アルス×マリベル

少年アルスは少女マリベルの自宅に呼び出された。
マリベルの部屋にアルスとマリベル、二人っきりだ。
「悪いわね。今日はウチに誰もいないから、
 お茶とか何にも出せないのよ。」
「いや、別にそんなのいいけど……。」
「用件を単刀直入に言うわ。
 アルス。あんたセックスしたことある?」
「は!?……え?いや………な、ないけど…………。」
「私もよ。それじゃ、今から始めましょう。」
「はぁ!??な、な、ななななんで……!?」
「あのくそバカのガキ大将にバカにされたからよ。
 セックスなんて、たぶんそんなに難しくないわ!」
 あいつを見返してやりましょう!」

マリベルは服を脱ぎ始める。
ワンピースを脱ぐと、下着があらわになった。
マリベルはブラジャーを着けていた。
大人のお姉さんみたいなものをマリベルがつけているなんて。
アルスは興奮する。
鼻息の荒いアルスの凝視にマリベルも気づいた。
「ちょっと!!あんたも脱ぎなさいよ!」
慌ててアルスも服を脱ぎ始める。

全裸になった二人は向き合って、お互いの裸を見合う。
マリベルの胸は膨らんでいて、少し腰が細くなっている。
いつのまにか女性の体つきになっていた。
マリベルはアルスの股間に不審そうな目を向ける。
記憶にあった子供の頃のアルスのそれより、随分と急成長していたからだ。
アルスの股間はかなり大きく、斜め左上に向かって突き出ていた。
「あ、あの………、あんまり見ないでくれる……!?」
アルスはいきり立った下腹部を恥ずかしそうに隠した。

「さて……と……、まず何をすればいいのかしら?」
「あ………ええと、まず、キスからじゃないかな?」
「き、きす………?」
「うん。口と口を合わせるんだ。」
「そ、それくらい分かるわよっ!バカッ!!」

マリベルはアルスに近づく。お互いに顔は真っ赤だ。
「アルス、目を閉じて………!」
アルスは緊張しているのか、硬く目を閉じた。
マリベルはアルスの両肩を掴み、背伸びをしてアルスに自分の口を押し付ける。
「!!」
アルスはマリベルの柔らかな唇の感触に思わずうっとりした。
ふんわりとしたバラの香水の香りと、それと……女の子のにおいがする。
アルスは無意識の内に自分の舌をマリベルの口の中へ入れた。
アルスの舌とマリベルの舌が絡み合う。
「!!」
マリベルはアルスを突き飛ばした。
思わず両手で口をおさえてしゃがみこむ。
「ちょ、ちょっと!!何するのよっ!!」
アルスはマリベルに視線を落すと
彼女の股間に一気に視線が集中した。
しゃがんでいるため、マリベルのピンク色の秘部が丸見えなのだ。
アルスはごくりと唾を飲み込む。
彼の股間はさらに硬度を増してゆく。

彼女の秘部に釘付けになっているアルスを余所に、
マリベルはしゃがんだ自分の目線と同じ高さに位置する
アルスの局部をまじまじと見ていた。
「ね、ねぇ、どうしちゃったの……?それ……。
 昔はそんなんじゃなかったわよね。」
アルスはハッとして、手でそれを覆った。
「いや、あの……、今でも別に、いつもこういうわけじゃ……。」
「ね、触ってみてもいい?」
「え、あ、う、うん……。」
マリベルは立ち上がり、腫れ物を触るように
アルスの陰茎へ恐る恐る手を伸ばす。
指先が触れるとアルスの全神経はそこへと集中した。
「あっ……!」
アルスは快感に喘ぐ。
マリベルは陰茎を軽く握り、さする。
「意外に硬いのね?それに、温かい……。
 あ、ちょっと待って!………これデジャブだわ。
 あたし前にもこれ、触った気がする!」

アルスは少しショックを受けた。
自分は触られるのは初めてだというのに。
マリベルは以前、他の男の陰茎に触れたとでも言うのか。
「――――そうよ!鹿の角だわ!!」

アルスは固まった。
(鹿の………角………。)

「雄鹿の角は春先から秋にかけて、血液も神経も通ってて成長して伸びて、
 冬の間は、それがなくなって折れちゃうのよね!!
 確かにあたしが触ったのは夏だったわ!!
 あったかくて、硬くて、少し柔らかいのよ。」
「――――って、ちょっとあんた、聞いてるの!?」
「……………。」
男のイチモツを某偶蹄目に喩えられたアルスの心境は複雑だった。
「ねぇ、もしかしてあんたのも冬になったら
 ポキッと折れちゃったりするワケ?」
マリベルはケラケラと嘲笑う。
カチンと来た。
「お、折れるわけないだろっ!!」
アルスは顔を真っ赤にして怒号を飛ばす。
マリベルはめずらしい彼の態度に圧倒されかけるが、
慌てて応戦する。
「何よっアルスのくせにナマイキねっ!!」
そう言うと、ぐいっとアルスの陰茎を強く握る。
「あぅっ……!」
アルスは情けない喘ぎ声を出した。
そして、マリベルがその握った手を奥、手前と交互に動かす度に、
動きに合わせてアルスは何度も喘いだ。
「何?もしかして、気持ちいいの……?」
「う、あぁ…うん………。」
アルスはだらしなく口を開け、目も虚ろになっていた。
そのまぬけな表情がマリベルを少し苛立たせる。
アルスは快楽の混じった声色で呟く。
「ねぇ………、舐めてくれないの……?」
「は?
 舐めるって…………何を?」
アルスは目線を自身の股間へと移して視線でマリベルに指し示す。
「――――――は!?
 あんた何、言ってるの………!?」
マリベルの手の動きが止まった。
「だって、ここっておしっこが出てくるところでしょ?
 汚いじゃない!」
マリベルの意見は最もな意見ではあるが、しかし……、
「そんな汚いモノ、このあたしが舐めるわけないでしょ!?
 ばっかじゃないの!」
アルスは少し傷ついた。
マリベルはアルスの陰茎からぱっと手を離した。
「もう止めよ、止め!
 さっさと本番やって終わりにしちゃいましょう!」
そう言うと、頬を紅く染めたマリベルはさっと床に腰を下ろし、両足を広げた。
大胆なM字開脚である。
「セックスなんて、花の受粉みたいなものでしょ?
 いわば、おしべとめしべみたいなもんだわ!」
たしかにマリベルのそこは図鑑で見た蘭の花弁によく、似ていた。
たしかに、そうなのだが――――
(下手すると子供が出来ちゃうってこと、マリベルは判ってるのかな……?)
アルスはこの件に関しては、キーファやら本などで
色々と情報を与えられていた為、マリベルよりずっと知識は豊富だった。
アルスが心配していると、マリベルが痺れを切らす。
「ほら、早く入れなさいよ!」
「う。うん……。」
アルスはマリベルの両膝を抱え、自身の先端をマリベルの穴に押しつける。
しかし、一向にアルスは中に入ってこない。
「ちょっと!何モタモタしてるのよ?」
「だって!濡れてないから入らないよ!」
「濡れてないって………何が?」
「だからマリベルの………ここが。」
アルスは真っ赤な顔をしてマリベルの秘部を指差した。
「………濡らすって、水で濡らしてくればいいわけ?」
「違うよ。」
「じゃあ何なのよ!?知ったかぶりでテキトーなこと言ってたら、
 タダじゃおかないからね!!ったく、アルスは何やってもグズなんだから!!
 情けないったらありゃしないわ! ちょっとは男らしいとこ、見せなさいよ!」
マリベルの罵倒にプツッとアルスの中の何かが切れた。
自制心と欲情と男のプライドとマリベルに対するいたわりの気持ち、
様々な感情が一気にぐにゃぐにゃになった。
アルスは突然、がばっとマリベルに覆いかぶさった。二人の目が合う。
「………じゃあ、今からオレが何をしても、マリベルは絶対に動くなよ?」
低く、強く、アルスが唸った。
「なっ――」
マリベルが言葉を発しようとしたと同時に耳に吐息が吹きかけられる。
「あぁ…っ!」
アルスはマリベルの耳と、うなじと首筋をむさぼった。
アルスはマリベルの香りに酔いしれていた。
女の子とは、こんなにいい香りがするものなのか。
「あんっ…あぁ……」マリベルは激しく身をよじらせる。
そんなマリベルの身体を力強く腕でおさえつけ、アルスは耳元で短く囁いた。
「動くなって言っただろ?」
アルスはマリベルの乳房に手を伸ばす。
まだ成長過程であるため、ほんの手のひらサイズだ。
「ぃ…いやっ……触らないでっ!!」
アルスの手の動きは止まらない。
両手で双方の乳房を激しく揉み解し、乳首を吸い上げる。
「きゃあっ」
女の子らしいマリベルの悲鳴にアルスはさらにいきりたった。
手の動きと吐息がますます荒くなる。
アルスはマリベルの体中を嘗め回した。
きめ細やかで柔らかい肌を、五感で全身に感じ取る。
「あぁん………っ……いやっ…やめてぇ……」
マリベルは力なく抵抗し、身をよじらせる。
その際に、無意識のうちに侵入を防ぐために閉ざしていた足をうっかり開いてしまった。
もちろんアルスはその隙を見逃さない。
「ひゃあぁ……っん……」
指で陰部を攻め始める。
刺激を与えれば与えるほど、愛液は際限なくあふれ出してきた。
もう、手にべったりとマリベルのそれが絡みついている。
充分だ。
これだけ濡れていれば、入る。
アルスは腰を上げ、勢いよくマリベルに侵入した。
「きゃあああぁぁぁっ!!」
マリベルは絶叫する。
アルスは快感に身を任せ、腰を振りつづけた。
不思議な感覚にとらわれる。
キーファの入れ知恵と本から得た知識。
確かに相当の前情報はあった。
しかし、自分の身体がどう動かせばいいか解っていたような気がするのだ。
これが生殖本能というやつなんだろうか―――。

そして、アルスは絶頂の寸前でそれを引き抜き、
マリベルのお腹の上で力尽きた――――。
ここは本能の赴くままではなく、キーファの入れ知恵に従った。
どくどくと精液が等間隔でマリベルの腹部へと飛び出していく。
陰茎はマリベルのものと思われる血で赤くなっていた。
呼吸が落ち着き、正気を取り戻すと、
アルスはマリベルの顔にようやく目を向けた――――。

驚いた。
マリベルの瞳には涙が浮かんでいる。
マリベルは泣いていたのだ。
「ま、マリベル……。」
「その………ごめん。」
「なんで謝るのよっ!!」
「元はと言えば……っく、誘ったのは…あたしなんだからぁっ……!!」
マリベルはびーびー泣き出した。
慌てて彼女を上から抱きしめる。
嫌がって突き飛ばされるかと思ったが、
マリベルはそのまま胸の中にうずくまって泣いていた。
泣きじゃくる彼女の頭を見つめながらアルスは困憊した。
女の子はまったくもって、よくわからない。
(大人になるって、大変なんだなぁ)
アルスはマリベルが泣き止むまで優しく頭をなで、抱きしめてあげるのだった。

おわり
2009年08月29日(土) 14:09:35 Modified by khiromax




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