登場作品基本データ 
作品名：ヴェルバーサーガ
作者名：結城信輝
登場巻数・話数：第3巻/第 話
作者名：結城信輝
登場巻数・話数：第3巻/第 話
生体ユニットデータ
◇呼称：道尼バルセラ
◇通称：
◇年齢：200歳以上(外見は20代後半の、金髪碧眼の美女)
◇その他：この世界の教会の先代教皇(薔薇十字機関のマスター)
◇通称：
◇年齢：200歳以上(外見は20代後半の、金髪碧眼の美女)
◇その他：この世界の教会の先代教皇(薔薇十字機関のマスター)
取込主データ
◇呼称：結界機
◇通称：
◇取込ませたキャラ：
◇その他：
◇通称：
◇取込ませたキャラ：
◇その他：
シュチュエーション
生体ユニットとなった理由
この世界に蠢く旧世界の怪物『異獣ヴェルバー』たちの力を抑制するシステムである結界機…その起動には強い霊力/精神力を有する女性が制御ユニットとして搭乗し操る必要がある。ただし、制御ユニット役の女性の体力・精神力の消耗は決して軽視できないようである。
取込まれるまでの経過
ミーナ姫たちジャール王家への復讐をもくろむ現教皇マリア一派との勢力争いに敗れ、教会を追われた道尼バルセラは同志たちと共にかって『黒き聖戦』時代の人類が避難していた地下都市に身を寄せ、世の様子を見守っていた。バルセラはヴェルバーたちの動きを止めるために、同都市の結界機を自ら制御ユニットとなって稼働させ続けてきた。
『“―教母さまはお年を取りませぬ。不思議な事。
―張りと艶に満ちた柔肌、皺ひとつございませぬ。それに柔腰まで伸びたサラサラした感触の、白金色の御髪(おぐし)の見事さときたらもう…。
―その容貌女体の美、どう見ても二十代の乙女としか思えませぬ。“
身の周りの世話をする信者たちのそんなうっとりとした称賛の言葉が、結界機の水槽内で揺蕩い、祈りをささげる裸形の美女…バルセラの耳朶に蘇る。彼女は心の中で、それに答えるように呟く。
(いつまでもそんなわけにはいかないわ。)
結界機の水槽内で揺蕩いながら、教母は内心焦りを覚え始めていた。ともすれば、甘い快楽を伴う脱力感が肢体の内を走り、意識が遠退いてイク。並みの女の身であれば、間違いなくオーガズムに惑乱しながら意識を失うことだろう。
(我が身のことながら、よく持ちこたえているわね)
しかし、それも限界があろう。200歳を越える時の流れが、もう若くない身で娘達を産み、教え育て上げた母としての人生の疲れがその女体(からだ)を消耗させ、内側から蝕んでいる故に。
自分は本来は既に老婆の身。その強い霊力を駆使することで、肉体の表層部の老化を無理な方法で抑えてきた。
相手のヴェルバーの強さにも依るが、かっては余裕であった長時間の結界機の起動には、もうこの身体は耐えられなくなって来ている。
(昔は余裕で6時間近くも連続稼働出来たこの身体が、今では精々3時間半も経たぬうちにドクターストップがかかる有り様…)
強化薬の投与によるブースター効果で力を振り絞れば、いつもの数倍もの持続時間/効果も出せようが、それは自分の命を｢前借り｣するという事。一日分、いやそれ以上の生命力をほんの数時間の間に浪費する。
(このぺースだとあと3年後には…いや、強化薬を多用すれば“枯渇”まで1年も持たないわね)
結界力の行使による霊力の衰えでその抑えが効かなくなれば、衰弱の速さ…特に容色の衰えは、見る人の目を覆わしめる無残なものがあるに違いない。
その時にはかっての美貌はシワだらけになっている。髪は真っ白だ。彼女の血潮の熱は冷め、萎(しな)びた筋骨は皮下脂肪の脂身を喪う。年相応によろめき、肌寒さと間近に迫った死に震える老婆の裸身が脳裏に浮かぶ。
(そんな姿を親しい者たち、特に男の目に晒したくはないわ)
彼女はそう思った。
バルセラも自分が人々の前に立つ時間が、残り少なくなったと感じている。
ゆっくりしておれない。女である間に、しなければならないことがあるのだ。』
―劇中のモノローグよりー
いずれ力尽き、枯れ朽ちた老醜の身で死ぬ日を迎える自身の後継者として、彼女はクローンである娘ノエルを作り育成/教導し、後日に備えていた。
『“―教母さまはお年を取りませぬ。不思議な事。
―張りと艶に満ちた柔肌、皺ひとつございませぬ。それに柔腰まで伸びたサラサラした感触の、白金色の御髪(おぐし)の見事さときたらもう…。
―その容貌女体の美、どう見ても二十代の乙女としか思えませぬ。“
身の周りの世話をする信者たちのそんなうっとりとした称賛の言葉が、結界機の水槽内で揺蕩い、祈りをささげる裸形の美女…バルセラの耳朶に蘇る。彼女は心の中で、それに答えるように呟く。
(いつまでもそんなわけにはいかないわ。)
結界機の水槽内で揺蕩いながら、教母は内心焦りを覚え始めていた。ともすれば、甘い快楽を伴う脱力感が肢体の内を走り、意識が遠退いてイク。並みの女の身であれば、間違いなくオーガズムに惑乱しながら意識を失うことだろう。
(我が身のことながら、よく持ちこたえているわね)
しかし、それも限界があろう。200歳を越える時の流れが、もう若くない身で娘達を産み、教え育て上げた母としての人生の疲れがその女体(からだ)を消耗させ、内側から蝕んでいる故に。
自分は本来は既に老婆の身。その強い霊力を駆使することで、肉体の表層部の老化を無理な方法で抑えてきた。
相手のヴェルバーの強さにも依るが、かっては余裕であった長時間の結界機の起動には、もうこの身体は耐えられなくなって来ている。
(昔は余裕で6時間近くも連続稼働出来たこの身体が、今では精々3時間半も経たぬうちにドクターストップがかかる有り様…)
強化薬の投与によるブースター効果で力を振り絞れば、いつもの数倍もの持続時間/効果も出せようが、それは自分の命を｢前借り｣するという事。一日分、いやそれ以上の生命力をほんの数時間の間に浪費する。
(このぺースだとあと3年後には…いや、強化薬を多用すれば“枯渇”まで1年も持たないわね)
結界力の行使による霊力の衰えでその抑えが効かなくなれば、衰弱の速さ…特に容色の衰えは、見る人の目を覆わしめる無残なものがあるに違いない。
その時にはかっての美貌はシワだらけになっている。髪は真っ白だ。彼女の血潮の熱は冷め、萎(しな)びた筋骨は皮下脂肪の脂身を喪う。年相応によろめき、肌寒さと間近に迫った死に震える老婆の裸身が脳裏に浮かぶ。
(そんな姿を親しい者たち、特に男の目に晒したくはないわ)
彼女はそう思った。
バルセラも自分が人々の前に立つ時間が、残り少なくなったと感じている。
ゆっくりしておれない。女である間に、しなければならないことがあるのだ。』
―劇中のモノローグよりー
いずれ力尽き、枯れ朽ちた老醜の身で死ぬ日を迎える自身の後継者として、彼女はクローンである娘ノエルを作り育成/教導し、後日に備えていた。
取込まれてからの経過
主人公ジュムやミーナたち一行を都市に迎え入れるのとほぼ同時に、地下奥深くの巨大ヴェルバーが目覚めかけていたため、バルセラは老齢の身をおして結界機に入り力を振り絞る。しかし、巨大ヴェルバーの力は存外に強く、それを抑えるためにブースターを投薬したが、彼女の身体はもはや限界を迎えていた…ついにバルセラは結界機内で意識がブラックアウトし、ミーナや従者シャムニヒーらに裸のまま結界機から救助される。自らの死が間近に迫っていることを覚悟したバルセラは、後を託すミーナらに、世界の前史の秘密について語る。しかしその時…！
備考・考察・その他
掲載誌・出版社
角川書店
劇中描写
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バルセラは久しく忘れていた、女の性(さが)に目覚めた。
絶世の美女といわれたこの美貌の末路を、少なくとも自分を知る人たちに見せたくはない。しかし…』
―劇中のモノローグよりー
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