ちうぃき

クラスで一番の美人が僕のことを好きなんじゃないかと抱く淡い期待。
現実の世界では、その美人が僕のことを好きであることなんて
そうそうあるものではない、いや、ほとんどの確率でない。

そんな遠回りをせずに、自分のできることに集中して
自分の達成できうる世界だけのことだけをしなさい。
とある大人が僕に言った。

確かにそうだ。
僕はあのクラス１の美人なんて好きにならずに
僕に好意を持ってそうな
そう。クラス１３位くらいの美人とつき合えばいいのだ。

淡い期待。
達成しうる期待が胸を行ったり来たりする。

でも僕は好きだ。
クラスで一番の美人と
偶然にも目があってしまった
あのどうしようもなく切ない瞬間が。
手に入れる事ができないかもしれない。
でもいつか手に入れる事ができるかもしれない。
その瞬間が。

淡い期待。
確かに期待は淡い。
しかしこの密度はこの淡さからしかスタートしない。

届かない夢は
届かないことが決して重要なのではない。
その過程に至極の所作の連続がある。

鏡の前に経ち
あの子の素敵な目を見に
学校に行きたいと僕は毎朝思う。

あの子の素敵な目を。