バニースーツ

「ね、ねえ、どうかしらテリー?」
そう言うとミレーユは、テリーの前でくるりと回転してみせた。
お尻についたうさぎのしっぽが、ふわりと揺れる。
そう、ミレーユはバニースーツ姿をテリーに披露していたのだった。

「へえ…ふぅん…それで明日のベストドレッサーコンテストに出る気なの?」
「ええ。みんながこれ着て出れば優勝間違いなしだって。
 優勝経験者から見て、どうかしら?」
テリーは心底呆れた顔で言い放った。
「姉さんはそのコスチュームにどんな意味があるかわかって着てるの?」
「えっ…意味って…?」
ふう、とテリーはわざとらしく溜息を漏らし、きょとんとした姉の手首を掴み
ベッドに引っ張った。
そしておもむろに自分のベルトを外すと、ミレーユの手首のカフスに通し、
さらにベッドの柵状の飾りに留め、彼女の自由を奪った。

「まずこのカフスだけど、こうやって簡易拘束具として使えるようになってるの。
 もちろん簡単に抜けることは可能だけど、そうして欲しいって自分で意思表示
 してるようなものなんだから、逃げ出すのはルール違反だよ?」
「う…うん…」
理解の範疇を超えた展開の中、唐突に「ルール」を提示され混乱したミレーユは、
すっかり弟のペースに飲まれてしまった。
手首を拘束されたままうつ伏せの姿勢でベッドに寝かされる間、抵抗らしい抵抗を
見せる様子もない。
「そのままの姿勢でお尻を上げて」と言われると、暗示にかかったように素直に従った。

「女性がお尻を振って歩いてたら、男を誘ってると思われても仕方ないよね。
 姉さんにもそれくらいわかると思うけど…」
「…ひゃうっ!」
突然お尻を弾くように撫でられ、ミレーユは思わず声を上げてしまった。
「このうさぎのしっぽはさ、お尻の動きを強調して見せるためについてるんだよ。
 今の姉さんみたいに、ちょっと震えてるだけでも、
 お尻を振って誘ってると勘違いされるから」
「そ、そんなつもりは…!」
だがテリーは容赦なく、ミレーユのお尻を弄んだ。
「ヤダ…くすぐったいよテリー…もうわかったからいいでしょ…?
 こんな姿勢恥ずかしいよ…」
「全然良くないよ、姉さん。まだ何もわかってないね。
 そのうさみみが何を意味してるか知ってる?」
テリーは意地悪く質問を投げかけたが、ミレーユが口を開くのを遮るように、
耳元で囁いた。
「…動物の交尾みたいに後ろから犯して下さいって意味だよ」
ミレーユの顔が一気に青ざめ、何か言葉を発しようとしたが、それは自身の喘ぎに
よって掻き消された。
「…んっ…ぁ…」
先ほどまでお尻を撫で回していた手が、するすると秘部に伸び、バニースーツ越しに
刺激を与え始めたのだ。

「…はぅん…イヤ…お願い、やめ…んん…」
姉のいやらしい声に満足げな笑みを浮かべながら、テリーは更に指を激しく動かした。
「仕方ないよ、こんなにくっきり割れ目まで浮き出てるし。
 誘ってるとしか思えないよね」
「んんっ…!…だ…駄目ぇ…!」
言葉とは裏腹に、ミレーユは恍惚とした表情を浮かべ、与えられる刺激をすべて
快感として受け止めようとするかのように意識を集中していた。
不意にテリーの指の動きが止まったとき、洩れた吐息に明らかな落胆の響きが
滲んでしまったのも無理はなかっただろう。
快感を貪っていた自分に気付き、ミレーユは気まずそうにテリーから目を背けた。

だがテリーは強引にミレーユの視界に割り込み、更に言葉を続けた。
「それに姉さんはパンティストッキングタイプじゃなくて、
 ガーターベルトタイプの網タイツを履いてるじゃない?
 これは着衣のまま犯して欲しいって意味になるから、
 姉さんは物凄く淫乱なんだと思われちゃうね」
「ちゃくい…って…?」
「つまりこういうことだよ」
そう言うと、テリーはバニースーツのクロッチ部分を乱暴にずらし、自身のモノを
ねじ込んだ。
「…いやぁっ! 痛いっ! やめてぇ…!」
ミレーユは絶叫して体を捻り、逃れようとしたが、両手を拘束された不安定な体勢では
それもままならない。
「フフ…姉さんは処女だったんだ…それじゃ痛いよね…
 でも姉さんのバニースーツは黒でしょう?
 血で汚れてもわかりにくい色なんだよね…
 だから、処女でも容赦しないで好きにして下さい、
 ってサインだととられることが多いんだよ」

テリーは後ろから包み込むように覆いかぶさり、優しく呟いた。
「大丈夫、僕はちゃんと姉さんが気持ちよくなるようにしてあげるから」
そしてゆっくりと、前後に腰を振り始める。
痛みに耐えかねたミレーユが、苦しそうな喘ぎを洩らすたびに、首筋に優しく口づけた。

ミレーユの喘ぎ声が、再び甘く隠微なものになるまで、そう時間はかからなかった。
「…んんぁあっ…ひぅうっ! テリー…ぃ…」
「…処女なのにもう気持ちよくなってるなんてやっぱり姉さんは淫乱なんだね…
 ふ…んん…僕もそろそろ限界かも…」
テリーは腰の動きを速め、激しく打ちつけたが、もはやミレーユからは苦痛の色は
微塵も感じられず、淫らな声が激しく響くばかりだった。
「…ああ…そういえば姉さんはシルバートレイを持っていないよね…
 シルバートレイはね…精液をそこに出してくださいって意味なんだよ…はぁあ…
 だから持ってないと…その辺の男達に中出しされちゃうよ…こんなふうにさぁ…っ!…」
「…やん…っ…ああっ!…んんあああああっっ!!」
ミレーユが絶叫を上げたのと、テリーがミレーユの中に精液を放出したのはほぼ同時だった。

「…わかった?」
ミレーユをいつもの服に着替えさせると、まるで手を焼かされてばかりの保護者のような
口調でテリーは言った。
「…明日は光のドレス、銀の髪飾り、ガラスの靴…でいいのね?」
「うん。僕が持ってるうつくし草も全部あげるから」
そしてテリーは後ろからミレーユを抱き寄せ、鏡越しに覗き込んで囁いた。
「今度新しいコスチュームを試すときも、必ず僕に相談してからだよ?」
まだ顔の火照りがひかないミレーユは、一層顔を赤らめ、恥ずかしそうに頷いた。
2013年08月07日(水) 23:43:19 Modified by moulinglacia




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