PINKちゃんねる-エロパロ&文章創作板「依存スレッド」まとめページです since2009/05/10

作者:3-843氏

「おにーちゃん、ななのカバンどこー?」
「おいおい……昨日自分のベッドに引っかけたの忘れたのか?」
「あ、そうだった。てへ」
「てへじゃねぇよ、てへじゃ。まったく、これで4月から一人暮らしって言うんだから呆れちまうぜ……」

 妹・奈々からの電話につい3ヶ月ほど前の事を思い出した。
 妹は4月から大学生。実家から通うには多少厳しいので、大学の近くにアパートを借りて
一人暮らしを始めた。
 俺は実家から通える範囲の大学だったので、実家住まいのまま。
 1ヶ月くらい持つかなとは思ってたんだが……甘かった。
 まさか、3日でSOSが出るとは思わなかったぜ……。

 とりあえず自分の愛車を飛ばし、妹の下へと向かう。

「で、今日はどうしたんだ?」
「えとね、やっぱね、ななね、ひとりじゃダメなんだ。おにーちゃんといっしょがいい!」
「おいおい……一人暮らしするってなったとき大丈夫って行ったのは誰だ?」
「だってぇ〜……おにーちゃんがいない暮らしがこんなに辛いなんて思わなかったんだもん……」

 それもそうだろう。修学旅行以外で俺が家を空ける事は滅多にないし、空けてもせいぜい4〜5日くらい。
 その修学旅行にしても、妹となぜかタイミングが被ってる事が多く、妹は一人にならない事が多かった。

「ったくもう……だから俺は実家から通えるところにしろって言ったのに……」
「だってぇ〜私の学力じゃお兄ちゃんの大学なんて無理だよ〜」

 まぁ、それもそうか。進学校でしかも学年でトップクラスだった俺とは異なり、妹は赤点の常習犯。
 とても近所の俺が進んだ国立のK大には行けるわけがない。

「でもよぉ、他にあったろ?F女子大とか、K産大とか」
「え〜、お兄ちゃんと同じ医者になりたいのになんでそんな大学行かなきゃいけないの?
 ななの夢、おにーちゃんと一緒に手術室に入る事なんだよ〜?」

 そう、タチが悪い事にこいつも医者志望。
 国立K大の医学部に落ち、F大の医学部にも落ち、結果少し遠いがK大に合格したのだ。

「別に医師じゃなくても手術室で手伝いできるんだぜ? 看護師でも、技師でも」
「いーの!ななは助手としておにーちゃんの手伝いするの!」


 こうなったら手に負えないのがうちの妹。
 これは俺が医学部志望を出してからの年中行事と言ってもいいだろう。

「で、どうすんだ?諦めて実家帰るか?」
「おにーちゃんこっから通って」

 その瞬間、俺は危うく飲みかけのウーロン茶を吹くところだった。

「バカ!こっからK大までどんぐらいかかると思ってんだ!」
「ん〜と……1時間半ぐらい?」

 ちなみに妹は実家からここまで2時間かかる。俺は実家から1時間弱でつくが。

「ななより近いからいいよね」

 本気で頭を抱えようかと思った。

「金曜授業終わってから実家帰って、月曜の朝また学校に行けばいいんじゃないのか?」
「え〜。めんどくさい〜」
「ちったぁ我慢しろよ……」
「無理無理〜。おにーちゃんのいない生活なんて、ななには考えられない〜」

 ……

 疲れた。もういいや。

「分かった。親父と話してくるから、しばらく我慢してろ。ったく〜……」
「ありがとうおにーちゃん〜」

 ふと俺は室内を見渡す。
 明らかにたまってる洗濯物。ゴミ。使った形跡すらないキッチン。

 ……このまま放置したら絶対こいつヤバいなと思った。


       ◇


「じゃ、また来るからな」

 おにーちゃんが帰った。
 それを見届けたアタシは、布団の中から写真を取り出す。
 大好きな、おにーちゃん。
 おにーちゃんの写真で毎晩オナニーしてる。
 寝てるおにーちゃんのベッドに忍び込んで、キスしたこともある。
 おにーちゃんの目の前で下着でウロウロしたこともある。
 気づいてないだろうけど、ななすっごくもてるんだよ?みんなすぐ振ってるんだけど。
 そんなななの初恋の人、それがおにーちゃん。
 
 洗濯だって料理だって人並み以上には出来るけど、あえてやってなかった。
 だって、そうすればおにーちゃんがななの面倒を見るって事で来てくれる。
 ママには悪いけど、バカななながおにーちゃんと一緒にいる為に必要な事。
 お願いおにーちゃん、ななの願い、叶えて。
 ななね、おにーちゃんと一緒なら、それでいいの。
 それが、ななの願いだから。

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