浸潤性小葉癌
浸潤性小葉癌 Invasive lobular carcinoma
1） 概念
乳癌取り扱い規約の分類において悪性腫瘍の浸潤癌の項目に特殊型として分類。
2） 診断
最近では増加の傾向が認められる。
癌細胞が乳腺の構造を破壊せずびまん性に浸潤するため、診断は困難。
その触診所見においては、腫瘤というよりは「硬結」と表現されることが多い。
マンモグラフィではスピキュラを伴なった腫瘤陰影や局所的非対称性陰影、構築の乱れを示すにとどまることが多い。
腫瘤を形成するものは硬癌、びまん性なものは非浸潤性乳管癌や乳頭腺管癌、との鑑別が必要。後方エコーが欠損ないしは減弱することが多い。
MRIは術前の広がり診断に有効。
画像所見による診断は困難。病理学的診断によることが多い。
3) 再発形式
特異な血行性転移についての報告が多い。消化管、婦人科器、尿管、腹膜・後腹膜、副腎などがよく知られている。
4） 治療方針と治療の実際
早期のものは通常の浸潤癌と変わらず、乳房温存治療の適応となる。が、切除断端陽性例が有意に多い。
術前・後の化学療法は、アンスラサイクリン系を含むレジメンやタキサン系薬剤、trastuzumabが使用されている。
ホルモンレセプター陽性例に対しては、内分泌療法が行われる。
5） 予後
一般的な浸潤癌よりもやや良好。ただ、急激な経過をたどるものも報告されている。
晩期再発、対側発生、消化管・婦人科臓器など特殊な再発形式があり、十分な注意をもってフォローを要する。
1） 概念
乳癌取り扱い規約の分類において悪性腫瘍の浸潤癌の項目に特殊型として分類。
2） 診断
最近では増加の傾向が認められる。
癌細胞が乳腺の構造を破壊せずびまん性に浸潤するため、診断は困難。
その触診所見においては、腫瘤というよりは「硬結」と表現されることが多い。
マンモグラフィではスピキュラを伴なった腫瘤陰影や局所的非対称性陰影、構築の乱れを示すにとどまることが多い。
腫瘤を形成するものは硬癌、びまん性なものは非浸潤性乳管癌や乳頭腺管癌、との鑑別が必要。後方エコーが欠損ないしは減弱することが多い。
MRIは術前の広がり診断に有効。
画像所見による診断は困難。病理学的診断によることが多い。
3) 再発形式
特異な血行性転移についての報告が多い。消化管、婦人科器、尿管、腹膜・後腹膜、副腎などがよく知られている。
4） 治療方針と治療の実際
早期のものは通常の浸潤癌と変わらず、乳房温存治療の適応となる。が、切除断端陽性例が有意に多い。
術前・後の化学療法は、アンスラサイクリン系を含むレジメンやタキサン系薬剤、trastuzumabが使用されている。
ホルモンレセプター陽性例に対しては、内分泌療法が行われる。
5） 予後
一般的な浸潤癌よりもやや良好。ただ、急激な経過をたどるものも報告されている。
晩期再発、対側発生、消化管・婦人科臓器など特殊な再発形式があり、十分な注意をもってフォローを要する。
2006年12月29日(金) 16:09:01 Modified by kawaharaf