PINKちゃんねる-エロパロ&文章創作板「依存スレッド」まとめページです since2009/05/10

作者:3-195氏

彼女はぷくんとした唇にそれを運ぶ。桜貝のような爪で大切そうにつまみ、赤い舌でちろりと舐める。
その光景をみるのが僕は好きだ。
「そんなに好き?」
「うーん。それは難しい質問だな、ツトム君」
ブレザー姿の小柄な少女は小さく首を傾げながら、名探偵のように言った。
年頃の男女が放課後の教室に二人きり。だが僕らの間には緊張感はない。
「中毒なんだよ」
「中毒?エリカが?」
エリカの口から出た物騒な言葉に驚く。

「チョコレート。食べ過ぎだもん私」
「自覚があるなら、食べなきゃいいだろ」
再びチョコレートを口に運んだエリカは、指を舐めながら僕を見つめた。
思わずドキリとする。
「それが出来ないから、中毒なの。正しくは依存っていうらしいけど。」
「ふーん」
エリカがチョコレートを食べる姿に再び僕は魅とれてしまう。
「ツトムはないの?」
ぼんやりしていた僕は、唐突な質問に頭が追いつかない。
「何が?」

「だから、ツトムは何かに依存してる?」
――している。
だが僕は笑って答えた。 「してないよ。それよりそんなに食うと太るぞ」
机の上の箱からチョコレートを取り出し、口に放り込もうとした。
「あ、ダメ!最後の一個なのに!」
ツンと唇を尖らすエリカがかわいくて、余計にからかいたくなる。
「いいだろ一個くらい!エリカのケチ」
「ケチじゃないもん」
エリカは僕に飛びつき、手で口を塞ごうとした。
さっきまでエリカが舐めてた指が僕の唇に触れる。 甘いコロンの匂いと触れたエリカの柔かさに、僕はチョコレートを落とす。


――僕は依存している。 幼なじみという心地よい関係に。友達より近くにいられ、家族にも似た信頼を築けるこの居場所に。
エリカに恋人が現れても、結婚しようとも、僕らの関係は変わらない。
僕らは「幼なじみ」なのだから

彼女はぷくんとした唇にそれを運ぶ。桜貝のような爪で大切そうにつまみ、赤い舌でちろりと舐める。
その光景をみるのが僕は好きだ。
そのために僕は幼なじみであり続ける。たとえ心が悲鳴を上げても。

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