ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

始めに

このシナリオのコンセプト
・砂漠の旅は過酷
・歴史の脇道を歩く

難易度:☆☆☆〜☆☆☆☆
想定時間:テキストセッションで6〜8時間

技能について
舞台の都合上アラビア語の技能は必須。
また、激しい戦闘が起き得るため銃火器を含めた火力を用意するように伝えるべきだろう。

舞台・1898年、4月。エジプト〜スーダン。

背景

この事件はイスラム教と土着の宗教が混交した半分カルトの村が原因である
彼らはマフディーのことを真実“マフディー”だと信じていた
しかし約束されたはずの救世主は地上を去ってしまった
その死を信じられず、そして彼なくばスーダンの独立はないと考えたカルトは
“マフディー”を創ることにしたのである。
これはイスラムの教えとしては重大な過ちであろう
時間がない彼らは一から作ることをせず村の少年(神聖童貞)を改造することにした
マフディーの霊魂・エッセンスを適応させた少年の体に降ろそうというのだ
当然ながらマフディーは生きているので宿るはずもない
しかし彼もまた伝承上の「マフディー」ではないのだ
歪んだ認識のまま少年に“マフディー”が宿る
少年は“マフディー”として英軍の将校を呪殺する
果たして少年に宿ったものとは・・・

歴史的背景と架空の歴史

導入

情報統制により民衆には知らされていないがマフディーは死亡ではなく失踪している
英国やエジプトの諜報機関や軍はこの事実を掴んでおらず今も死亡確認を行なっている
マフディーは“マフディー”であり続けるためにそして次の“救世主”が現れる土壌を作るために古の伝承どおり失踪したのである。
それをアブダッラーヒ・イブン・ムハンマドは自分に統制権を集めるために死亡したとしたのだ。
しかしスーダンのある地方でマフディーが再び現れたという噂が広まり始める
実際の問題としてその地方を担当していた英軍の将校数人が怪死を遂げて
統制を欠いた一部エジプト軍がマフディー軍に撃退される事態にも陥る
探索者は軍や諜報機関の関係者として現地に赴く
エジプトに滞在していて興味から危険地帯に足を踏み入れる
失踪した“本当の”マフディーの意を受けてこのマフディーを確認しに行く
などでスーダンの地に足を踏み入れることになる

ハンドアウト

シナリオに入りやすくするためのものであり、これに囚われる必要も使う必要もない。

貴方は軍/諜報機関のエージェントである

貴方はマフディーの使いである

あなたは偶然エジプトにいた学者/好奇心旺盛な人である

・その他に考えられるもの
他の探索者の使用人
傭兵などで護衛に雇われる
マフディー戦争初期の恨みから砂漠越えを敢行する復讐者 などなど・・・

とにかくマフディーに何らかの因縁があるか、仕事などで関わらないとシナリオ後半の動機が無くなってしまうので、探索者の動機付けはしっかりした方が良い。

開幕〜カイロ〜

探索者たちは基本的に別々にスタートする。
1898年、4月。
探索者たちはそれぞれの目的を胸にカイロの町に入る。
しかし悠長に探索している暇はない。
砂漠越えに必要なもの以外で取れる行動はせいぜい一つだろう。
通常、探索者はそれぞれラクダ一頭・水3・食料3・換金した現地通貨(信用の1/10切り上げ)を用意する。
カイロの町ではイギリスの通貨も使用できるがこの先は現地通貨を持たなければならない。

物資を買い足す
物資を買い足したり換金を望む場合はいずれかの備蓄を3増やせる。
もっとたくさん買いたいと思うかもしれないが英軍による買い付けで全体量が不足しているのだ。

人を雇う
この選択肢を選んだ場合、KPはガスライトの汎用NPCデータから、
PLの要求に見合ったデータを用意する。
ただし一人までしか雇えないものとする。このNPCの初期物資は探索者と同じ。
消費も探索者同様に行なう。

情報調査を行なう
聞き込みの場合は<説得>、資料の調べ物は<図書館>、公的機関に当たる場合は<法律>技能などが必要だろう。
KPは背景情報などから探索者に渡してもいい適切な情報を抽出するべきだが、
渡せるものがないときや探索者がまったく見当違いなことを行なっているときは熱中症や砂漠への準備等の情報を渡す。

砂漠行

砂漠での移動は危険と冒険に溢れている。
探索者はあるいは砂漠の真ん中で孤独に最期を迎えるかもしれない。
(この時代もそうやっているかは不明だが)
厳しい砂漠越えでは同じ方へ行く者同士パーティを組むのが一般的である。
探索者達はこんなときにスーダン方面へ行く珍しい者同士ということで、同じパーティになる。
KPが不自然と考えるなら当初はバラバラに出発し進むごとに合流していくとしてもいいだろう。

基本処理

砂漠の移動により探索者はそれぞれ水か食料を1消費する。
両方0になり消費できない場合その探索者は死亡する。
移動後、代表の探索者が1d3と1d10をロールし発生するイベントを決定する。
移動とイベントが終わったらラウンドを終了する(夜になって寝る)。
5マス目に辿りつく(5回移動を行なう)ことが出来ればゴールの村へ到着となる。

KPの裁量:探索者は常に熱中症の危険にさらされる。


砂漠の旅イベント表


ラハブ

エジプト国境付近にあるスーダンの架空の村。
小さな集落と言っていい大きさだが小さな行商道の近くのため旅人が訪れるのは珍しくない。
白人探索者があまりにも堂々とその素肌を晒していれば突き刺さるような視線は免れない。
探索者があまりに目立つようならカルトに警戒されアジトは緊張状態になる。

少年

探索者がこの町に入るとき入り口で10代前半のまだ声変わり前の男の子に話しかけられる。
少年は話もそこそこに「この町は危険だから早く立ち去った方がいいよ。まだ戦いもつづいているんだから」と警告して立ち去る。
追ってもちょうど路地にはいったところで見失う。
この少年はカルトのマフディーである。
今はマフディーとしてはオフなので純粋にカルトに巻き込まれないよう親切心で忠告したのだ。
魔術で失踪するため追うことはできない。

コーヒーハウス

イスラムの教えでアルコールは禁ぜられているためイスラム圏では変わりにコーヒーが親しまれている。
この村も行商道のため村の大きさに反して立派な店がある。
扉をくぐれば焙煎された豆の良い薫りに包まれた空間にはいる。
こんな町のどこにそんな人が居たのかと驚くほどに賑やかだ。
よほど目立たない限り他の客は探索者を気にしない。
そんな喧騒の中に、一人でコーヒーを飲んでいる陰鬱な老人と神秘性すら感じる顔を隠した壮年のアラブ紳士が別々に目に留まる。
二人はこのコーヒーショップで探索者同様少し浮いている。

老人


アラブ紳士

※彼または老人からカルトの場所を聞かないとシナリオが行き詰る可能性が高い。
後に聞かれた方は探索者がカルトやその場所に興味がないようならば、
後に話しかけられた方は多少積極的に渡す方がちょうどいいだろう。

宿屋

この村にはいくつか宿屋があるが差は考慮しない。
カルトも最初からある程度は警戒しているためどの宿屋にも潜入者がおり、
深夜になると宿泊者の名簿を見て英エジプト側の人間が居ないか確認する。
この宿屋に泊まる場合、キーパーは任意の探索者で<幸運>ロールをこっそり行う。
失敗してなおかつ存在がカルトに気がつかれていた場合、夜寝ているときにナイフで胸を抉られて1d6+1d4ダメージを受ける。
探索者が自動気絶の場合はそのまま止めをさすが、それ以外の場合は窓から飛び降りて夜闇に紛れて姿を消す。
すぐさま追えば<追跡>に成功することで追い付けるが襲撃者をふくむ五人の狂信者に襲われる。
あとから追っても痕跡を途中で消されており追うことはできない。
カルトに気がつかれていない場合は別の宿泊客が襲われ死亡する。
彼はフランスの密偵で彼の遺留品を調べることでカルトの位置やカルトが任意の英軍の指揮官を暗殺する方法を所持しているらしいことなど調査結果の手記を見つける。
しかし彼の身分を示すものはない。明らかになるのはフランス語を使うことだけだ。
<アイデア>に成功することで彼がカルトについて調べておりそのため殺されたと推測する。
しかしその推測から次は自分の番と考えてしまい恐ろしさから正気度を1/1d3失う。

カルトのアジト

アジトはラハブからすぐ側の小さな岩山にある。
普段は入り口に誰もいないが警戒されている場合、見張りが二人いる。
アジトは地下に向かって掘られており一階部分を除いて部屋はお互い離れている。
掘りやすいところを掘って部屋にしたためだ。
入り口から入るとまずは広間に出る。
岩山の中だが絨毯がしかれ豊かな照明に照らされ普通の家と変わらない。
ここは談話室に近い場所で数人の狂信者がいる。
探索者がローブなどで注意深く身を隠せば彼らは仲間の一人と思い気に止めない。
「外はそんなに砂嵐が酷いのか?」と軽口をたたいた後、雑談に戻るだろう。
(雑談の内容は物騒なものが良い。呪殺の効果が確実に現れてブリティッシュどもも困っているという話など。)
堂々と入るなら仲間を呼び口封じに殺そうとしてくる。一階中の仲間(6人)を集めるのだ。
なお、入り口の見張りを逃したり音が出る方法で殺せば最初から集まり待ち構えている。
宿屋の襲撃で襲撃者たちを皆殺しにしていればここは無人となる。
談話室に手掛かりになるものはない。
談話室からは調理場と休憩所と階段の三方向に別れるが、調理場と休憩所にも目ぼしいものはない。

書庫

階段を降りて下り坂となった通路を進んでいくとまず現れる横扉の部屋。
ここは無人だがマフディー(本物)が同行していなければ彼は潜入してここで調べものをしている。
彼は探索者と同行することを望むだろう。
また、彼の手から後述の本を技能なしで渡しても良いだろう。
ここは<図書館>に成功することでネクロノミコン(ギリシャ語版)を見つけられる。
この本を読んでいる暇はないが、<ギリシャ語>と<アイデア>に成功することで
マフディー(偽物)と同じ特性を持つ怪物についてのページを見つけても良いだろう。
ただしこの本のおぞましい内容が少しでも目に入ってしまうため正気度を1d3失う。
また、もう一度<図書館>に成功することで10ポンドの価値があるイスラム史の古書を発見する。
もしプレイヤーがカルトについて知りたがっている場合は、
後述のカルトについての記述から抜粋して渡してもよい。

実験場

書庫の次に通路の横に現れる部屋でここには鍵がかかっている。
金属製の頑丈な扉で<鍵開け>か<機械修理>または一度に40ダメージを与えなければ開けることは出来ない。
半端に20〜39ダメージを与えると扉が少し歪んでしまい鍵を開けることが出来なくなる。
部屋に入ればまずすえた様な匂いと血なまぐさい匂いが混ざった空気に襲われる。
CON*5ロールに失敗すれば吐き気に襲われる。
内部に灯りはなく、入口付近以外は闇に包まれているが、
なにか灯りで照らせば内部は石造りの簡素な作りで
右手前に戸棚、左奥にベッド、右奥に手術台のような台座、台座の奥の壁に壁画が描かれている。
戸棚は焼き払われておりすべての書や紙は炭となっている。(マフディーの創造のための資料が収められていたが完成したためすべて処分された)
ベッドを調べるとネバネバとした黒い液体が付着しておりこの部屋の匂いと同じものだと分かる。
素手で触ってしまうと嫌悪感から正気度を1失う。
手術台のようなものはただの石の台に過ぎず、壁画もあることから供物台のようにも思える。
壁画の内容はターバンを被った数人のアラブ人が絨毯で黒い石のようなものを運んでいる。
<歴史>か<オカルト>、または<エジプト学>/2に成功することで、
この絵がイスラムの聖宝「黒石」を運ぶムハンマドとメッカの長老達の絵であると分かる。
さらにこの絵はムハンマドの顔が描かれていることに気がつく。
注:通常偶像崇拝を禁ずるイスラム美術では神とムハンマドなど予言者は描かれず、予言者は書かれても顔がない。
ただし、顔が書かれなくなったのは(シナリオの舞台から数えて)ここ300年程度のことである。
また、モスクなどの宗教施設では人間と動物すべてが描かれない。
このことは<アイデア>か<オカルト><芸術・絵画>などで伝えてもよい。
「黒石」は<歴史>か<オカルト>に成功することで、伝説上もともと白い石であったが人の罪業を吸い続けた結果黒くなったという話を思い出す。
絵画に関する以上の情報はイスラム教徒ならばすべて<知識>か<アイデア>でロールして良い。

祭壇〜礼拝所

地下通路の終点の扉は正面あり、両開きの広いものとなっている。
内部はドーム状の典型的なモスクの造りで壁面には幾何学的な模様が描かれている。
<歴史>か<考古学>に成功することで、通常この模様は崩されたイスラム文字あるいは意味のない文字のようなもので構成されるが、
これはエジプトの古い文字「民衆文字(デモティック)」が崩されたものだと気が付ける。
また礼拝前の体を清める泉ウドゥーやメッカの方向にあいた窪みミフラーブ、
そしてその右隣に階段状の説教台があり、最上段の暗がりに誰かが座っている。
階段の下には人物像が3体ある。

座っていた人物が立ちあがると突然その頭の後ろの空間から光が溢れだす。
それは地下モスクを嘘のように眩しく照らしだすがその人物の顔は逆光で見えない。
(正気度喪失:1/1d3)
「もうここまで侵略者が来るなんてやはり今こそが苦難の時代」
「救世主が求められているのですね」
彼は聞かれなくても話し始める。
「東方に異教は蔓延り、啓典の民は我らを虐げ、ムスリム同士でさえ戦いは絶えない。」
「どのような教えを得ようと人が侵すというのならばそのような輩は全員…」
「この“マフディー”が粛清する!」
彼が口上を述べると光は頭の後ろから背中へと移り彼の顔を露わにする。
それは探索者たちが村の入り口で出会った少年に他ならない。
彼は侵略者である探索者とは口をきかない。
しかしマフディーやその知り合いのスーダン人ならば別かもしれない。
KPは二人のマフディーの論戦を演出してもいい。
彼は戦闘に際し空中を自由に飛び腕を触手に変える。
このような有様を見た探索者は正気度を1/1d10失う。
戦闘が始まる前に彼はまず「ウマル、ウスマーン、アリー!」と呼びかける。
すると階段の下の立像と思われていたものがいきいきと動き出す。
これは微動だにせず待機していた人間だったのだ。
彼らは刀を抜きマフディーと共に襲いかかってくる!!
マフディー(偽)および護衛のウマル・ウスマーン・アリーと戦闘になる。

脱出

マフディー(偽)は探索者に敗れると死に間際に自らを隠蔽するためか道連れにするためか、マフディーの力を天に返す。
力を失ったマフディー(偽)は黒いドロドロの液体に溶けていくが、光の翼は一層輝きを増し、
マフディー(偽)から離れて、乱暴に地下モスクで暴れ回った後、天井を突き抜け洞窟を砕き天空へと向かう。
その数秒から、ゴゴゴゴゴという嫌な音が洞窟中から響き始める。
探索者達には洞窟がもうすぐ崩れるのが嫌でも分かるだろう。
※脱出処理
崩落までは5Rの猶予がある。突破すべき関門は3つある。
つまり1人当たり2回まで失敗が可能ということだ。
1・揺れる通路
探索者達は特に脆くなっている地下モスク周辺から急いで逃げなければならない。
金属製の扉があったあたりまで急いで走るには、DEXかCONの*5ロールに成功する必要があるだろう。
2・頭上注意
揺れが比較的弱いところまできて走りやすくなったのも束の間、
突然揺れが再び激しくなり、天井からは砂がパラパラと降ってくる。
みしみしと嫌な音を立て、ひび割れていく天井・壁・道。
落石が始まったという嫌な考えが探索者の頭によぎるだろう。
この空間を安全に走り抜けるなら、<回避>かDEX*5または走り抜けるのに相応しい技能が必要になる。
3・最後の足掻き
探索者が入口の広間まで戻ると中央に大きな穴が空いている。
さらに残った壁際には生き残った狂信者達が待ち構えており、探索者を道連れにしようとしている。
ここを突破するには真ん中の穴を<跳躍>や<登攀>で越えたり、
両脇壁の狂信者を攻撃技能で排除し押し通る必要があるだろう。
攻撃する場合11ダメージごとに1人通ることができます。

この脱出処理はあくまで楽しみのためのものであり、戦いに勝った後の脱出で死んで楽しい者などほとんどいないだろう。
KPはヒヤヒヤさせつつも、ここまで生き残った探索者達が死なない様に無事に返すようにしてほしい。

洞窟から脱出すれば、後ろからなにかが崩れ去っていく轟音が響き、
中から砂埃が噴き出してくる。
洞窟が完全に崩れたと理解する頃には、もう中からは何も音がしなくなっている。

結末

マフディー(偽)を撃破した探索者は正気度を1d10得る。
英エジプト軍は統制を取り戻し史実通りにマフディー国家との戦いに勝利し、
スーダンの全域を回復、第一次世界大戦までは覇権国家として君臨し続ける。
マフディー(偽)を殺さずに逃走した場合は正気度を1d6失う。
その後も英軍司令官の死亡は相次ぎついに軍司令キッチナー将軍までも死亡し、
英国の遠征軍はスーダン全域の回復に失敗する。
このことはスーダンの混乱の加速やフランスの介入を意味し、
後に第一次世界大戦で陸軍大臣を務めるはずだったキッチナー将軍の喪失は英国の没落をより一層早めるだろう。
英国諜報機関はおそらくマフディー暗殺を画策するだろうがその結果の成否は分からない。
マフディー(真)が生還した場合、正気度を1d3回復する。
通常彼は伝承どおりこの戦いから逃げることはない。
ハンドアウトにおける(あるいは自ら定めた)シナリオ当初の目標が達成されたと判断されれば正気度を1回復する。

カルトについて

このかるとはラハブ村に土着した組織で、秘密組織ではあるものの村人の過半数は知っているよそ者には秘密の組織と言った趣が強い。
村人からはたんに“教団”などと呼ばれている。
今や教義と解釈は歪んでおりとても真っ当なイスラム組織とは言えない。
この村が出来たころから存在し、信徒は古代クシュ・メロエ王国期まで遡れると信じている。
長い間エジプトの神々を祭っていたが周辺地域がイスラム帝国に併合されイスラム化したように教団もイスラム化した。
しかし、秘密組織という性質のためかその教えは独特のものに歪んでおり、
エジプトの神々のうち暗黒の神をアッラーと同一視して崇める独特なものになった。
時代が下り、エジプト神の影響は表向きほとんど取り除かれたものの、
壁画の文字など偶像崇拝にたいする抵抗感の薄さなど一部が残った。
壁画の文字がデモティックなのは彼らにとってエジプト文字こそが神聖なるものであったからだが、本来相応しいのはヒエログリフやヒエラティックである。
彼らが実際はデモティック以外の古代文字を使わなくなった頃に結成された証拠である。
エジプト神話の影響が薄くなった今では解読された両文字を使おうとする者もいない。
数百年の間はただの田舎の互助組織に近い役割を果たしていたが、
過酷なエジプトの支配は彼らの宗教への依存を高め、
次第に呪術方面への傾倒やエジプト祭祀の復興を始める。
決定的な切っ掛けは1882年の頃にマフディー鎮圧やエジプト軍撤退支援のために来た英軍によって近隣の土着カルトが相次いで滅ぼされたことである。
英軍に滅ぼされたカルトの生き残りという人物がラハブの村へとやって来たのだ。
英・エジプト両国への警戒を高めていた教団はその人物に接触し、そして迎え入れた。
彼によってもたらされた英軍の蛮行は教団の態度を決定づけ、
彼のエジプト呪術は積極的に教団に取り入れられた。
彼は1885年、ハツムール陥落によりスーダンから英軍が駆逐されると村を去ったが、
その際に返礼として滅んだカルトの遺物を多数残して行った。
以後カルトは遺物の研究に勤しむこととなる。
スーダン解放の数カ月後に“死んだ”マフディーを作りだすために…

NPC

マフディー(真)


マフディー(偽)


教団指導者


ウマル、ウスマーン、アリー


一般的教団員

AF

ネクロノミコン(ギリシャ語版)
ルールブック108Pを参照してください。
ただしこのシナリオの本には挿絵などが後から書き加えられています。

その他

このシナリオを読んだ人はシナリオで空白になっている部分に疑問を持つかもしれません。そういった部分はシナリオの流れに応じて決めたりその後に含みを持たせるために
わざと決めていません(公式シナリオでよくあるやつです)。
シナリオに支障はありませんがあらかじめ仮定してしまってもいいでしょう。
またKPが史実のマフディー戦争やマフディー、イスラム美術etc.などシナリオに関係のあるウィキペディアを見ることはシナリオの舞台を把握する助けとなることでしょう。
しかし実際のプレイにはほとんど関わってこないのでPLが慣れない舞台に委縮しそうであるばあいは事前の知識などは重要ではないことを伝えましょう。

Special Thanks&参考にさせていただいたもの

テストプレイヤーの皆さま
ウィキペディア「マフディー戦争」「ムハンマド・アフマド・アル=マフディー」「イスラームにおけるイーサー」「モスク」「イスラム美術」「黒石」他多数のページ

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