タバコのアグロ感染
タバコのアグロ形質転換(石崎)
【準備物】
アグロバクテリウムのグリセロールストック
LB(適当な抗生物質入り)プレート2枚
アグロ培養用Mサイズ試験管10本(シリコセン,オートクレーブ,乾燥)
shaker予約
クリ−ンベンチ予約
アグロ懸濁用液体LS(Suc-,Hor-,pH5.6)250ml
滅菌水250ml 2本
タバコNN無菌植物体5〜6本
前培養用プレート(LS 3%Suc. N7B5 pH5.6 1%Agar)6枚 N7B5 = NAA 10-7M BA 10-5M
共存培養用プレート(LS 3%Suc. N7B5 pH5.6 1%Agar)6枚
前培養用と共存培養用は同じ。まとめて作っておく。
選抜培養用プレート12枚 (LS 3%Suc. N7B5 pH5.6 1%Agar Cef 200?g/ml マーカー抗生物質)
滅菌、乾燥済みキムタオル4枚(共存培養で使用)アルミ箔で二重に包んでオートクレーブ
滅菌エッペン、チップ、ピペットマン、廃液用滅菌三角フラスコ、コーニングチューブ
ディスポシャーレ、目が乾きやすいなら防護メガネ、ヘッドフォンステレオ
【手順】
感染の6〜8日前;画線
アグロバクテリウムのグリセロールストックからプレート(LB+抗生物質)に画線して25℃暗黒下で
2〜3日培養、その後5℃で保存
感染の2〜3日前;植菌
上記のプレートからシングルコロニー10個を白金耳でひろって、それぞれを別々の試験管で培養する
(LB+抗生物質 5ml 25℃ 150rpm dark 2 or 3 days)よく増えたものだけを感染に使う。
感染の前日;前培養(感染の効率がよくなる)
無菌のタバコNNの若い葉(小さめ 約3〜4 cm)を選んで無菌的に切り出し、滅菌水を入れておい
た滅菌シャーレに入れる。菌を扱わないので、どこのクリーンベンチをつかってもよい。
↓
葉の周囲と主葉脈とをメスで切って除き、残りの部分を7mm x 7mm くらいの大きさの切片に切り分
ける。重ねて切ると速い。滅菌キムタオルでの脱水に時間がかかると切片が乾いてしまうので、シャ
ーレ1枚分ずつ行うのがよい。
若い葉1枚から15〜20切片くらいできる。12枚程度の葉から300枚の切片を用意する。
(ただしこの量はかなり時間もかかるし、しんどい。始めての時は減らしても可)
↓
滅菌キムタオルにはさんで軽く脱水し、葉の裏を上にして前培養培地にならべる。
数える手間を省くために、石崎は切片を予め多めに用意し、1枚のシャーレに7行x7列で49
枚並べ、空いたところにもう1枚の切片をおいて、50枚/1シャーレとしている。6枚のシャーレに
合計300枚並べ、余った切片は捨てている。
↓
シャーレの周りにビニールテープをまき、25℃、overnight, light で培養
今日はここまで また明日!
感染の当日
アグロ懸濁液の調製
菌体がよく増えている試験管6本を選ぶ。
↓
無菌エッペン6本にアグロ培養液を1.2mlずついれて、遠心して上清を除く(5℃ 8000 rpm 5min)
↓
同じ操作を再度繰り返す(エッペン1本につき培養液2.4mlをスピンダウンすることになる)
↓
液体LS培地(Hor-,Suc-)を各エッペンに1mlずつ加え、おだやかにピペッティングして沈殿を
懸濁する。
↓
懸濁液を全て一本のコーニングチューブにあつめる。もう一度同じ操作をくりかえす(洗い)
↓
合計で24mlの懸濁液になる。一部(500μl)とってOD550を測定する。
(ゼロ点補正はLS)たいていの場合、濃すぎるので適宜希釈して測定することになる。もし充分な
濃度が無ければ、残りの培養液からスピンダウンの操作をくり返して、菌体を回収する。
↓
懸濁液のOD550が約0.5になるようにLSで希釈する(コーニングチューブの目盛でよい)
↓
感染用アグロ懸濁液として用いる
感染
対照(Inf-)とするためコーニングチューブにLS(液体、Suc-,Hor-)を適当量入れ、シャーレ1枚
前培養した切片のうちシャーレ5枚分(250切片)を上記のアグロ懸濁液に浸す
↓
2本のコーニングチューブをアルミ箔に包み(dark),室温で20分間軽く振盪する。
↓
対照区→感染液の順で、切片を滅菌キムタオルにはさんで軽く水分を取り、葉の裏を上にして、
濾紙を敷いた共存培地にシャーレ1枚あたり50切片並べる。
(寒天培地と切片のあいだにろ紙をはさむと、あとで除菌がやりやすい。また、滅菌キムタオルで
の脱水に時間がかかると切片が乾いてしまうので、シャーレ1枚分ずつ行うのがよい。アグロ懸濁
液に浸す時間に差が出てしまうが、それは無視する)
↓
シャーレにビニールテープをまき、25℃ 暗黒下で2〜3日培養 お疲れさま!
感染の2〜3日後;除菌
共存培養した切片をInf-から順にピンセットで選抜培地に移す。(Sel-1 とする)切片は葉の裏面を上にして、すき間を空けて並べる。シャーレ1枚あたり25切片が適当。切片が密に並んでいると、一つの切片からアグロがふえてきてしまったとき、すぐにとなりの切片をアグロが汚染してしまい、助けられなくなるため。25℃ light で培養する。蛍光灯の熱の影響を受けにくい場所を選ぶ。
【その後の管理】
以後2週間ごとに新しい選抜培地に移植する。(Sel-1 → Sel-2 → Sel-3 →・・・・)
対照(Inf-)も同時に移植する。Sel-2 くらいまではInf- のほうがむしろ元気だが、そのうち死んでくるので心配いらない。
(黄緑色〜褐色)と区別できる。
↓
Sel-5 またはSel-6 でカルスをサンプル瓶に移し(1個/1瓶)、個別に培養を続ける。
↓
シュートをホルモンフリーの培地(1/2LS 1.5% Suc マーカー. Cef agripot)に移し、発根を待つ。
ナンバリングも同時に行う。
↓
約2ヶ月ごとに植え替えする(アグリポット2本ヘ)
【準備物】
アグロバクテリウムのグリセロールストック
LB(適当な抗生物質入り)プレート2枚
液体LB(適当な抗生物質入り)50ml
アグロ培養用Mサイズ試験管10本(シリコセン,オートクレーブ,乾燥)
shaker予約
クリ−ンベンチ予約
アグロ懸濁用液体LS(Suc-,Hor-,pH5.6)250ml
滅菌水250ml 2本
タバコNN無菌植物体5〜6本
前培養用プレート(LS 3%Suc. N7B5 pH5.6 1%Agar)6枚 N7B5 = NAA 10-7M BA 10-5M
共存培養用プレート(LS 3%Suc. N7B5 pH5.6 1%Agar)6枚
前培養用と共存培養用は同じ。まとめて作っておく。
選抜培養用プレート12枚 (LS 3%Suc. N7B5 pH5.6 1%Agar Cef 200?g/ml マーカー抗生物質)
後からたくさん使うことになるので多めに作っておく滅菌、乾燥済み直径9cm濾紙6枚(共存培養で使用)アルミ箔で二重に包んでオートクレーブ
滅菌、乾燥済みキムタオル4枚(共存培養で使用)アルミ箔で二重に包んでオートクレーブ
滅菌エッペン、チップ、ピペットマン、廃液用滅菌三角フラスコ、コーニングチューブ
ディスポシャーレ、目が乾きやすいなら防護メガネ、ヘッドフォンステレオ
【手順】
感染の6〜8日前;画線
アグロバクテリウムのグリセロールストックからプレート(LB+抗生物質)に画線して25℃暗黒下で
2〜3日培養、その後5℃で保存
感染の2〜3日前;植菌
上記のプレートからシングルコロニー10個を白金耳でひろって、それぞれを別々の試験管で培養する
(LB+抗生物質 5ml 25℃ 150rpm dark 2 or 3 days)よく増えたものだけを感染に使う。
感染の前日;前培養(感染の効率がよくなる)
無菌のタバコNNの若い葉(小さめ 約3〜4 cm)を選んで無菌的に切り出し、滅菌水を入れておい
た滅菌シャーレに入れる。菌を扱わないので、どこのクリーンベンチをつかってもよい。
↓
葉の周囲と主葉脈とをメスで切って除き、残りの部分を7mm x 7mm くらいの大きさの切片に切り分
ける。重ねて切ると速い。滅菌キムタオルでの脱水に時間がかかると切片が乾いてしまうので、シャ
ーレ1枚分ずつ行うのがよい。
若い葉1枚から15〜20切片くらいできる。12枚程度の葉から300枚の切片を用意する。
(ただしこの量はかなり時間もかかるし、しんどい。始めての時は減らしても可)
↓
滅菌キムタオルにはさんで軽く脱水し、葉の裏を上にして前培養培地にならべる。
数える手間を省くために、石崎は切片を予め多めに用意し、1枚のシャーレに7行x7列で49
枚並べ、空いたところにもう1枚の切片をおいて、50枚/1シャーレとしている。6枚のシャーレに
合計300枚並べ、余った切片は捨てている。
↓
シャーレの周りにビニールテープをまき、25℃、overnight, light で培養
今日はここまで また明日!
感染の当日
アグロ懸濁液の調製
菌体がよく増えている試験管6本を選ぶ。
↓
無菌エッペン6本にアグロ培養液を1.2mlずついれて、遠心して上清を除く(5℃ 8000 rpm 5min)
↓
同じ操作を再度繰り返す(エッペン1本につき培養液2.4mlをスピンダウンすることになる)
↓
液体LS培地(Hor-,Suc-)を各エッペンに1mlずつ加え、おだやかにピペッティングして沈殿を
懸濁する。
↓
懸濁液を全て一本のコーニングチューブにあつめる。もう一度同じ操作をくりかえす(洗い)
↓
合計で24mlの懸濁液になる。一部(500μl)とってOD550を測定する。
(ゼロ点補正はLS)たいていの場合、濃すぎるので適宜希釈して測定することになる。もし充分な
濃度が無ければ、残りの培養液からスピンダウンの操作をくり返して、菌体を回収する。
↓
懸濁液のOD550が約0.5になるようにLSで希釈する(コーニングチューブの目盛でよい)
↓
感染用アグロ懸濁液として用いる
感染
対照(Inf-)とするためコーニングチューブにLS(液体、Suc-,Hor-)を適当量入れ、シャーレ1枚
分の切片(50切片)を浸す。↓
前培養した切片のうちシャーレ5枚分(250切片)を上記のアグロ懸濁液に浸す
↓
2本のコーニングチューブをアルミ箔に包み(dark),室温で20分間軽く振盪する。
↓
対照区→感染液の順で、切片を滅菌キムタオルにはさんで軽く水分を取り、葉の裏を上にして、
濾紙を敷いた共存培地にシャーレ1枚あたり50切片並べる。
(寒天培地と切片のあいだにろ紙をはさむと、あとで除菌がやりやすい。また、滅菌キムタオルで
の脱水に時間がかかると切片が乾いてしまうので、シャーレ1枚分ずつ行うのがよい。アグロ懸濁
液に浸す時間に差が出てしまうが、それは無視する)
↓
シャーレにビニールテープをまき、25℃ 暗黒下で2〜3日培養 お疲れさま!
感染の2〜3日後;除菌
共存培養した切片をInf-から順にピンセットで選抜培地に移す。(Sel-1 とする)切片は葉の裏面を上にして、すき間を空けて並べる。シャーレ1枚あたり25切片が適当。切片が密に並んでいると、一つの切片からアグロがふえてきてしまったとき、すぐにとなりの切片をアグロが汚染してしまい、助けられなくなるため。25℃ light で培養する。蛍光灯の熱の影響を受けにくい場所を選ぶ。
【その後の管理】
以後2週間ごとに新しい選抜培地に移植する。(Sel-1 → Sel-2 → Sel-3 →・・・・)
対照(Inf-)も同時に移植する。Sel-2 くらいまではInf- のほうがむしろ元気だが、そのうち死んでくるので心配いらない。
↓うまくカルスが生育してきたら、Sel-3の植え替え時に、ピンセットでカルスを切片からつまみとって、カルスだけで選抜培養を続ける。T-DNAの導入されたカルスは、元気な緑色を呈するので、そうでないもの
(黄緑色〜褐色)と区別できる。
↓
Sel-5 またはSel-6 でカルスをサンプル瓶に移し(1個/1瓶)、個別に培養を続ける。
↓
シュートをホルモンフリーの培地(1/2LS 1.5% Suc マーカー. Cef agripot)に移し、発根を待つ。
ナンバリングも同時に行う。
↓
約2ヶ月ごとに植え替えする(アグリポット2本ヘ)
2006年04月03日(月) 08:35:23 Modified by applied_biology