鏡面海域のホロメンバー達(アズールレーン×ホロライブ＿コラボイベント)

「まつりはやっとこんな美少女ばかりの世界に生まれ変われたから、ここで倒されるわけにはいかないの！」

キャラクター名

No.1106　山田・ハーマイオニー／澪川イイ代／燕子花なきり／ま　つ　り／そら先輩？／シ　オ　ン／名探偵フブキ？

登場作品基本情報

　アズールレーン（碧蓝航线）
　Yostar・芜湖享游网络技术有限公司／スマートフォン向けアプリケーション／2017年～サービス継続中　

　ホロライブ
　ホロライブプロダクション／バーチャルYoutuber／2017年～活動継続中　

登場シーン詳細情報　　

　『アズールレーン×ホロライブ　コラボイベント　【幻想と真実の二重奏】』第１節～第６節

外見

　本物のホロメンバー達と寸分たがわず同じ姿をしている。
　以前のイベントのニセキズナアイのような『瞳のハイライトが消えている』といった差異も無い。

概要

　『アズールレーン』は世界大戦期の艦船を美少女擬人化したスマートフォン向けソーシャルゲームである。
　舞台は平行世界の１９３０年代。突如異世界から現れた侵略者「セイレーン」により人類は壊滅寸前に陥った。追い詰められた諸国は「アズールレーン」という名の国際同盟を組み、協力してセイレーンの技術を解析する中で、船に魂を与え強化する「メンタルキューブ」の技術を手に入れた。
　メンタルキューブにより少女の姿となった艦船たちの活躍により戦況は拮抗。人類は束の間の平穏を手に入れた。
　だが、セイレーンはアズールレーン所属諸国のうち重桜皇国*1と鉄血帝国*2に対し「我々に協力するならば現行人類のレベルを遥かに超える技術をくれてやろう」と調略の手を伸ばす。
　かくして当該２国はアズールレーン連合を離脱、「レッドアクシズ同盟」を称して真珠湾に襲い掛かるのであった――というのがメインストーリー第１章にあたる。
　
　さて、本稿で紹介する偽者のホロメンバーが登場するイベント【幻想と真実の二重奏】は、メインストーリー１章以前のまだ人類側が団結していた時期に発生した事件*3である。
　
　バーチャルYoutuber事務所『ホロライブ』に所属するYoutuberときのそら・大神ミオ・白上フブキ・夏色まつり・湊あくあ・紫咲シオン・百鬼あやめの七名は、突如としてアズールレーンの世界へ召喚されて*4しまった。
　物語冒頭、訳も分からぬままセイレーンに襲われ殺されかける大神ミオと白上フブキ。そこへ間一髪のところで艦船少女達が助けに入る。ミオとフブキは死の恐怖に怯えつつも、ゲームの中の艦船少女と実際に出会えたことに喜びの声を漏らす。
　それから紆余曲折あり、ときのそら以外の六名は艦船少女と合流することに成功する。さて、そら先輩は何処に居るのかと探していた艦船少女とホロメンバーの前に、セイレーンが生み出した「鏡写し」の湊あくあが現れるのであった……。
　
　というわけで、七名の偽ホロメンバー達を会敵順に紹介していく。
　
１　山田・ハーマイオニー
　山田・ハーマイオニーは、湊あくあが頭を打って記憶喪失になり素直なメイドになった一件*5の際の人格を元として生み出された「写し」である。

　彼女は登場時点で（本物の）ときのそらと一緒に行動しており、戸惑うときのそらに対し「艦船少女は敵だ」と吹き込んで味方に付け、艦船少女の一人・ニーミ*6を殺そうとしていた。
　そこへホロメンバー達が駆けつける。本物の湊あくあが現れたところで、偽者は「私、『山田・ハーマイオニー』、ご主人さまの命により、ここであなた方を殺します」と名乗って襲い掛かってくるのであった。
　撃破された山田・ハーマイオニーは光となって消えていったかに見えたが、実際にはテレポートコマンドによって脱出している。……この時点では。
　
　その日の夜、床に就いた瑞鶴*7・江風*8・ときのそらは、仲間と同じ顔をした敵と戦うことの苦悩を語らうのであった。
　
　
２　澪川イイ代
　澪川イイ代は、大神ミオがTRPG配信で演じたキャラクターが元になっている「写し」である。

　彼女は本物ホロメンバーや艦船少女が鏡面海域*9の中枢に侵入できないよう、巨大迷宮*10を作り上げていた。
　しかし本物の大神ミオは「もしこの迷宮を改築するとき自分ならどうするか」という見立てにより、次々と迷宮を踏破していった。
　やむなく彼女は自ら本物たちを迎え撃つ。「やはり占いの結果と同じ。どう阻もうとしてもここに辿り着くのか」と諦めの言葉を漏らしながら。
　本物の大神ミオは降伏を呼びかけるが、イイ代は「そうしたいとこなんですが…『時間と空間の支配者』様からの命令で、そうもいかないんです…　そういうわけで、あなたたちを倒します。ごめんなさい」と不本意な様子で戦闘態勢に入る。
　艦船少女の江風はその言葉を聞いて攻撃を仕掛けたが、その瞬間、江風の背後からもう一体の「写し」ホロメンバーが奇襲を仕掛けた。
　
３　燕子花なきり
　彼女もまた澪川イイ代と同様、本物の百鬼あやめがTRPG配信で演じたキャラクターがベースである。

　奇襲となった燕子花なきりの攻撃はしかし、ときのそらとラフィー*11の迎撃によって防がれる。彼女はあらためて名乗りを上げ、イイ代と共に本物メンバー・艦船少女達に襲い掛かるのであった。
　イベントシーンでのイイ代との掛け合いではつっけんどんな態度で話していた燕子花なきりであるが、実際に戦闘が始まるとイイ代を庇うかのように前に出てプレイヤー側の攻撃を受け止めようとする。イベントシーンでの艦船少女の庇い合いを鏡映しにしたかのような行動ルーチンと言える。
　なお、プレイヤーに撃破されると、なきりは「ここまでか……」と普通のセリフで倒れてテレポート転送されるのに対して、イイ代は「やっぱり、だ、だめか……」と勝てないことを予見していたらしき言葉を発する。恐らく先述の占いにより自分たちが敗れる未来も見えていたものと考えられる。
　負けると分かっている戦いで自分を庇う燕子花なきりの背中を、澪川イイ代はどんな想いで見つめていたのだろうか。
　
　なお、この戦いのあと本物の大神ミオは「セイレーンが作った偽者だと知ってても、戦うとなるとやっぱり気が引けるよね。でももし、毎回こんな風にＨＰが０になる直前にテレポートされる仕様なら全力で戦えるかも。やっぱり、偽者に負けたくないしね」と、偽者とはいえ相手を殺すことを躊躇う様子を見せている。そう、この時点では。

　
４　ま　つ　り*12
　この「写し」は、夏色まつりが白上フブキに対して熱狂的に愛を叫んだ動画*13を元として作られている。

　夏色まつりは元々レズビアン寄りのバイセクシャルであり非常に惚れっぽいキャラクター*14なのだが、ま　つ　りは更に愛情・性欲が増幅された存在となっている。
　戦闘力はそれほど高くなく、艦船少女たちに打ち倒されてしまうのだが、記事冒頭セリフにもある通り「この美少女だらけの世界から消滅したくない」という意地だけで何度でも立ち上がってくる。
　しかし、そんな性欲まみれの「写し」であっても、本当に愛している本命の相手は白上フブキである。その事実を見抜いたラフィーは白上フブキにアドバイスする。あの偽者の耳元で「まつり、好きだよ（ハート）」と囁けと。
　かくして驚きと喜びと快楽の絶頂に達したま　つ　りは感極まって機能停止を起こしてしまい、一撃で撃破されテレポート転送に至る。彼女もまたこの時点では完全消滅に至っていない。
　
　
５　そら先輩？*15
　展望台拠点で待ち構えているときのそらの「写し」は、他の偽者たちと比べても特に本物との差異が小さい。

　彼女もまた、艦船少女や本物ホロメンバー達を止めるために襲い掛かってくる。「写し」は上位者の命令に絶対服従である故に。
　しかし一方で、艦船少女や本物のホロメンバー達に厳しくも的確なアドバイスを与える。まるで本物が自らを乗り越え打ち倒すことを望んでいるかのように。
　そんな戦闘の合間に、武装についている鮟肝マークを見せつけ「かわいいでしょう？」と茶化してみせたりもする。
　そして、エネルギー補給装置の耐久限界で戦えなくなると、某アニメのセリフを援用して「みんな……止まらねぇぞ？*16」とテレポート転送されていった。
　
　かように一見すると、悪しき偽者としての宿命を受け入れた上で、余裕に満ちた態度で本物たちを導いている。
　だが、彼女との戦闘時に流れている曲『いのち』*17の歌詞は、まるで彼女が「消えたくない、生きていたい」という気持ちを押し殺して気丈に振る舞っていると暗示しているかのようだ。
　
　とはいえ、この時点ではまだそら先輩？も生きたままテレポート転送で回収されている。
　
　
６　シ　オ　ン*18
　こちらの「写し」は、紫咲シオンが夏色まつりに「私のルイズコピペ絶叫動画を真似しろ」とパワハラ要求され実際その通りにした*19際の姿を元として作られている。

　本物の紫咲シオンは上記のルイズコピペ動画を嫌々作っていたようなのだが、シ　オ　ンは嬉々としてこのセリフを絶叫してみせる。そして更に別の恥ずかしい過去動画を真似しかけたところで、激怒した本物シオンの爆裂魔法によって吹き飛ばされてテレポ転送に至る。
　
　あまりにもあっさりと撃破されたため艦船少女たちに「今まで出会った偽者の中で一番弱いですね」と評されてしまうシ　オ　ン。
　彼女自身も戦闘力の低さを自覚しており、前線には出ず、鏡面海域中枢への侵入口を塞いで回る役割を担っていたのだが、たまたま本物たちと遭遇してしまったのであった。
　
　なお、彼女を撃破した後のイベントで、艦船少女と本物メンバーたちは偽者メンバーが描いた壁画を見て「やはり過去イベントで遭遇した無感情な『駒』と今回の子たちは違う」「ただの『敵』として扱うのは、やっぱりちょっと微妙な気がする……」と躊躇いをみせている。それなのにどうして……
　
　
７　名探偵フブキ？*20
　第５ステージにて本物たちの前に立ちはだかるのは、白上フブキの「写し」身である。

　実は彼女はこれまでの第１～第４節でもバックストーリー内で出演しており、創造者たるセイレーン・テスターの指揮下で、艦船少女や本物メンバーを撃破するため陣地構築に奔走していた。
　その一方、セイレーン・テスターが「傷ついた偽者メンバーをわざわざ回収して修復するのは無駄だ。廃棄して新しい兵隊を作ればいい」と命じてくると、どうにか言いくるめて偽者メンバーの修復を続行させるなど、仲間思いともとれる一面をみせていた。
　
　ついに鏡面海域中枢に到達した艦船少女と本物たち。そこに現れた名探偵フブキ？は、「本物たちが過去にプレイしていたゲームを研究して構築した『闇のゲーム』にあなたたちを案内しよう。さあ、決闘＜デュエル＞だ！」と叫ぶ。*21
　しかしデュエルの途中、偽フブキは江風のダイレクトアタック（物理）により撃破されテレポ回収されてしまった。闇のゲーム関係ねぇじゃん！
　
　そうして基地中枢のコントロールルームに逃げ帰った偽フブキは、セイレーン・テスターに「修理してやるからもう一回戦ってこい」と命じられる。だが、絶対服従のはずの命令を偽フブキは拒んだ。
　実はここまでの戦いは全て、偽フブキが鏡面海域の制御権を奪いセイレーンの支配に反逆するための仕込みだったのである。
　そして鏡面海域を掌握した彼女は巨大化し、『時間と空間の支配者*22、暗邪眼の狐吹雪（ダークフォックスブリザード）』と号し、凄まじい力によって全世界を支配しようと動き出したのであった。
　さらに巨大偽フブキは「好き放題に『駒』を量産してVtuberの仕事をさせれば、全人類の娯楽をこの手に掌握しVtuberの頂点として君臨することも思いのままだ」と放言する。第１～第４節で処分されかけた偽メンバー達を庇っていたのは、管理権を奪うまでの一時的な事でしかなかったのだ。
　
　そのように増長しきった偽フブキであったが、本物の夏色まつりに次のような指摘を受け動揺する。
　「その計画には致命的な破綻がある。あなたが作った『駒』が、あなたと同じように自我を持てばどうなる？（中略）決してあなたの部下のままで満足しないよ！」と。
　この指摘を受け動揺した偽フブキは「早速計画を修正するぞ！　『駒』たちよ、我がもとに集え！　ええと確かこうすれば『駒』のデータを初期化して……よし！」と何やら作業をする。
　すると、山田・ハーマイオニーとま　つ　りが倒れる表示がなされた後、綾波*23が「まつりたちの偽物、みんな倒れたです……？」と呟く。
　そして偽フブキも「あああ！この子たちの人格データが消えちゃった！」と叫ぶ。
　
　……えっ、今のでフブキ以外の偽者、全員死んだの？　他の４人は倒れる演出なかったけど？
　記事立項者も初見時はまさかと思ったのだが、後述する状況からするとここで既に全員死んでいたと考える方がまだしもマシである。
　
　そうして動揺に動揺を重ねた偽フブキは、本物メンバーや艦船少女たちに撃破され、光となってテレポ転送された。転送先は今回の鏡面海域の中枢、「写し」のホロライブ本社ビルである。
　すると本物のホロメンバー達は、普段自分たちが配信でよくやっているようにＴＮＴ爆薬で本社ビルを爆破しようと準備しはじめる。おそらくまだ偽フブキの人格プログラムが宿っていると考えられる本社ビルを。
　そんなことをして本当にいいのか？　と動揺する艦船少女たち。本物のフブキだけは「あの偽フブキ、なんで途中から『駒』を最後まで戦わせなくなったのかな……やっぱり考えすぎなのかな……」と一瞬躊躇するが、「まあいっか！*24よーし、私もＴＮＴを運ぶの手伝うよ！」あっさり爆破に転じてしまう。
　ニーミはそんなフブキ達に「大丈夫ですか？　あのビルの中には元の世界に帰るヒントがあるかもしれませんよ……？」と実利面も挙げて止めようとするが、「みんななんとなくわかるんだ。こんなときは焦ってもしょうがないって」と全く理由にならない理由で却下されてしまう。
　そうして爆薬を設置したあと、湊あくあが卒業式の答辞を模したふざけた文句*25と共にスイッチを押し、本社ビルを爆破してしまった。
　
　先ほどの「データ初期化で既に全員死んでいたと考える方がまだしもマシ」とはこういう訳である。もし偽フブキ・山田・ま　つ　り以外の４人の人格プログラムがあの時点で消えていなかったとすると、本物のホロメンバー達は上司の強制さえ無ければ敵対する意思がなく、偽フブキを無力化した時点で殺す理由などなくなった澪川イイ代やそら先輩？らをその手で爆殺してしまったことになるのだから。

見どころなど

　序盤から丁寧に丁寧に生存和解フラグを積み重ねていき、戦闘中に流れる楽曲の歌詞でも偽者として生み出される者の悲哀をこれでもかと歌い上げ*26ておきながら、最終盤でそれらのフラグは全て乱雑に投げ捨てられ、情け容赦なくデータ消去＆爆殺されてしまう。なんという報われなさであろうか。
　記事立項者は敵女が無残に死ぬ展開についてはかなり許容的なほうだが、今回ばかりはさすがに唖然として椅子からずり落ちた。そしてめちゃくちゃ興奮した。
　このシナリオの脚本家は第５節まで書いたところで何か嫌な事件にでも遭ったのではないかと心配になるレベルである。

その他

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