ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

1 概要

このシナリオはオリジナルシナリオです。
内容としてはシティシナリオです。
ギャグ寄りに作成してあります。
自由に動画化、改変等してプレイしてくださって構いません。
(動画化の際はシナリオ名と作者名の記載をお願い致します)

プレイ時間:3〜5時間
推奨人数:3〜4人
推奨技能:信用、説得、言いくるめ 等対人技能
難易度:★★★☆☆(戦闘有り)
推奨職業:なし
PL性別:男性固定(成人済み)

物語の都合上、PLは全員男性のキャラクターにしてください。
服装、所持品は導入前にあらかじめ確認すること。
導入はホテルから始まりますが、知り合い同士であっても一人で泊まっていること。

2 シナリオのあらすじ

(PLに読み上げないでください)
「説明しようッ!!来週の魔法少女クラック☆ラック☆ガールは・・・!」
テレビから流れる次回予告をきいていると、窓を叩く音がした。
ここはホテルの40階だ。あり得ない。
そう思いつつ外を見れば、

今まさにテレビで見ていた魔法少女が、笑顔で手を振っていた。

3 ルール

変身付加

変身中、「指定した技能値60以下のもの一つに+15した状態」でダイスロールができる。
または、「ダメージボーナス+1d4」のどちらかを付加できる。
後から技能の変更や、付加対象の変更はできない。最初の変身時に決めること。

敵性個体

探索者が変身すると出てくる敵。
シナリオ中に何回登場させるかで、難易度・プレイ時間の調整可能。

HP:12 MP:12
こぶし:30 1d3
分裂:5ターン事に一体増える

4 キーキャラクター

大魔導士アーク

「魔法少女クラック☆ラック☆ガール」に登場するキャラクター。
放送開始時からずっと変わらず悪いことしかしていない。
頭からローブを被り、魔法の水晶と魔導書がイメージアイテム。

コンパクト

「魔法少女クラック☆ラック☆ガール」に登場するキャラクター。
放送開始時からずっとおっさんの声である。
変身の掛け声もこの声。あらすじも次回予告もこの声。
若干ノリが仮面ライダー寄りである。

5 導入

(読み上げ前にPLに1d100を振ってもらう。結果を最後に使うのでGMはメモ。)

「説明しようッ!!来週の魔法少女クラック☆ラック☆ガールは・・・!
悪の大魔導士アークの手により迫りくる遊星の影!脅威に晒された地球!
まさに絶体絶命大ピンチ!そんな中…なに!?ここで新しい魔法少女の登場か!!?
次回っ、ドキドキパワーで大変身!星間宇宙にこんにちは!!
あなたの悪運、粉砕!天才!!大喝采!!!魔法少女クラック☆ラック☆ガール!!!」

ハイテンションだ。毎週土曜、朝8時30分に放送される小さな女の子向けのこのアニメ、
魔法少女クラック☆ラック☆ガールという番組は何故かいま世界中で注目されており、知らない人はいないといえる超人気番組だ。
噂によればハリウッド映画化の話もあるらしい。

そんなことを考えつつチャンネルをそのままにしていると、不意にコンコンという何かをたたく音が聞こえた。
何だ?窓をたたく音に聞こえたが、それはあり得ないだろう。なぜなら自分は今、高層ホテルの40階に宿泊中だからだ。
もし窓を誰かが叩いたなら、ここまで登ってきたということになる。こわい。しかしこのまま確認しないわけにもいかない。
恐る恐る窓のほうへ目をやると、信じられない光景が写っていた。

窓の外。明らかに足場のない位置に、その少女は存在していた。
正確には箒にまたがり、フワフワと浮きながらこちらに向かって手を振っていた。
その装いはまさに今見ていた番組に出ていた少女、クラック☆ラック☆ガールだった。
咄嗟に立ち上がり、距離を取ろうと後ずさる。しかし少女はまるで鍵などかかっていなかったかのように勢いよく窓を開け放ち、こちらへ歩いてきた。
あまりの出来事に呆然としていると、そのまま手を取られる。向かう先は玄関のようだ。
<幸運>
探索者はとっさの判断で何か一つだけポケットにしまい込むことができるだろう。
※ズボンのポケットに入る大きさでなければならない。鞄は不可。

引かれるまま玄関の扉をくぐった先。そこは知らない世界だった。

6 知らない世界

明るい青空が広がっている。足元には草原が広がり、色とりどりの花が咲き乱れ風に揺れている。
振り返ると入ってきたはずの扉がゆっくりと景色に馴染んでいく最中であった。
あっけにとられていると、少女が話しかけてきた。
「初めまして、わたしは魔法少女クラック☆ラック☆ガール!あなたに頼みたいことがあって、ここに来てもらったの!」
少女
かなりの美少女。金色の髪にポニーテールが良く似合っている。
全体的にピンク色の衣装を身にまとい、探索者の知るアニメのキャラクターそのままであるといえる。
身長からして小学三年生くらいだろう。手には先端に大きなハートの飾りが付いた杖を持っている。
<目星>
確実に人間なのだが、コスプレ感がない。むしろアニメでもこの子がそのまま出ていたのではないかと思ってしまうほど馴染んでいる。

少女について


「ここは魔法少女の世界エンシエント。普段はとっても平和な世界。でもあなたの知っている通り、
大魔導士アークが今この世界とあなた達の住む世界を繋げようとしているの。だからあなたにはアークを捕まえるお手伝いを・・・」
そう言いかけたとき、何かするどいものがこちらへ飛んでくるのが見えた。
少女がそれを叩き落そうと素早く杖を振り上げる。が、なんと杖の先端が勢いよくこちらへ向かってきた。避けきれず、そのまま勢いよく杖が顎にあたる。
視界の隅に、衝撃に耐えられず杖から外れて空に飛んでいったハートの飾りが見える。
その瞬間。探索者の身体がまばゆい光に包まれ、今まで身に着けていた服が、少女と同じものに変わった。目下にはピンクにフリル、リボンにスカートが広がっている。

「ああ!またやっちゃった!ごめんなさい!でももうここにいるのは危険だわ!あの扉をくぐれば、元の世界に帰れるの。
きっとあなたのいた世界に大魔導士アークがいる。必ず見つけ出して、捕まえて!」
指さされた先には、エレベーターのドアのようなものがあった。
急かされるままドアをくぐる。明るい光を超えいく。
薄っすらと見える向こう側はどうやらホテルのロビーのようだ。
明るい光を超えた先。その視界に映ったのは、
ピンクの衣装を着た男たちが、エレベーターから降りてくる様子だった。
<SANチェック1/1d3>

7 ホテル(ロビー)

広いロビー。正面玄関は回転扉になっている。受付には女性が座っている。
探索者の数だけエレベーターが付いており、降りると向き合い隣り合う形になる。
<服装について>
魔法少女クラック☆ラック☆ガールの服を着ている。髪型や顔はそのままで雑なコスプレのようになっている。サイズがあっておらず、少し苦しい。
脱ごうとしても脱げない上に、余計にはりつく。
腰元にコンパクトがぶら下がっているが開かない。
導入時、<幸運>ロールで手に入れた物のみ右手に握っている。
※導入時、ルームキーを選択していない場合部屋には入れない。
<目星>
回転扉から外の様子が見えるが、よく晴れていることが分かる。

受付

明らかに異様な格好の人物にも丁寧に接してくれる。
後ろに9時13分を示したデジタル時計が見える。
※身分証明書がないと部屋のスペアキーを渡してくれない。

エレベーター

いくら待っても上の階から降りてこない。最上階の数字は56となっている。
※部屋に入れる状態の場合のみ、エレベーターに乗れる。

8 ホテル(外)

回転扉を通って外へ出ると、いつの間にか元の服装に戻っている。※所持品はそのまま
高層ホテルというだけあって、かなり高い建物。遠くからでも確認できるだろう。
ロータリーに車は止まっておらず、周りに人も見当たらない。
<目星>
ふと空を見上げた探索者は気が付くだろう。空の色が、おかしい。
見渡す限りすべての空が、濃い紫色に染まっているのだ。
その色は今まで見たどの空の色にも当てはまらず、不気味である。
さらによく見れば空に浮かんでいるもの、あれは太陽ではない。月だ。
真っ赤な月が、確実に昼間だという感覚を残したまま存在していた。
<SANチェック0/1d3>

9 街

ここは探索者達がホテルに泊まりに来た街で間違いない。
思い当たる限り付近に比較的新しい住宅街なら近くにあったはずだと思い出す。
念のため再度服装を確認するが、私服である。

10 住宅街

近隣の住民が暮らす、新しい家の多い落ち着いた住宅街。
道路ではおじいさんが一人、ゆっくりと歩いているのが見える。
<目星>
道路の横の標識を見ると、この場所が自動車の通行禁止区域だとわかる。
おじいさん
近づいて声をかけないと聞こえないようだ。

※PLが声をかけたら描写をいれる
<描写>
おじいさんに話しかけた瞬間、(最初に話しかけた)探索者の衣服が内側からはじけ飛んだ。
辺りにはまるで花びらのように布切れが舞って落ちていく。
その時、どこからか「魔法少女ぉ!クラック☆ラック☆ガール!!」と声が響き渡った。
探索者の身体が、まばゆい光に包まれ始める。
この展開はどこか見たことが・・・。そんなことを考える暇もなく、先ほどの声が
「メタモルフォーゼェェエエ!!!」と叫ぶ。
まばゆい光が飛散していくと、身に着けていた服が、魔法少女クラック☆ラック☆ガールのものに変わっていた。

(おじいさんはいつの間にかいなくなっている。)

※探索者達が行動を起こそうとしたら以下を開示。
<描写>
「説明しようッ!!」衣服の変わった探索者の腰元から声がする。
やけに太い声で威勢が良いが、この声には聞き覚えがある。
今朝見た次回予告を語っていたあの声にそっくりである。
よく見ると、どうやら腰に下がっているコンパクトから声がしているようだ。

コンパクトを手に取ると、それは意気揚々と話し出す。
「こんにちは、麗しき魔法少女!と、思ったが誰だ君は。名乗りたまえ。」
「ほう、そうか、よろしくな!クラックラックガール!」
「さて、君は今魔法少女なわけだが何か体感的に変わっているところがあるだろう?
具体的にステータス的なところが変わっているはずだから確認してくれ。」
<変身付加>
変身中、「指定した技能値60以下のもの一つに+15」した状態でダイスロールができる。
または、「ダメージボーナス+1d4」のどちらかを付加できる。
後から技能の変更や、付加対象の変更はできない。最初の変身時に決めること。

「ハハハ、いいものだろう魔法少女というのは!
だがな、正義の味方は常に危険と隣り合わせだ。その証拠にほら、あっちのほうを見たまえ。」

探索者達が言われるがまま正面のほうを見ると、確かに様子がおかしい。
住宅街の歩道がゴポゴポと音を立て、なにか黒いものが湧き出ている。
あふれ出たそれは、成人男性ほどの大きさの人の形に姿を変えた。
全身が黒い泥に覆われており感情は読み取れないが、明らかに襲い掛かってきそうである。
<SANチェック0/1d3>
<アイデア>
「魔法少女クラック☆ラック☆ガール」に登場する敵にいたような気がする。
いわゆる序盤の敵だが、アニメの中では放っておくと分裂する様子が描かれていた。

敵性個体
HP:12 MP:12
こぶし:30 1d3
分裂:5ターン事に一体増える

<描写>
なんとか敵を倒すと今まで黙っていたコンパクトが話し出す。
「お疲れ様!初めての勝利おめでとう!そんな君たちに今一番欲しいだろう物をプレゼントだ。
私を開いてみるといい。まあどこかへ行くなら人の多いところがいいだろうな。」
コンパクトを開くと、鏡になっているところから浮かび上がるようにして地図が出てきた。

住人

先ほどまではおじいさんしかいなかったが、いつの間にか色々な人が歩いている。
人に話しかけたら<変身描写>
話しかけた瞬間、話しかけた探索者の衣服が内側からはじけ飛んだ。
辺りにはまるで花びらのように布切れが舞って落ちていく。
どこからか、
「魔法少女ぉ!クラック☆ラック☆ガール!!メタモルフォーゼェェエエ!!!」
という声が響き渡った。
その瞬間、探索者の身体がまばゆい光に包まれる。
光が飛散していくと、身に着けていた服が魔法少女クラック☆ラック☆ガールのものに変わっていた。
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

住人の回答について
人が多い所「大地の公園なんてどうかな。かなり広いよ。」
人が集まる所「今日は何かのお祭りがあるらしいよ。」等

※エリア内しか衣装はもたないが、今後「いつの間にか戻っている」描写は次のエリアに入ったときに伝えること。

11 星野公園

※公園の敷地内に入ると服装がいつの間にか元の私服に戻っていることに気が付く。
一目で探索者たちは気が付くだろう。そこで行われているのはただのお祭りなどではない。
そう、明らかにコスプレイベントである。
色々なキャラクターを模した衣装を身にまとった人々が公園の広場を埋め尽くしており、
かえって普通の服装の探索者たちの方が目を引いてしまっている様子だ。
人波をかき分けて辺りを見渡せば、この公園はかなり広い敷地であるとわかる。
どうやら今いるところがコスプレブース。
奥に進めば、屋台や露店が並んでいるようだ。

コスプレブース
野球場と変わらないくらい広いスペースがあるが、ほぼ人で埋まっている。
皆ちらりとこちらを見るが、カメラすら持たない私服の人には声が掛けにくいらしい。

人に話しかけたら<変身描写>
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

コスプレイヤーから分かること
<信用><説得><言いくるめ>どれか成功で尋ねた情報に対してのみ回答
・イベント名「風切りの地平線」
・この地域で初めて行われるイベントでたくさんの人が来ている。
・クラックラックガールのキャラクターも見かける。
・大魔導士アークのコスプレイヤーなら露店のほうへ行った。
・彼は必要なものがあるから揃えに行くと言っていた。
・作中で持っているアイテムを買いに行くのではないかと思う。
・ここでは水晶玉などであれば手に入りそう。

コスプレイヤーと話し込んでいると、ふいに足元の地面がゴポゴポと音を立て、
湧き出るようにしてなにか黒いものが現れた。
ゆらりと現れたそれは、先ほど見たものとそっくりである。
話していたコスプレイヤーには見えていないようである。
先ほどのような間合いはない。こちらに襲い掛かってきた。
<SANチェック0/1>

敵性個体のステータスは『3 ルール』参照。

12 屋台・露店ブース

一本道の両サイドにずらっと店舗が並んでいる。
ひとつずつ覗いていったらきりがないだろう。

指定無しなら<幸運>で発見可能
鉱石を取り扱う店
60代の店主が店番に座っている露店。
色々な鉱石を取り扱っているようだ。
聞けば望みのものが出てくることだろう。

店主に話しかけたら<変身描写>
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

店主から分かること
<信用><説得><言いくるめ>どれか成功で尋ねた情報に対してのみ回答
・ちょっと前に大魔導士アークの格好の人が来た。
・家に水晶を忘れたらしく、買っていった。
・見たところ魔導書も持っていなかった。
・このブースに本を売っているところはない。
・古い本が欲しいなら、古本屋に行くしかない。
・彼にも同じことを伝えた。

ここは敵性個体の出現無し。

13 道

星野公園を後にしクラックラックガールの服装のまま歩いていると、
向かいからこちらに大きく手を振りながら歩いてくる男がいる。
誰だろうと疑っていると、距離はどんどん縮まりあちらから話しかけてきた。
「やあこんにちは!君たち変わった格好してるね!
あれかい、今流行りの魔法少女ってやつだね!少女って感じじゃないけどね!
おっと、僕は怪しいものではないんだ。これを見てくれ。」
そう言って一方的に話し、探索者達一人ひとりに名刺を渡していく。

名刺の内容
雄峰 俊 -yuuhou suguru-
「月間宇宙研究所」編集長

「そこにある通り、僕は未確認生物特集雑誌の編集長なんだ。
君たちが変わった格好をしているから、つい話しかけてしまったよ。
次の特集は隕石にしようと思っていてね。魔法少女って隕石乗ってくるんだろう?
ちょうど隕石も迫ってきてるし、ぴったりじゃないか!」

「なんだ知らないのかい?ちょうどこの街に小隕石が迫ってるんだよ。
小って言っても、実際落ちたらここは消えちゃうけどね。
まるで何かに引き寄せられているみたいだって、みんな言ってるよ。
みんなっていうのは、関係者各位ってことね。」

私服の探索者が雄峰に話しかけたら<変身描写>
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

雄峰と話すことで、<オカルト>+10
<目星>
仕事の出来そうな男。20代後半か30代前半といったところ。
カメラを提げており、手には自身の手がけているだろう雑誌を持っている。

カメラ

一見普通の一眼レフカメラ。
何気なくデータを見ると、そこには色々なものが写っていた。
それは、あなたが見たことないものばかり。赤黒い何か。輝く何か。
手足がたくさんあるものや、上も下も正面も分からない風景。
見れば見るほど目が離せなくなる。逸らさなければと思うのに逸らせない。
画面ページを送る指が止まらなくなりそうだと思ったその時、
「君は記者には向いてないみたいだね。」とカメラを取られてしまった。
<SANチェック1/1d3>

ここは敵性個体の出現無し。

14 古本屋

意識しなければ通り過ぎてしまいそうな古本屋。
両側を高い建物に囲まれており、日陰になってしまっている。
ガラスのドアの向こうに古い敷きマットが置かれているのが見える。
ドアを開けると取り付けられていた鐘がガランガランと音を立てた。

店内

※店内に入ると服装がいつの間にか元の私服に戻っていることに気が付く。
灯りはついているが薄暗い。古い本の独特な匂いが漂っている。
たくさんの本が並べられており、というよりは積まれている。
人は出入りしているのか埃などは見られない。
奥にカウンターらしきものが見えるが、人は見えない。

敷きマット

真紅の分厚いマットレス。
裏返す
 裏を見ると何か図形らしきものが描かれていたことが分かる。
 しかし長年使われているのかかなり不明瞭である。
店主
カウンターの奥をのぞき込むと人がいることが分かる。
80代のおじいさんのようだ。
揺り椅子に腰かけ、眠っている様子である。

店主に話しかけたら<変身描写>
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

店主から分かること
<信用><説得><言いくるめ>どれか成功で尋ねた情報に対してのみ回答
・少し前にローブを着た男の人が来た。
・古い本を買っていった。
・分厚い本で、昔からあった本。
・何か表紙に書いてあったが覚えていない。
・町が見渡せるところに行くと言っていた。
・この辺りなら「蝶々の丘」から町が見える。

店を出ると、道路のコンクリートががゴポゴポと音を立て、
湧き出るようにしてなにか黒いものが現れた。
ゆらりと現れたそれは、先ほど見たものと同じものである。
こちらの様子を窺っているようだ。
<SANチェック0/1>

敵性個体のステータスは『3 ルール』参照。

15 蝶々の丘

※丘にたどり着くと服装がいつの間にか元の私服に戻っていることに気が付く。
芝生で覆われているなだらかな丘。
少し高いところに建てられているため町全体が見渡せる。
遠くのほうまで見渡せるが、彼方まで空の色は変わらない。
ピクニックをする人や、散歩をする人はそれを気にしていないようである。

人に話しかけたら<変身描写>
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

人から分かること
<信用><説得><言いくるめ>どれか成功で尋ねた情報に対してのみ回答
・この丘の周りに住んでいる人はクラックラックガールが大好き
・ここでコスプレイヤーは見ていない
・この辺りで一番高いところはここではない
・ここから見えるホテルが一番高い。(探索者達の宿泊施設)

ここは敵性個体の出現無し。

16 ホテル(外)2

服装がいつの間にか元の私服に戻っていることに気が付く。
出てきた時と変わらない様子である。
しかし、出ていく時は居なかった警備員のような人が立っている。
警備員
無視して中に入ろうとすると止めてくる。
「すまないね。この辺りで変質者がうろついていると通報があったんだ。
私はこのホテルの宿泊者名簿を持っているから、名乗ってもらってもいいかな。」
※どのような技能を使用されても必ず名乗らせること。

警備員に全員名乗ったら<変身描写>
名乗り終えた瞬間、探索者達の衣服が内側からはじけ飛んだ。
辺りにはまるで花びらのように布切れが舞って落ちていく。
一度に大量に舞い散る布切れは見事なものである。
どこからか、
「魔法少女ぉ!クラック☆ラック☆ガール!!メタモルフォーゼェェエエ!!!」
という声が大きく響き渡った。
その瞬間、探索者達の身体がまばゆい光に包まれる。
光が飛散していくと、身に着けていた服が魔法少女クラック☆ラック☆ガールのものに変わっていた。
※初めて変身する探索者には<変身付加>の設定をすること。『3 ルール』参照。

警備員は何とも言い難い顔をしながら、
「・・・うん。全員ここに載っているようで間違いないよ。
あの、何も言わないから通っていいよ。」
と言って通してくれる。

17 ホテル(ロビー)2

出てきた時と変わらない様子のロビー。

時計

受付奥の時計を確認すると、9時13分を示したデジタル時計が見える。

エレベーター

全員で乗っても余裕のあるエレベーター。
ボタンを見れば上から1番のボタンが並んでおり、
何度か折り返したのち、最上階は56階となっているらしい。
しかし、56番の下に同じ形で何も書かれていないボタンがある。

18 ホテル(57階・屋上)

チーンと到着を知らせる音が響き、扉がゆっくりと開いていく。
扉が開いた先はどうやら屋外となっているようだ。
辺りを見渡せば、その景色からここが屋上であると分かる。

正面に、こちらに背を向けた誰かが立っている。
頭から黒い布を被り、じっと空を空を見上げているようだ。
釣られるように探索者達も同じほうを見上げる。
すると、なぜ今まで気が付かなかったのだろうといった景色が飛び込んできた。
強制<目星>成功した場合更に<アイデア>

紫の空。赤い月。それらを覆い隠す距離まで近づいてきている、隕石。
近い。あまりにも近すぎる。これでは逃げる時間さえない。
<目星>成功者
隕石を見ていた探索者はあることに気が付く。
それは、この形はどこかで見たことがある。ということである。
更に<アイデア>成功者
よく見ると隕石は球状ではない。
それどころか、ハートの形をしている。
それはクラックラックガールが持っていた杖に付いていたものと同じ形であった。

探索者達がたてた音に気がついたのか、男が振り返る。
右手には水晶玉のようなものを、左手には古い本を持っている。
男が何か呪文のようなものを呟くと、地面から湧き出るようにして黒いもの達が現れた。
ゆらりと現れたそれらは、男を守るようにして立ちふさがる。
全身が黒く覆われており感情は読み取れないが、
その意思はこちらに憎しみを向けているようであった。

敵性個体×3との戦闘。
敵性個体のステータスは『3 ルール』参照。
黒いローブのようなものを頭から被り、顔は見えない。
右手には水晶玉のようなもの、左手には古い本を持っている。

19 イベント

(条件:敵性個体との戦闘に勝利する)

敵が黒い靄となり、飛散していく。
辺りには隕石から出た塵のような者が舞っている。
急いで男へ目をやれば、その様子は異常ともとれるものであった。
隕石は目前まで迫ってきている。
それはもう男の姿を飲み込もうとする寸でのところである。
しかし、男は逃げる様子もない。
こちらをじっと見つめている。
手を伸ばせば、もしかしたらその腕を掴むことが出来るかもしれない。

『男に手を伸ばしますか?』

・導入開始時1d100を振り、一番大きな数を出した者が一番近くにいて手が届きそうである。

20 エンディング

大魔導士アークを見捨てた場合


手は、伸ばさない。探索者は手を伸ばさないことにした。
男はゆっくりと、確実に隕石に飲まれていった。
足元に衝撃が伝わってくる、隕石が自壊を始めている。
これ以上此処にいるのは危険だ。逃げなければ。
しかしそれにはあまりにも時間をかけすぎたのだろう。
探索者達の目の前に、大きな隕石のかけらが迫っていた。
ぶつかる。そう身構えた瞬間、探索者達はその意識を手放した。

目が覚めると辺りは暗くなり、紫色の空は消え去っていた。
屋上には満天の夜空が広がり星たちは輝きを放っている。
すべてうまくいったようだ。怪しい気配も、変わったところもない。
立ち上がり、星を眺めていると後ろから足音が聞こえた。
振り向けば、なんと雄峰の姿があった。
「あれ?もしかして君達も流星群見に来たの?」
などと言っているが、驚くべきは彼が続けて発した言葉だった。

「ていうか、いつまでその服着てるの?」

normal end「魔法少女は還らない」

大魔導士アークを助けた場合


手を伸ばす。探索者は手を伸ばした。
その手が男の腕を掴んだ。こちらへそのまま引き寄せる。
足元に衝撃が伝わってくる、真後ろで隕石が自壊を始めている。
これ以上此処にいるのは危険だ。逃げなければ。
しかしそれにはあまりにも時間をかけすぎたのだろう。
探索者達の目の前に、大きな隕石のかけらが迫っていた。
ぶつかる。そう身構えた瞬間、遙か上空から少女の声が響き渡った。

「それでこそ魔法少女―!!」

上から降ってきたのは紛れもない、クラックラックガールであった。
そのまま何も付いていない杖で真上から隕石に殴り掛かる。
「ありがとう!大魔導士アークを捕まえてくれて!やっぱりあなた達に頼んでよかったわ!」
しかし、そう言っているのも束の間。大きな破片がこちらに迫ってきていた。
ぶつかる。そう身構えた瞬間、探索者達はその意識を手放した。

目が覚めると辺りは暗くなり、紫色の空は消え去っていた。
屋上には満天の夜空が広がり星たちは輝きを放っている。
すべてうまくいったようだ。怪しい気配も、変わったところもない。
立ち上がり、星を眺めていると後ろから足音が聞こえた。
振り向けば、なんと雄峰の姿があった。
「あれ?もしかして君達も流星群見に来たの?」

それから一週間が過ぎ、8時30分。
まさにその時間、ニュースではこんなものが流れていた。
「地球に巨大隕石迫る。何者かが破壊。無事回避。」
公にはされていなかったが、先週地球には滅亡の危機が迫っていたらしい。
しかし、その隕石の予測落下地点で何者かが隕石の破壊に成功したというのだ。
誰が、どのようにして回避させたのかは不明のまま。
だが関係者はこう語っているそうだ。
「まさにその行いは英雄そのものである」と。

しかし探索者たちがこのニュースに気が付くのはすこし先のことだろう。
なぜなら彼らは今、魔法少女クラック☆ラック☆ガールを見るのに忙しいからだ。

true end「彼の英雄は魔法少女」

21 報酬

敵性個体の撃退に成功 <1d2>×撃退数
true end <1d3>

事件のあらすじと登場人物

シナリオ終了後、ここをPLに読み上げれば、解説の代わりとなります。

ロイガーとツァール

今回の事件の元凶。アークツルスから来た旧支配者。
ロイガーとツァールは「忌まわしき双子」と呼ばれる双子の神である。
現在はスン高原にある都市アラオザルの地下に封印されている。
彼らの起源であるアルクトゥルス(牛飼い座)が地平線の上にある時には、
ロイガーは他の場所に現れることが出来る。
ツァールは適切な儀式により霊的な体を別の場所に投影することが出来る。
自身を崇拝するチョーチョー人とテレパシーで交信することができる。

大魔導士アーク(ロイガー)

「魔法少女クラック☆ラック☆ガール」に登場する敵キャラクター。
永く地下に封印されていたロイガーは、あるとき日本という国にかなりの信仰心を集めているものを観測する。
また、星の周期も調度よく自由の身になる絶好の機会であった。
この土地に災害をもたらし一度何もないところにしたうえで、信仰心を糧に復活する計画を立てた。
予想外にもツァールの方が先に主人公の現身を手に入れてしまったため、二番目に人気のあるキャラクターの姿を借りた。
想定外の出来事にキャラクターの姿を完璧にコピーできなかったため、信仰心は薄まっていた。
そのためキャラクターの小物を現地調達する羽目となった。

魔法少女クラック☆ラック☆ガール(ツァール)

「魔法少女クラック☆ラック☆ガール」に登場する主人公。
彼女に対する人々の熱はある種の信仰心に値するとして今回は姿を借りることなった。
ロイガーの思惑を知ったツァールは、見事先手を打つことに成功した。
ロイガーを探し出し計画を阻止するためには街中を歩かねばならないが、自身は習わしにより動き回れない。
そこでちょうどその土地でアニメを見ていた探索者達に依頼をし、発見、捕縛を試みた。

雄峰 俊

オカルト雑誌「月間宇宙研究所」の編集長。
彼のカメラの中には正常な精神では耐えられないようなデータが詰まっている。
今回も実のところそういった類のものだろうと予想を付けて来訪していた。



2018/08/27 公開

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