「・・・・・・で、・・・・・・レスリング・・・・・・対決・・・・・・・・・」
前日の寝不足がたたり、うとうとしていた耳に、体育教師の声が
切れ切れに聴こえていた。
「・・・・・・じゃあ、神野くん!」自分の名前が呼ばれ、差し出された紙袋。
反射的に袋の中の紙切れをとると、「篠崎美香」と書いてある。
「はい、神野君の対戦相手は篠崎さんに決まりね」
にこにこする女性教師の顔を、狐につままれた表情で眺めていると、
背中を叩かれた。
「和行くん、苛めてあげるからねぇ〜」
悪戯っぽくささやく美香に、「何のこと?」と聴くと、
「ふふ・・・とぼけちゃって・・・私の専門のレスリングの相手よ・・・」
とたんに、耳半分で聴いていた教師の言葉がよみがえった。――やばい・・・――

美香とは、中学に上がった時からの付き合いだ。同じクラスで、勉強も出来、
広末涼子に似た雰囲気の容姿にも恵まれ、幼稚園から始めているレスリングのお陰で、
運動神経も抜群である。
「和行くん、勝負してみない?」
挑発的に美香がレスリングごっこに誘うたびに、
拒否してきた僕にとって、ついに逃げられない状況になってしまった。
本当は、高校1年生にしては十分に発育した肢体の美香と闘ってみたいという欲望を、
懸命に押し殺してきた僕はいま、美香に押さえ込まれる自分の姿を想像し、
股間が熱くなるのを感じていた。

実際、小学校・中学校と男女の区別の無い大会で、美香はことごとく男子選手
相手にフォール勝ちをおさめていた。美香の肢体の下で、股間を膨らせながらもがき、
ブリッジを繰り返し、蠢く男子の姿を、僕は何度も見ていたのだった。
小・中学校の段階では、女子選手のほうが体格的にも勝り、圧倒することも
あるのが、レスリングという競技の不思議さである。

「篠崎さんは経験者なので、20カウント、神野くんは
10カウントで相手をフォールすれば勝ちです。時間は5分、いい?」
先生がルールを告げる。
女の子にハンディをもらう屈辱感をこらえながら、僕は黙ってうなずいた。
「それでは、膝立ちになって組み合って・・・・・始め!」
美香の手を組み、押し倒そうとするが、動かない。逆に、首に手を回されて、
袈裟固めのような体勢であっという間に、押さえ込まれてしまった。
「くっ・・・・・・」
もがく度に、美香の胸に顔を押し付けられる。
「あっ・・・・・・」
たまらずブリッジした股間に違和感を感じた瞬間、
美香の太ももが割って入り、擦りあげているのが、肩越しに見えた。
「なっ・・・・・・ああっ・・・!」
自然に声が漏れてしまう中、対戦前からすでに半立ち状態だった股間が、
スパッツ越しに刺激され、みるみる大きくなっていくのが感じられた。
「ふふ・・・和行・・・女の子に押さえ込まれて、気持ちいいの?」
耳元で囁きながら、体勢を移行させ、僕の顔を太ももではさみこみながら、
「先生、早く・・・カウント!」
と余裕の要求をする。





「1・・・・・・」「くんっ・・・あっ」
懸命にブリッジし肩をあげると、
「男の子の意地って、可愛いよね・・・。でもこうしたら、どうかな?」
美香は、ぐいっと僕の足を脇に抱えると、えびのように丸めこみ、足先をマットに押し付け、
さらに、足の裏を指でくすぐる。身動きの取れない屈辱的なフォール。容赦ないカウントが入る。
「1・・・2・・・3・・・・・・4・・・」
自由の奪われた下半身を蠢かせるたびに美香の背中に勃起した股間が擦れ、
何ともいえない快感に襲われる。
「く・・・ああ・・・・ん・・・!」
「ギブアップ? 和行くん?・・・」
「あ・・・ノー・・・」
レスリングにギブアップはないはずだが、挑発的な美香の問いに思わず答える僕。
生徒たちは、美香の大胆な押さえ込みに、大きくざわめいている。

「・・・・・・6・・・7・・・8・・・」
「く・・・あ・ああっ」
「どう? 参ったする?」
美香の指が、勃起した股間に伸び、周りに見えないように下から指先でくりくりとくすぐり始めた。
「あ・・・誰が・・・女なんかに・・・」
「ふうん・・・そう?」
美香が、さらに体重をかけて押さえ込みながら、股間の先を爪先で摩擦する。
「あ・・・あああっ・・・あ――っ・・・!」
美香の悪戯に、ひとたまりもなく、僕はスパッツの中に射精し、
発射のたびに何度も全身が勝手にびくびく痙攣を繰り返す。
そのたびに、美香はわざと押さえ込む力を強めながら、敏感になっている股間の先端を
細い指先を何度も繰り返し行き来させる。経験したことのない快感が、フォールされてい
る現実を考える思考能力をすっかり奪い去っていた。

「・・・18・・・19・・・・・・20・・・!」
先生が無情にホイッスルを鳴らす中、
「あたしの勝ち・・・ね・・・あの瞬間の顔・・・超可愛かったよ・・・!」
美香は誇らしげな顔で、囁くと、ゆっくりと体を外し、立ち上がった。
先生が美香の腕を掲げている間、僕は余韻と疲労で、しばらく横たわって動けなかった。 

END

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