最終更新:ID:rdpcvJjUjQ 2016年04月06日(水) 18:42:19履歴
隣町(十二死町)に住んでいる探索者たちの友人の、佐藤紗代と大塚省吾が一週間前に行方不明になった。
警察も探しているが、一向に見つかる気配がない。
――――こうなったら、自分たちで探すしか無い。
探索者たちは自分たちで彼らを探すことにした。
警察も探しているが、一向に見つかる気配がない。
――――こうなったら、自分たちで探すしか無い。
探索者たちは自分たちで彼らを探すことにした。
PCより
「…悪いな。」
そう言って、僕の頭をくしゃりと撫でた大塚さんを、僕は追う事が出来なった。
涙を必死に堪えながら、ただ…その背中を見つめることしか…。
その日の夜、僕は眠る事が出来なかった。本当に首切り様が来ないのか心配だったのもあるが、何よりも、嫌な予感がしていた。
「(このまま…2人が、いなくなってしまったら…。)」
そんな恐ろしいこと、あるわけが無い。あってはいけないんだ。だけど、思えば思うほど僕の頭にはあの町から消えていく2人の姿が浮かぶ。怖い、怖い、怖い。真面目な先輩が、仕事を放ったらかしにしていなくなるはずがない。そんな先輩を、佐藤さんが止めないはずが…。
そして、その予感は神が嘲笑うかのように的中してしまったーー・・・。
大塚さんと佐藤さんの行方が分からなくなってから数日経っても、僕は他人からも、自分でもわかるくらいに落ち込んでいた。他の同期に声をかけられても、僕はちゃんと笑えているのか心配だった。「大丈夫?」そんな声ばかりが掛かるのが申し訳なくて、僕は職場でも1人になる時間が増えた。そして…考えてしまう。
もし、あの時大塚さんを追えていたら、二人は行方を晦まさずに済んだのか?
もし、あの時「もう、佐藤さんが亡くなっているのでは?」と正直に聞けていたら?
もし、あの時…。
そんな、今更考えたってどうしようもないこと。だけど、僕には後悔の念しかなかった。
どうしてあの時動かなかった?
「待って下さい!」と声を上げられなかった?
…先輩を慕うが故に、僕には何もすることが出来なかったのか?
あれ以来、僕は深山さん達と会うのが怖くなった。ラインが飛んできていたが、それを見る気になれなかったんだ。僕のせいで2人がいなくなって、深山さんたちは僕の事を怒っているんじゃないか? そんな、3人に限ってそんなことを思うなんて有り得ない…信じているのに。だけど、会う勇気がなかった。僕は、自分で思っていた以上に臆病者なのかもしれない。それに…2人のことを考えてしまうことが多すぎて、仕事も手につかないのだ。そんな姿を、3人には見せたくなかった。…もしかしたら、同業者の青海さんには、知られてしまっているのかもしれないけれど。
こんな出来の悪い僕を見たら、戻ってきた時に大塚さんは怒るだろうか。…出来れば、そうあってほしいと、こんな期待の出来ない願いを考えるのは何回目だろう。
「はぁ…。」
ため息をひとつもらし、カフェオレを一口飲む。仄かな甘みが、気分の沈みを少しだけ晴れさせてくれた…気がする。いつまでもこんな気持ちでいてはいけないとは分かっているつもりなのだが、実際は上手くいかないものだなぁ、と痛感した。走り込みをしても、キックボクシングに行っても、気分は晴れなかった。それどころか、あの時の自分への苛立ちが勝ってしまう。ほら、また…。
いけない! と頭をフルフルと振りスマホを見ると、グループからの通知が来ていた。手が震える。緊張で喉が渇く。グイッと残りのカフェオレを飲み込み、意を決して内容を確認した。
『水崎君!呑み会を開きますぞ!(*`ω´*)ドヤァ』
『皆でまた呑もうじゃない。気分も晴れるよ。』
『暇な時教えてくれりゃ、合わせるからよ。』
ぽかん、というのはこういうことなのか。僕は3人の変わらない態度に安堵をした。ああ…この人達は、本当に懲りてないなぁ…と、自然に笑みが溢れてしまう。僕はなんて良い人に恵まれたんだろう。どうして、自ら遠ざけてしまっていたのだろう。3人は、変わっていなかったのに。…そう思うと、ぼろぼろと涙が溢れる。
『二日酔いだけは、勘弁してくださいね?』
そう返信を送り、仕事に戻る。
後ろばかりを向いていちゃいけない。これから先の事を見ないといけない。先輩のことも、全部終わりじゃない。
きっと、きっと、また会えると信じて。
PLより
初オンセでしたがとっっても楽しくやらせていただきましたー!
ホントに楽しくて、毎日のように思い出してしまいます…!仕事が手につかない!!!←
まさか水崎以外が二日酔いになるだなんて…あの流れは最高に笑いましたw
そして最後…水崎以外が…付いて来ていない、だと…?
あの時、水崎だけって聞いた時本気で焦りました!誰か一人はいてくれると思っていたー!
でも、貴重な体験でした…ありがとうございますそしてすみませんでした!
後々になったあーしておけばー!っていうのが浮かんでくるのは悔しいですね><!
また同じメンバーで卓を囲めたらとてもとても嬉しいです…!
本当にありがとうございました!!
「…悪いな。」
そう言って、僕の頭をくしゃりと撫でた大塚さんを、僕は追う事が出来なった。
涙を必死に堪えながら、ただ…その背中を見つめることしか…。
その日の夜、僕は眠る事が出来なかった。本当に首切り様が来ないのか心配だったのもあるが、何よりも、嫌な予感がしていた。
「(このまま…2人が、いなくなってしまったら…。)」
そんな恐ろしいこと、あるわけが無い。あってはいけないんだ。だけど、思えば思うほど僕の頭にはあの町から消えていく2人の姿が浮かぶ。怖い、怖い、怖い。真面目な先輩が、仕事を放ったらかしにしていなくなるはずがない。そんな先輩を、佐藤さんが止めないはずが…。
そして、その予感は神が嘲笑うかのように的中してしまったーー・・・。
大塚さんと佐藤さんの行方が分からなくなってから数日経っても、僕は他人からも、自分でもわかるくらいに落ち込んでいた。他の同期に声をかけられても、僕はちゃんと笑えているのか心配だった。「大丈夫?」そんな声ばかりが掛かるのが申し訳なくて、僕は職場でも1人になる時間が増えた。そして…考えてしまう。
もし、あの時大塚さんを追えていたら、二人は行方を晦まさずに済んだのか?
もし、あの時「もう、佐藤さんが亡くなっているのでは?」と正直に聞けていたら?
もし、あの時…。
そんな、今更考えたってどうしようもないこと。だけど、僕には後悔の念しかなかった。
どうしてあの時動かなかった?
「待って下さい!」と声を上げられなかった?
…先輩を慕うが故に、僕には何もすることが出来なかったのか?
あれ以来、僕は深山さん達と会うのが怖くなった。ラインが飛んできていたが、それを見る気になれなかったんだ。僕のせいで2人がいなくなって、深山さんたちは僕の事を怒っているんじゃないか? そんな、3人に限ってそんなことを思うなんて有り得ない…信じているのに。だけど、会う勇気がなかった。僕は、自分で思っていた以上に臆病者なのかもしれない。それに…2人のことを考えてしまうことが多すぎて、仕事も手につかないのだ。そんな姿を、3人には見せたくなかった。…もしかしたら、同業者の青海さんには、知られてしまっているのかもしれないけれど。
こんな出来の悪い僕を見たら、戻ってきた時に大塚さんは怒るだろうか。…出来れば、そうあってほしいと、こんな期待の出来ない願いを考えるのは何回目だろう。
「はぁ…。」
ため息をひとつもらし、カフェオレを一口飲む。仄かな甘みが、気分の沈みを少しだけ晴れさせてくれた…気がする。いつまでもこんな気持ちでいてはいけないとは分かっているつもりなのだが、実際は上手くいかないものだなぁ、と痛感した。走り込みをしても、キックボクシングに行っても、気分は晴れなかった。それどころか、あの時の自分への苛立ちが勝ってしまう。ほら、また…。
いけない! と頭をフルフルと振りスマホを見ると、グループからの通知が来ていた。手が震える。緊張で喉が渇く。グイッと残りのカフェオレを飲み込み、意を決して内容を確認した。
『水崎君!呑み会を開きますぞ!(*`ω´*)ドヤァ』
『皆でまた呑もうじゃない。気分も晴れるよ。』
『暇な時教えてくれりゃ、合わせるからよ。』
ぽかん、というのはこういうことなのか。僕は3人の変わらない態度に安堵をした。ああ…この人達は、本当に懲りてないなぁ…と、自然に笑みが溢れてしまう。僕はなんて良い人に恵まれたんだろう。どうして、自ら遠ざけてしまっていたのだろう。3人は、変わっていなかったのに。…そう思うと、ぼろぼろと涙が溢れる。
『二日酔いだけは、勘弁してくださいね?』
そう返信を送り、仕事に戻る。
後ろばかりを向いていちゃいけない。これから先の事を見ないといけない。先輩のことも、全部終わりじゃない。
きっと、きっと、また会えると信じて。
初オンセでしたがとっっても楽しくやらせていただきましたー!
ホントに楽しくて、毎日のように思い出してしまいます…!仕事が手につかない!!!←
まさか水崎以外が二日酔いになるだなんて…あの流れは最高に笑いましたw
そして最後…水崎以外が…付いて来ていない、だと…?
あの時、水崎だけって聞いた時本気で焦りました!誰か一人はいてくれると思っていたー!
でも、貴重な体験でした…ありがとうございますそしてすみませんでした!
後々になったあーしておけばー!っていうのが浮かんでくるのは悔しいですね><!
また同じメンバーで卓を囲めたらとてもとても嬉しいです…!
本当にありがとうございました!!
PCより
「えぐ…何で…あの時…ぐす…先輩を…」
「泣くかしゃべるか、どっちかにしろ。な?」
「そうですよー。せっかくの美味しいお酒がもったいないですよぉ」
「そうそう。お酒は楽しまないと」
居酒屋のカウンター席を陣取ったいつもの仲間で、思うままに飲み、食べ、語らう。それはいつものことだが、一点だけいつもとは違った様相を呈していた。
門倉、青海、深山の三人が揃って、うなだれている水崎を慰めようとしていた。
門倉は、ぶっきらぼうな口ぶりながらも、酒を飲みつつ心底案じたように水崎を見、青海はいつものニコニコとした満面の笑みに軽い口調で、深山はおっとりと、笑みを絶やさずに明るくさばけた口調で。
(…無理もないな)
門倉は先日の一件を思い出し、苦い思いを酒で飲み下した。
先日彼らは共通の知人である大塚、佐藤の両名の行方を探すべく動いた。
その中で『くびきりさま』という怪奇を知り、また、水崎にその魔の手が迫ったということで、離れるのは危険だと、全員で深山の家に泊まった。
…そこまではいい。そこまでは良かった。問題は、深山の実家が酒屋であり、彼女がもてなし上手であったということだ。そして、全員が酒好きだったのも、主な原因に数え上げられる。
要は、友人の行方を探す最中に、酒盛りをしてしまい、二日酔いのまま調査をしてしまったのだ。
その上、行方不明の片割れの大塚を見つけ、どこかきな臭さを感じながらも、門倉、青海、深山は大塚に案内されたバーで性懲りもなく飲んで食って、と気楽に構えていた。
店を出て大塚を追った水崎の不安や焦りなど知りもせずに、だ。
結局、『くびきりさま』の封印に成功するも、彼らの前から大塚は姿を消した。
彼に最後に会い、引き留めきれなかった水崎の悔恨はいかばかりか。
だからこそ、こうして彼らは水崎を囲んで、酒を飲みながらも励まし、慰め、傍らにいる。
少しでもその心が救われるようにと。
(……終わったら……野郎共で、縁結びでも行くかぁ)
調査の中で図らず心に傷を負った彼ら(悲しき独身男)が救いを求めたのが、神頼み。
調査の末に行きついた十二神社では縁結びを扱っていない、と知って、青海が膝から崩れ落ちたくらいだ。
だから、少しでも水崎の気持ちが上向けば、この、どうしようもなかった一件で背負った重荷をおろせるように、神に祈ってもいいのかもしれない。
(…とはいえ、まずはこっちでも頑張らないとな)
門倉はため息を紛れさせるように紫煙を吐き出し、次に何と言ったものか、と頭を巡らせる。
PLより
「えぐ…何で…あの時…ぐす…先輩を…」
「泣くかしゃべるか、どっちかにしろ。な?」
「そうですよー。せっかくの美味しいお酒がもったいないですよぉ」
「そうそう。お酒は楽しまないと」
居酒屋のカウンター席を陣取ったいつもの仲間で、思うままに飲み、食べ、語らう。それはいつものことだが、一点だけいつもとは違った様相を呈していた。
門倉、青海、深山の三人が揃って、うなだれている水崎を慰めようとしていた。
門倉は、ぶっきらぼうな口ぶりながらも、酒を飲みつつ心底案じたように水崎を見、青海はいつものニコニコとした満面の笑みに軽い口調で、深山はおっとりと、笑みを絶やさずに明るくさばけた口調で。
(…無理もないな)
門倉は先日の一件を思い出し、苦い思いを酒で飲み下した。
先日彼らは共通の知人である大塚、佐藤の両名の行方を探すべく動いた。
その中で『くびきりさま』という怪奇を知り、また、水崎にその魔の手が迫ったということで、離れるのは危険だと、全員で深山の家に泊まった。
…そこまではいい。そこまでは良かった。問題は、深山の実家が酒屋であり、彼女がもてなし上手であったということだ。そして、全員が酒好きだったのも、主な原因に数え上げられる。
要は、友人の行方を探す最中に、酒盛りをしてしまい、二日酔いのまま調査をしてしまったのだ。
その上、行方不明の片割れの大塚を見つけ、どこかきな臭さを感じながらも、門倉、青海、深山は大塚に案内されたバーで性懲りもなく飲んで食って、と気楽に構えていた。
店を出て大塚を追った水崎の不安や焦りなど知りもせずに、だ。
結局、『くびきりさま』の封印に成功するも、彼らの前から大塚は姿を消した。
彼に最後に会い、引き留めきれなかった水崎の悔恨はいかばかりか。
だからこそ、こうして彼らは水崎を囲んで、酒を飲みながらも励まし、慰め、傍らにいる。
少しでもその心が救われるようにと。
(……終わったら……野郎共で、縁結びでも行くかぁ)
調査の中で図らず心に傷を負った彼ら(悲しき独身男)が救いを求めたのが、神頼み。
調査の末に行きついた十二神社では縁結びを扱っていない、と知って、青海が膝から崩れ落ちたくらいだ。
だから、少しでも水崎の気持ちが上向けば、この、どうしようもなかった一件で背負った重荷をおろせるように、神に祈ってもいいのかもしれない。
(…とはいえ、まずはこっちでも頑張らないとな)
門倉はため息を紛れさせるように紫煙を吐き出し、次に何と言ったものか、と頭を巡らせる。
PCより
「まーまー水崎君、元気出してくださいな!」
深山君に注いでもらった酒をあおりながら友人の背中をバシバシと叩く。
今回の事件で一番心を痛めたであろう彼を慰めるためにだ。
これが俺流慰め術だ。どんどん飲ませよう。
「そんなに飲めないですよ…!」
「よし!漏斗を使おう。門倉君どうですかこの俺のアイデア!」
「なるほど…いいなそれ。深山、漏斗はあるか?」
「あるよ〜、持ってきましょうか?」
「やめてください!普通に…普通に飲ませてください!」
なんていじり甲斐のある奴なんだ。
思わずニヤニヤしてしまう。
あれ以来、大塚君と紗代君と一切の連絡が取れなくなってしまった。
俺は彼の家で拭き取られた血液を見て以来、あいつはとんでもない禁忌を犯してしまったのではと考えていた。
考えてはいたが最後まで思い切った行動はできなかった。
保身に走ってしまったのだ、俺としたことが。
あの事件後気持ちを切り替えるために全員で飲み会をすることになった。
もちろん深山君の店でだ。
例の怪異の封印には成功したようで悪い噂は聞かなくなった。
俺達は怪異に勝つことができたのだ。
しかしそれでも全員思う所があるようで浮かない顔をしている。
ここは俺が盛り上げねば…
昔からそういう役割を買って出ていた。
それが一番楽だからだ。
皆俺がこんな人間だと知ったら幻滅するのではないかと思うが、まあ今更かとも思う。
話は変わるが、最後まで俺は『くびきりさま』に会うことは無かった。
彼女はやはり美人なのだろうか。
水崎君が元気になったらそこんとこちゃんと聞いておこうと思っている。
さすがに今そんなことを聞ける状況ではないけどな。
こうしてまた日常が帰ってくる。
「…うんうん、これでこそ平和な日常ってやつだ」
ぼそりを呟くと、友人達を満足げに眺めつつ酒に口をつける。
…ところで二人を探している最中可愛い子に連絡先を教えて回ったんだが連絡は一つも入っていない。
しっかり年収も書いておいたのに、何故だ…
PLより
「まーまー水崎君、元気出してくださいな!」
深山君に注いでもらった酒をあおりながら友人の背中をバシバシと叩く。
今回の事件で一番心を痛めたであろう彼を慰めるためにだ。
これが俺流慰め術だ。どんどん飲ませよう。
「そんなに飲めないですよ…!」
「よし!漏斗を使おう。門倉君どうですかこの俺のアイデア!」
「なるほど…いいなそれ。深山、漏斗はあるか?」
「あるよ〜、持ってきましょうか?」
「やめてください!普通に…普通に飲ませてください!」
なんていじり甲斐のある奴なんだ。
思わずニヤニヤしてしまう。
あれ以来、大塚君と紗代君と一切の連絡が取れなくなってしまった。
俺は彼の家で拭き取られた血液を見て以来、あいつはとんでもない禁忌を犯してしまったのではと考えていた。
考えてはいたが最後まで思い切った行動はできなかった。
保身に走ってしまったのだ、俺としたことが。
あの事件後気持ちを切り替えるために全員で飲み会をすることになった。
もちろん深山君の店でだ。
例の怪異の封印には成功したようで悪い噂は聞かなくなった。
俺達は怪異に勝つことができたのだ。
しかしそれでも全員思う所があるようで浮かない顔をしている。
ここは俺が盛り上げねば…
昔からそういう役割を買って出ていた。
それが一番楽だからだ。
皆俺がこんな人間だと知ったら幻滅するのではないかと思うが、まあ今更かとも思う。
話は変わるが、最後まで俺は『くびきりさま』に会うことは無かった。
彼女はやはり美人なのだろうか。
水崎君が元気になったらそこんとこちゃんと聞いておこうと思っている。
さすがに今そんなことを聞ける状況ではないけどな。
こうしてまた日常が帰ってくる。
「…うんうん、これでこそ平和な日常ってやつだ」
ぼそりを呟くと、友人達を満足げに眺めつつ酒に口をつける。
…ところで二人を探している最中可愛い子に連絡先を教えて回ったんだが連絡は一つも入っていない。
しっかり年収も書いておいたのに、何故だ…
PCより
PLより
段々と過ごしやすい気温の日が多くなり、植物が芽吹かせるこの頃。
青海、門倉、水崎、そしてあたし、深山の四人で花見に来ていた。
ちょうど桜が満開になった時期で、ピンク色の花々が膨れるかのように咲いていた。
風が吹くたびにはらはらと舞い散り、緑の芝生をまだらに染めていく。
有数の花見スポットである××公園は大勢の人で賑わっていた。
花を見る者、話に花を咲かせる者──皆、思い思いのことをして楽しんでいる。
が、あたしたちはいつも通りしこたま酒を飲んでいた。花のことは酒を飲む口実である。まさに花より団子といった具合だ。
「いやあ、やっぱり花見といえばこれですなあ」
そう言いながら日本酒の瓶を抱えるのは、薬剤師である青海。
職業、収入は悪くないのだが独り身で現在彼女募集中だ。
自分の連絡先を会う人会う人に渡しては、連絡が来ないと嘆いている。
それを止めれば何とかなるのではないか──ふと思ったことがあるが面白いので黙っている。
「酒もいいが、この唐揚げもなかなか。水崎にこんな特技があるなんてな」
博物学者の門倉は、弁当箱に山盛りに詰められた唐揚げを詰まんでは口の中に放り込んでいた。
彼もまた、彼女募集中だ。ブラックホールの胃を持ち、つまりは大食らいで、今も弁当箱の半分ほどを門倉が消費している。
それだけ食べていても細身なので、女性の身としては羨ましくもある。
「いえいえ、もっと食べて下さい、ヒック」
酒が弱いのか顔が赤くなってしゃっくりをしている水崎は、外科医をやっている。
花見に行こうとなり、弁当をどうするか、となったときに作ってきましょうか?と引き受けてくれたときは、後光がさしてみえた。
ちなみに彼も彼女募集中だ。人当たりのいい性格だが、いつも友人止まりで彼女にまでいかない…と酒の席で漏らしていた。
「酒もご飯も上手い…最高だねえ」
あたし、深山も独り身だ。つまり友人同士の集まりでもあり、悲しき独り身の会、でもあるのだ。
皆恋人が欲しがって縁結びをしたり婚活めいたものをしては失敗談を語りあい慰めあっている。
が、そう悪いものではなく、むしろ気の置けない友人との楽しいものである。
いい奴らばかりだから、何だかんだいいつつも明るい家庭を築くのだろう。
でも、またいつか──…
またこの4人で、先のことは考えずに、
笑いながら飲める日がくるといい──
それはそう遠くない未来だ。彼らといると、そう思えてくるのだった…
青海、門倉、水崎、そしてあたし、深山の四人で花見に来ていた。
ちょうど桜が満開になった時期で、ピンク色の花々が膨れるかのように咲いていた。
風が吹くたびにはらはらと舞い散り、緑の芝生をまだらに染めていく。
有数の花見スポットである××公園は大勢の人で賑わっていた。
花を見る者、話に花を咲かせる者──皆、思い思いのことをして楽しんでいる。
が、あたしたちはいつも通りしこたま酒を飲んでいた。花のことは酒を飲む口実である。まさに花より団子といった具合だ。
「いやあ、やっぱり花見といえばこれですなあ」
そう言いながら日本酒の瓶を抱えるのは、薬剤師である青海。
職業、収入は悪くないのだが独り身で現在彼女募集中だ。
自分の連絡先を会う人会う人に渡しては、連絡が来ないと嘆いている。
それを止めれば何とかなるのではないか──ふと思ったことがあるが面白いので黙っている。
「酒もいいが、この唐揚げもなかなか。水崎にこんな特技があるなんてな」
博物学者の門倉は、弁当箱に山盛りに詰められた唐揚げを詰まんでは口の中に放り込んでいた。
彼もまた、彼女募集中だ。ブラックホールの胃を持ち、つまりは大食らいで、今も弁当箱の半分ほどを門倉が消費している。
それだけ食べていても細身なので、女性の身としては羨ましくもある。
「いえいえ、もっと食べて下さい、ヒック」
酒が弱いのか顔が赤くなってしゃっくりをしている水崎は、外科医をやっている。
花見に行こうとなり、弁当をどうするか、となったときに作ってきましょうか?と引き受けてくれたときは、後光がさしてみえた。
ちなみに彼も彼女募集中だ。人当たりのいい性格だが、いつも友人止まりで彼女にまでいかない…と酒の席で漏らしていた。
「酒もご飯も上手い…最高だねえ」
あたし、深山も独り身だ。つまり友人同士の集まりでもあり、悲しき独り身の会、でもあるのだ。
皆恋人が欲しがって縁結びをしたり婚活めいたものをしては失敗談を語りあい慰めあっている。
が、そう悪いものではなく、むしろ気の置けない友人との楽しいものである。
いい奴らばかりだから、何だかんだいいつつも明るい家庭を築くのだろう。
でも、またいつか──…
またこの4人で、先のことは考えずに、
笑いながら飲める日がくるといい──
それはそう遠くない未来だ。彼らといると、そう思えてくるのだった…
遅くなりましたが、お疲れ様でした!お久しぶりです。深山をやらせていただきましたtandaiです。
今回は皆さんが書いた話より、少し後になる話です。
書いている途中途中、色々書いちゃったり設定を作ってしまったりしてすみません(水崎さんの料理のこととか)
オンセ中は皆さんとのRPが楽しくて楽しくてついつい首切り様のことが頭からログアウトしていたのですが、今回の話も首切り様のくの字もない話になってしまいました…。ゴメンナサイ。でも、また飲みましょう(笑)
卓を開いてくださった桜花さん、一緒に卓を囲んで下さった皆さん、ありがとうございますm(__)m
またご一緒出来ましたらよろしくお願いします。
今回は皆さんが書いた話より、少し後になる話です。
書いている途中途中、色々書いちゃったり設定を作ってしまったりしてすみません(水崎さんの料理のこととか)
オンセ中は皆さんとのRPが楽しくて楽しくてついつい首切り様のことが頭からログアウトしていたのですが、今回の話も首切り様のくの字もない話になってしまいました…。ゴメンナサイ。でも、また飲みましょう(笑)
卓を開いてくださった桜花さん、一緒に卓を囲んで下さった皆さん、ありがとうございますm(__)m
またご一緒出来ましたらよろしくお願いします。
コメントをかく