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寒い日が続くので、寒い夜のなのフェイを一つ。1レスです。
たまには大人っぽいフェイトさんもいいと思う。
なのはからのお誘いは、判断が難しい。
普段は私からなのはを求め、なのはが直接要求する事など滅多にないからだ。
そして語らぬ姫の要望に答えるのが、私の気持ちだ。
「フェイトちゃん、今日は冷えるね」
これはどちらだろうか。
「そうだね」
天井を見たまま、私の寝巻の端を摘むなのはの手を、両手で包み込んでしばし考える。
愛し合う二人とはいえ、毎晩互いの体を求めるわけではない。
特になのはの場合、安易に体を重ねる事なく、ただその場に私がいることを望み、穏やかに身を寄せる夜も、同様に好む傾向がある。
私が求めた場合、なのはがそれを拒否する事など、滅多なことではないが、だからこそ彼女の望みを叶えたいとも思うのだ。
「じゃあなのは、こっちにおいで」
何かしらの思いの篭った、布を摘む腕を引き寄せる。
これだけでは少しヒントが少ないからね。
「うん、フェイトちゃん。あったかい」
そう言いながらこちらを見ず、また、自ら腕を絡めようともしない。なるほど、わかってきた。
私はなのはを腕の中に丸ごと収め、頭を撫でながら言う。
「そう、なのはのことは私がいつでも暖めてあげるよ」
そして撫でる指を首筋へ、首筋から背中へ、背中から太ももへと、徐々になまめかしく移動させる。
「…やっ、なんかエッチだよフェイトちゃん」
どうやら当たりみたいだ。
寒いなら近付けばいい、しかし抱き寄せられるまで待った。
暖をとりたいならば抱きしめればいい、なのにそれをしなかった。
何か伝えたいならば目を見て、なのはがそうしなかった。
つまりなのはが望むのは、こういう事だ。
「逃がさないよ、なのは。そして可愛い姿を見せて。君がどれだけ嫌がっても、今日は我慢できそうにないんだ」
2011年03月28日(月) 14:15:57 Modified by sforzato0