リュカの日記 37

もしリンクスなら、と僕は近づいたがすぐに攻撃をくらった。
みんながそれを見て反撃に出ようとするのを押さえた。
「ちょって待って、僕に考えがあるんだ。」
と。
すると、
「何言っているんですか、ご主人さまは教われたんですよ。」
とピエールが心配してきて、
「ホイミ。」
と、回復してくれた。
すぐにぼくは荷物からあるものを出した。
ビアンカからもらったリボンだ。
小さいリンクスによく付けていたためこれならわかってくれるか、と思いリンクスに投げた。
するとしばらく嗅いだあと僕に飛び掛かってきた。
デボラやピエール、ガンドフはすぐに倒そうとしたが、すぐに異変に気付いた。
キラーパンさーは僕の顔をなめ回すだけで攻撃をしてこないからだ。むしろ甘えているようだ。
僕には懐かしく久しぶりの感覚だ。そして僕の考えは間違っていなかった。
「あはは、リンクスこそばよいよ。」
と、ぽかーんとする仲間たちをよそ目に僕達はじゃれ会った。

そしてみんなに事情を話し剣も回収して、僕達は村に帰ることにした。
帰る間に、
「ふーん、それは楽しそうな体験ね。で、他には?」
と、リボンのことから始まりデボラにビアンカとの子供時代の話を根掘り葉掘り聞かれた。
「あ…あのー、まぁ昔のことだし…もうよくない?」
と、なだめようとすると、
「そうね…まぁ私はあんたと今からたくさん作ればいいんだからね。わかったわ。あ、ちゃんと私をそのお化けの城に連れていくのよ。」
と、いい、
「それと、昔のことだからあれこれ言わないけど、私以外の女との思い出がある場所が他にもあるならきちんと私も連れていくのよ。」
対抗心ばりばりながらもなんとか妥協してくれたようだ。

そして村に帰ると、待っていたのは村人の冷たい目だった。
村長の家で、
「あんたらぐるじゃったんかのう?あんな狂暴な魔物と歩くなんて。」
「最初からこれが狙いだったんか?よかったな、思ったとおりになって。」
など、僕らの仲間にリンクスが入ったことにより僕達が仕組んだ事件となったらしい。
居たたまれなくなり僕達は夜も遅かったが、村を出て野宿することを決めた。
そんな落ち込んでる僕に、ピエールは
「仕方ありません。まだまだ私たちは風当たりが強く共存という道は難しいのですから。」
といい、ホイミンは、
「そうですよ。ごしゅじんさまや奥様がわかってくれてるだけで十分うれしいですし、この村の娘一人かどかわ…」
というとこで僕はホイミンの口をひっぱった。
ガンドフは肉球のある手で僕をなでてくれ、スラリンは励ますように僕のまわりではしゃいでくれている。
そんなとき、
「ちょっと元気だしなさいよ。」
と、デボラがやってきた。あまり元気が無く、
「あぁ。」
と、味気ない返事をすると、
「大丈夫よ。村の人はああいってるけど私たちはリュカのことわかってるし、それに私はリュカのこと永遠に信じてるからさ。」
と、優しく抱き締めてくれた。
「あ…えと…あ、ありがとう。」
と、照れながら答えると、
「ホント仕方ない小魚ね。」
といい、軽くキスをして、
「ほら、明日はやくポートセルミに戻りたいんだからさっさと寝ましょ。」
と、馬車のなかに戻ることにした。

デボラや他のみんなは疲れからかすぐに寝た。僕は今日記を付けている。
何だかんだで新婚生活はうまく行っている気がする。
今晩はリンクスと久しぶりに一緒に寝よう。
明日はどんな日になるかな。
2009年08月29日(土) 14:31:51 Modified by khiromax




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