「ガアアアッ!!」
風貌だけで相手を威圧できそうな鋼の肉体を持つ大男、STEELは、対戦相手の美女に襲いかかった。
「馬鹿ね、まだ力の差がわからないのかしら?」
美女はSTEELの一撃を難なく避け、背後に回りこむと、STEELの首に両手を掛け、その勢いのまま前方にジャンプした。
ズダァァン!!
STEELの体がリングに叩きつけられる。
「グアッ!!」
美女の名前は、CARLAといった。
真っ赤なボディコンスーツとハイヒールに身を包んだ、ウェーブのかかったロングヘアーに
キリッとした顔立ちの知性を感じさせる女性だった。
このクラブでは、リングの上で闘うのは男の専売特許だったはず。
STEELはその中でも無敗を誇り、クラブの顔役の一人だった。
しかし、CARLAはリングに上がってきた。
「あなた強いんですってね。でも、私に勝てるかしら?」
大きくはだけた胸元からのぞく胸の谷間に金のネックレスを挟んだ美女の姿に、
クラブ中の男の視線が釘付けになった。
体格差だけを考えると、STEELがCARLAに苦戦する余地などあるはずがなかった。
だが、STEELは、
「あなたが勝ったら、今夜私を好きにしていいわよ。勝ったら、だけどね…」
と言い放った美女に太刀打ちできなかった。

「ほら、立ちなさいよ…まったく、見かけ倒しってあなたのことね。」
倒れたSTEELを、CARLAが強制的に立ち上がらせる。
「フフフ、じゃあ、これで終わりにさせてもらうわね。」
CARLAは、立つのもやっと、といった様子のSTEELの胸元を掴んだ。
「いくわよ…」
CALRAがパチ、とウィンクし、妖艶な仕草で投げキッスをした次の瞬間だった。
「!?」
STEELの顔を、猛烈な平手打ちが襲った。
パン!パン!パン!パン…
「ウガァァ…!」
大きな胸を揺らしながら、二発、三発と凄まじい速さで平手打ちを放つCARLA。
胸こそ大きいが、ボディコンスーツに包まれた彼女の肢体は、細身で無駄な肉など一切ない、
魅力的な女性のそれだった。
そんな細身の美女に胸ぐらを掴まれ、ひたすら平手打ちを喰らうSTEEL。
「うふふ、女のビンタって、痛いでしょ?」
CARLAは最後にSTEELの腫れ上がった横っ面を思いきりバチン、と叩き、
パッと胸元から手を放した。
そしてそのままクル、と半回転し背を向け、腰に手をあて余裕の表情のままSTEELを見る。
最後の一発で横によろけ、あまりの痛みに顔を押さえるSTEELの姿を確認すると、
再び優雅にSTEELの方へ向き直し、タッと走り出した。
筋肉に包まれたSTEELの体を膝からタン、タンと駆け上がり、大きくジャンプする。
垂直にその美脚を振り上げると、スキだらけのSTEELの後頭部に勢いよき踵落としが放たれる。
「さ・よ・な・ら♪」
「ウァァァ…」
ズガァァン!!
STEELがスカートの中の下着を確認した次の瞬間に、彼はリングに叩き付けられた。
彼は、痙攣しながら、そのまま立ち上がることはできなかった。
着地したCARLAが踊るように一回転し、大きな仕草で再び投げキッスをした。
そして倒れたSTEELに腰をくねらせゆっくり近づき、モデルの様な立ち方でみおろす。
「Nice try,baby…最後にいいモノ見れたでしょ?」
細身の美女に完敗したSTEELはその後二度とそのクラブ近辺に足を向けることはなかった…

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