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愛妻の日の小ネタ。1レスのみ。
「ママーおはっ……!」
リビングへ入るなりあいさつをしようとしたわたしでしたが、
ママたち二人の表情を見て言葉を止めてしまいました。
ソファに隣り合って座っている二人はしかめっ面で睨み合っています。
夫婦喧嘩……でしょうか。珍しい。
「あっ、おはよう、ヴィヴィオ」
「ヴィヴィオ、おはよう」
なのはママとフェイトママはにこりと笑顔を浮かべて挨拶を返してくれました。
ホッと息をついてわたしも笑顔になりましたが、その数秒後にはまた二人ともじっと睨み合いだしました。
「……ママたち、何かあったの?」
恐る恐る声を掛けてみます。
発した声は震えていました。普段は優しいママたちですが、怒らせると怖いことは身を持ってよく知っていますので。
「……今日は愛妻の日でしょ?」
「なのはへの愛をどう伝えればいいか困ってるんだ」
「私は一日一緒にいてくれるだけで十分過ぎるんだけど……」
「それだけじゃ足りないよ、なのは」
「私もフェイトちゃんに色々してあげたいんだけど、どうすれば喜んでくれるのかな?」
「私はなのはが側にいてくれることほど幸せなことはないよ」
なんのことはない、いつもの万年新婚夫婦っぷりを発揮しているだけでした。
放っといても構わないのですが、子はかすがい。
トトっと二人のもとに寄っていってその手を繋ぎ合わせました。
「あ……フェイトちゃん」
「なのは……」
これだけで二人とも頬を紅く染め、嬉しそうな笑顔が浮かびました。
本当に困った親たちです。
ちなみに、その際にわたしも両親からギュッと抱きかかえられ、同じような表情になっていたのですが、内緒にしておいてくれると嬉しいです。
2011年03月28日(月) 14:25:03 Modified by sforzato0