其の他の神々
墓標を造る慣習を持たないアトナシカ人の伝承においてウルトゥカ(オェル=トェガ)は「全ての者の墓なる母」と呼ばれる。アトナシカ人は人が死ぬと草原のどこかに埋葬し、その上に草を植え形跡がわからないようにする。また、その位置を意図的に記録せず、記憶しない。彼らの文化における「墓参り」は故人の亡くなった時期に地に伏し、真下、つまり大地の中心に向けて祈るという形をとる。そこには祖先から続くあらゆる死者が居るとされる。
砂に沈み現存しない王国、その遺跡であるピッラミドの碑文には「『世界の中心である母』が、土を砂に変えて我らを呑みこんでいる。止めることはできない」という文がある。この碑文を刻んだ者は王国が滅んだ原因をオェル=トェガの不興を買ったため、と認識していたようだ。
この地の神話において、巨大な女王蜂の姿をした存在として描写されている。地球は巨大な蜂の巣の上に地殻や海をかぶせたもの、とされ、その中心には「女王蜂なる神」が居るという。国宝でもある墓標船「サンシャイン・ピラー」は「女王の針」と呼ばれている。
国祖カロシュシャッキ?をはじめとする、ダナス川の各部分や支流を司る河川神の兄弟が「大地の中心の女神」に求婚する説話が知られている。この求婚神話はダナス川流域全体に存在している。
ハムサプア(ホモ・サピエンス)などの異世界起源種族が魔術師から資源として狙われていた迫害時代の黎明期に現れた「始祖なるスミス」は、オェル=トェガと契約し、「大地の中心」から切り取った岩塊を招き寄せた。彼はこれらを削り、民なる種族を護る石像を千体つくって、各地に配置したという。
大地の中心から分かたれ地上に出された岩塊に各異界起源種族の血をふりかけたとき、オェル=トェガは彼等もまたこの大地の民であると認めたとされる。
大地の中心から分かたれ地上に出された岩塊に各異界起源種族の血をふりかけたとき、オェル=トェガは彼等もまたこの大地の民であると認めたとされる。
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