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嘘予告『運命の石』




 それは何気ない日常から始まった。
「アルクェイド、明日一緒に出かけないか?」
「何何?どこか連れてってくれるの?」
「有彦からチケット貰ってさ、期限が明日までなんだ」
「へぇー、チケットって何のチケット?」
「イタリアの有名な若手彫刻家の作品の展覧会さ」

 二人の男が出会う時

「芸術ってあまりわからいけど、凄い作品だな…」
「ありがとう、誉めてくれて嬉しいよ」
「貴方は?」
「この作品の作者さ」

 運命の石が転がり始める

「それじゃあ、知り合いが呼んでいるので…」
「ああ、君と話せてよかったよ…」
「俺も楽しかったです。それじゃ、また」
「…そうか…石は今度は彼を選んだか…」

 平穏な日常を侵食する奇妙な非日常

「なんだ?この石?」
「…!、志貴!それに触れないで!」
「アルクェイド!一体どうした!」
「わからない…わからないけど志貴がアレに触れちゃ駄目!」

 石に刻まれるのは逃れられない死の運命
 
「これは…俺!」
「随分と悪趣味ね!」

 今度の相手は自分自身の死の運命

「なっ!?線も点も見えない!」

 再び出会う二人

「あれはあんたの仕業か!」
「あれは自分ではどうしようもない力なんだ」
「あの形は一体どういうつもりだ!」
「あれはぼくの意思じゃない、あれは君の運命の形なんだよ…」

 そして聞かされる衝撃の事実
「あの石に触ったら…死ぬ?」
「今すぐあの石をどうにかしなさい!さもないと貴方が死ぬことになるわよ…!」
「あれはどうしようもない力なんだ…我々はみんな『運命の奴隷』なんだよ、それがぼくの『ローリングストーンズ』の示す意味なんだ」

 この世の全てに死を与えられる男は己の死の運命と対峙する

「俺は…まだ死ねない…!」

『殺人貴は転がる運命をも殺せるか?』

「君がこれからどんな苦難の道を歩くかはわからない、無事を祈ることはできないが、君が『眠れる奴隷』であることを祈っているよ」
2010年04月11日(日) 12:24:42 Modified by ID:P58hRsZsNg




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