≪Fate/XXI≫
「さあ、最後の願いをいってみろ!」
『前回の連載とは関係の無い、新連載を始めてみろ!!』
「よかろう、かなえよう。Hail 2 U!(君に幸あれ!)」
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第4次聖杯戦争。
1990年代、冬木の町で行われた、魔術世界の大儀式。
その中で、衛宮切継の夢は挫折し、言峰綺礼は本当の自分を見出した。
ウェイバー・ベルベットは主君を失い、ケイネス・エルメロイは全てを奪われた。
雨生龍之介は歓喜の中で血に沈み、遠坂時臣は裏切りに気付くことなく死を迎え、間桐雁夜は少女を救えずに散り消えた。
それが結果。だが、世界は一つではない。
無数の異世界が存在する中、別の過程を辿った第4次聖杯戦争を一つ、これから語ろう。
その第4次聖杯戦争が、既に語られた第4次聖杯戦争と異なる点は無数にあるが、良くに目立つ点は二つだろう。
まず一つは、
「貴方が私のマスターでありましょうか」
「………そ、そうだ。ぼ、僕がお前の、マスターだとも!」
「わかりました。ここに契約は成立しました。このディルムッド・オディナ。マスターのために必ずや聖杯を手に入れて見せましょう」
ウェイバー・ベルベットが召喚したサーヴァントが、騎兵ではなく槍兵であったこと。
だが、それはもう一つに比べれば、まだ些細な変化であろう。
もう一つは、第4次聖杯戦争最大の特色に関わることだった。
第4次聖杯戦争の特色。それは、『王』と呼ばれる英雄が3人も召喚されたことにあるだろう。
一人は『騎士王』。人としての正義と道理に重きを置く、騎士の中の騎士。自己を律して犠牲に捧げ、誇りを胸に歩む者。ただ他者のために尽くし、己を殺し報いる者。
ゆえに彼女は、『騎士王』。
一人は『英雄王』。人類史上に残る、最初の英雄。最古の王。すべての宝具を持つ彼は、すべての英雄の力を持つに等しい。常人の域を超え、英雄の域さえ超える者。
ゆえに彼は、『英雄王』。
一人は『征服王』。熱き滾る血のままに、世界を駆け巡る挑戦者。もっと遠くへ、もっと高みへ、夢を同じくする者と、どこまでもどこまでも走る者。
ゆえに彼は、『征服王』。
本来、3人であった王。だがそこに、もう一人の王が召喚された。
彼は悪の帝王。他者を救わず、法も定めず、弱者を踏み躙り、自分だけのために生きる者。誰にも心を許すことなく、忠臣の死にも涙することはない。それでいて、多くの者が彼を求め、彼に従い、命を尽くす。
この王をいかなる名で呼べばいいのか。
多くの悪を惹き付ける『魅了王』か。
悪人の心を救う『救世王』か。
勝利して支配することのみを満足とする『支配王』か。
悪の中の悪としての『邪悪王』か。
それとももっと簡単に『魔王』とでも呼ぶか。
だがここでは、こう呼ぶことにしよう。
世界を手にすることができる力を持つ者。
すなわち『世界王』。
その日、彼は召喚された。タロットの大アルカナ、『XXI』―――21番目の力を背にし、新たな闇の神話を紡ぐために。
≪Fate/XXI≫
「私と友達にならないか――?」
……To Be Continued
「願いをかなえるとキッパリ言ったばかりだったのに………スマンありゃウソだった」
「………前の2つはな」
「3つめの……第3の願いだけは本物だ………かなった………」
2011年04月02日(土) 00:47:08 Modified by ID:rY45VbvXSw