ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

シナリオ作者:KAZZ−I

1.はじめに

本ページの内容は、実際のオフラインセッションで使用した自作シナリオです。
一本道シナリオですが、特定のエリアの情報が少なかったり、各エリアの情報が重複したりと無駄に時間を消費する可能性が出るようになっています。
推奨プレイヤー人数は3〜5人で、所要時間や難易度はデータ調整や肉付けにより調整可能です。
(そのままのものを使用するなら、オフセでの所要時間は3〜4時間程度になるでしょう)
なお、現代日本のシティシナリオを想定しています。
探索者が犯罪者でも問題ありませんが、住民や警察に犯罪者として知られているという設定はNG。

2.登場するキャラクターおよびアイテム

人間

チンピラ
STR14 DEX11 INT9 CON12 APP10 POW7 SIZ12 EDU7 AGE(年齢)20前後
<こぶし>70% <キック>55% <金属バット>50%
適当に因縁をつけて探索者に喧嘩を吹っ掛けて、ゴグ=フールの餌になる哀れな人たち。必要な数だけ登場させること。
そのうち一人が《イゴーロナクの接触》によって殺人衝動に駆られている。
単なる脳筋モブであるが、ゴグ=フールが目をつける理由が必要なので、薬物中毒などで正気度が減っていることにしておく。
加河 辰彦
STR13 DEX14 INT13 CON10 APP12 POW12 SIZ11 EDU15 AGE34
現在正気度31
<聞き耳>70% <クトゥルフ神話>15% <心理学>70% <図書館>55% <目星>65%
人間に化けたニャルラトテップ(後述の成田 哲)から、怪異絡みの事件として「最近になって頻発している殺人事件」の調査を依頼された神話関連事件の経験者。
記者であるためにそれなりの情報収集能力を持ち、戦闘能力こそないが巻き込まれたら逃げ出そうとせずに戦う。
とある事件を経験したことにより、呪文《悪魔の退散》を習得しているが、通常のものと異なり、コストが20MPに増加し、1ラウンドで詠唱が完了するようになっている。
コストとなるMPが不足しているため、彼はMPが10蓄えられた護符を成田から受け取っている。
当然ながらゴグ=フールにも目をつけられているが、初登場の時点では触手と出会っていない。
宇津木 宏
STR7 DEX13 INT16 CON14 APP9 POW9 SIZ13 EDU19 AGE28
現在正気度40
<クトゥルフ神話>3% <心理学>40%
加河の知人の一人。《イゴーロナクの接触》を受けて意識を奪われたまま浮浪者殺しをする。
そして、意識が戻った直後に「自分が人を殺した」という事実を理解し、自主通報して逮捕される。
正気度がそこまで大きく減っておらず、また触手にも遭遇していないため、ゴグ=フールのターゲットになっていない。
大野 武美
STR9 DEX10 INT16 CON10 APP13 POW15 SIZ9 EDU13 AGE29
現在正気度0
<聞き耳>75% <クトゥルフ神話>23% <心理学>55% <目星>75%
とある事件の調査中に『グラーキの黙示録 Ⅻ』を手に入れ、それを読んだ結果イゴーロナクに魅入られた悪徳刑事。
イゴーロナクから【イゴーロナクの手】を贈られ、その力を用いて街を歩く人に殺人事件を起こさせている。
本編では探索者や協力者に《イゴーロナクの接触》を行使して調査を妨害しようとするほか、最後には自分自身にイゴーロナクを憑依させる。
本人は気づいていないがニャルラトテップによって背中に<古き印>を与えられているため、これだけ狂っていながらゴグ=フールの標的にならなかった。
なお、本編中において「浮浪者のコロニーで目撃された女性」は全て彼女のことを指す。

神話生物

デフォルトでは神格のみ登場します。特に断りがない限り、マレウス・モンストロルム掲載の通りです。
ゴグ=フール
反射面を通して触手を伸ばし、探索者たちの正気度を削り取っていく旧支配者。
ニャルラトテップが呼んだのではなく、街が持つ“狂気”に惹かれてやってきたものである。
攻撃条件を満たしている人物か、遭遇したことのある人物がいないと出現しない。
このシナリオでは登場している触手が別々に行動権を持っている。また、攻撃方法に次のような追加・変更点がある。
<触手> 90%
1D6ダメージまたは1D2ダメージ+<組み付き>
<引き裂き> 100%
前提条件:同一対象に2本以上の触手が<組み付き>状態であること
<組み付き>している触手すべての行動権を消費することで、STR対抗を行い、自動成功の相手なら引きちぎり即死させる。
<組み付き>とは別に1Rを要することと、<組み付き>している触手の数に関わらずSTR100として対抗することに注意。
<棘> 相手の素手攻撃命中時に自動で発動
攻撃者が<幸運>判定で回避する。失敗すると1D2ダメージ。

また、このシナリオでは戦闘相手の現在正気度が能力値SANの何%であるかを参照し、行動パターンが変化する。
基本的に現在正気度が最も低い相手を狙うが、ほかの神話生物がいる場合は最優先で狙う。
80%以上 自分からは攻撃しない(ダメージを受けた場合は反撃する)
40%以上80%未満 2ターンに1度<触手>で攻撃し、<組み付き>は使用しない
20%以上40%未満 毎ターン<触手>で攻撃し、<組み付き>は使用しない
20%以下および神話生物 毎ターン<触手>による<組み付き>を試み、条件を満たした時点で<引き裂き>を使用

触手との遭遇による正気度喪失量は2度目以降は1/1D6→1/1D4→0/1D2→0/1→0/1→・・・と変化する。
本シナリオでは本体を直視することはないが、触手による正気度喪失量の合計の上限は存在しない。
イゴーロナク
『グラーキの黙示録 Ⅻ』を読んだ大野に語り掛け、【イゴーロナクの手】を与えた旧支配者。
この神格を何らかの手段で撃退することができれば、このシナリオはクリアとなる。
データ上の変更点はないが、相手の数によって攻撃方法が変化することに注意。また、「イゴーロナク」の名を知っている相手にしか攻撃しない。
相手が単独の場合:<タッチ>のみ使用
相手が複数の場合:<むさぼり食う>のみ使用
成田 哲(ニャルラトテップ)
STR10 DEX19 INT86 CON20 APP18 POW100 SIZ12
<混沌神の気まぐれ>40% 状況をかき乱す
見た目19歳くらいの好青年・・・かと思いきや、その正体はみんな大好き無貌の神。
ゴグ=フールをなんとかすると言っておきながら、実際はある時点まで探索者を観察しながらかき回すだけの迷惑者。
大野との接触までに時間をかけすぎると探索者たちに飽きてしまい、ゴグ=フールを退散させてその地を去る。
なお人間としての技能については<回避>、<心理学>、交渉系技能は初期値、それ以外の技能は100%という極端さである。
また、成田を対象とした<心理学>は自動失する。
<混沌神の気まぐれ>によって探索者の名を大野に知らせてしまうが、基本的には傍観者なので、それ以外にこの技能による判定はない。
もし倒されたときにどの化身に変化するかは、KPに任せます。

アーティファクト・魔導書

イゴーロナクの手
使い方はキーパー・コンパニオン掲載の通り。
グラーキの黙示録 Ⅻ
解読には<英語>が必要。
読んだ場合、《イゴーロナクとの接触》が自動で発動する。この場合はコストは不要。
また、少し通常と異なる点があるが《イゴーロナクの接触》を習得可能。
変更点および注意点は以下の通り。
・攻撃対象の名前を漢字またはアルファベットで、正確に綴らないと失敗する。偽名は不可。
・この呪文は即時発動し、POW対抗で手が勝つと、イゴーロナクが攻撃対象の意識を一時的に乗っ取るかたちで犯行が行われる。この状態は<精神分析>で解除できる。
・呪文を発動し、POW対抗が始まった時点で手に握らせた物品は消滅する。
・1度の呪文で行わせることができる犯行は1回。もう一度行わせたい場合は、再び呪文を行使する必要がある。
・攻撃対象がPOW対抗に勝った場合、<アイデア>で判定する。成功した場合、イゴーロナクという名を知ってしまう。

3.シナリオ本編

1.導入

探索者とチンピラ達との戦闘を発生させる。この戦闘の設定について、2つの条件がある。
路上のカーブミラーや水たまりなど、何らかの反射面が存在する場所で戦闘させること。
また、チンピラが全滅する前に「全ての探索者が戦闘に関わっている(または目撃している)」状態を作ること。探索者を気絶させるのもNG。
その他の条件や経緯などはすべて自由に決めてしまって構わないが、無関係の人が全くいない状況が望ましい。全ての探索者を戦闘に巻き込んだ時点で、イベントが進行する。

生存しているチンピラ1人につき1本、近くの反射面からゴグ=フールの触手が出現し、それぞれチンピラを八つ裂きにして、その死体を掴んで反射面に戻っていく。
この惨劇を目撃した探索者は1D2/1D10の正気度を失う。
ここで、成田 哲が「君たちも運が悪いね」などの言葉で話しかけてくる。彼は今の状況について知っていると言い、探索者の質問にある程度答えてくれる。どの程度の質問まで答えてくれるかは、KPの裁量に任せる。
ただし、探索者が先ほどの触手について尋ねた場合は「鏡の中に棲むもの」と答えたうえで、狂気を貪るものであること、目を付けた相手を付け狙うこと、はじめは悪夢という形で接触してくることを教える。

最後に、成田から探索者に「自分が触手をどうにかするから、とある事件の調査をしてほしい」といった内容の取引を持ちかける。
必要があれば、「安全は保障できない」「触手の対処には時間がかかる」とも伝える。
探索者が渋る場合は「自分が触手をどうにかしなければ君たちはいずれ殺されるけれど、無償で君たちを助ける理由もない」と脅してでも、取引に応じさせること。
探索者が承諾すると、成田は協力者である加河 辰彦の名刺を渡し、「明日にでも会いに行くといいだろう。調査の内容は全てそいつから聞いてくれ」という。その際、成田 哲という名を教えておくこと。
その日のうちには加河は家におらず、電話をかけても出てこない。

なお、シナリオ中で探索者が名乗るようなことがあれば<混沌神の気まぐれ>による判定を行い、成功した場合は大野にその名前が知られてしまう。

2.協力者

探索者は睡眠をとるたびにゴグ=フールの悪夢によって0/1D2の正気度を失う。

翌日になると雨が降っている。
加河の家を訪ねるか、電話をかけて「成田 哲の紹介である」ことを伝えたなら、加河は「なるほど。話は成田から聞いている」と出てくる。フルネームで言わないと「どの成田だ」などと聞き返される。
どちらの場合も1時間かけて、とある廃倉庫に移動することになる。

廃倉庫に着くと、加河から「成田からはどこまで聞いている」と確認される。
探索者が「何も知らされていない」ことを伝えると、加河は呆れたような様子をみせるが、すぐに次のことを教えてくれる。
・街中を歩いている人が突如殺人を起こすという事件が1週間ほど前から起こっている。被害者・加害者ともに職業・年齢・性別がバラバラであり、両者がもともと関わりのないケースがほとんど。
・加害者の前科もない場合がほとんどである。前科がある人間の一部は失踪している。
・「急に人が変わったように凄まじい殺気を放っていた。1人殺したところで我に返ったように慌てだした。」という目撃証言も何件かある。
・それとは別に、複数のコロニーの浮浪者が失踪する、あるいは死体で発見されるという事件も起こっている。
(なお、ニュースや警察のデータベースで調べても、上2つと一致する情報しか出てこない)
ここまで話したところで、加河の様子が変わる。一瞬意識が途切れたように身体が傾いたかと思うと、体勢を立て直して凄まじい殺気を放ちながら拳を振るう。
最も近くにいる人物に対する<こぶし>攻撃であるが、不意打ち扱いなので<回避>は不可能。
(大野からの《イゴーロナクの接触》の効果によるものであるが、この時点で加河に対する【イゴーロナクの手】のPOWは15ではなく、14まで減少している)
加河との戦闘になる。死亡・気絶させるか、<精神分析>に成功することで戦闘は終了する。

続けて、廃倉庫の前の水たまりからゴグ=フールの触手が1本出現する。
加河が生存している場合、加河のみを狙う。加河が死亡している場合は通常通りの行動。
触手を倒せば戦闘終了。

加河が生存していれば、質問に応じて次の情報を話す。
・触手は調査とは直接関係ないと思われる。加河自身は初めて目撃した。
・先ほどの加河の豹変は、調査中の事件の状況と同じであると思われる。
さらに、以下の情報は加河が死亡している場合に持ち物の手帳から得られる。生存している場合は普通に話す。
・浮浪者殺しで警察署に拘留中の知人、宇津木 宏も調査中の事件と犯行の状況が似ている。
・浮浪者のコロニー3か所の場所がわかる。そのうち1か所が未調査である。

ここから次の調査パートに入る。

3.調査

これ以降、各シーンで以下の判定を行う。シーンごとの間隔は1〜2時間とする。
・反射面が存在するシーンでは、<幸運>による触手の出現判定を行う。(失敗者の半数の触手が同時に出現、端数切り上げ。耐久力は1本あたり2D6)
・大野に名を知られている探索者および同行NPCからランダムに対象を選び、《イゴーロナクの接触》を行使する。
 2回連続で呪文に抵抗できたキャラクターは対象から除外される。この判定を行うかはKPが自由に決めて構わないが、大野のMPが不足している場合はこの判定を行わない。
 《イゴーロナクの接触》への抵抗に自動失敗した場合は強制的に「不定の狂気:殺人衝動」を獲得する。通常の一時的狂気および不定の狂気とは別に発現する。
・「不定の狂気:殺人衝動」を持っている人物は<POW×5>で判定し、成功した場合は衝動を抑え込むことができる。失敗した場合も<精神分析>で抑え込むことができるが、どちらも狂気自体は回復しない。

「探索者たちが初めて成田と出会ってから2日後の正午」になると、成田は探索者たちに飽きてゴグ=フールを倒す。それ以降は、触手の出現判定そのものを行わない。
警察署
触手が出現できる反射面はない。
宇津木との面会が可能。ただし、情報を聞き出すには加河の協力者であることを理解してもらう必要がある。
宇津木が話すのは自分の体験談のみで、次のようなものである。
・数日前、散歩に出て川の近くを通ると、急に意識が朦朧とした。気が付いた時には、自身は川原に降りていて、すぐ目の前で浮浪者が死んでいた。現場の位置は教えてくれる。
・手に入れた覚えのない血まみれナイフを持っていたこと、浮浪者が滅多刺しにされていたこと、自分がその返り血らしきものを浴びていたことから自分の犯行と判断。
・理解も納得もしていないが、自主通報し、逮捕される。取り調べも受けているが、内容が内容なために真に受ける人物がいない。
浮浪者のコロニーA
加河が調査していないというコロニー。
とある廃ビルの1階。ガラス破片が散っているが、それらは大きさが不十分で、触手が出現できる反射面はない。
ここの住人に話を聞くと、「一週間ほど前に外部の女性がここのメンバーとなにか話して連れ出したが、そのメンバーはまだ帰ってきていない」と教えてくれる。
他にも2、3人程度失踪しているらしい。
浮浪者のコロニーB
宇津木の犯行現場付近にあるコロニー。
このコロニーも川原にあり、川の水面から触手が出現する可能性がある。
「浮浪者殺しの犯人が捕まったから」と緊張感のない住人に対し、別の住人が「危機感が足りない」と注意喚起している。
注意喚起している側は宇津木の犯行を目撃しており、「自主通報するような人間が注目を浴びるレベルの大量殺人を起こすはずがない」と、別の人間の犯行を疑っている。
また、宇津木を逮捕した女性刑事について、「何度か見たことがある気がする」と述べる。
浮浪者のコロニーC
住宅街の裏路地のようなところにあるコロニー。鏡が捨てられているが、そのサイズが小さいため現れる触手は1本まで。
ここの住人からは、「連続殺人について嗅ぎまわっていたのは探索者のほかに2人で、1人は加河、もう1人は女刑事」という情報が引き出せる。
また、女刑事が落し物をしたとのことで、本人に届けるなり交番に届けるなりしてくれと1冊の手帳を探索者たちに手渡す。
手帳の表紙には「大野 武美」という名前のみが書かれている。

4.手帳

大野の手帳の中身は日記のようであるが、日付は一切書かれていない。プレイヤーに開示されるのは、内容の抜粋である。
手帳の内容は、読むと宣言したプレイヤー以外には開示しないこと。斜め読みすれば30分程度で読める。


某事件での事件現場にて、カルト教団員の死体から“The Revelations of Glaaki XII”という本を見つけた。
タイトルを訳すと『グラーキの黙示録』といったところか。グラーキとは何なのかまるで見当はつかないが、カルトが持っていたものだ、どうせまともな本ではあるまい。

きっと私もどこか狂っているのだろう、好奇心に駆られてあの本を読んでみることにした。結局グラーキについては何も書かれていなかったが、代わりにイゴーロナクなる存在について詳しく書かれていた。
読み進めると頭の中に何か意思が流れ込んでくるような感覚を受けた。それは間違いなく“イゴーロナク”と、そう名乗った。彼とは頭の中で何かを話した。内容は覚えていない。

目が覚めると“手”がそこにあった。イゴーロナクからの贈り物だ。使い方は知っている。本に書いてあったからだ。
たとえば、適当な人物の名を台座に刻み、それから自分が誰かを殺し、その遺品を持ち帰って“手”に握らせ、それで呪文を唱えると、名を刻まれた人物が誰かもう一人を殺す、というものだ。証拠さえ持ち帰れば、犯行の種類は何でもいいらしいが、第2の犠牲者を選ぶことはできないし、呪文自体も失敗することがあるらしい。
もっとも、何も問題はない。私はただ「堕落と混沌をもたらす」という神の意志を実行するだけだ。

私が浮浪者を殺し、適当な人物に次の殺人を託す。そんなことを繰り返していたが、事件について嗅ぎまわるやつが現れた。
ただの一般人ならばまず私に辿り着くことはありえないはずだ。普通の人間なら、呪文による精神操作などとは考えまい。
だが、厄介なことに、相手はあの加河だ。奴は何度かこの手の怪事件に巻き込まれた人間だ、やがて真相に辿り着いてしまうかもしれない。
奴の行動を封じるために、“手”の力で何かしらの事件を起こさせなければ。イゴーロナク、私に力を。

加河に対して“手”の力を使おうとしたが、失敗した。一度あいつへの攻撃はやめ、とりあえず別のターゲットを選ぶとしよう。
そうだな、ヤク中のあいつでいい。もともとラリってるような奴だ、何か問題を起こしたところで「薬欲しさに暴れた」と思われて終わるだけだろう。


手帳を読んだ者は<アイデア>で判定し、成功した場合は1/1D3の正気度を失う。
さらに、<アイデア>の成否にかかわらず、手帳を読んだ者は<クトゥルフ神話>技能を1D2%獲得する。

5.終幕

手帳を読み終えた時点で加河が生存している場合、連絡して大野の住所を調べてもらうことができる。
加河が死亡し、かつゴグ=フールが倒されていない場合、成田が現れて大野の住所を調べられると言う。
加河が死亡し、かつゴグ=フールが倒されている場合、探索者たち自身で調べなくてはならない。どうしても手段を得られない場合は、探索者たちの敗北としてシナリオを終了する。
加河の場合も成田の場合も大野の住所まで案内してくれるのは翌日になり、集合から到着までに1時間かかるものとする。

加河に案内してもらう場合には、道中で《悪魔の退散》を教えてくれる。<INT×3>で判定して成功すれば大野の自宅に到着するまでに呪文を習得できるが、この呪文は加河が習得しているものと同様の改変が加えられている。

大野を呼び出すと、すぐに玄関に出てきて、中に招き入れてくれる。探索者が家に入るのを渋っても特に何もしない。
成田が同行していた場合はいつの間にかいなくなっている。
大野はすぐには何もしてこないが、事件の元凶が大野であると指摘すると、「正解。バレちゃったなら、あなたたちを生かして帰すわけにはいかないわね」と言い、イゴーロナクの名を唱えてイゴーロナクを自身に憑依させる。会話が聞こえないレベルで離れていない限り、全員がイゴーロナクの名を知ることになる。
大野がイゴーロナクに変身するのを目撃した者は全員1/1D20の正気度喪失。後からやってきたなどの理由で変身の瞬間を見ていない場合は喪失量を1/1D10+1に変更する。

イゴーロナクとの戦闘になる。勝利条件は、イゴーロナクに対する《悪魔の退散》を成功させるか、イゴーロナクの耐久力を0以下にすることである。
加河が生きていれば、最初のラウンドで《悪魔の退散》を使用する。

勝利した場合は、大野の部屋から【イゴーロナクの手】『グラーキの黙示録 Ⅻ』を入手できる。
ゴグ=フールが倒されているか否かに関わらず、成田が登場しない。探索者が探したり連絡をとろうとしても無駄。
ゴグ=フールも現れなくなり、探索者は再び日常へと戻ることになる。

ただし、最初のラウンドでイゴーロナクに勝利できず、かつゴグ=フールが倒されていない場合、シナリオが分岐する。
最初のラウンドで勝利できず、かつゴグ=フールが倒されていない場合
1ラウンド目が終了した時点で戦闘は強制終了。どこからか現れた成田によって2枚の鏡が投げ込まれる。
それぞれの鏡から、2本ずつゴグ=フールの触手が現れ、それぞれがイゴーロナクの四肢を絡めとる。
イゴーロナクの身体が持ち上げられると、イゴーロナクはそのまま退散し、元の姿に戻った大野がゴグ=フールに引きちぎられて死亡する。
ここで正気度喪失を行うが、喪失量は触手との遭遇回数に応じて0/1D4、1/1D6、1/1D8からKPが決定する。
そして成田が現れ、「こんなに早く片付けてくれるとは思わなかった」と言いながら、触手の1本を捕まえて呪文を唱える。
触手はのたうち回り、そして鏡の中へと引っ込んでしまう。
このルートではゴグ=フールの退散が完了すると、成田は【イゴーロナクの手】『グラーキの黙示録 Ⅻ』を持ち去るため、これらは回収不可能となる。
ただし、ルールブック通りの《魔法の感知》を教えてもらうことができる、というか拒否しても直接脳内に知識を流し込んでくる。探索者が抵抗を試みたとしても、成田のステータスを考えれば間違いなく自動失敗になる。<アイデア>に成功することで流し込まれた知識を整理してしまい、呪文を習得する。

これにて、本シナリオは終了となる。

6.獲得について

項目が細かく、また多いので注意してください。
触手を目撃した
<クトゥルフ神話>+1%
触手を倒した
現在正気度+1D6
イゴーロナクが退散する瞬間を目撃した(発狂状態でも可)
現在正気度+1D6、<クトゥルフ神話>+3%
イゴーロナクを目撃したが、退散の瞬間を目撃できなかった
現在正気度ー1D3、<クトゥルフ神話>+3%
《イゴーロナクの接触》を受けた
<クトゥルフ神話>+1%
「不定の狂気:殺人衝動」を得た
現在正気度ー1D6、1D6か月後に狂気から回復
《悪魔の退散》に成功した、または自力でイゴーロナクの耐久力を0にした
現在正気度+1D20
加河を生還させた
現在正気度+1
【イゴーロナクの手】を破壊した
現在正気度+1
大野の自宅を突き止められなかった
通り魔殺人による探索者の

このページへのコメント

はじめまして
改変等は特に行わずに、セッションさせて頂こうと思いますが、構いませんか?

0
Posted by 西川加奈 2018年06月15日(金) 00:55:43 返信

初めまして 友達とのラインセッションに使わせていただきますがよろしいでしょうか 終了後全員の感想をお伝えさせていただきます

0
Posted by ゼロザキ 2015年11月08日(日) 21:10:55 返信

先日、身内でこちらのシナリオを楽しませていただきました。初心者が多かったのですが、皆面白かったと言ってました。ありがとうございます。
ただいま、そのシナリオリプレイのような物を作成して、サイトに載せようと思っておりますが、大丈夫でしょうか。
見るのは身内くらいだけなので、色々な人が見る、という事はありません。
また、他改変などが色々ありまして、シナリオが違う場所もあるのですが、そちらの方も大丈夫かお伺いしたいです。
不都合がありましたら直ぐに対処させて頂きます。

0
Posted by ひよっこ 2015年09月23日(水) 15:36:57 返信

初めまして、まだまだ初心者のKPです
少しだけの改変をしてオンセで使用したいのですが、よろしいでしょうか?

0
Posted by 初心者マーク 2015年07月20日(月) 17:20:36 返信

初めまして
身内のオンセで使わせていただいてもよろしいでしょうか?
(若干設定の肉付けやキャラの名前や性別の改変をします。でも基本シナリオ基準で行くので余計なNPCを増やしたりとかはしません)
また、セッションの内容のリプレイ動画も制作を考えていますがよろしいですか…?

0
Posted by リク 2015年07月08日(水) 19:41:57 返信

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