シャルマナの想い

「ナムジン様……」
シャルマナは、ナムジンに救われて以来、淡い恋心を抱くようになった。
モンスターの恋心、とでも言うべきだろうか。
「ウホッ…ウホウホ!!(以降、台詞に吹き替えます)」
「あ、ポギー。あのね、私…、ナムジン様の事を思い出していたの」
「ナムジン良いやつ。シャルマナも気に入ってくれて、嬉しい」
「ええ。当然よ。だってナムジン様は、私の救世主なんですもの…。ぽっ」
シャルマナは恥かしそうに、両手を頬にあて顔を赤らめる。
「ぼくもお友達が出来て嬉しいよ」
突如、シャルマナは重い空気を持ち運んで真剣な眼差しでポギーに言った。
「私ね、ナムジンに恋をしちゃったみたいなの…」
それを聞いてポギーはポカンと口を開ける。
「えっ?こいって何?」
「とっても好きってことよ」
「ぼくもナムジンとっても好きだよ」
「その好きじゃなくって、友達以上に大好きってことよ。ゆくゆくは結婚したいの」
瞳をキラキラ輝かせてシャルマナは夢に陥るように浸る。
「えっ?人間と結婚??」
ポギーは驚く。
「恋愛に種別は関係ないわ!私は彼が愛しいのよ!!」
鼻をふんっと息を荒くし捲くし立てる。
「そ、そうかな?…そうだね。シャルマナは可愛いから大丈夫だよ」
彼の言うとおり、一応モンスターの中では一目置かれる麗しさがある。
もしかしてそのおかげで、人間の姿があんなにも綺麗だったのかもしれない。
「そ、そう?嬉しいわ。じゃあ、応援してね」
「うん。応援するよ」

その時、カルバドの集落で剣術の稽古をしていたナムジンは寒気を感じた。
「……ぞくっ…」
2009年08月29日(土) 14:52:02 Modified by khiromax




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