クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

＜干渉（感傷）＞
業を背負ってはいても、彼は柵に縛られてはいない。
宗次朗くん、あなたはまだ、自由に道を選べるのです。
だから、この一夜の顛末で得たものを決して見失わずに、歩んでいってほしい。
業に押しつぶされずに、自らの輝きを失わないでほしい。
それが影の道に束縛された矮小な人間の願いです。
勿論、あなたが人として既に外道であることは薄々承知しています。
そしてそのことがそれ故に私の余計な感傷を呼び覚ますのです。
あなたは私に似ている。
あなたは自分を空っぽだと言った。
同じことを言った過去の私と同じ口ぶりで。
それ故にあなたに肩入れしてしまうのでしょう。

別れを惜しむ間もありませんでしたが、願わくばあなたの道があなたの心とともにあることを。

＜断章（弾衝）＞

ミッションコード認証。ファイル受領。完遂率６４％ーー
本ミッションにおけるメンバーDUWTYの接触は以上とする。
次項フェイズに移行を命ず。
ファイルを指定の経路より入手し、速やかに任務に就行せよ。

次フェイズ。
エリアNETW、中部戦闘区域におけるゲリラ諜報活動。
極秘、潜伏、被身分情報編制。
やれやれ、少し骨が折れそうだ。
どうやら舞台には少々長槍が必要になりそうだ。
部隊編制登録。
ん・・・そうだ、一人思い当たる腕利きのスナイパーがいますが・・・
初期編制作業終了。
実行区域への移動を許可する。
ま、どうなるかは神のみぞ知る、ですかね。

PL,KPの皆様セッションお疲れ様でした。
毎回、いままでやってきたのと違うRPを意識して参加させて頂いております。
少しでも今回、皆様に刺激となるものがあったならばひとつ、幸いとさせて頂きます。
またいずれどこかであったときは、よろしくお願いします。
では失礼します。

<目覚め、そして>
僕が目を覚ましたのは､グリモアールズ商会のソファーの上だった
どうやらあのまま酒場に放置されるのは危険だと判断され､ここまで運ばれたらしい
起き上がった時､例のペンギンが呑気な様子で
｢おはようぷり〜｣と挨拶をしてきた
どうやらヴェラとシンヤは買出しにでているらしい
おそらくこのペンギンの好物である肉類の調達にでもいってるのだろう
｢・・・あの後何があったんですか?｣
正直倒れる前のことはあまり覚えておらず､怪物はどうなったのか､皆は無事だったのかを彼に尋ねた
どうやらあの黒い化け物を無事倒すことに成功し、あの仮面の男が引き起こした事件はとりあえず終わったと彼から聞かされた
皆五体満足無事に帰ってくることができ(シンヤさんは後々ヴェラさんにおしおきされたらしいが・・・)､ハッピーエンドだったとのことだそうだ

｢それと・・・皆君を心配してたプリ｣
全く誰も彼もお人よしな人達だ
こんな人を捨てた身を心配するなんて
｢そうですか・・・｣
ふと気になって我が愛刀の弧狼丸を抜き､刃を見てみる
｢ああ､その刀ぼろぼろになっちゃったぷりね｣
刃は異様なほどボロボロになっている。
それは長い年月を得て磨耗したのではなく､自身が生み出した破壊力に耐え切れずにボロボロになったようだ
原因はあの仮面の男の首を刎ねたときの一撃
｢ああ・・・またか・・・｣
溜息が出る
以前にも、何度か同じ様なことを経験している
僕が放った技に刀が耐え切れず自己崩壊を起こす現象
それが起こったのだ
｢本当に・・・最後の手入れになっちゃったね・・・｣
哀悼の意をこめて､刀を見つめる
だが、立ち止まるわけには行かない
自らが一振りの刀となるため
この世界で最強の存在となるため
｢さて・・・｣
商会を出るべく､軋む体を起こし、身支度を整える
｢行くぷりか?｣
｢ええ・・・短い間でしたがお世話になりました｣
深々と頭を下げて答える
｢皆、君に会いたがっていたぷりよ?｣
｢・・・失礼します｣
彼の言葉には答えず、ドアに向かう
｢あっそうそう､実は今回の襲撃で我が商会は戦力不足だということがわかったぷり｡だから用心棒を新たに1人雇おうと思ってるぷり｣
｢・・・・考えておきましょう｣
｢助かるぷり｣
僕はグリモアールズ商会を後にした

この町ならそこら中にある雑居マンションの屋上
そこから見下ろす景色は中々のものである
｢たった1日居ただけでも面白い経験をしたなぁ｣
魔術商会､怪物､魔術､異界
裏社会にかれこれ10年以上居る身でもこのような単語はここに来るまで耳にしなかった
｢まだまだ､この町に残る価値はありますね。この町なら強い人達がいっぱい居そうだ・・・｣
今回は協力関係だったが、あのレイラという女
彼女の狙撃の腕はかなりのものだった
距離をとられたら厳しいものがあるが、またそれも一興
やりがいがあるというものだ
それに､辻と名乗ったあの男
商人とはいっていたが､あの男からは死の匂いがした
のらりくらりと立ち回っていたが、恐らく只者ではないだろう

彼らだけではない
張に､ヴェラ
今回関わった人物以外でも強者がこの町にはゴロゴロ転がっているかもしれないのだ
｢あぁ、でもその前に新しい相棒を見つけないといけませんね｣
手の中の弧狼丸を見る
刀には魂がある
ここまでボロボロになってしまえば、もうこの刀は死んだと同義だ
ならば、弔わなければいけない
我が身となり力を貸してくれた相棒を
｢今までありがとう｣
鞘から刀を抜き、地面に突き立てる
手を合わせ、黙祷する
それが僕流の礼儀だ
しかし・・・
｢なんで、僕は・・・｣
グリモワールが攻め込まれたとき、張を説得した時､決戦前にヴェラの身を案じた時
失ったはずの心が
感情が
｢・・・気のせいだ｣
そうだ
きっと気のせいだ
ありえないことだ
あの日､あの時
僕は人として生きることを止めた
そうだ
僕は刀だ
刀に感情はいらない
必要なのは相手を斬る
ただそれだけ
｢気のせいだ｣
再度つぶやく
その時
ぐぅうう・・・・っと、腹がなった
｢腹ごしらえをしないと・・・｣
財布を開け残金を確認すると
空っぽだった
今更ながらあの小切手を受け取ればよかったと後悔する
｢・・・当分の衣食住を確保しなくてはいけませんね・・・｣
しょんぼりと肩を落としながら屋上を後にする

―我は一振りの刀
この世にはべこる悪しきものを討つものなり―

このたび欲望ノ楽園~The Qualification of Power~　に参加させていただきました。白黒餡子と申します
実はこれが初のオンセであると同時に、人生2回目のTRPGでした
初心丸出しのプレイで他PLの方々やKPのりるぜさんにご迷惑をおかけしたと思います・・・
ですが､そんな私にたくさんのアドバイスをくれた皆さんにこの場を借りてお礼を述べたいと思います!
本当にありがとうございました!!
また、どこかの卓でお会いしたときはよろしくお願いいたします!
それでは失礼します!

「ぷりぷり・・・」
夕暮れの紅い日が事務所を照らす中、その光を背に不気味な声をあげる物体が一つ
その丸い体はぶるぶると震えまるで欠伸するように口を開けると
大きく開けた口から人の手が飛び出る、そして外の着ぐるみを脱ぎ捨て、中の"人間"が現れる
青い体に入っていたそれは一回り小さな体を「ん〜・・」と伸ばすと
その透き通った蒼い双眸を開き、誰もいない事務所の窓から町を見渡す
「はぁ...熱いな」
肩をほぐすように回し、机においていた古い本を手に取る
「約束はもうすぐ・・」
「Magus..Mar...」
「ぼくが絶対お前達を・・」
強い決意を宿したその言葉は誰に届くわけでもなく、ただ夕暮れの町を移す窓に反射し、その振動は虚しく消えていった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　BOSS　後日談「蒼き双眸」~Fin~

「ッチ・・シンヤ、あいつ許さない」
両腕に包帯を巻き、右足の太ももにも包帯を巻きながら金髪の女性が一人呟く
「毎回毎回噛み付かれてちゃ身が持たない...」
ため息をつき、包帯を巻き終わると次は隣においていたショットガンの整備を始める
彼女が愛用のショットガンの整備を始めるとき、それは心が悲鳴をあげているとき
彼女が愛用のショットガンの改造を始めるとき、それは心が死んだとき
彼女の心は悲鳴をあげていた、分かってしまう、たとえ今は平和でも、この日常はもうすぐなくなることを
心を紛らわすように、一心に整備に集中する
「・・・・・・・・」
そして、誰もいない事務所にチャイムが鳴る、彼女はそれを聞くと、コルトパイソンを胸元に入れ外に出たのであった

その日、グリモアールズ商会からヴェラという女性が消えた
暗い箱の中、彼女が思い出していたのはまた"家族"のこと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vera　後日談「灯台下暗し」~Fin~

少年はヘッドフォンをし、ため息をつく、あの事件以降彼に妙な願望が生まれてしまった
食人願望・・今は落ち着いているがここまで回復するのにVeraという女性に何度噛み付いては殴られての繰り返しだった
青いペンギンを被った社長はそんな自分たちを見てどこか楽しげな雰囲気を出していたのを覚えている
「はぁ...」
黒い炭酸飲料を喉に流し込み、一息をつく
たまにくる食人願望もこうして何かをむさぼることで防いでいる
「さて、次の仕事だ...ハーデスの魔笛...果たしてどんなもんかね...」
脳内を狂気にさらされながらも、少年は動き続ける、"家族"の為に...

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Shinya　後日談「焼きつく狂喜」~Fin~