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或る捜査官と都市伝説


67 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 06:58:24 ID:aKCMG96Y

>避難所より転載。

ふらーり、どこかの誰かのせいでいつまでも全鯖規制中なので、
こっそりこっちに投下させてくださいな

ああ、もう永久に規制が解除されない気分になってきたですよ

こっちで書くのもなんですが前回(22スレ)は、
変な事書いたせいでお気を遣わせて申し訳ない

それはともかく、フェなの前提のだらだら小話です

ついうっかりチートな能力のオリキャラが数名出ています、お気をつけください



68 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 06:58:59 ID:aKCMG96Y

XV級艦内訓練施設に、黒が流れて金が舞う。

結露した空気中の水分子が、氷結し溶解し氷結し溶解し氷結した。
雷光が照明が魔力光が衝撃に、霧散する氷水片を百彩に染める。

 ― とぅるるるる…とぅるるるる……

そんな折、何処とも知れぬ、誰とも知らぬ念話が呼び出し音を鳴らしている。
がちゃりと音を立てて回線を繋ぐと、聞き覚えのない少女の声が、ことり。

 ― もしもし、私メリーさん、今あなたの後ろもぎゅ……ば、バインド!?

危ないところだった、気付かないうちにバインドトラップへと誘導されていた。
背中に感じる柔らかい感触で制動をかけて、中空を疾駆する義兄の姿を視界に入れる。

戦局を絡め捕られている、そんな感触が液状、染み広がるような不安に意識を湿らせた。

 ― もしもし、私メリーさん、なんかさっきから流れ弾げふ、いやもうゴファ

飛来する魔力弾を撃ち、払い、間合いを詰める手段を思索して、次々と打ち消しては思考。
何をやっても、どういうルートを使っても、一枚上をいかれる疑心が暗鬼を呼べば、ふと。

誰かに背中を叩かれた気がした。

ああ、この場に居るはずもないのだが、意識を湿らすそれは揮発油、何をしても無駄ならば、
懇意にしている修道女の顔が思い浮かび、飛翔した身体は爆発的燃焼に飛散する意識に追従する。

 ― もしもし、私メリーさ、ん、今あなたの膝あたりに引っかかってるのおおぉぉ!?

策よりも速く、付け入る隙の無いほどの単純に、
視界に映る最短距離を最高速で駆け抜けた。



69 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 06:59:30 ID:aKCMG96Y

『或る捜査官と都市伝説』



両手が塞がりがちであったので、人形を頭に乗せて映話を繋いでみた。

うろたえた小僧どもの如く、小宇宙を燃焼させたスーパーブロゥを受けたが如く、
画面の向こうで鼻腔より鮮血を迸らせながら、なのはが吹き飛んだのが少し前。

唐突に血溜まりに倒れ伏し、拳から親指だけ上げたエキサイティンぐーな教導官さんから、
何かな、この可愛い生き物は何ナノかなとかの独白が伝送されてきたのだけれど、無視。

その手前、シークレットザフィーラを穿いて映写機までの身長を誤魔化している愛娘に、
これがお土産だよとか言いながら、頭の上を指し示してみたのが、今さっき。

フェイトママ、似合ってる ―― などと言われても、どう反応すればいいのか。

せっかくなので、しばらくこのままで様子を見てみる事にする。


ぶらぶらと出歩く、XV級の居住区は無意味に広い。

行き交う人が何故か、微妙に癒された表情をしているのは何でだろう。
そういえば昔、頭に蒲公英の鉢植えを乗せていた時も同じような反応だった気が。

とりあえず、別任務で同乗していた元部隊長の私室へと訪れてみる。

そこに書類天衝、仕事に埋もれて伸びてる人間信楽焼きと、穏やかに寛いでいる暖房器具が居た。
正確には、ミッドチルダで最も狸スーツの似合う彼女と、冬場に有り難い遠赤外線シグナムだ。

「いぃ…まああぁぁ……心の中で物凄ぉ失礼な表現せんかったかああぁぁ?」

奈落の底より響いた呪怨もかくやという禍々しい声色、随分と聴牌し尽くしているらしい。
これは、医務室に連絡するよりも、寺生まれの武装隊員Tさんを呼んでくるべきかと一瞬考えて。

「相変わらず可愛らしいね、はやて、今度キミに似合う服を贈らせてくれないか?」
「うんうん、口説き文句ありがとうな、ちょっと何考えてたか正直に言うてごらん」



70 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 07:00:31 ID:aKCMG96Y

言われて考える、つまりはこれまでの思考を要約し一言で述べた場合。

「動物界脊椎動物門脊椎動物亜門哺乳綱ネコ目ネコ亜目イヌ上科イヌ科タヌキ属八神はやて?」
「長! 速! 滑舌の無駄遣い!!」

すぱこんと、部外秘ハリセンで叩かれた。
頭の上でのた打ち回る、呪い人形。

髪が巻き込まれて、地味に痛い。

「そんな事より、手が空いてるならこの書類やけど」

などと言いながら書類を差し出した手に、そっと自分の指先を重ねる。

「はやての奮闘を無守る事しか出来ないなんて、自分の無力さを痛感するよ」
「いや、手伝ってや」

「テスタロッサ、それでも私たちは最後まで見届けるべきだ、主の戦いを」
「いや、手伝おうや」

「そんな事より、この人形を見て欲しいんだ、これをどう思う?」
「すごく……間抜けや、てか人の話を聞く気がまったく無いし!!」

嫌だなぁ、お話は聞くものではなく、聞かせるものらしいよ。
などと口にしてみたら、はやての目つきが信楽焼きから、山猫のそれに変わった。

どちらにしても、狸に分類されるナマモノである事は言うまでもない。

「素直に手伝ってくれんと、なのはちゃんを揉みしだくで!」
「え、はやてのテクに翻弄されるなのはを、私が横から言葉責め、イイねそれ!」

「誰かこの斜め前向きな色情執務官を何とかせええぇぇぇ!」

悲痛に響いた主の叫びを、流石に見捨ててはおけないのかシグナムが、
湯気が衰え程よく冷めた、湯飲みの茶柱を眺めながら語りかけてきた。

「……あー、テスタロッサ」

なんか声に、やる気が無い。

「そろそろザフィーラを八神家に返せ」
「嫌だな、友達が困ってるのに見捨ててなんかおけないよ」

はやてが椅子から崩れ落ちた。

おそらくは、友情に満ち溢れた発言に感動したからだろう。
まあそれはともかく良い加減、素直に手伝ってあげない事もない事の話。



71 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 07:01:01 ID:aKCMG96Y

早速に何束か取り出して、適当に分類、シグナムにも押し付けた。
かりかりと、書類に何某かの文章を、書き込む音が部屋に響く。

「ごめんなぁ、今度何か埋め合わせさせてもらうわ」

「ええと、じゃがいもはよく洗って人参は」
「いやそれ、カレーの作り方やから、アウトやから」

「まったくだ、ルーのレシピを入れなければ枚数を稼げまい」
「ええと、ターメリック、サフラン、パプリカ」

「的確にサボんな、そこの二人」


飽きた。

「まあそんな事より、なのはがいかに可愛らしい奥様かという話を」

「あるぇ、脈絡も無く惚気がきましたよ奥様」
「主、私はまだ独身です」

打ち込み終わったレポートに摘要を書き込みながら、
作業能率を上げるために惚気たおそうとか考えると同時に、もう1枚。

セルに式を入れて抽出した数値を転記しながら、最近の休暇の思い出は。

「ええと、ザフィーラがフカフカだ」
「いや、のっけからなのはちゃん関係無いから」

帰ったら一番にやりたい事は、決裁印を借りてサインを書き込みつつ。

「早く帰ってザフィーラをモフりたいな」
「徹頭徹尾なのはちゃん関係無いから、ていうか本人聞いたら泣くから」

速読しながらサインを矢継ぎ早に記しつつ、流れてくる刺身に蒲公英を載せていたはやてに、
現場の見取り図を作成しながらお湯を沸かしていたシグナムがフォローを入れてくれる。

「甘いですね主、行間にテスタロッサの、高町に対する深い情愛がこめられていましたよ」
「こもってないから! どっから聞いてもモフモフ動物王国やったから!!」

毛皮は良いものだ、心が洗われる。



72 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 07:01:32 ID:aKCMG96Y

そういえば私、何しにこの部屋に来たんだっけ。




「ていうか、今何時?」

いけない、書類の山を右から左に受け流しているうちに、時間の感覚までおかしくなってくる。



「時計によれば、午後13時だな」
なまたさう

「ざっと午前1時やね」

器用な時計だ。



気が付けば鶏が啼く。

またフェイトちゃんは不健康な、とか何とか言われそうな、無糖珈琲何杯目。

積み重なった書類も終焉を迎え、何人かが正体も残さず溶けきっている有様。
いつのまに巻き込まれたのか、シャーリィとティアナも床に伸びている。

時間的には朝方だろうか、なのはも自宅でそろそろ起きているころだろう。
ヴィヴィオがザフィーラに乗せられて、洗面台で顔を洗っているあたりか。

多分、フライバンの焼ける音とかを響かせて、健康的な朝を迎えている。

想うほどに、恋しく思えた。




73 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 07:03:38 ID:aKCMG96Y

(余談:丑三つ時あたり)



時間が多少遡る。

一人、また一人と蟻地獄の如く引きずり込まれては、決して抜け出る事の無い書類の地獄。
祝福の風とデバイスマイスターが巻き込まれ、上司を探していたチームFツッコミ担当も確保。

今、難攻不落を謳われていた紙資源の要塞は、数多の犠牲の甲斐あって確実に攻略されている。

 ― もしもし、私リカちゃん、今あなたの後ろに居るの

そんな折、気が付けば八神はやての目の前で、可愛らしい少女が楽しそうに念話を紡いでいた。
金色の執務官が頭に乗せている、呪い人形によく似た可愛らしい、まるで人形のような少女。

逡巡、周囲の書類処理要員たちに目をやれば、察しの良い執務官補佐は視線を逸らし、
その向こう、烈火の騎士と10年来の親友が、たゆんたゆんと揺れていた。

静寂の訪れた室内に、書類に何某か書き込むための音だけが響く。

凍りついた表情のまま、無言で、自らの胸元をぺたぺたと触る八神はやて、身長は低め。
一応としか言いようの無い柔らかい感触に、音に、そこはかとない絶望感が混入されている。

掴んだ、少女の頭を。

「だ、れ、が、両面背中やあああああぁぁ!!」

血涙を流しながら咆哮するその様を、後に烈火の将はこう語る。
曰く、主の右腕にフリッツ・フォン・エリックが宿っていた、とか何とか。

暫時、鉄の爪より解放された哀れな犠牲者は、意外に書類仕事が得意だったと人の言う。

(終)




74 名前: 或る捜査官と都市伝説 [sage] 投稿日: 2008/10/23(木) 07:04:23 ID:aKCMG96Y

あとがきー

 ― もしもし、私メリーさん、教訓を活かして貴方の背後100mあたりに、なにこの魔力球?
「――見つけた!」

なんか紆余曲折の末に難産した瞬間データ飛んで不貞腐れているところにマクロスFが最終回
(以下スレ違いすぎる話題20kb削除)で気をとりなおして紆余曲折の末のこんな話です

八神家の冷蔵庫が漁られる話が、どこをどうしてこうなったのか、自分でもわかりません
そんなところでー
2010年02月11日(木) 02:05:15 Modified by ami_solger




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