マリーのガードが僅かに下がった。
――今だ。今度こそ決まってくれ。
テリーはそう願いを込め、己の右の拳に勝負を賭けた。
「バーンナックルゥ!!」
テリー必殺の一撃。
――が。
蒼白い気を右拳にまとって猛烈に突進するテリーを、マリーは眉一つ動かさずいとも簡単にいなすと、
そこから流れるような動きで己の両脚をテリーの右腕に絡めた。
コマンドサンボ十八番の腕ひしぎ十字固め。
「幾ら我武者羅に突っ込んできたって無駄よ。あなたの必殺技はこのあたしには通用しないわ。
コマンドサンボの真髄、とくと味わわせてあげる」
テリーの腕を極めながらマリーはそう言うと、まるでテリーの反応を楽しむかのように徐々に両手両脚に力を込めた。

「がっ!!ぐっ!!うう!!」
ぎしぎしと悲鳴を上げながら右腕がきしみ、夥しい脂汗がテリーの顔から流れた。
「グット?グット?痛いでしょ?ほら、頑張って逃れてみなさいよ?」
唇を三日月に吊り上げ、マリーは一層力を込める。
「ぐああああ!」
柔軟かつ強靭なマリーの筋肉は、テリーが加える力を物ともせず、テリーの右腕をひしぎ続けた。
「そ〜れ。イッツ、デストロ〜ィ」
マリーが愉快げな声を上げると、
ボキッ!
テリーの脳裏にこびりつく音を立て、呆気なく右腕はへし折られた。
「があああああああ!!!」
絶叫し、のたうちまわるテリーを見下ろし、マリーは小馬鹿にするように笑った。
「情けないわねえ?女の子に腕を折られてのたうちまわって。男の子は痛いの我慢しなさいって、
お母さんに教わらなかった?」
激しい屈辱感に襲われながらも、激痛の前に何も言い返すことが出来ないテリー。
テリーよりも遥かに小柄でありながら、マリーは驚くべきパワーとスピードを併せ持っていた。
そして精密機械のように確実に極め、折る、その恐るべき関節技の数々。
全てにおいてテリーの適う相手では無かった。
だが、このままおめおめと無様な姿を晒す訳にはいかないのだ。
「くそっ……たれが」
必死に痛みを堪え、テリーは何とか起き上がる。すると、マリーは突然テリーから離れるように駆け出し、
距離を取ると、いきなり背中を向け、ジーンズからはち切れんばかりのその大きな尻を突き出した。
「ヘーイ!カモ〜ン!」
あまりにもテリーをなめ腐ったマリーの挑発。
その瞬間、テリーの中で何かが切れた。

「なめるなああああ!」
咆哮すると、テリーは激怒の全感情を無事な左腕に込め、手負いの野獣の如くマリーに突っ込んでいった。
先程より遥かに敏速、かつ強烈なバーンナックルだった。
がしかし、マリーの驚異的なスピードはそれすらもいなすと、またも腕ひしぎ十字固めで左腕を極めた。
「フフッ。学習能力のないお馬鹿さんなんだから。その技は無駄だってさっきも言ったでしょ?
頭の悪い坊やにはお仕置きをしないとね」
ブロンドのショートカットを魅惑的に振り回し、マリーが甘い声を漏らすと、
バキッ!
さながら紙細工のように、テリーの左腕は粉砕せしめられた。
「ごおっ!ぐごっ!」
もはやのたうちまわる力もなく、うずくまりぴくぴくと震えるテリーだが、真の地獄の始まりはここからだった。
「もうギブアップ?こんなのじゃ、この前倒したギースの方がまだましだったわ。でもね……」
言うと、マリーはテリーの横に屈み込み、テリーの首に両腕を巻き付けると、思い切り締め上げた。
頬に触れるリンスの香りの金髪も、鼻腔をくすぐる汗の入り混じった甘くほのかなマリーの体臭も、
そして痛い程押し付けられる豊満な胸の柔らかさも味わう余裕などなく、
テリーの顔面は苦悶の赤からノックアウト寸前の蒼白になった。
「ハハ〜ン。こんなグラマーな胸を目の当たりに出来て天国でしょ?お楽しみはこれからなのよ」
マリーはそう言うと、テリーを痛ぶるのは片手で十分と言わんばかりに、右手を離し、左腕一本で締め続けると、
自由になった右腕をテリーの股間へと当てがった。
「人間の性欲ってのは正直ねえ。顔は苦しんでても、ほら、おチンチンはこんなに硬くなってる」
マリーは刺激的な笑みを浮かべると、器用にテリーのジーンズを下ろし、露わになった巨大な一物を思い切り握り締めた。

「うぐぁっ!ああっ!」
顔面と股間から襲う二つの激痛。
だが、股間の方には奇妙な快楽も入り混じっている。
相反する二つの感覚に、テリーの顔は火照り、何とも形容し難い表情を作った。
「痛みでイッちゃうのと、おチンチンでィっちゃうのどっちが先かしら?」
「や、やめてく……」
「だ〜め、だ〜め」
惨めたらしく哀願するテリーの様を、心底楽しむように、マリーは左腕により一層の力を込め、
またそれとは逆に、左手は這わせるように優しくテリーの一物をしごいた。
「あひいいいいいい!!」
天国と地獄のパワーゲーム。
苦痛と快楽の激しいせめぎあいの末、やがて快楽が苦痛を飲み込み、テリーの一物からまばゆい白濁色の液をほとばしらせた。
「あ〜ら、あら。忍耐力のない男。こんなに一杯精液出しちゃって」
男としての尊厳を踏みにじられ涙目になり、恥辱に身悶えするテリーだが、
マリーはまだ地獄から解放されるのを許さない。
「アハッ、な〜に泣いてんの?まさかあんたこれでお終いだとでも思ってるんじゃ無いでしょうね?
ウッフ〜ン、本当のお楽しみはこれからよ」
瞳を妖しく光らせ、ぺろりと唇をなめるマリーに、テリーは悪魔を見た。
マリーはテリーを解放し、起き上がるとやおらタンクトップとジーンズを脱ぎ始める。
そして既に逃げる力さえないテリーの上に覆い被さった。

「あたしのコレは疲れ知らずよ」
マリーは豊かな形の良い乳房をテリーの胸板に押し当てると、
剥きだしになった薄紅色の秘所を勢いよくテリーの一物へと押し込んだ。
「はあああ、はああああああ」
「ん、んふっ!いい感じ。チンカス男でも女をイかせるのだけは一人前ね」
マリーが激しく腰を振る度にテリーの一物はマリーの膣内を暴れ回り、
さっき出たばかりだというのに、止めどなくなく精液が流れた。
くちゅくちゅ。
射精と、胸板をゴム鞠のように跳ねるマリーの乳房と、両腕の激痛の三重苦。
体力、精力共にテリーは最早限界寸前だった。
「あん、あん。もっとちょうだい」
だが、マリーの進撃は止まるところ知らない。
更に腰使いを荒めると、
ぶちゅぶちゅ。
どこにこれだけ溜まっていたのか、溢れ出した精液がマリーの秘所を再び満たした。
「はん、はん。いいわ、いい。……ん、あれ、こいつ、何時の間にかおネンネしちゃってるわ」
快楽のエクスタシーと共に、テリーの意識も既に彼方へと飛び去っていた。
「よっと」
仕方なくマリーは腰を上げると、ジーンズを履き、悪魔の微笑みを眼下に伏した哀れな敗北者へと投げ掛けた。
「グッドナ〜イト、テリーさん。弟さん同様、あなたも中々の食べ心地だったわ」
その後、マリーの餌食となったアンデイ兄弟が逃げるようにサウスタウンを後にしたのは言うまでもない。

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