女は、食い物とばかり思っていた。
少なくとも、RAZORにとって、今まではそうだった。
だが、今は違う。
その「女」に、一方的に攻撃されている。
バキィッ!
「ぐうッ!」
彼女の細く長い脚がRAZORの顔面に直撃した。
顔から血が飛び散る。
「あら、パンツ見えたからってそんな興奮しないでよ。エッチねえ…」

勝てば金も名誉も手に入るはずの、とあるクラブの地下プロレス。
あまりの強さと凶暴さに、相手がいないほどだったRAZORの今の相手は、DEJAと名乗る
どう多く見ても20代前半の、ブロンドの髪が美しいスラブ系の女性だった。
肩と背中のはだけたタイトなワンピースがスタイルの良さを強調し、その容姿は可憐さと妖艶さが
同居した、とにかく美人である。
白いブーツが脚の長さと美しさをより際立たせている。
その美女が、RAZORを一方的に打ちのめしていた。

続けて、2発、3発とDEJAの美脚がRAZORを襲う。
おそらく2倍以上の体重差があるだろう屈強な大男を、彼女は子ども扱いしている。

「このアマァ!」
RAZORも負けじと反撃する。
渾身の右ストレート。
だが…
「ね〜え、それで攻撃してるつもり?」
RAZORのパンチは、DEJAの細腕にあっさり受け流された。
そのままRAZORの懐の入り込み、アッパーカットを放つ。
ズバァ!!
「うガッ!?」
「あら、痛かった?私、まだ本気なんて出してないのにね。それにしても、その立派な体は
 何のためにあるのかしらね。フフフ…」
ヨロヨロと構えるRAZORを嘲笑すると、DEJAはRAZORの膝を踏み台にしてトンッ、と高くジャンプした。
そして、思い切り開脚し、ワンピースのスカートの中をさらけ出したかと思うと、RAZORの顔を太ももで挟み込んだ。
立ったまま若い女性の股間を感じるRAZOR。
「ウグググ!?」
女性特有の柔らかさを感じた次の瞬間だった。
DEJAは、その体勢のまま、RAZORの顔を左右の拳で殴りつけた。
バキィッ!
「ガハッ!」
太ももの温もり、股間の芳しさ、そして拳の痛みが同時に顔面を刺激する。
ベキィ!ガスッ!
RAZORの顔がさらに赤く染まっていく。
ズバッ!ボゴォ!!
執拗に拳を放つ美女。

「そーれっ!」
殴りながら少しずつ体重を前に掛けていき、耐えられなくなったRAZORが背中から倒れた。
ズダァァン…
ヒップドロップの形で、DEJAの全体重が彼女のヒップからRAZORの顔面に伝わり、さらに痛めつけた。
「あ、あ…」
顔を押さえ、悶絶するRAZOR。
RAZORとは対照的に、汗一つかかず、綺麗な顔を保ったままのDEJA。

「もう…やめてくれ…」
「だーめ☆」
倒れているRAZORの顔を、横から思い切りサッカーボールキック。
鈍い音と共に、RAZORの巨体が吹っ飛んだ。
もう、RAZORに意識はなかった。

そんなRAZORに近付き、楽しそうに見下ろすDEJA。
「どう?あなたが馬鹿にしていた女の強さ、わかっていただけた?」
もはや意識の無いRAZORに、自分の肢体を見せ付けるようにして言った。
「これが、あなたが負けた女のカラダよ。大きいだけのあなたと違って、キレイでしょ?なんてね…」

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