無題 7@Part12

アリアハンの勇者オルテガが死んでどれほどの年月が流れたであろうか…
世界は魔王バラモスの猛攻により滅びの道をまっしぐらに堕ちていた。
オルテガには妻がいた。
アリアハンでも指折りの美しさで知られ男達の注目の的であった。
夫を失ってからというもの、オルテガの妻は貧窮した家庭事情の中
なんとか経済的に立て直そうとついにはその肉体を男達に売り凌いでいた。
オルテガが死んだときまだ年端のいかない一人息子残されていたからである。
以前から彼女に目をつけていた男達はこれ幸いと近隣の村々からもわざわざアリアハンを訪れ
その美しい未亡人の肉体を僅かな金と引き換えに貪りつくした。
夫を失い生活の糧を失った美女には男達の欲望の餌食になる以外みちは無かったのだ。
夫との誓いを果たすため、妻は懸命に男達の性奴隷となり生活費を稼いで息子を立派な若者へと育て上げた。
ついに成長したオルテガの息子が父の後を継ぎ、アリアハンの若き勇者として魔王討伐に旅立つ日を迎えた。

母に起こされ、今日ついに初めて登城し王に謁見する勇者。
高鳴る胸をどうにか落ち着かせながら若き勇者は母連れられ城門の前までやってきた。
母に見送られ一人城の中へ入る勇者。
ついに王様の許可をもらい亡き父の敵討ちに出向くひがやってきたのだ。
これまでの母の厳しい特訓を思い出しながら込み上げる思いをこらえ王の間に案内された。

ひざまづいた若者を前に国王は心にもない言葉をかけた。
王「よくぞ来た! 勇敢なる オルテガの息子よ!」
内心勇者の再来などあてにはしていなかったのだ。
王「父の後を継ぎ旅に出たいというそなたの願いしかと聞き届けた!魔王バラモスを倒してまいれ!」
アリアハン一とうたわれた勇者オルテガですら適わなかった魔王討伐、それがこんな若造に可能なはずはなかった。
だがくだらないと思いつつも王はどうしてもこの若き勇者の相手をしなければならなかったのだ。
このアリアハンの国王もまたオルテガの妻の肉体に溺れた男の一人であった。
彼女を秘密裏に城に呼び肉欲に浸る快楽の日々…
もはや10年あまり続く関係、その間にもちろん女は歳をとってしまったが
それでも今なおその美貌は男を魅了し続けているのだ。
そしてほんの数ヶ月前、突然その愛人に王は脅しをかけられた。
この禁断の関係を一人娘にバラすと…
王は青ざめた、大事な娘にだけは知られてはならない。
そして女の言う事を聞くはめになったのだ。
女は言った、一人息子に夫と同じく「勇者」の称号を王直々に与えるよう、
そして十分な武具とお金を与え魔王討伐に盛大に旅立たせるよう。
王は二つ返事で承諾し、その日から一人娘には魔王が危険であるからと言い聞かせ
城の奥から一歩も外に出さないよう厳重な警戒をしいたのだ。

王「町の酒場で仲間を見つけこれで装備を整えるがよかろう」
王の合図を受け兵士の一人が大きなずた袋を若い勇者の前に引きずり出した。
国王からの贈り物に勇者は感激に震えながら恐る恐る袋をあけた。
いったいどんな武器・防具が入っているのだろうか、魔王を撃ち滅ぼすため王から直々に与えられる武器、
今まで木剣や棍棒での剣術修行しかしたことがない勇者はドキドキしながら中を覗き込んだ。
勇者は言葉を失った…あまりの武器の豪勢さにではない、
入っていたのは王家に伝わるという伝説のバスタードソード…などでは無く、
そこらへんの武器屋に普通に転がっている古ぼけた銅の剣が一本と
家にいくらでもある棍棒が2本にヒノキの棒が1本、
そして鎧や盾などみあたらず、しわくちゃの旅人の服が2着押し込まれていた。
武具は自分で買いに行けという事か…
納得してお金の袋を、さぞ大金が入っているだろうと期待してあけてみると50G?
これでは薬草も満足に買えない。
王「国の財政は貧窮しておるがわしからの心ばかりの贈り物である大事に使ってくれ…母上にはくれぐれも内緒でな」

王に激励の言葉をいただき、勇者はとぼとぼ帰路についた。

王「これで約束は果たした、文句はあるまい。
  だいたい国王を脅すなどもってのほか、あの女め…いずれ国賊としてひっとらえる必要があるな」
大臣「ははっ…」
王「むふふ…やつは奴隷じゃ、わし専用の肉便器として使ってやる」
そうなれば毎日毎日犯り放題である。
股間をいきり立たせながら妄想にふける国王であった。

仲間を求め多くの旅人が立ち寄るというルイーダの酒場にやってきた勇者。
2008年12月27日(土) 19:56:24 Modified by test66test




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