大阪市公文書管理条例改正に関する質問書
最終更新：
archives_osk 2011年04月23日(土) 10:12:00履歴
大阪市公文書管理条例改正に関する質問書
大阪市は、今回、公文書管理法の制定をふまえて、市公文書管理条例を改正した。これにより、公文書管理委員会が設置され、市公文書館に移管された公文書（特定歴史公文書等）の利用請求権が認められるなど、市の公文書管理のあり方は大きく変化することが予想される。私たちは大阪に拠点をおく歴史学会として、今回の条例改正を公文書利用促進の観点から積極的に評価したい。しかし、その上で「現在および将来の市民への説明責任を果たす」という条例の目的にそった公文書の管理や選別・保存・公開の体制が実現されるために、以下の点について質問する。
�〇垳�文書館移管対象文書の選別方法について
大阪市では、これまで公文書館運営委員会専門委員という外部有識者によって移管対象文書の選別が行われており、ユニークな仕組みとして評価されてきたが、今後の選別作業はどのように行われるのか。とりわけ、選別にあたって専門的知見はどのように反映され、また説明と検証が可能な形での選別がどのように保証されるのか。
��公文書館内の文書保管環境について
今回の条例改正により、市公文書館には市の設立した公立大学法人・地方独立行政法人の文書も移管されることとなった。今後、移管文書量の増加が見込まれるが、それらを永久に保存していく上で書庫の容量や環境の現状をどのように評価しているか。また今後の整備は、どのように進めるのか。
�Ｂ膾綮垳�文書館利用等規則の制定について
国では国立公文書館等での保存・利用・廃棄・研修のありかたについて規定した「利用等規則」を定めることとし、その策定にあたりパブリックコメントも実施された。市ではこうした動向をふまえ、利用等規則を制定する意向はあるか。またその際、パブリックコメントを実施するか。
�ね�用請求に対する審査基準とマスキングについて
今回、市が作成した「時の経過」をふまえた利用請求に対する審査基準（案）は、利用促進に向けて大きな前進と考えるが、非公開期間が三〇年を超えないものとするという、公文書管理法制定時の衆参両院の内閣委員会における付帯決議を尊重するならば、非公開期間が必要以上に長く設定されるべきではない。この点についてどのように考えるか。また審査基準が制定された後、これまでの公開基準にもとづいてマスキングを施した文書の取り扱いをどうするのか。
�ダ賁膺Π�の配置について
国立公文書館では、公文書管理法施行に備えて専門員を増員しているが、市公文書館では近年、職員が削減され、現在は非常勤職員のみの運営が行われている。こうした現状をどのように認識しているのか。また新たな目録作成や廃棄文書に関する判断をはじめ、改正条例施行後の業務に対応するためには専門職員の配置・研修が不可欠と考えるが、それらにどのように取り組むのか。
�Ω�文書館長と管理委員会の権限・役割について
今回の条例改正は、公文書管理法が示す方向性に沿ったものであるが、大阪市においては、公文書館長が、大阪市長や各部局との関係で、どのような権限と役割を持つのかが不明確である。また公文書管理委員会の権限や役割についても、市長・公文書館長との関係で明快に位置づける必要があると考えるが、それらの点についてどのように考えているのか。
私たちは、一九八〇年代以来、大阪市公文書館の設立を後押しし、設立後も館の事業の推移を見守ってきた。また、学会として必要があれば専門的見地からの助言や支援を惜しむものではない。今回の市公文書管理条例の改正をすみやかな対応として評価した上で、その優れた理念が文書管理や公文書館運営の現場において具体化されるよう、一層の努力を求めるものである。
２０１１年３月３０日
大阪歴史科学協議会 委員長 塚田 孝
大阪歴史学会 代表委員 小田康徳
大阪市は、今回、公文書管理法の制定をふまえて、市公文書管理条例を改正した。これにより、公文書管理委員会が設置され、市公文書館に移管された公文書（特定歴史公文書等）の利用請求権が認められるなど、市の公文書管理のあり方は大きく変化することが予想される。私たちは大阪に拠点をおく歴史学会として、今回の条例改正を公文書利用促進の観点から積極的に評価したい。しかし、その上で「現在および将来の市民への説明責任を果たす」という条例の目的にそった公文書の管理や選別・保存・公開の体制が実現されるために、以下の点について質問する。
�〇垳�文書館移管対象文書の選別方法について
大阪市では、これまで公文書館運営委員会専門委員という外部有識者によって移管対象文書の選別が行われており、ユニークな仕組みとして評価されてきたが、今後の選別作業はどのように行われるのか。とりわけ、選別にあたって専門的知見はどのように反映され、また説明と検証が可能な形での選別がどのように保証されるのか。
��公文書館内の文書保管環境について
今回の条例改正により、市公文書館には市の設立した公立大学法人・地方独立行政法人の文書も移管されることとなった。今後、移管文書量の増加が見込まれるが、それらを永久に保存していく上で書庫の容量や環境の現状をどのように評価しているか。また今後の整備は、どのように進めるのか。
�Ｂ膾綮垳�文書館利用等規則の制定について
国では国立公文書館等での保存・利用・廃棄・研修のありかたについて規定した「利用等規則」を定めることとし、その策定にあたりパブリックコメントも実施された。市ではこうした動向をふまえ、利用等規則を制定する意向はあるか。またその際、パブリックコメントを実施するか。
�ね�用請求に対する審査基準とマスキングについて
今回、市が作成した「時の経過」をふまえた利用請求に対する審査基準（案）は、利用促進に向けて大きな前進と考えるが、非公開期間が三〇年を超えないものとするという、公文書管理法制定時の衆参両院の内閣委員会における付帯決議を尊重するならば、非公開期間が必要以上に長く設定されるべきではない。この点についてどのように考えるか。また審査基準が制定された後、これまでの公開基準にもとづいてマスキングを施した文書の取り扱いをどうするのか。
�ダ賁膺Π�の配置について
国立公文書館では、公文書管理法施行に備えて専門員を増員しているが、市公文書館では近年、職員が削減され、現在は非常勤職員のみの運営が行われている。こうした現状をどのように認識しているのか。また新たな目録作成や廃棄文書に関する判断をはじめ、改正条例施行後の業務に対応するためには専門職員の配置・研修が不可欠と考えるが、それらにどのように取り組むのか。
�Ω�文書館長と管理委員会の権限・役割について
今回の条例改正は、公文書管理法が示す方向性に沿ったものであるが、大阪市においては、公文書館長が、大阪市長や各部局との関係で、どのような権限と役割を持つのかが不明確である。また公文書管理委員会の権限や役割についても、市長・公文書館長との関係で明快に位置づける必要があると考えるが、それらの点についてどのように考えているのか。
私たちは、一九八〇年代以来、大阪市公文書館の設立を後押しし、設立後も館の事業の推移を見守ってきた。また、学会として必要があれば専門的見地からの助言や支援を惜しむものではない。今回の市公文書管理条例の改正をすみやかな対応として評価した上で、その優れた理念が文書管理や公文書館運営の現場において具体化されるよう、一層の努力を求めるものである。
２０１１年３月３０日
大阪歴史科学協議会 委員長 塚田 孝
大阪歴史学会 代表委員 小田康徳
最新コメント
2014-01-23
2013-12-21
2013-12-19
2013-12-08
2010-04-02
2010-03-20
2010-02-01