勇者×ローラ 943@Part13

あの時牢の中に見た姫の美しかったこと。

姫様がドラゴンにさらわれたとの噂を聞き、俺は洞穴を探索した。
王から直接依頼された訳ではない。
勇者と呼ばれることへの一応の使命感と、興味だった。

当時の俺には過酷な道中だった。
やっと辿り着いた先にいたドラゴンも、火は吹くわ力は強いわで、俺は何度も瀕死になった。

そのむこうに、ローラ姫がいた。

整容ができないため、人間らしく垢や泥で汚れている。
だが、その本来の美しさは瞬時に俺の心に焼きついた。
おそらく姫も。

「ローラ姫ですね?」
俺は確認する。
「はい…」
姫は恐る恐る答える。
まだ魔物とも人とも知れない俺を伺っている。
長い間こんな所に閉じ込められていたので当然だ。
助かったという現実も疑っているのだろう。
俺は自分のことを話した。
魔物の親玉を倒しに行っていること、あなたを助けに来たこと。

確信に至るまで。
お互いに好きだということまで確信してしまった。

俺は姫を抱き上げた。
互いに心も体も求めあっていた。
美しい姫が、俺の腕の中にいた。

俺は姫を抱いたまま、村に入る。
意を確かめるまでもなく、疲れてもいたので宿屋に直行する。

眠っている姫をベッドに下ろす。
こんなに安心して眠るのも久しぶりだろう。

目覚めた姫と俺に、恥ずかしいような、互いに見とれあうような不思議な空気が流れた。
俺は風呂に入る。
旅の途中に贅肉というものがなくなったことに気付く。

俺が部屋に戻ると、そそくさと姫が風呂に出る。
ここまでに交わした言葉はたった幾つかだった。

風呂でアカを落とした姫は輝くばかりに美しかった。

「わたしと寝る覚悟はありますか?」
俺は尋ねた。
答えはわかりきっていた。
言葉は交わさずとも、互いに惹かれ合う。
こんなことが本当にあるのだな…。

姫は嬉しそうに頷く。
洞穴で自分を抱き上げてと言った時より深く、しとやかに。

重ねる唇に抵抗はない。
淡い乳輪、小さな乳首。
可愛い人の、きれいな体。
高貴な方だということさえ忘れさせる、熱情。

泳いだ腕を俺は押さえつける。
重なる肌に胸は高鳴る。
意外に豊かな胸を、指や舌で確かめる。
自然と吸ってしまうのが男の本能というやつか…。

股の間の茂みをかき分ける。
指が滑り落ち、入り口がみつかった。

入り口はそこで止まっている。
入れそうで入れない。

「姫…入りますよ」
俺は前置きしておく。

俺は体を起こして、先っぽをあてがう。
突っ込めばよいのは分かっていたが、愛しい人の悲鳴が遮る。
それでも突っ込めるような男は鬼畜ではないか。

あてがいながら、再度体を重ねる。
重いだろうな…。
唇など顔まわりをゆっくりと愛撫していると、姫が貫通を求める。

姫の体に侵入したかった。
腰に力を入れた途端、姫が悲鳴をあげ、俺の腕や背を強く掴んだ。
生暖かい感触が俺の芯を伝う。
これが女性の中か…。

何度か動いたあと、果てた。
近くなったようなこの感情は何だろう。
姫は子犬のように俺の腕に甘える。
色んな話をした後、どちらからともなく眠った。

翌朝、宿屋の主人に冷やかされたのも良い思い出だ。


俺に男の喜びを教えてくれたあなた。
俺と一緒にいる為だけに、国を捨てたあなた。
子を為し、共に新しい国を作りましょう。
あなたのことは一生俺が守ります。
いま我々がいるこの世界が百年も二百年も平和でありますように…。
2008年12月27日(土) 19:45:38 Modified by test66test




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