クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

※とある事件で特別なお神酒を飲んだ事によりただの幽霊、星の精、空鬼など不可視の存在が見える
神話生物のヴェールに隠れた真の姿も見えるので、目撃時正気度喪失1,2倍
KPの判断により封印可

目撃した神話生物
星の精

それは幼少期、両親から食事を与えてもらえず、満足なものなど口に含むことはなかった。
そのせいもあって、成長期における身体の発達に障害をきたしてしまう。
そんな生活を送っていた彼女だったが…それでも彼らが機嫌の良い時にみせる笑顔が好きで耐えてきた。
だが、そんなあるの冬の朝。彼らは彼女を家に捨て、どこか別の場所へと行方をくらます。
そして彼女は幼いながらにも、こう考えてしまった。
『あぁ、やっぱりでごぜぇますか。沙織はやっぱりパパやママが言ってやがりました通り、ゴミなのでごぜぇますね…。』
そして彼女はゴミ袋という名の家から飛び出し、日の光などあたらぬ陰へと足を運んで行った。
ゴミはゴミらしく、明るい場所ではなく陰湿で醜悪で汚れた場所にいなければならないのだと。
彼らがよく彼女に吐き捨てていた言葉を、幼かった彼女は真に受けて…深く冷たい底なし沼へと沈んでいく。
まだ歳にして12という、まだ新芽が花開いた頃である。

彼女は5つの頃から母親には肉体的な虐待を…父親には性的な虐待を受けていた。
そのせいか…この頃から他人の顔や表情を伺い、それに合わせて言動や態度を変えられるようになっていった。
きっと怒られたくないが為に…きっと嫌われたくないが為に…無意識のうちに自衛本能が働いたのかもしれない。
だが父親からは鬼畜の所業を受けており、その体は既にボロボロとなっていった。
その為。性的な知識は豊富で現在はそれを活かし、娼婦として生活を送っている。
そこだけは『あのクズに感謝しねぇといけないでやがります』と彼女は思っているようだ。

だが、それでも時より街中で見かける仲の良い家族を見かけると思わず泣き出してしまうことがある。
『沙織もあんな家族になりたかったでごぜぇますよ…』そう目を赤く染めて、場所と問わずうずくまってしまうことだろう。
そしてそんな時に”もう一人の沙織”が出てくる。それはまだ幸せだった頃の幼き日の沙織だ。
自己防衛本能の為だろう、彼女はしばらくの間、落ち着くために眠りへとつく。
そしてその間は本当の少女のように、”沙織”は動き回る事だろう。まだ幸せだったあの頃のように。

陰に身を落してからは、ヤの付く人や放浪者…はたまた違法な店舗で働き、生活を送ってきた。
まだまだ幼い彼女であったが、ゴミである自分自身を嫌っており、この時すでに壊れ始めていた。
それに付けこんだのが汚らしいウジ虫共だった。
彼らはこんなおいしい物件を見逃すはずもなく、すぐに口車に乗せて彼女を惑わす。
そして自分たちの交渉カードや現代の児童買春デートクラブに似た場所で働かせ、多額の売り上げを誇っていった。
しかし彼女は何も躊躇することなく、汚らしいウジ虫共に愛嬌を振りまき抱かれていった。
その汚れた唇を、毛深くそして脂くさい身体を舐めまわし…ウジ虫の逸物をしごきしゃぶり、そして最後に跨ぎ、悦ばせていた。
それはウジ虫共に抱かれることで自分自身を更に汚し、もっともっと自分を嫌いになりたかったのかも知れない。
だから彼女は、ウジ虫共に本心から悦んで抱かれていたことだろう。

そして15年という月日が彼女を顔のない、ぬっぺりとした人形へと仕立てあげる。
彼女の笑みはまるで人形のように可憐で可愛らしい事だろう。
だが、彼女の顔の真の意味に気付いた人間は慄くだろう…そのあまりの冷たさに。
彼女には人間味というものが欠落してしまっているのだ。一体どうしたら人間がここまで壊れてしまうのだろうか。
彼女はもう何も感じない、今生きることだけを…そして自分自身を、醜悪なモノに変えるだけに生きている。
きっと人間というモノを信じることはないだろう。むしろ自分自身さえ信じることはないのかも知れない。
寝て食って、抱かれて…それらを毎日繰り返し。人間としての死から逃れているのかも知れない。

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