ゆらぎの神話百科事典

かつてはその多くが空の有翼人であった。しかし彼らはスロデ神群に滅ぼされ、僅かな生き残りは世界中に散逸した。
彼らの受難の歴史は終末思想へと結びつき、やがて失われた聖地【黒い底無し沼】をいずれ来たる死後の理想郷、アレをその主と見倣すようになる。

彼らにとって死とはアレの身許に赴く事の出来る至福の時である。彼らは大空魔殿エクリーオベレッカで最後を迎えることを無上の喜びとし、死期の近い敬虔な者は進んで城内へ入り込むという。
これは貧困による棄老の合理化という側面もある。

向日葵の民は日に一度礼拝をする。これは空を周回する神造衛星であるエクリーオベレッカの方角に向けて行われ、城の移動にあわせて少しづつ向きを変える。そのように礼拝する姿が猫の国の伝承に語られる「常に太陽を見続ける性質を持つ獅子」、向日葵に例えられてこう呼ばれるようになった。