきょろきょろとみている
「・・・もう戻れない」
「人としても・・・化け物としても・・・」
ふと空を見上げる・・・
どこかで見たような満月だった・・・
「・・・あいつらもこの月を見ているんだ」
ふと誰かの顔を思い出す
「あいつらの為にも・・・茜の為にも・・・」
「・・・復讐は我にあり」
そういって人は何かを呟き、現れた黒い霧に飲み込まれていく・・・
そこに突如として現れた黒い霧から現れた人と数匹の犬
現れた人はすぐに崖の上から海を見るような形をとる
「がはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
体調は優れないようだ。
「また・・・人を・・・」そう言ってもう一度海を見る形をとる
犬達は全く人に興味を持たないようであたりをきょろきょろとみている
「・・・もう戻れない」
「人としても・・・化け物としても・・・」
ふと空を見上げる・・・
どこかで見たような満月だった・・・
「・・・あいつらもこの月を見ているんだ」
ふと誰かの顔を思い出す
「あいつらの為にも・・・茜の為にも・・・」
「・・・復讐は我にあり」
そういって人は何かを呟き、現れた黒い霧に飲み込まれていく・・・
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