日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼台湾陸軍のM109A2。

▼台湾陸軍のM109A5。


性能緒元(M109A2/A3)
重量24.948トン
全長9.129m
車体長6.193m
全幅3.15m
全高3.279m
エンジン8V-71T 液冷スーパーチャージド・ディーゼル 405hp
最高速度56.33km/h
航続距離354km
武装33口径155mm榴弾砲M185×1(36発)
 12.7mm重機関銃×1(500発)
装甲厚31.75mm(5083アルミ合金)
乗員6名

M109自走榴弾砲は、1952年1月にワシントンで開催された次世代自走榴弾砲に関する検討会議で提案された110mm榴弾砲と156mm榴弾砲を装備する軽量型自走榴弾砲にその源をたどる事が出来る。翌1953年には、開発案は陸軍の承認を受けて110mm榴弾砲搭載型はT195、156mm榴弾砲搭載型はT196という開発名称が付与された[1][2]。

1954年3月にはT195/196のモックアップが完成した。両車とも外観にはかなりの相違があり、想定重量はT195が17.3トン、T196が22.5トンと見積もられていた。共通点としては両者とも全周旋回式砲塔を搭載、砲の俯仰角は-10〜+75度、動力部はコンチネンタル製AO-628-1ガソリンエンジンとアリソン製XT-300変速機を使用して、76.2cm径の展輪と40.6cmの履帯を使用するという程度であった[1]。

しかし、1956年1月になってT195/196の開発に大きな影響を与える決定がなされた。既存の砲との弾薬共用の見地から、開発中だった110mm榴弾砲T203と156mm榴弾砲T202がいずれも開発が中断されるという通告がなされた[1]。この決定を受けて、T195は105mm榴弾砲T252を、T196は155mm榴弾砲T186E1(後T255と改称)に搭載砲を変更する事とされた。また戦車機関コマンド(OTAC)の提言を受けて、武装システム以外の車体やシャーシについては出来るだけ共通化することによりコスト削減に努める事が決定された。シャーシには5083アルミ合金を採用する事、M113兵員輸送車のサスペンションを採用する事なども同時に決められた[1]。

これによって開発は振り出しに戻ってしまった。改めてデトロイト戦車工廠によって試製車両の開発が進められ、T195の試製車両は1959年8月に、T196の試製車両は1959年2月に完成した。T195とT196はシャーシや砲塔の大半が共通部品によって構成されていたが、反動の大きい155mm榴弾砲を使用するT196は、車体後部に可動式の駐鋤を追加装備する事で射撃時の安定性を確保する設計変更がなされている。その後、足回りの改良やエンジンのディーゼル・エンジンへの換装が行われ、1962年から生産に入り、1963年7月にはT195E1(エンジン換装で名称が変更された)は軽自走榴弾砲M108、T196E1は中自走榴弾砲M109として制式採用された[1][2]。

しかし、アメリカ陸軍は1963年になって中/軽型自走榴弾砲を155mm口径に一本化するとの方針転換を行い、それによってM108は1963年までに生産された数百両をもって終了し、退役車両は友好国に供与された。M109は、アメリカ軍の主力中型自走榴弾砲の地位が与えられ、GM傘下のキャデラック自動車部門が1962年11月から生産を開始、その後1963年12月からはクライスラー社に生産が移行した[1]。

M109シリーズはアメリカ軍以外にも西側各国で採用され、現在も使用され続けているベストセラー自走砲となり、長い就役期間においてさまざまな改良型の開発が進められる事となった。主な改良型については下図を参照。

【M109バリエーション(米軍のみ)】[1][5]
M109最初の生産型。20口径155mm砲M126(射程は通常弾で14.6km、ロケット補助榴弾で23.5km。1962年から生産が開始され1969年までに2111輌が完成。
M109A1射程の延長を図って主砲を33口径XM185(射程は通常弾で18.01km、ロケット補助榴弾で24km)に換装。重量増加に対応したサスペンションの強化などが施されている。M109A1の名称は既存のM109を改造した車両に付与され、新規生産された車両にはM109A1Bの名が与えられた。
M109A1BM109A1規格で新規生産された車両に与えられた制式名称。M109A1との変化は無い。
M109A2部隊運用で得られた評価を反映した改良型。新型砲架の導入や弾庫の大型化などを図った。これにより搭載弾数は28発から36発に増加。1977年から1983年まで生産が行われ823輌が生産(生産数には異説あり)。
M109A3既存のM109A1/A1BからM109A2規格に改装された車両に与えられた制式名称。約2,000両が改装作業を受けたとされる。
M109A41970年代末に開発された寿命延伸型。NBC防護システムを搭載。砲塔旋回装置などにも改良が加えられた。1983年に試験が実施され、M109A2/A3から改修が実施された。
M109A51990年代以降の運用を可能とする能力向上型で、主砲と砲架の換装やエンジン出力の強化などが実施され、既存のM109の多くがこの改装を受けている。M109A5の39口径155mm榴弾砲M284は通常弾で24km、ロケット補助榴弾で30kmの射程を有する。
M109A6「パラディン」1984年から開発が開始され1990年に制式化。39口径155mm榴弾砲XM284(射程は通常弾で24km、ロケット補助榴弾で30km[7])を採用、砲弾搭載数は36発から39発に増加している。射撃統制装置や無線装置の近代化が実施され、装填補助装置の採用により発射速度を向上させると共に乗員を4名に減らしている。

この他、M109を採用した国々でも多数の改良型や派生型の開発が行われている。

台湾では、1980年代に入ってアメリカからM109A2の引渡しが開始され、1991年までに合計197両が供給されて既存のM108やM52といった自走榴弾砲との更新が行われた。さらに1990年代に入るとM109A5の供給が開始され1998年までに28両が台湾軍に引き渡された[4]。台湾軍ではM109の採用による砲兵戦力の近代化に積極的に取り組んでおり、現在M109A6の購入についての検討を行っている[6]。

【参考資料】
[1]PANZER 2000年9月号「特集-M109自走砲車の開発・構造・発展」(後藤仁/アルゴノート社)
[2]戦車名鑑-現用編-(後藤仁、伊吹竜太郎、真出好一/株式会社コーエー)
[3]台湾百種主戦装備大観(杜文龍編著/軍事科学出版社/2000年)
[4]The SIPRI Arms Transfers Database
[5]戦車研究所
[6]軍武狂人夢「台灣155mm輪型自走砲」
[7]Army Technology「Paladin 155mm Self-Propelled Howitzer -」

台湾陸軍

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