Wiki内検索
メニューバーA
タグ
11-471 28-206 28-342 28-519 304 428 458 47 532 6-502 913 aa gbhs4w75 mspuqpiv pluto ピチピチ ◆1gx5q3ma8y ◆34ietljps6 ◆6gzt0d6rrc ◆8giervnano ◆9oq0gi8lfs ◆gtd5kcksn. ◆jhf0qdqssc ◆k1m2.fa0dm ◆nna2fui0zk ◆okpddn8iwc すいもう すずか すずか×アリサ なのは なのは×ティアナ なのは×フェイト なのはフェイトの娘 はやて はやて×すずか はやて×カリム アギト アクエリアス アリサ アリサ×すずか アリシア アルキメデス アルフ ウーノ ウェンディ エイミィ エリオ エロ オットー カリム キャロ キャロ×フェイト ギンガ ギンガ×フェイト クアットロ シグナム シグナム×ティアナ シャーリー シャッハ シャマル シャマル×キャロ スバル スピノザ セイン セッテ チンク ティアナ ティアナ×なのは ディード ディエチ デバイス トーレ トーレ×セッテ ドゥーエ ドクター ナカジマ家 ナンバーズ ノーヴェ バルディッシュ フェイト フェイト×なのは フェイト×ギンガ プレシア ヤンデレ ユーノ ユーノ×ロッサ ヨン◆h7y.esozi リインツヴァイ リイン初代 リンディ ルーテシア レイジングハート レティ ロッサ ヴィータ ヴィヴィオ ヴィヴィオ×なのは 或る捜査官 恭也 空気ブレイカー 高町家 鮫島 士郎 紫水 自作絵 修学旅行 宵月 八神家 非エロ 美由希 落ちはまだ未定 薔薇
最新コメント
最近更新したページ
フリーエリア

13-559

559 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:10:34 ID:GNzSHTUa
職人さんいない隙を狙う俺、参上。
なのヴィではやヴィでこっそりはやなの、フェイトさんがダメ人間まっしぐら
でも落としてOKかな?
9か10レスぐらい行くと思います。

562 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:21:09 ID:GNzSHTUa
んじゃ行きます〜。
ところどころ砂糖てんこ盛り。

563 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:22:30 ID:GNzSHTUa
2月13日・・・そう、バレンタインデー前日。
「さ、今年も頑張ってええもん作らんとな〜」
上機嫌で厨房に立つはやての姿がそこにあった。
そしてその光景を見つめる小さなシルエット・・・
「はやてに言うべきか言わざるべきか・・・でも間違ってもシャマルには頼めねぇし、はやて以外に頼める奴いねぇし・・」
ヴィータはチョコ作りに勤しむはやての姿を物陰からそわそわしながら見つめていた。
「ヴィータ、どないしたん?」
あっさり気付かれておずおずと前に進み出るヴィータ。
「あ、チョコはまだあげれへんよ?まだ作っとる途中やし、明日になったらちゃんとあげるからな、ええ子にしてるんやで」
「そうじゃないんだ・・・」
「じゃあ・・お腹空いたん?冷凍庫にアイスあるから食べてもええよ」
「そうでもなくて・・」
ヴィータは俯いたまま、はやての疑問を否定する。
「ん〜・・なんやろ、遠慮なく話してくれたらええで?」
「その、なんというか・・実は・・・・あたしにチョコの作り方教えて欲しいんだ!」
ヴィータの一言に驚いた表情を見せるはやて。
「ダメ、かな。いや、はやてが嫌ならいいんだ、忘れてくれ!」
「私、まだなんもゆうてへんけど・・・ええよ、材料もまだあるし、教えたるよ」
「ホント?」
ヴィータは俯いていた時から一転して目を輝かせて嬉しそうな表情になる。
「勿論や。じゃあ、まずチョコを湯煎するところから始めよか」
「はやて・・理由とか聞かないの?」
料理はもっぱらはやてかシャマルが担当していた八神家において自分が厨房に立ち、
さらに自分から何かを作りたいと言い出した事について何一つ訊ねないはやてにヴィータは疑問をぶつけずにはいられなかった。
「せやな。まぁ気になるけど、こういうのは誰にあげるか貰う時まで秘密にしてるほうがええもんや。
毎年あげる相手がバレバレな私が言っても説得力あらへんけど」
「いや、はやての分はちゃんと用意するよ!」
「私の分という事は・・他にも誰かにあげるんかな?」
「あ、その・・・うん。シグナムとかシャマルとかリインとか・・」
「っと、あかんあかん。聞かないってゆうたのにしっかり聞いてしまいそうや。私が根掘り葉掘り聞かんうちに始めんと。じゃあ始めるで」
「うん」
こうして、はやての臨時料理教室(生徒1名)は始まった。

564 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:23:34 ID:GNzSHTUa
そして1時間後・・・・
「うん、初めてにしては上出来やな。後は冷やして固めたら出来上がりや」
「上手くいったのかな・・・なんか不安だ」
「味は私が保証したるから安心してええよ」
ヴィータを安心させるように優しく頭を撫でる。
「あ、はやて・・・材料まだ残ってるかな?」
「え〜っと、ちょい待ってな。・・・・・・・・うん、まだあるで」
「じゃあその材料使ってもいいかな?もうちょっと作りたいんだ」
「うん、ええよ。私の分は作り終わってるから全部使ってくれてもかまへんから」
「ありがと、はやて。1人で作ってみてもいい・・?」
ヴィータの意外な提案に少しだけ驚きつつ、優しく諭す。
「作り方はさっき教えたとおりやからね。火傷とかせんようにな」
「うん・・ゴメン、ワガママばっかり言って・・・」
「気にしてへんよ。シグナム達には入らんようゆうとくからな。頑張るんやで」
「絶対はやてが気にいるもの作るから!」
「根詰めすぎない程度にするんやで」
はやてはヴィータを残して厨房を後にする。
「ヴィータの本命じゃなくなってもうたなぁ、私。ヴィータが親離れして嬉しいやら寂しいやら・・・」
1人誰に言うわけでもなく呟くはやて。そんなはやてに別の人影が目に入る。
「はやてちゃん・・?どうかしました?」
「あ〜、何でもない何でもない。それよりその荷物・・・シャマル、まさか・・・・・・」
「ええ、去年と一昨年は失敗に終わりましたけど今年こそ腕によりをかけて」
「・・シャマル、ちょいと一晩私と心ゆくまで話しあおか」
シャマルの腕を強引に引っ張って2階に引きずる。
「え、えぇ!?ダメですよ、これから頑張ってチョコ作るんですから〜」
空いた手を必死に振って抵抗するシャマル。しかしその空いた手はシグナムに固められた。
「シャマル・・・去年と一昨年の惨劇、忘れたとは言わせん・・・・」
シグナムの目は静かに怒りに燃えていた。
「だから今年こそはリベンジを・・・はやてちゃん、シグナム、ストップストップ〜!」
シャマルの抵抗空しく、はやてとシグナムによって無理やり2階へと引きずられていった。
(ヴィータ、頑張りや)
念話でヴィータを励ますはやてだった。

565 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:24:43 ID:GNzSHTUa
「なんか、違うな・・・」
ヴィータははやてから教えられたとおりに作ってはみたものの同様の味が生まれず、悩んでいた。
「いやいや、はやては何年も料理を作り続けてるんだ。あたしなんかが簡単にマネ出来るわけがねぇんだ。
すぐに出来なくて当たり前なんだ。だけど、ちゃんと作らなくちゃな・・・」
残っている材料を確認し、また一から作り始める。
「・・・じれるな、これは。一撃必殺とはいかねぇし、じっと待つしかねぇのは分かってるんだけど・・・」
ひたすら待つ時間は戦闘でも一撃必殺を信条とするヴィータにとって、少々辛い時間であった。
「いつかはやてが言ってたっけ。美味しいものは時間をかけなきゃ出来ないって。あたしもここはじっと耐えねぇと・・・」
時間をかけ、じっくりゆっくり作り続ける。気がつけばとうに日付は変わっていた。
(もうちょっと、もうちょっとだけなんだ・・)
睡魔と闘う自分に必死に言い聞かせ、完成を待つ。
「出来た・・・のか・・・?」
出来上がったものを一口口の中に放り込む。
「うん、こんな感じの味・・・のはずだ。ふぅ・・やべ、ギガ・・ねみぃ・・・・」
出来上がった安心感と深夜という時間がヴィータを眠りへと誘う。

「あかんなぁ、過保護なのはわかってるんやけど・・」
はやてはシグナムやシャマルが就寝した後、ヴィータの様子をひっそりと伺いに来ていた。
「ヴィータ、調子は・・・って寝てもうたか。チョコは出来てるみたいやけど。ヴィータ、ここで寝ると風邪引くよ?」
ヴィータの体を揺するが、まるで反応がない。
「あかん、完全に寝入ってるわ・・・しゃあなあいなぁ・・・」
はやてはヴィータの小さな体を抱き上げるとそのまま自分の寝所まで運び、自分のベッドに横たえる。
「お疲れ様。よう頑張ったな」
軽くヴィータの頭を撫でると、自らも眠りについた。

567 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:25:43 ID:GNzSHTUa
「ん・・・・朝・・・・・・・・・やべぇっ!なんでもう朝なんだよ!?」
「おはようさんや、ヴィータ。朝ご飯出来てるよ?」
気がつけば朝になっている事に驚くヴィータと何もなかったように落ち着いているはやて。
「確か・・・何回かチョコ作り直してそれから・・・・・えっと・・・・・」
ヴィータは必死に昨晩の出来事を思い返す。
「チョコが出来て安心したんやないか?そのまま寝てたみたいやけど」
はやてが一つの綺麗に包装された箱を差し出す。
「ホントは私が手を出す事やない思うたんやけど、つい余計な手出ししてもうた。あ、中身はヴィータが作ったものそのままやで?」
「はやてがこの包装してくれたの?」
「あ〜・・シグナム達に気付かれへんように片付けてたんやけど、自分のチョコの包装がまだやったんよ。
せやから自分のと一緒に包装してたんや。いらん手出しやったかなぁ・・・」
ばつが悪そうに笑いを浮かべるはやて。
「そんな事ないんだ。ありがと、はやて・・・」
「ほな、朝ご飯にしよか。皆待ってるから着替えてはよ降りてくるんやで」
「うん!」
こうして2月14日の八神家の一日は始まった。
「ところで、シャマルは昨日何もしなかったのか?毎年チョコ作ってるのに・・」
ヴィータがそれとなく切り出す。
「作りたかったんだけど、はやてちゃんとシグナムが止めるんだもの」
「毎年バレンタイン後に寝込む気はない」
「ひどっ!私だって一生懸命作ってるのに」
「来年は私と一緒に作ろうな。間違っても一人で作らへんように」
「はやてちゃんまで〜・・」
「来年はリインも頑張って作るですよ〜」
他愛無い会話を交えつつ、朝食を食べ終わると一家揃って出勤していく。

568 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:26:55 ID:GNzSHTUa
機動6課内は緊急出動もなく、いたって平穏な空気である。
部隊長自らがチョコを配り歩いている事もあってか、
課内でも職務に差し支えない程度に自由に配られる光景があちこちに見られた。
「おったおった、なのはちゃん〜」
「はやてちゃん?どうしたの?」
はやては綺麗にラッピングされた箱を取り出す。
「バレンタインやからな、私特製のチョコやよ」
「嬉しいなぁ。はやてちゃんのチョコ美味しいから大好きなんだ〜」
「お返しは体でええから。むしろそっちのほうが私の好都合・・・」
「あはは、やだなぁ、もう。頭冷やそうか?」
笑顔でレイジングハートをはやての頬に当てるなのは。
「OKOK、軽い冗談やから。それは閉まってや」
「もう、面白くないよ。その冗談・・・」
はやては背中に寒気を感じ、話題を変える。
「そういやフェイトちゃんは?おおかた全身にチョコ塗りたくって「なのは、私を食べて〜」とか言い出したりして・・」
「なんで知ってるの?」
「・・・・マジ?」
「スターライトブレイカー撃っちゃった」
(あ〜・・・さっきの物音はやっぱりなのはちゃんか・・・)
はやての想像は見事に的中だった。
「一応、出来るだけ課内での砲撃は控えてもらえんかな?修理やら事後処理やら大変なんよ・・」
「はやてちゃんがセクハラ控えてくれたらね」
「いやいや、セクハラちゃうよ?ちゃうよ?スキンシップっちゅーか、バストアップっちゅーか」
その一言に再び笑顔でレイジングハートをはやての頬に当てる。
「どっちのチャージが速いか試す?」
「OK、ホールドアップホールドアップ。ジョークやから。お願いやからそれは出さんといて〜!」
さっき以上の寒気と殺気にあせるはやて。
「もう・・・・いけない、まだ私も配り終わってないんだ。じゃあまた後でね」
足早にその場を立ち去る。
「手強いなぁ、なのはちゃんは。っと、私も行かんと」

569 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:28:10 ID:GNzSHTUa
「しっかし、イザ渡すとなると何て言えばいいんだ・・・いやいや、普通に渡すだけだ。
それだけだ、それだけ。他意なんかなんもねぇし、チョコ渡すぐらいはやてもやってるし・・・」
ヴィータははやてが包装してくれたチョコを手に右往左往する。
「チョコ作ったから食べてくれ、かな。普通に。変にこういうのは捻らないほうが・・・」
「・・・ヴィータちゃん?」
自分を呼びかける声に驚く。
「な、なのは!?いつからいたんだよ!!」
「さっき、かな。ん、その箱・・・」
「なんでもねぇよ!」
後ろ手にチョコを隠す。
「そう・・・?そうだ。はい、これヴィータちゃんに」
「あたしに?」
「開けてみて」
言われるまま渡された箱を開封する。中にはチョコアイスが入っていた。
「ヴィータちゃん、アイス好きだから・・ちょっと作ってみたんだ。作るの初めてだからちょっと味とか不安だけど・・食べてみて?」
アイスを一口分口の中に放り込む。
「美味い・・・すっげー美味い!ギガウマ!」
「本当?よかった」
なのはは安堵したように笑顔を見せる。
「ヴィータちゃんの為に作ったんだよ。喜んでもらえてよかった」
「あたしの・・ために・・・・」
俯いて自分が作ったチョコを思い返す。
「あたしなんかが作ったのと全然違う・・・こんな美味いものをあたしのために作ってくれたのに・・・
あたしはあんなものしか作れなくて・・・はやてみたいに作れなくて・・・」
「ヴィータちゃん・・・?やっぱり美味しくなかった、かな」
「違うんだ。美味い。すごく美味いよ。だから自分が情けない・・・情けなくて仕方ないんだ」
「え・・・・」
ぽつりと呟くとヴィータはゆっくりと立ち上がる。
「アイス、ありがと。すげー美味かった」
それだけ言い残すとヴィータはあっという間に走り去った。
「あ、ヴィータちゃん!ヴィータ、ちゃん・・・・・」
作ったアイスと共に一人その場に取り残されるなのはだった。

570 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:29:20 ID:GNzSHTUa
機動6課の屋上。見晴らしが良い事もあり、ヴィータの隠れた時間つぶしの場ともなっている。
「やっぱ即興じゃ無理な話だったよな・・・」
自分が作ったチョコを見つめ、大きくため息をつく。
(こんな事なら前日にじゃなくてもっと早くから練習するんだったかな。今更後悔したところで何も変わらないけど・・)
自責の念にかられつつ、箱の包装をほどいて行く。
「捨てるのも勿体ねぇし、自分で食うか・・・シャマルのよりはマシなものだし」
一口大にチョコを折ると口の中に放り込む。
「はやてやなのはみたいにはいかないな、やっぱり・・・」
先ほどのチョコアイスと味を比べつつ、自分のチョコをかみ締める。
「美味しそうに見えるよ?」
その一言に思わず顔を上げる。目の前になのはの顔があった。
「うわぁっ!?な、なんでお前はそうやってイチイチあたしの死角から出てくんだよ!!」
「上の空〜って感じだったからまずは様子見ようかなって」
悪びれた様子もなく、何事もなかったように答えるなのは。
「で、何の用だよ。あたしは今1人でいたい気分なんだけど・・」
そっぽを向いてヴィータが訊ねる。
「はい。さっきのチョコアイス。ヴィータちゃんそのまま行っちゃうんだもん。だから改めて渡しに来たの」
差し出されたチョコアイスをヴィータは少し驚きつつ、受け取る。
「これを渡すために・・・?」
「うん。折角ヴィータちゃんに作ったんだもの。だから、ちゃんとヴィータちゃんに渡したかったの」
笑顔で答えるなのは。そんななのはの顔をまっすぐ見られず、ヴィータは顔を背けたままだった。
「そういえばヴィータちゃんの持ってるチョコ、誰かから貰ったりしたの?」
「いや、これはあたしが自分で作ったんだ。本当は渡したかったんだけど・・・」
「渡さないの?折角作ったんだから渡さなくちゃ」
ヴィータはなのはのその一言に俯いたまま黙ってしまう。
「渡したいけど・・・渡せないんだ・・・・」
「え・・?」

571 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:30:33 ID:GNzSHTUa
「渡したい相手からすげぇ美味いもの貰ったんだ。自分のために作ってくれたものを。本当に美味かった。
それなのにあたしはこんなものしか作れなくて・・・」
なのはは無言でヴィータの言葉に耳を傾ける。
「足元にすら及ばないものしかつくれない自分が情けなくて、悔しくて・・・だから、これは誰にも渡さない事にしたんだ。
ちゃんと自分が納得できるものが出来るまで渡したりしないって・・・決めたんだ・・・・」
ヴィータがそう言い終えると同時になのははヴィータのチョコを一口口の中にいれる。
「ダメだ、なのは!それ、美味しくないだろ・・・」
「美味しいよ、すごく。ヴィータちゃんはこのチョコを渡そうとした人に渡そうとしてこのチョコを作ったでしょ?」
「ああ・・・」
「大切なのは味じゃない。どれだけその人を想ったのか、どれだけ心を込めたのか。それが大事なんだよ。
このチョコにヴィータちゃんの想いが一杯込められる事は分かるから。だから、美味しいよ」
なのはの言葉にヴィータは自分の顔をなのはの胸に預ける。
「ヴィータちゃん?」
「すげぇよ、お前は。ホントすげぇ。それに引き換え・・・ダメだな、あたしは。都合のいい理由を作って逃げてばっかりで・・・」
ヴィータの頭をなのはは優しく撫でる。
「そんな事ないよ。ヴィータちゃんは強い子だもん」
「違う、本当は怖かったんだ。渡す勇気が無くて、拒否されるのが怖くて。
だから、味がよくないとかいい加減な理由をつけて逃げだして・・・・・」
ヴィータはなのはの胸から頭を離すと自分の作ったチョコを差し出す。
「その・・貰ってくれないか・・・?包装を剥がした挙句、ちょっと食っちまったけどさ・・・・お前に作ったんだ。
だから、こんなのでいいなら貰って欲しい・・・」
「ありがとう。大事に食べるね」
ヴィータのチョコを受け取る。
「ら、来年はもっといいもの作るからな!ぜってーだからな!お前が腰抜かすぐらいのもの作るからな!」
「うん、期待して待ってるよ。あ、じゃあ私が作り方教えてあげる」
ヴィータの頭を撫でながらなのはが提案する。
「いいよ、渡す相手から教えてもらうなんて格好悪い」
「いいじゃない、遠慮しないの」
「い・や・だ。ていうか頭撫でるな!さっきは見逃したけど、もう見逃さねぇぞ!」
そんなやりとりをする2人に別の声が聞こえる。

63 名前:現行スレ559[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:44:38 ID:BWPoMhFI
「やっと見つけた。なのは〜」
「フェイトちゃん?」
フェイトが包装された箱を手に2人にかけよる。
「さっきはゴメンね。私を食べてなんて言っちゃって。あれから考えたんだ。なのはが本当に喜んでもらえるもの」
ヴィータが念話でなのはに問いただす。
(何があったんだ、テスタロッサ・・・)
(実はフェイトちゃん、全身にチョコを塗って私を食べてって言い出しちゃって・・・)
(アホだ・・・)
そんな念話に気付かないまま、フェイトは自分が持ってきた箱を開けて中身をなのはに見せる。
「・・・・・・・・な、何かな。これ・・・・」
「ホラ、全身にチョコ塗っちゃうと食べきれないでしょ?だから私の胸で型を取ってチョコを固めたんだ。これなら十分食べれる量でしょ?」
「そう・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヴィータは怒りに震えるなのはの顔を覗き込む。
(やべぇ・・・ティアナを撃ち落とした時と同じ顔だ・・・・)
「フェ・イ・ト・ちゃ・ん?すっごく頭冷やそうか?」
「あ、あれ〜?なのは?気に入らないかな?あ、そうか。胸だけじゃ足りないよね。やっぱり私の全身・・・」
「エクセリオンバスター!!!」
なのはの叫びと同時にいつの間にか展開したレイジングハートから放出されるピンクの魔力光にフェイトの姿が消え去った。
「もう、しょうがないんだから・・・・ヴィータちゃんは絶対真似しちゃダメだからね?」
笑顔でヴィータに確認するなのは。明らかに殺気が満ち溢れていた。
「あ、ああ。真似しねぇよ。する気もねぇから。それはしまえ」
なのははレイジングハートを待機状態に戻すと、時計に目をやる。
「あ、いけない。スバル達の教導の時間。ヴィータちゃん、チョコを閉まったら行こうか」
「そうだな。折角のものが溶けたら勿体ねぇし」
2人は大事にチョコアイスとチョコを冷凍庫にしまうとフォワード陣の教導に向かった。
そしてその後は何事もなく、1日は平穏に終了する事になる。
ただし、フェイト・T・ハラオウン執務官の謎の負傷を除いて。
無論、負傷の原因は闇に葬られたのは言うまでもない。
当人いわく「愛の砲撃のせい」の模様・・・・。

64 名前:現行スレ559[sage] 投稿日:2008/02/14(木) 23:46:19 ID:BWPoMhFI
これにて投下終了です。
なのはスレで「ヴィータにはチョコアイス」の書き込みを見たらついここまで膨らんでしまいました。
フェイトさんファンに殴られそうでガクブルです。
なのは=ツッコミ
フェイト=ボケ
はやて=ボケ
の構図が出来上がってしまった自分が全ていけないんです。
フェイトさんがこんな扱いですけどフェイトさん大好きです、はい。
初投下がこんなのですみません。平にご容赦。

お目汚し、失礼しました。
2008年02月14日(木) 23:55:30 Modified by nanohayuri




スマートフォン版で見る